葦原風太郎想像空間天寿国の末裔コミュの聖武天皇御傳

《　聖武天皇　》＜　　聖武天皇御傳　　　『　　』表記　東大寺　筒井英俊　より抜粋　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　文中行頭「　　」続日本紀　宇治谷孟　講談社学術文庫（上）

【大寶元年】(７０１)　
『是歳、誕生し給ふ。』

【慶雲四年】(７０７)
『六月十五日　御父　文武天皇崩じ給ふ。』　

【和銅七年】(７１４)
『六月二十五日　皇太子元服し給ふ。仍て二十八日天下に大赦す。』　　　　　　　　　

【霊亀元年】（７１５）
『一月一日　皇太子、天皇と共に朝を受け給ふ。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『一月十日　皇太子拝朝、瑞雲顕はる。よって天下に大赦す。』　　　　　　　　　　　　
『九月二日　元明天皇、皇太子幼少につき、皇位を氷高内親王に傳え給ふ。』

【養老二年】(７１８)
『是年　阿部皇女誕生し給ふ。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

【養老三年】（７１９）
『一月二日　元正天皇、朝賀を受け給ふ。武智麻呂等、皇太子を先導して大極殿に入る。』
『六月十日　皇太子始めて朝政を聴き給ふ。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『十月十七日　元正天皇、皇太子幼少にして政道に審ならざるにより、舎人・新田部、両親王を補佐の臣となし給ふ。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

【養老五年】（７２１）
『一月二十三日　佐為王・山上憶良等十六人に詔し、東宮に持講せしむ。』　　　
『九月十一日　井上内親王を斎宮とし給ふ。』　
『十二月七日　元明天皇崩じ給ふ。』

【養老六年】（７２２）
『一月二十日　皇太子の奏により、三宅麻呂等の死一等を減ず。』

【神亀元年】(７２４)
『二月四日　皇太子即位、詔して天下に大赦し、文武の職掌・高齢・孝子・節婦等を表彰し給ふ。』
『是日　舎人・新田部、両親王に封戸・位階を増進し、長屋王を左大臣とす。』
『二月六日　勅して、御母藤原宮子夫人を大夫人称せしめ給ふ。又、内親王及王等に叙位し給ふ。』
『三月一日　天皇芳野宮に行幸し、五日平城京に還り給ふ。』
『三月二十二日　長屋王等の奏言により、皇太夫人・大夫人の用語を正さしめ給ふ。』　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『三月二十五日　奥州の蝦夷、反乱す。』　　　　　　　　　　　　　　　　
『四月一日　七道諸国をして、兵器等を造らしむ。』
『四月七日　藤原宇合を持節大将軍、高橋安磨呂を副将軍とし、蝦夷を鎮厭せんとす。』
『四月十四日　坂東九カ国の軍兵三萬人に騎射等を訓練せしめ綵帛・絁・綿・布を陸奥の鎮所に送る。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『五月五日　天皇、朱雀門に御し、獵騎を観給ふ。』　
『五月二十四日　小野朝臣牛養を鎮荻将軍とし、出羽の蝦夷を鎮めんとす。』
『七月十三日　夫人石川朝臣大蕤比賣薨じ給ふ。』
『八月二一日　土師宿爾豊麻呂を遣新羅大使となす。』
『十月一日　冶部省、京及び諸国の僧尼の名籍を勘検し、公験を給わらん事を奏す。』
『十月五日　天皇、紀伊國に行幸し給ふ。』　　　　　　　　　　　　　
『十月十二日　天皇、紀伊國玉津嶋頓宮の東に離宮を造り、十六日、明光浦に守戸を置き、風致を護らしめ給ふ。』
『十一月八日　太政官奏し、京師の五位巳上庶人に至る迄、その営に堪える者をして、瓦屋を造立せしめ、帝徳を表はさんとす。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『十一月二十三日　大嘗會を行ふ。この日、神楯を斎宮の二門に立つ。』　　　　　　　　
『十一月二十九日　征夷持節大将軍藤原宇合等帰還す。』

【神亀二年】(７２５)
『閏正月十七日　災異を除かんが為に、宮中にて大般若経を讀誦せしむ。』　　
『三月十七日　　浮賊の災に遇へる常陸国の百姓に賑恤を加え給う。』　　　　　　　　　
『是月　天皇、恭仁離宮に行幸し給う。』　　　　　　　　　　　　　　　　　
『五月　天皇、芳野の離宮に行幸し給う。』　　　　　　　　　　　　　　　
『五月二十二日　遣新羅使、土師宿爾豊麻呂帰還す。』　　　　　　　　　　　　　
『七月十七日、七道諸国に詔して、諸国の神社を清掃せしめ、寺院に於いては金光明経を読誦し、諸國の平安を祈らしめ給ふ。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『七月二一日　伊勢・尾張二國の田を志摩國の百姓に班給す。』　　　　　　　　　
『九月二十三日　天皇、転変地変の積を感じ給い、三千人を出家せしめ、七ヶ日の転経により災異を除かんと欲し給う。』　　　　　　　　　　　　　　
『十月十日　天皇難波宮に行幸し給う。』
『十一月十日　天皇、大安殿に於いて、諸臣より冬至の賀辞を受け給う。』
『十二月二十一日　天皇、人命を重んじ給い、死罪・流罪の囚徒の罪を減じ給う。』

【神亀三年】（７２６）
『三月三日　天皇、南苑・御座所に官人を召し、塩・鍬を下賜し給う。』
『五月二十四日　新羅使来朝す。』
『六月五日　新羅使、貢物を献ず。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『六月十四日　天皇、国民の病に辛苦するを憂い、医薬を施して救療し給う。』
『六月十五日　この日より元正天皇、御病し給う。仍てその快癒を祈り諸国をして放生せし
む。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『七月十三日新羅使の帰国當りて、璽書を給ひ、その忠勤を愛で給う。』　　　　　　　　
『七月十八日、元正太上天皇、御病未だ平癒せず。仍てこの日より疾病の民に湯薬を施し、僧尼を度し、諸社に幣帛を奉る。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『七月　天皇、元正太上天皇の、快癒を祈り、興福寺内に東金堂を建立し給う。』
『八月八日　天皇元正太上天皇の奉為に像佛・写経し、薬師寺に斎を設け、その快癒を祈り給う。』
『九月十二日今秋大に稔って天下豊潤、天皇、百姓と慶びを共にせんとし田祖を免じ給う。』
『九月十五日　内裏に玉來生ず。仍て勅して玉來の詩賦を作らしむ。二十七日播磨国に幸せんとし宮司を任じ給う。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『十月七日　天皇、播磨国印南野に行幸し、二郡の百姓等に物を賜ひ、十九日難波宮に至り給う。』
『十月二十六日　藤原宇合を知造難波宮事に任じ、二十九日平城京に還り給う。』
『十二月二十四日、尾張・遠江國の飢饉・水害にあたり、賑貸を加え給ふ。』

