i ni'a「上へ」「上に」、i raro「下へ」「下に」 i roto「中へ」「中に」、i vaho「外へ」「外に」 i mua「前へ」「前に」、i muri「後ろへ」「後ろに」
【時間・空間】 また、時間、空間的な位置・場所を示す構文として i ...oあるいはi...iが頻繁に使われます。 「 o 」は「 of (〜の)」に相当します。あとの「 i 」は、「 in 」に相当します。 I ni'a o te rave「空の上へ」「空の上に」「空の上で」(rave=空) I ni'a o te moana「その海の上へ」「その海の上に」「その海の上で」(moana=海) I ni'a o te mau one「その砂の上へ」「その砂の上に」「その砂の上で」(te mau one= 多くの砂) 'A ti'a i ni'a「立て!」「立ち上がれ!」(ti'a=立つ) I raro o te 'aina「地の下へ」「地の下に」「地の下で」('aina=土地、地面、祖国) I roto i te fare「その家の中で」「その家の中に」(fare=家) I roto i te moana「その海の中へ」「その海の中に」「その海の中で」 I roto i to'u mafatu「私の心の中に」(mafatu=心) I ropu i te ava「水路の真ん中に」(ava=水路)
【【語順のまとめ】】 ここでタヒチ語の基本的な語順の組み立てについて、もう一度わかり易く説明します。 例えば以下の文章の場合 I nanahi 'ua noho 'oe i ni'a o te to'a「昨日、あなたは、その岩の上に座った」 タヒチ語では、動詞「何があったのか?」ということを一番に言います。 1.noho「座る(動詞)」 2.'ua(動詞完了マーカー) 1.+2.'ua noho「座った」(動作が完了したことが分かる) 'ua nohoは、「座った」という動詞句になります。 3.'oe「あなた」(主語・動作の主) 1.+2.+3.'ua noho 'oe「あなたは座った」 4.i ni'a「上に」。 iは、オブジェクトマーカー「に」、ni'aは「上」。 5.o te to'a「その岩の」。 oは「〜の」、te は「その(指示詞)」、to'aは「岩」 4.+5.「その岩の上に」 6.I nanahi「昨日(に)」。 I「〜に」、nanahi「昨日」 6.の情報により、動詞句'ua nohoが過去完了であったことがはっきりします。 I nanahi「昨日」は絶対的な過去の時間です。一方'uaは動作が完了したことを示すだけで、未来完了「明日、この仕事が終わったときに・・・」もあり得るので、文章の中の「絶対的な時間」は文章の正確な翻訳には不可欠なものです。 もし、文章の中に絶対的な時間を示す単語がない場合は、'uaのデフォルト用法により「過去完了」と見なします。 以上のような文章の構成になるのですが、この構造は V+S+i+te+O という基本中の基本文型ということになります。 V=動詞 S=主語 i=オブジェクトマーカー te=定冠詞 O=目的語 I ni'aは、「補語」ですが、「副次補語」「状況語」などとも呼ばれます。文章構成上の必須語ではなく、状況をより詳しく説明している語です。
【【前置詞】】 上の例でも紹介されている「 i 」は、前置詞の中のひとつです。 前置詞は、名詞の前に置かれて、その名詞と他の単語とを関連付ける役割を持っています。 多くの種類がある一方で、ひとつの前置詞が場合によって「〜を」であったり、「〜に」であったり、「〜で」「〜へ」など、色々な使われ方をするので、文脈を見て適切な訳語を選びます。
【【 i (人称代名詞の前にある場合はiaになります)】】 多くの場合i は、オブジェクトマーカー(目的語の目印)の役目を持っていて、文章ではこの後ろに続くのが目的語となります。 【iその1.「〜を」後ろに続くのが直接目的語(動詞の動作が直接に及ぶ対象)】 i te tamari'i「その子供を」 'Ua here au i te tamari'i「私はその子供を愛した」 'Ua(動詞完了マーカー) here愛する au私は i〜を(オブジェクトマーカー) teその(定冠詞) tamari'i子供 'Ua tanu 'oia i te tiare「彼女は(その)花を植えた」 'Ua tanu植えた 'oia彼女は i〜を(オブジェクトマーカー) teその(定冠詞) tiare花 * タヒチ語の場合定冠詞teを必ずしも「その」と翻訳する必要はありません。