【神亀四年】(７２７)
『一月三日　天皇、大極殿にて朝を受け給う。この日、白雀等を献ず。』　
『二月九日　難波宮を造らんとす。雇民には課役・雑徭を免ず。』　　　　　　　
『二月二十一日　災異止まざるをもって、左大臣長屋王をして勅を宣べさしめ、官人奉公の善、不善奉聞せしめ、又、諸國々司の勤怠を巡監せしむ。』
『二月二十三日　天皇今秋の豊饒を冀ひ、庶人に至る迄、塩・穀を賜ふ。』
『三月三日　諸司、勅を奉じて官人善悪の状を報告し、十三日、天皇、正殿にて善政の者に物を賜ふ。』　
『三月二十二日阿部朝臣廣庭勅を宣べ、衛府の官人の労苦を思ひ、布を賜ふ。』　
『五月四日　天皇、恭仁の離宮に行幸し、六日、平城京に帰り給う。』
『七月二十七日　筑紫諸国の庚午年籍に官印を印す。』　　　　　　　　　　　　　　
『九月三日　井上内親王を伊勢太神宮に侍らしめ給う。』
『九月二一日　渤海の使者、出羽国に漂着す。仍て使いを遣わし、時服を賜ひ慰問せしめ給う。』　　　　　　

『九月二十九日皇子誕生し給ふ。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『十月二日　安房・上總二國、台風等により災害を蒙るにより、賑恤を加へ給ふ。』
『十月五日　天皇、皇子誕生の為に中宮に幸し、官人等に物を賜ひ、罪人の科を赦し給ふ。』
『十一月二日　太政官及び八省、皇子の誕生を賀し奉る。この日、詔して皇子を皇太子となし給ふ。』
『十一月八日　南東の嶋人来朝す。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『十一月二一日　光明子藤原夫人に、食封一千戸を賜ふ。』
『十二月十日　僧正義淵の巧を嘉し、勅して市往氏を改めて、岡連姓を賜ふ。』　　　　　
『十二月二十日　巡監使の奏上に依り、詔して勤怠の国司に賞罪を加へしめ賜ふ。』
『是日　渤海国の使者入京す。仍て二十九日衣服等を遣わし賜ふ。』

【神亀五年】（７２８）
『一月十七日　渤海国使、国書・貢物を奉り国交を敦くせん事を願ふ。是日国司に物を賜ひ、慰安をせしめ賜ふ。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『二月十六日　引田朝臣虫麻呂を送渤海客使となす。』
『三月三日　天皇、鳥池の塘に御し、文人を召して曲水の詩を賦せしめ賜ふ。』
『三月二十八日　勅して内外五位の等級を定め、且つ資人の考選につき定め賜ふ。』
『是日　京師の文武の官人に馬料を給ふ。』
『四月十六日　渤海国司に国書を賜ひ、舊好を復し、國使の帰路平安を望み給ふ。』
『四月二十五日　諸国に勅して、詔あらば騎射・相撲・膂力の者を即時貢進せしめん事を定め給ふ。』
『五月十六日　平城左右京百姓七百餘烟に布・穀等を賜ふ。』
『六月五日　送渤海使等拝辞す。
『七月二十一日　勅して、大学寮の博士・直講等の定員を定め賜ふ。』　　　　　　　
『八月一日　詔して養鷹を禁じ賜ふ。又是日、直して内匠寮を設け、中衛府を置き賜ふ。』
『八月九日　諸国の史生・博士・醫師の数、（並）に考選の叙限を改正す。』　　　　

『八月二十一日　皇太子の御病平癒を願ひ、勅して造佛・写経等をなし、天下に大赦し給ふ。』
（神亀五年八月観世音菩薩像百七十七体、経百七十七巻の奉納と読経を命ずる。大赦令を発する。）
『八月二十三日　天皇、東宮に御し給ふ。又皇太子の御病の快癒を願ひ、諸陵に奉幣せしめ給ふ。』

『九月十三日　皇太子薨じ給ふ。御年二歳。十九日那富山に葬る。』
『九月二十九日　流星、断散して宮中に落つ。』　　　　　　　　　　　　　　　
『十月二十日　僧正義淵卒す。』
『十一月三日　智奴王を造山房司の長官とし、二十八日智行僧九人を住しめる。』
『十二月二十八日　金光明経六十四帙を諸国に頒ち、国家の平安を祈らしむ。』　　
『是歳　天皇、難波宮に行幸し給ふ。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

【天平元年】（７２９）
『一月十六日　新春に當り、京・畿内の官人等に酒料を賜ふ。』
『一月二一日　五位以上の高年の官人にして、朝賀し得ぬ者を慰問せしめ給ふ。』
『二月十日、漆部造君足等、長屋王の謀反を密告す。よって三関を固守せしめ六衛府の兵をして長屋王の宅を囲ましむ。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『二月十一日　舎人親王新田部親王を長屋王宅に遣し、その罪を糾問せしむ。』
『二月十二日、長屋王自蓋す。その室吉備内親王も亦自殺し、家人等悉く捉へらる。』
『二月十三日　長屋王・吉備内親王の屍を生駒山に葬る』
『二月十五日　勅して、国司をして長屋王の残党を滅除せんとし給ふ。』　　　　
『二月十七日　長屋王と交渉ありし上毛野宿奈麻呂等配流せしめらる。』
『二月十八日　長屋王の昆弟・姉妹等悉く赦免せしめ給ふ。是日、百官大祓す。』　　　
『二月二一日　長屋王事件に徴発せる百姓の雑揺を免じ、密告者漆部造君足等に恩賞を賜ふ。』
『二月二十六日　長屋王の弟・姉妹等に給禄せしむ。』　　　　　　　　　　　　　　　
『三月三日　天皇、松林苑に幸して、群臣を労ひ給ふ。』　　　　　　　　　　　　　
『三月二十三日　太政官奏に依り、諸国貢調の廣絁を狭絁とし、口分田を公収し班田することを許す。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『四月三日　勅して、異端・幻術・咒咀等修学の輩を斬首或いは配流せしめんとし給ふ。』
『是日、勅して伊勢大神宮の調絁を割き、毎年中臣朝臣等に給ふ。』　　　　　　
『五月五日　天皇、松林苑に幸し、王臣等に宴を給ふ。』　　　　　　　　　　　
『六月一日　仁王経を朝堂及び諸国に講ず。』　　　　　　　　　　　　　　　
『六月二十日　左京職より、瑞亀を献ず。』　　　　　　　　　　　　　　　　
『六月二十一日　薩摩の隼人等朝貢す。』　　　　　　　　　　　　　　　　　
『六月二十四日　天皇、大極殿に御する時、隼人歌舞を奏す。』　　　　　　　
『七月二十日　大隈の隼人等調物を献す。』
『八月五日　亀瑞に依り、神亀六年を改め天平元年とし、公卿・百官に叙位、ならびに天下に大赦し給ふ。』
『是日、諸陵に奉幣し、又諸陵司を改めて寮とす。』　　　　
『是日、国司をして夫々当該國の天地神祇を祭らしむ。』　　
『是日、志賀山寺を官寺の列に入らしむ。』　　　　　　　　　　　　　
『是日、瑞亀を献ぜし賀茂子虫・唐僧道栄に叙位、褒賞せしめ給ふ。』
『八月十日、詔して、藤原夫人を皇后となし給ふ。』　　　　　　　　
『十月七日　僧綱を補任す。』
『十一月七日　京及び畿内の班田司を任ず。又是日、太政官、親王・王臣・官人等の位田・功田等、井に寺社田等の改易等につき奏す。』　　　　　　　　　　　　　　　　
『是歳　天皇、道慈をして大安寺を修営せしめ給ふ。』　　　　　　　　

【天平二年】（７３０）
『一月十六日　天皇、晩頭皇后宮に幸し、宮裏にて短籍を探らしめ諸臣と遊宴し給ふ。』
『二月二日　釋奠(しゃくてん)を行ふ。勅して大学寮の博士・学生等を慰労せしめ給ふ。』
『三月十三日　周防国能毛・吉敷二郡の銅を長門の鋳銭に充つ。』　　　　　　　　　　　
『三月二十七日　好学優良なる大学生・陰陽・醫術・暦曜・譯語の諸博士等に時服を賜ひ、絶業を防がんとす。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『四月十七日、皇后宮職に施薬院を置く。』　　　　　
『四月二十八日　光明皇后、興福寺内に五重塔一基を造立し給ふ。』　　　　　
『閏六月十七日　去月の天変により、新田部親王に勅して諸社に幣帛せしめ給ふ。』
『閏六月二十七日　勅して、畿内の百姓の産業を検察せしめ給ふ。』　　　　　
『七月十一日　詔して、斎宮年料に官物を充用せしめ給ふ。』
『七月十七日　天皇、伎楽貳具を大官大寺に施入したまうふ。』　　　　　　　
『九月二十九日　詔して、盗賊・海賊の逮捕、妖祠・妖言をなし民衆を惑乱するを停め、又、殺生を禁断せしめ給ふ。』　　　　　　　　　　　　　　　　　

【天平三年】（７３１）
『一月二十七日　大伴宿禰旅人・櫻井王等に位階を進む。』
『六月二十四日　勅して戸座の時服料・月料を定め給ふ。』　　　　　　　　　　　　　
『七月二十九日　雅楽寮の雑学生の定員を定む。』　　　　　　　　　　　　　　　　
『八月五日　諸司の主典以上を内裏に召し、政務の刷新を計らんとし給ふ。』
『八月七日　主典以上三百九十六人、労病、事務の能・不能を上表す。
『是日、行基に従う優婆塞・優婆夷等にして老年男女の入道を許す。』
『八月二十五日　是歳豊稔により、詔して国民と共に慶を分かたんとし、田祖の半を免じ給ふ。』
『九月八日　天皇「雑集」を書写し給ふ。』　　　　　　　　　　　　　　　
『十一月十六日　天皇、京中を巡幸し給ひ、禁獄の死罪人以下を免じ、衣服を賜ふ。』
『十一月二十二日　畿内に惣管、諸道に鎮撫使を置く。』　　　　　　　　
『十一月二十八日　大惣管・副惣管、鎮撫使の随身及び職責を定む。』
『十二月二日　甲斐國、黒身白髦の神馬を献ず。』　　　　　　　　　　　
『十二月二一日　詔して神馬出現の慶びを祝い、天下に大赦し、高年・孤独の者等に賑給し給ふ。』

【天平四年】(７３２)
『三月二十六日　知造難波宮事藤原宇合等に物を賜ふ。』
『五月十一日　新羅使入京す。十九日、使金長孫等種々の財物を貢す。二十一日、詔して三年に一度の来朝を許す。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『六月二十八日　此の夏、陽旱にして雨を得ず。』
『七月五日　亢旱により、詔して諸国に祈雨し、天下に大赦し賜ふ。』
『七月六日　詔して、畿内百姓の猪を野に放たしめ賜ふ。』
『八月十七日　多冶比真人廣成を遣唐使に任じ、(併)せて諸道節度使を任ず。』　
『九月四日　使いを近江國等に遣して遣唐使船四艘を造らしむ。』
『十一月二十七日　天皇、南苑に御し、高齢者に絁・綿を賜ふ。』
『十二月十七日　河内國丹比郡に狭山池を築く。』　　　　　　　　　　　　　　

【天平五年】(７３３)
『一月十一日　光明皇后生母、橘三千代薨じ給ふ。』
『一月二十七日　去年の旱害によりて、讃岐・淡路國等の百姓飢餓す。依て賑給す。』
『二月七日　紀伊國旱害あり。十六日、大和・河内國の百姓に賑給す。』
『三月十六日　旱害により遠江・淡路に賑給す。閏三月二日、和泉紀伊等諸國に大税を借貸し百姓の生業を援けしむ。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『閏三月二十六日　遣唐使多冶比真人廣成に節刀を給ふ。』　　　　　　　　　
『四月三日　遣唐船、難波津を進発す。』　　　　　　　　　　　　
『是日　興福寺栄叡・大安寺普照、戒師を求めて遣唐使と共に入唐す。』
『五月二十六日　光明皇后の不豫により、勅して天下に大赦し給ふ。』
『七月六日　初めて盂蘭盆の供養を執行せらる。』　　　　　　　　　　　　　　　　
『八月十七日　天皇、朝に臨み、庶政を聴き給ふ。』
『九月二十三日　遠江国君子部眞鹽女、三男を生む。』
『是歳　旱害により、百姓に賑貸す。』
『是歳　光明皇后、佛具を法隆寺に施入し給ふ。』　　　　　　　　

【天平六年】(７３４)
『一月十一日　光明皇后、先妣　橘大夫人三千代の菩提のために興福寺内に西金堂を建立し、供養し給ふ。』
『二月一日　天皇、朱雀門に御し給ひ、歌垣を覧給ふ。』　　　　　　　　　　　　　　
『是月　光明皇后、幡・薬等を法隆寺に施入し給ふ。』
『三月十日　天皇、難波宮に行幸、竹原井宮に至り、十九日環御あり。』
『三月十五日　四天王寺に三年を限り、食封二百戸を施入す。』　　　　　　　　　　　　　
『是月　光明皇后、雑物・櫃等を法隆寺へ施入し給ふ。』
『四月三日　難波宮行幸により、河内三群の今年の田祖を免ず。』　　　　　　　　
『天平六年(７３４)四月七日大地震、天下百姓の家屋倒解甚し。廿一日、使者を京・畿内に遣し百姓の疾苦を問はしめ給ふ。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『七月七日　天皇、相撲を観、又七夕の詩を文人に賦せしめ給ふ。』　　　　　　
『七月十二日　天下の災異甚しきにより、大赦す。』
『九月十三日　難波宮に官人の宅地を班給す。』
『十一月二一日　太政官の奏により、僧尼の度者をして法華経・最勝王経を闇誦せしめん事を定めしむ。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『是歳　天皇、写経司に命じ、一切経を書写せしめ給ふ。』　　　　　　　　　　　