【iその2.「〜に・〜において・〜のところに」後ろに間接目的語(とき・場所などを補足する目的語)が来るとき】 i teie po「この夜に」、i te mou'a「その山において」 E ho'i mai ia vau「私のところに戻ってきてください」 E ho'i戻る mai(話者への方向) ia〜に vau私 'Ua tanu 'oia i te tiare i te mou'a「彼女はその山に花を植えた」 'Ua tanu植えた 'oia彼女は i〜を(オブジェクトマーカー) teその(定冠詞) tiare i〜に(オブジェクトマーカー)mou'a山
【iその3.「〜で」後ろに間接目的語(動作がおこなわれる場所などを補足する目的語)が来るとき】 i Tahiti「タヒチで」、i te mou'a「その山で」、i roto i ○○「○○の中で」 E ti'i au i te anani i te mou'a「私はその山でミカンを収穫する」 E ti'i収穫する au私は i〜を(オブジェクトマーカー) te(冠詞) ananiミカン i 〜で(オブジェクトマーカー)teその(冠詞) mou'a山
【iその4.「〜へ」後ろに間接目的語(動作の方向・目的の場所・終着点を補足する目的語)がくるとき】 i Mo'orea「モオレアへ」、i to'u fare「私の家へ」、i te moana「海へ」 'Ua rere mai matou i Mo'orea「私たちはモオレアへ飛んで来た」 'Ua(動詞完了マーカー) rere飛ぶ mai(こちら) matou私たち i〜へ(オブジェクトマーカー)Mo'orea E haere atu au i te moana「私はその海へ行く」 E haere atu行く au私は i〜へ(オブジェクトマーカー) teその(冠詞) moana海
【na(iと同じような働きをするが、naはiに比べて、より意味を強調したり限定したりする)】 【naその1.「〜で」、「〜において」(位置・場所)】 na tahiti「タヒチにおいて」、na te fare「その家で」
【naその2.「〜に向かって」(方向)】 E haere au na te moana「私は海を目指している」 E haere行く au私は na目指す teその(冠詞) moana海
【naその3.「によって」(行為者・手段・方法)】 na te Atua「神によって」 na te va'a「カヌーで」
【naその4.「のため」(目的)】 na taua「私達のため」
【naその5.「〜のものである」(所有)】 na 'oe「あなたのものである」
【【mai「〜から」先述のnaの逆で、こちらへ向かう動作】】 【maiその1.】 mai te motu「その島から」 mai te vahine metua「母親から」
【maiその2.「〜と、〜と共に」】 mai te hoa「その友人と共に」 mai共に teその(冠詞) hoa友人
【【no「〜から」(源、起源、出どころ)、「〜の」(所有)、「〜のために」】】 【noその1.「〜から」(源)】 no te fenua Tahiti「タヒチという国から」 No te mou'a o te fenua「祖国の山から」 No〜から teその(冠詞) mou'a山 o〜の te(冠詞) fenua祖国
【noその2・「〜の」(所有)所有の強弱によってnaにもなる】 aroha no 'oe「あなたの情愛」 Te tiare no Tahiti「タヒチの花」 Te(冠詞) tiare花 no〜の Tahitiタヒチ No 'oe teie fare「この家はあなたのものです」 No〜の 'oeあなた teieこの fare家
【noその3.「〜のために」】 no te here「愛のために」 E 'a'ahu no te vahine「その女性のための服」 E(不定冠詞) 'a'ahu服 noのための teその(定冠詞) vahine女性
【o「所有」(英語のofにあたる)所有の強弱によってaにもなる】 o te ra'i「空の」 Te feti'a o te ra'i「空の星」 Te(冠詞) feti'a星 o 〜のte(冠詞) ra'i空
【to「所有」所有の強弱によってtaにもなる】 To te ra'i feti'a「空の星」 to 'oe「あなたの(もの)」