【天平七年】(７３５)
『三月七日　遣唐使多冶比真人廣成等帰朝す。』　　　　　　　　　　　　　　　
『四月二十六日　下道朝臣眞吉備・僧玄昉帰朝し唐禮・一切経等を将来す。』
『五月五日　天皇、北の松林苑に御し・騎射・唐楽を覧給ふ。』　　　　　　
『五月二十三日　天皇災異の頻発を憂ひ給ひ、天下に大赦し給ふ。』
『五月二十四日　宮中及び大安寺等四大寺に於て、災害を消除せんが為に大般若経を轉讀せしむ。』
『六月五日　勅して所寺の併合を禁じ、修造を加へしめ給ふ。』
『八月十二日　太宰府管内に疫瘡流行して病死する者多し、勅して、神社に奉幣し、又所寺に読経せしめ、疫民に薬湯を給ふ。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『九月三十日　新田部親王薨じ給ふ。』
『十月五日　詔して、親王薨去に當って七々日の斎設くべきを定め給ふ。』
『十一月八日　天皇の外祖母、賀茂朝臣比賣卒す。』
『十一月十四日　舎人親王薨じ給ふ。依りて太政大臣を追贈す。』
『閏十一月十七日　災異頻発す。依て詔し、天下に大赦し給ふ。』
『閏十一月二一日　朝集使を詔し、國司の精勤ならん事を宣し給ふ。』
『是歳　本年不作にして、諸国裳瘡により死せる者甚だ多し。』　　　　　　

【天平八年】(７３６)
『二月七日　僧玄昉・道慈に食封並びに童子等を賜ふ。』
『二月十二日　光明皇后、佛具等を法隆寺に施入し給ふ。』
『三月一日　天皇、山城甕原離宮に行幸、五日環行し給ふ。』　　　　　　　　　
『三月二十日　諸國の公田は、國司郷士の沽價に随って賃租し、公廨に供せんとす。』
『六月二十七日　天皇、吉野の離宮に行幸し給ふ。』
『七月十三日　天皇、吉野より環行し給ふ。』
『七月十四日　元正太上天皇不豫により、詔して四大寺の僧をして行道せしめ、諸國疾病の百姓・僧尼等に湯薬を賜ふ。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『七月二十三日　遣唐副使中臣朝臣名代等拝朝す。この頃、婆羅門菩提遷那・唐僧道璿・林邑僧佛哲等来朝す。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『十月二日　遣唐副使に随ひ来朝せし唐僧道璿菩提遷那等に時服を賜ふ。』
『十月二十二日　太宰府所管の諸國、疫瘡により困窮す。仍て、詔して免租し給ふ。』
『十一月十一日　葛城王等、橘宿禰姓を賜はり降臣せん事を願ふ。』
『十一月十九日　五穀不饒により、四畿内等の今年の田租を免ず。』

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[1] mixiユーザー 02月15日 01:05

【天平九年】（７３７）
『二月十四日　天皇、朝に臨み、栗林王・矢代王等に位を進め賜ふ。』
『二月十五日　遣新羅使、新羅國の無禮を奏す。仍て官人を内裏に召して、意見を陳べしむ。』
『二月二十二日　諸司、新羅國に對する意見表を奏上す。』
『三月三日　諸國に釋迦佛造等を造り、大般若経を写さしむ。』
『四月一日　使いを伊勢神宮等に遣して、新羅國の無禮を告げしむ。』
『四月八日　大安寺道慈、天下の災害を除かんとして、毎年大般若経轉讀の勅許を乞ふ。』
『四月十四日　陸奥持節大使藤原麻呂等、東國・陸奥國蝦夷鎮撫の状を申す。』
『四月十七日　参議藤原朝臣房前薨ず。』
『『四月十九日　太宰府管内の諸国疫瘡に倒る者多し。依て諸社に奉幣し、貧窮罹病の者に薬湯を賜ふ。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『五月一日　日蝕、僧六百人を宮中に請じ、大般若経を讀ましむ。』　　　　　　　　　
『五月十九日　天皇、四月以来の疫瘡・旱害甚だしきを憂ひ給ひ、、天下に大赦し給ふ。』
『六月一日　疫瘡流行により廃朝す。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『七月五日　疫瘡により大倭・伊豆・若狭に賑給し、十日、伊賀・駿河・長門の疫飢の民に賑給す。』
『七月十三日　参議藤原朝臣麻呂薨ず。』
『七月二十三日　疫瘡流行。右大臣藤原武智麻呂病む。仍って天下に大赦す。』
『七月二十五日　右大臣藤原武智麻呂薨ず。』　　　　　　　　　　　　　　　　
『八月二日　諸國の僧尼に命じ月に二三度、最勝王経を讀ましむ。』　　　　　　
『八月五日　参議藤原朝臣宇合薨ず。』
『八月十三日　春より災気發って官人百姓の死亡殊に多し。仍て、詔して今年の租賦を免じ、諸社に奉幣せしむ。』
『八月十五日　天下太平・国土安寧を祈らんが為に、宮中に於いて大般若・最勝王経を読ましめ、天下に僧を度す。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『八月二十六日　玄昉を僧正、良敏を大僧都に任ず。』
『九月二十二日　百姓の逃亡を憂ひ、詔して國司に誡告し給ふ。是日筑紫人をして壱岐・對馬を守らしむ。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『十月二十七日　金光明最勝王経を大極殿に於いて講ぜしむ。』　　　　
『十一月三日　使者を諸國に遣わして、諸神社を修造せしむ。』
『十二月二十七日　大倭國を大養徳國と改む。是日、皇太夫人藤原宮子、皇后宮にて玄昉と会す。
天皇亦皇后宮に幸す。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『是　歳　　春、疫瘡筑紫より流行し、秋に亘って公卿百姓の死する者、極めて多し。』

【天平十年】(７３８)
『一月十三日　阿部内親王を皇太子となし、天下に大赦す。』　　　　　　
『三月二十八日　山階寺・鵤（いかるが）寺・隅院等に食封を施入す。』
『四月十七日　国家の隆昌を祈らむが為に、七道諸國に最勝王経を轉讀せしむ。』
『四月二十二日　勅して、賀茂の祭の日、人馬の繪集・闘乱を禁じ給ふ。』
『五月二十四日　橘諸兄等を伊勢大神宮に遣して、神寶を奉らしむ。』
『七月七日　天皇、大蔵省に幸して相撲を覧給ひ、晩頭、西池宮に御し、文人に詔して梅樹の詩を賦さしめ給ふ。
『八月二十六日　諸国に國郡の圖を造らしめ、奉らしむ。』　
『十月二十五日　諸國に巡察使を遣して、国政を視察せしむ。』　　　　　　

【天平十一年】(７３９)
『二月廿六日　光明皇后、不豫により、天下に大赦す。』
『三月二日　天皇甕原離宮に幸し、五日環幸し給う。』
『三月二一日　對馬にて獲たる神馬を瑞祥とし、天下と共に悦び給ひ、孝子・老年等の人に物を賜う。』
『三月二十三日　天皇・太上天皇、甕原離宮に行幸し、二十六日環行し給ふ。』
『五月四日　天皇、玄昉僧正の疾を患ひ、佛頂尊勝陀羅尼経を写さしめ、平癒を祈願し給ふ。』
『五月二十三日　詔して、諸國郡司の定員を改正す。』
『五月三十日　詔して、諸國正税出学の利を免ぜしむ。』
『七月十四日　詔して、豊作を祈らんがために、諸寺に五穀成熟経を轉讀せしむ。』
『十一月三日　遣唐使平群廣成拝朝す。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『十二月十日　渤海使己珍蒙等拝朝し、国書を奉る。』
『是歳　天皇、高円の野に遊猟し給ふ。』

[2] mixiユーザー 02月15日 01:06

【天平十二年】(７４０)
『一月十七日　天皇、大極殿の南門に幸し給ひ、大射を覧給ふ。』
『二月七日　天皇、難波宮に行幸、十九日環行し給ふ。』
『是月　天皇河内大縣郡知識寺に行幸し、盧遮那佛像を禮し給ふ。』　　　　　　　
『五月十日　天皇、橘諸兄相楽別業に幸し給ひ、同十二日に環御し給ふ。』
『六月十五日　勅して国家の太平を寿ぎ、天下に大赦し給ふ。』
『六月十九日　諸国に法華経を写さしめ、七重塔を建てしむ。』　　　　　　　　　
『八月二十日　和泉の監、河内國を(併)す。』
『八月二十九日　藤原廣嗣表を上って、僧正玄昉等を除かんとす。』　
『九月三日　藤原廣嗣兵を起して反す。依て、大野東人等に勅して之を討たしむ。』
『九月五日　更に佐伯宿禰常人等に勅して廣嗣を討たしめんとす。』
『九月十一日　廣嗣の乱により、幣帛を伊勢大神宮に奉る。』
『九月十五日　廣嗣征討のために諸国に勅して、國毎に観世音菩薩像を造らしむ。』
『九月二十四日　大将軍大野東人等、戦況を報告す。』
『九月二十九日　太宰府管内の諸國の官人・百姓に勅して、廣嗣殺戮の者に、嘉賞せん事を示し給ふ。』
『十月八日　良辨、天皇の奉為に金鐘寺に於て、華厳経講説を創始す。』
『十月九日　大将軍東人に詔し、八幡大神に廣嗣降伏を祈請す。この日東人、戦況を報告す。
『十月二十六日　天皇、大野東人に勅して、関東に行幸し給はんとす。』
『十月二十九日　天皇、廣嗣の乱により、伊勢國に行幸し給ふ。』
『十一月一日　天皇、伊勢国阿保頓宮に幸し給ふ。二日、関宮に宿し、三日大神宮に幣帛せしめ給ふ。』
『十一月三日　大将軍大野東人、藤原廣嗣を肥前國松浦郡に捕へし事を報ず。』
『十一月四日　天皇、伊勢國和遲野に遊猟し給ふ。』
『十一月五日　大野東人等、去る一日、肥前國松浦郡に藤原廣嗣等を切りし事を報ず。』
『十一月十二日　天皇、川口の頓宮を発し給ひ、二十六日、美濃國當伎郡に到り給ふ。』
『十二月一日　天皇、美濃國不破頓宮に到り、横川・犬上・野洲等の頓宮を経て、十四日、山城玉井頓宮に到り給ふ。
『十二月十五日　天皇、恭仁宮に幸して京都を作らしめ給う。』

【天平十三年】(７４１)
『一月一日　天皇、宮垣成らざる恭仁宮にて朝を受け給ふ。』
『一月十一日　伊勢大神宮及び諸社に恭仁遷都を告ぐ。』
『一月十五日　藤原不比等食封を返上す。その内三千戸を似て諸國國分寺の造像料に宛つ。』
『一月二十二日　　藤原廣嗣の残党を法に據て処罰す。』
『二月七日　詔して、牛馬の屠殺を禁じ、又、國郡司をして、百姓を私事に使役することを禁じ給う。』
　『二月十四日　詔して、国家の隆昌・安寧を祈らんが為、諸国に国分寺・国分尼寺を造らんとし給ふ。』
『閏三月九日　平城宮の兵器を甕原宮に運ばしむ。』
『閏三月十五日　詔して、五位以上の官人恭仁新京に移さしめ給ふ。』
『閏三月二十四日　八幡神宮に秘錦冠・最勝王経等を献じ、又三重塔一基を造立せしむ。』
『五月六日　天皇、河南に幸し狩猟し給ふ。』
『七月十日　元正太上天皇、新宮に移り給ふに當り、天皇、河頭に迎へ給ふ。』
『七月十三日　群臣を新宮に招き、宴を給ふ。』
『七月十五日　玄昉僧正、千手千眼経を書写し、聖武天皇・元正太上天皇等の聖寿延命と、合わせて佛法の興隆を祈る。』
『八月十五日　佐渡国霖雨やまず、依って今年の田祖等を免ず。』
『八月二十八日　平城京の東・西二市を恭仁京に遷す。』
『九月四日　恭仁京遷都のために調租を免じ、又八日、勅して、天下に大赦し給ふ。』
『九月八日　智努王等を造営卿とす。』
『九月九日　大和・河内等四ヶ國より恭仁京造営の役夫を徴す。』
『九月十二日　恭仁京の百姓に宅地を班給し、左・右京を定む。』
『九月三十日　天皇、宇治・山科に幸し、十月二日に還行し給ふ。』
『十月十六日　山城國賀世山の東側の架橋成る。仍て従事せし諸國の優婆塞等に得度を許す。』
『十一月十一日　勅して恭仁京を大養徳恭仁大宮と称さしめ給ふ。』
『十一月二十三日　赤幡を大蔵・内蔵・大膳等の司に頒ち、標となす。』

[3] mixiユーザー 02月15日 01:07

【天平十四年】(７４２)
『一月一日　百官朝賀す。大極殿成らず、天皇、四阿殿にて賀を受け給ふ。この時石上・榎井両氏始めて大楯・槍を立つ。』
『一月五日　太宰府を廃す。その官物を筑前國司に付す。』
『一月七日　天皇、城北の苑に幸し、造宮卿智努王に絁綿を賜ふ。』
『一月十六日　天皇、大安殿幸して群臣を宴し、五節田舞・踏歌を観給ふ。六位以下の官人等琴をひき歌を詠じて和す。』
『二月一日　天皇、皇后宮に幸し、群臣に宴を賜ふ。』
『二月五日　詔して、新羅使来朝するも恭仁京の宮室成らざるを以て、太宰府にて響し、帰國せしむ。』
『四月二十日　天皇、皇后宮に幸し、五位以上の官人を宴し禄を賜ふ。』
『五月三日　使者を遣わして、病にあへる民衆の家業を視察せしむ。』
『五月十日　皇極天皇、越智山陵崩壊す。仍て十三日修営せしむ。』
『八月二日　左右京・諸國の國司等に命じて・孝子・義夫等の名を上らしむ。』
『八月五日　恭仁京の造営に功ありし造営禄秦下嶋麻呂に大秦公の姓を賜ふ。』
『八月十一日　近江國甲賀郡紫香楽村に行幸し給はんとし、智努王等四人を造離宮司に任じ給ふ。』
『八月十二日　天皇、山城國石原宮に幸し給ふ。』
『八月十三日　諸國の司に命じ、恭仁宮の東に大橋を造らしむ。』
『八月二十七日　天皇、近江國信楽宮に幸し給ふ。』
『九月一日　　天皇、刺松原に幸し給ひ、四日恭仁京に還り給ふ。』
『九月十二日　大風雨により宮中の殿舎及び民家倒壊す。』
『九月十七日　巡察使を七道諸國に遣し、左右京・畿内の班田使を任ず。』
『十月十二日　塩焼王等を平城の獄に投じ、十七日、伊豆国三嶋等に配流す。』
『十二月二十九日　天皇、信楽宮に幸し給ふ。』

【天平十五年】(７４３)
『一月一日　橘諸兄を恭仁京に還らしめ、二日、天皇、信楽宮より還り給ふ。』
『一月十二日　天皇石原宮樓に御し、官人等に響を給ふ。』
『一月十三日　衆僧を金光明寺に請じ、七々日を限りて最勝王経を読ましめ、別に大和国金光明寺に殊勝の会を設け、国土の厳浄、人民の康楽を祈り、像法の中興を期せんとす。』
『三月四日　大和国金光明寺の最勝會終り、右大臣諸兄、詔によって、衆僧を慰労す。』
『四月三日　天皇、信楽宮に幸し、十六日、還行し給ふ。』
『四月二十五日　多冶比土作等、新羅使の常禮を失するを申す。故に放還す。』
『五月三日　幣帛を畿内諸社に奉りて雨を祈らしむ。』
『五月五日　群臣を内裏に召して宴を催し、皇太子、五節を舞い給ふ。是時右大臣諸兄、宣命を奏す。』
『五月二十七日　詔して、養老七年の挌を改め、墾田は以降、永代の私有を認め、官位によりその限度額を定め給ふ。』
『七月三日　天皇、石原宮に幸し給ひ、隼人等に響を賜ふ。』
『七月二十六日　天皇、信楽宮に幸し給ふ。』
『八月一日　天皇、山城國鴨川に幸し給ふ。』
『十月十五日　三寶の威霊に頼り、乾坤相泰かならん事を欲し、天皇、盧遮那大佛像の造像を発願し給ふ。』
『十月十六日　三道二十五國の今年の調庸を信楽宮に貢せしむ。』
『十月十九日　天皇、盧遮那大佛鋳像の寺地を開かんが為に、信楽宮に幸し、行基、弟子を率いて観進す。』
『十一月二日　天皇、恭仁京に還り賜ふ。』
『十二月二十四日　平城京の武具等を恭仁宮に移納す。』
『十二月二十六日　平城京大極殿・歩廊等を恭仁宮に移すと雖も、信楽宮の造営により、恭仁京の造作を停止す。』

[4] mixiユーザー 02月15日 01:09

【天平十六年】(７４４)
『一月十五日　天皇、難波宮に幸し給はむとす。』
『閏一月一日　百官を朝堂に召して、恭仁・難波二京の中、いづれに選京すべきかを問ひ給ふ。』
『閏一月四日　巨勢奈氏麿等を恭仁京の東西市に遣し、市人に定京の事を問はしむ。』
『閏一月九日　京職に命じ諸寺の百姓をして、舎宅を造らしむ。』
『閏一月十一日　天皇、難波宮に幸し給ふ。』
『閏一月十三日　安積親王薨じ給ふ。時歳十七。』
『二月一日　茨田王を恭仁京に遣わして、驛鈴・内外の印を取らしめ、朝集使等を難波宮に招く。
『二月十日　天皇、和泉宮に幸し、十三日、還り給ふ。』
『二月十二日　勅して、天下の馬飼・雑戸を平民とし、又奴婢六十人を放免し給ふ。』
『二月二十日　恭仁宮の御高座等を難波宮に移す。』
『二月二十二日　天皇、河内國安曇江に幸し給ひ、百済楽を聴き給ふ。』
『二月二十四日　天皇、信楽宮に幸し給ふ。』
『二月二十六日　難波宮を以て皇都と定め給ふ。』
『三月十一日　恭仁京の大楯・槍を難波宮に運ぶ。』
『三月十四日　金光明寺の大般若経を信楽宮に運ぶ。』
『三月十五日　難波宮東西の樓殿にて大般若経を読ましむ。』
『四月十三日　信楽宮の山燃ゆる。』
『四月二十三日　信楽宮の官衛いまだ成らざるを以て、諸司に公廨の銭を給し、造営を急ぐ。』
『五月二十八日　肥後國地震、三郡罹災甚し。仍て賑恤を加ふ。』
『七月二日　元正太上天皇、智努の離宮に幸し、八日難波宮に還り給ふ。』
『七月二十三日　詔して、國別に正税四萬束をさき、國分・國分尼寺の用途に宛てしめ給ふ。』
『八月五日　信楽宮の邊の山木を伐採し、類焼を防止せる佐々貴山親人等を賞し給ふ。』
『九月十五日　畿内・七道諸國の巡察使を任命し給ふ。』
『九月二十六日　巡察使等に勅し、國郡司の忠・不忠を検問せしめむとし給ふ。』
『九月二十七日　勅して、巡察使に三十二條の検問状を頒ち、諸国の郡使等の行状・冶績等を勘問し、政道を正さしめんとし給ふ。
『九月三十日　詔して、僧綱の印の濫用を正し、又鎮西府に驛鈴を置く。』
『十月二日　大安寺道慈律師卒す。』
『十月十一日　元正太上天皇、河内珍努・竹原井の離宮に幸し、十三日、難波宮に還り給ふ。』
『十月十四日　勅して、國司の管内の女子を妻妾となすことを禁じ給ふ。』
『十一月十三日　甲賀寺に盧遮那大佛鋳像の骨柱を建つ。天皇親臨され、手づから縄を引給ふ。』
『十一月十四日　元正太上天皇、難波宮より信楽宮に幸し、十七日、還り給ふ。』
『十二月四日　諸國に薬師悔過を修せしむ。』
『十二月八日　この夜、金鐘寺及び朱雀路に於いて燈を燃やす。』
『是歳　金鐘寺に知識華厳別供を置く。』
『是歳　天皇、大官大寺に墾田を施入し給ふ。』

【天平十七年】(７４５)
『一月一日　廃朝。信楽宮未だ成らず、帷帳を繞らし垣根に代ふ。』
『一月二十一日　行基を大僧正に補す。』
『四月一日　信楽京近在に山火絶えず。十一日、天皇、大丘野に難を避けんとし給ふ。』
『四月二十七日　巡察使の奏により、詔して、去年の田租を免じ、天下に大赦し給ふ。』
『是日　昼夜地震あり。美濃國被害甚だし。』
『五月　是月地震殊に甚だし。仍て諸寺に読経、諸陵に幣帛を捧ぐ。』
『五月二日　太政官、諸司の官人を召し京師の撰考を諮る。』
『五月三日　恭仁宮を清掃せしむ。』
『五月四日　四大寺の衆僧を薬師寺に集め、京師の撰考を諮ふ。』
『五月五日　天皇信楽宮より恭仁宮に還り給ふ。民衆歓呼してこれを迎ふ。』
『五月七日　平城宮を清掃す。時に諸寺の衆僧百姓等之を援く。』
『五月十一日　天皇、平城京に幸し給ひ、諸司の官人各々本の司に帰る。』
『五月十八日　天皇、松林苑に幸し給ひ、倍臣に穀を給ふ。』
『六月一日　伊勢大神宮に幣帛を捧ぐ。』
『八月十五日　大安殿に無遮大會を設く。』　
『八月二十三日　盧遮那大佛鋳像の工を大和國に移す。天皇・皇后等その工を援け給ふ。』
『八月二十八日　天皇、難波宮に行し給ふ。』
『九月十五日　三年の間、屠殺を禁断す。』
『九月十七日　天皇、難波宮にて病み給ふ。仍て天下に勅し大赦し給ふ。』
『九月十九日　天皇不像。仍て宮中を守らしめ、薬師悔過の法を諸寺に修せしめ、幣を賀茂・松尾社等に奉る。』
『九月二十日　天皇不像により、八幡神社に奉幣し、或は大般若経・薬師佛像等を写し造らしむ。』
『九月二十三日　平城京中宮に僧を請じ、大般若経を読ましむ。』
『九月二十五日　天皇、平城京にむかはれ、二十六日、宮に入り給ふ。』
『十一月二日　玄昉法師を筑紫國観世音寺に遷し、彼寺を造らしむ。』
『十一月十七日　僧正玄昉の封物を収公す。』
『十一月二十七日　國の大小により、公廨の料を定む。』
『十二月十五日　恭仁京の兵器を平城京に運ぶ。』

[5] mixiユーザー 02月15日 01:11

　『是歳　大官大寺修造成り、大安寺と改む。』　

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【天平十八年】(７４６)
『一月二十六　平城右京の人、上部乙麿の妻、三女を産む。』
『是月　左大臣橘諸兄等、元正天皇の御在所に祗候し雪景を詠ず。』
『三月七日　去年十月、右京人尾張王、白亀を獲る。天皇この瑞祥を喜び、天下に大赦し給ふ。』
『三月十五日　皇基堅く、天下の安寧を祈らんが為に、仁王経を講じ、天下に大赦し給ふ。』
『三月十六日　寺家の土地占売を禁断す。』
『三月　良辨、金鐘寺に於て皇室の奉為に法華會を創設す。』
『五月九日　諸寺の百姓の墾田・園地を競売し寺地となす事を禁断す。』
『六月十八日　　僧玄昉、筑紫観世音寺にて卒す。』
『九月二十九日　恭仁宮の大極殿を國分寺に施入す。』
『十月五日　日向國、風雨により養蚕損傷す。仍て調庸を免ず。』
『十月六日　天皇・皇后等金鐘寺に幸し給ひ、燃燈供養を修し給ふ。』
『是歳　渤海人等帰化す。』

【天平十九年】(７４７)
『一月一日　廃朝。天皇不豫により、勅して天下に大赦し給ふ。』
『一月二十七日　諸國の沙彌尼等、當國の寺にて受戒せしむ。』
『二月十五日　光明皇后発願の東大寺講堂の佛像を造り始む。』
『二月二十一日　年穀稔らず。仍て詔して大臣以下諸氏長官等に税布等を賜ふ。』
『二月二十二日　大和・河内等の十五箇国飢饉仍て諸国の民に賑恤を加ふ。』
『三月十六日　大養徳國を奮に複して、大倭國と改称す。』
『三月　光明皇后、天皇不豫により新薬師寺を建立し給ふ。』　
『四月十四日　紀伊國、疫病・亢旱により賑給す。』
『四月二十二日　天皇、南苑に御し、大神朝臣等に叙位し給ふ。』
『五月五日　天皇、南苑に御し給ひ、騎射・早馬を覧給ふ。是日、太上天皇、五日節會は奮に依り(菖蒲縵)を用ひん事を詔し給ふ。。
『五月十五日　南苑及び諸國に於いて仁王経を講説せしむ。』
『五月十八日　近江・讃岐の二國飢饉。仍て賑給す。』
『六月十五日　光明皇后発願の東大寺講堂の佛像を造り始む。』
『是日　羅城門に於いて雩ひす。』
『七月七日　京師、・亢旱により、詔して名山・諸社に祈雨し、田租を免じ給ふ。』
『九月二日　河内國河俣連、越中国礪波臣、米銭を盧遮那大佛造立料に寄進す。』
『九月二十六日　勅して、大和國金光明寺に食封を宛て給ふ。』　　　　　　　　
『九月二十九日　是日より盧遮那大佛像を鋳始めんとす。』
『是月　伊勢、内宮遷宮あり。』
『十一月七日』　詔して、石川年足等を派遣し、金光明寺・法華寺の造顕を検察督促せしめ給ふ。』
『十二月十四日　元正太上天皇の御病快癒を祈り、勅して天下に大赦し給ふ。』
『是日　天下の諸國に勅し、造塔を願ふ者あらば之を許し給ふ。』

【天平二十年】(７４８)
『三月八日　天皇、禁を犯せる者多さを憂ひ、己の訓導よろしからずとして、天下に大赦し給ふ。
　　(遷都のあいまいさ
『四月二一日　元正太上天皇崩じ給ふ。以後平城京の諸寺に誦経し菩提を弔う。』
『四月二十八日　元正太上天皇を佐保山陵に火葬し奉る。』　　　　　　　　　　　
『五月八日　勅を諸國に下し、元正太上天皇の奉為に、七日毎に讀経せしめ給ふ。』
『六月四日　夫人藤原氏薨ず。』
『七月十八日　元正太上天皇の奉為に、法華経一千部を書写せんとす。』
『七月三十日　河内・出雲の二國飢饉、仍て賑恤す。』
『八月三日　近江・播磨の二国飢饉、仍て賑給す。』
『八月五日　釋奠の儀式等を改定す。』
『八月二一日　天皇、葛井連廣成の宅に行幸し、逗留し給ふ。』
『十月二十八日　詔して、京・畿内を始め諸國の田祖を免じ給ふ。』
『十一月二十三日　勅により、東大寺に明石郡の鹽山の地を施入す。』
『十二月十八日　使者を遣わして元正太上天皇佐保山陵を祭らしめ、僧尼を度す。』

[6] mixiユーザー 02月15日 01:11

【天平勝宝元年】(７４９)
『一月一日　太上天皇崩御の為廃朝し、諸寺に金光明経を轉讀せしめ、殺生を禁断す。』
『一月四日　この頃、亢陽により五穀運上せず。仍て官人等に給米す。十日、上総國に賑給す。』
『一月十四日　天皇・皇后等、中島宮にて僧行基に戒を受け給ふと傳ふ。』
『二月二日　大僧正行基遷化す。』
『二月　下総に蝗害・石見に疾疫あり。よって夫々に賑給す。』
『二月二十七日　郡領競望による道義の頽廃を愁ひ、勅して譜第の長子より選ばんとし給ふ。』
『四月一日　天皇・皇后東大寺に幸し、左大臣橘諸兄をして、産金の瑞祥を告げ、佛神の加護、臣下の忠義を嘉みし、自ら三寶の奴と仰せらる。又関係公卿等に叙位し給ふ。』
『四月二日　産金の瑞祥を寿ぎ、天下に大赦す。』
『四月五日　伊勢大神宮に奉幣し、産金の瑞祥を寿ぐ。』
『四月八日　盧遮那大佛の脇侍二菩薩像の造像を創む。』
『四月十四日　天皇、東大寺に幸し、公卿並びに造東大寺司官人等に位階を進め給ふ。是日、開元して天平感寶元年とす。』
『四月二十三日　陸奥守百済王敬福黄金九百両を顕す。』
『五月二十七日　陸奥国小田郡の調庸を永く免除す。』
『閏五月十日　時まさに炎暑にして、天皇不豫なり。詔して天下に大赦し給ふ。』
『閏五月十一日　東国鎮守の将佐伯全成等、産金・冶金等に巧ある者に位階を進む。』
『閏五月二十日　勅して、諸大寺に絁・綿・墾田等を施入し、華厳経を本として諸経を轉讀し、以て天下泰平を祈り給ふ。』
『閏五月二十三日　天皇、薬師寺宮に遷御し、御在所とし給ふ。』
『六月二十六日　太政官、勅を奉じて豊前國八幡神戸の人を度して弥勒寺に入らしむ。』
『七月二日　孝謙天皇即位し給ふ。是日、天平勝寶元年と改む。』
『七月十三日　諸大寺の墾田の地限を定む。』
『八月四日　勅して、諸國の正倉を修営せしめ給ふ。』
『八月二一日　大隈・薩摩の隼人等調を遣す。』
『九月七日　皇后宮職を紫微中臺に改め、官位を制す。』
『十月九日　孝謙天皇、この日より河内國知識寺等に行幸、近在の百姓・僧尼に物を賜ひ、十五日、大郡宮に還幸さる。』
『十月二十四日　東大寺に盧遮那大佛像の鋳像成る。』
『十一月一日　八幡大神の禰宜等に大神朝臣の姓を賜ふ。』
『十一月十九日　八幡大神、託宣して京に向はむとす。仍て二十四日、迎神使任じ行路に當る國の殺生を禁ず。』
『十一月二十五日　平城京薬園の新宮にて大嘗會を行ふ。』
『十二月十五日　造東大寺司官人佐伯宿禰今毛人等に位階を進む。』
『十二月十八日　八幡大神入京す。梨原宮に新殿を建て悔過す。』
『十二月二十七日　八幡大神、東大寺を拝す。天皇・太上天皇等東大寺に行幸し給ふ。』
『是月　東大寺盧遮那大佛像の羅髪を鋳始む。』

【天平勝宝二年】（７５０）
『一月二十七日　造東大寺司官人等に位階を進む。』
『二月二十二日　天皇・聖武太上天皇・光明皇太后等、東大寺に行幸し、封戸合わせて五千戸・
奴婢二百人を施入し給ふ。』
『是日　聖武太上天皇、大佛燈油田等を東大寺に施入し給ふと傳ふ。』
『二月二十九日　八幡大神・比賣神に封戸・位田を施入し給ふ。』
『三月十日　黄金を献ぜる楢原造東人に勤臣姓を賜ふ。』
『三月二十八日　御願八十華厳経の書写を始む。』
『三月二十九日　民部省、符を山陽道の國司に下し、諸國々分寺・尼寺及び諸大寺の墾田の地限により施行せん事を通達す。』
『十月十八日　元正太上天皇を奈保山陵に改葬し奉る。』
『十二月九日　造東大寺司長官に位階を進む。』

[7] mixiユーザー 02月15日 01:18

【天平勝宝三年】　(７５１)　　
『一月十四日　孝謙天皇、東大寺に行幸し、木工寮長神磯部國麿に位階を昇進せしめ給ふ。』
『四月四日　遣唐使等の平安を祈らんが為に、伊勢大神宮等諸国の神社に奉幣す。』
『四月二十二日　菩提・良辨・道璿・隆尊等の僧官を進む。』
『十月二十三日　聖武太上天皇不豫により、詔して、新薬師寺に於いて続命の法を修さしめ天下に大赦し給ふ。』

【天平勝宝四年】(７５２)
『一月三日　是日より十二月晦迄、天下に殺生を禁ず。』
『一月十一日　聖武太上天皇不豫につき、僧尼を度す。』
『二月十六日　東大寺盧遮那大佛像の銅蓮座を鋳始む。』
『二月二一日　諸國の雑戸を本貫に下し舊によって使役す。』
『三月十四日　この日より盧遮那大佛像に塗金を始む。』
『閏三月　この頃、盧遮那大佛像の後背を造り始む。』
『四月九日　盧遮那大佛像成り、天皇・聖武太上天皇・光明皇太后等、東大寺に行幸され、開眼供養を行ひ給う。』『大仏開眼供養』
『四月十日　盧遮那大佛像の開眼供養に當り、元興寺、歌を献ず。』
『五月一日　良辨を東大寺別當に補す。』
『六月十四日　新羅の王子金泰廉等朝貢す。』
『六月十七日　孝謙天皇、新羅の朝貢を嘉し給ふ。』
『六月二十二日　新羅國使等、大安寺・東大寺に佛を拝す。』
『十月二十五日　造東大寺司、封戸千戸の所官を東大寺に移す。』
『十一月八日　聖武太上天皇、左大臣橘諸兄の邸に御行し給ふ。』

【天平勝宝五年】(７５３)
『一月十五日　東大寺西塔成る。仍て太上天皇紗彌勝満、銘を刻める銅版を塔中に収め、先帝聖霊等の菩提を祈り、廣く群生の塵籠を出で彼岸に到らん事を願ひ給ふ。』
『一月二十二日東大寺講堂の用材、甲賀山にて作らんとす。』
『三月二十九日　東大寺に於いて仁王會を行はんとし、全淺香を施入し給ふ。』
『四月十五日　光明皇太后不豫につき、詔してその平癒を祈り、天下に大赦し給ふ。』
『五月二十五日　渤海使拝朝し、貢物を奉り奏上す。』
『八月二十日　夫人廣岡古那可智、聖武太上天皇の奉為に大和國添上郡に普光寺を建立す。』
『十二月二十六日　唐僧鑑真、太宰府に至る。』

【天平勝宝六年】(７５４)　　
『一月五日　孝謙天皇、東大寺に行して萬燈會を行ひ給ふ。又是日、天下に大赦し給ふ。』
『一月七日　孝謙天皇・聖武太上天皇・光明皇太后等、東院に御し、群臣に宴を賜ふ。』
『一月十六日　去る四年入唐せし遣唐副使大伴宿禰古麿、唐僧鍳眞一行を伴ひ帰朝す。二月四日鍳眞平城京に入る。』
『三月十五日　孝謙天皇、御父母聖武太上天皇・光明皇太后の奉為に大仏殿の大繍曼荼羅の織成を発願し給ふ。』
『四月五日　太上天皇・皇太后・孝謙天皇、東大寺に行し、唐僧鍳眞を戒師として菩薩戒を受け給ふ。』
『是月　写一切経所、鍳眞の将来経を請ひ書写せんとす。』
『五月一日　東大寺内に戒壇院建立の宣旨を下し給ふ。』
『七月十三日　聖武太上天皇御生母、太皇太后宮子不豫につき、詔して天下に大赦し給ふ。十九日、中宮に崩じ給ふ。』
『七月十九日　聖武太上天皇、、太皇太后奉為に、料田を十三ヶ大寺に施入し菩提を弔ひ給ふ。』
『七月二十五日　飯高命婦、太皇太后藤原宮子の為に梵網経を書写せんとす。』
『九月　この頃写経所に於て、唐僧法進の諸経を書写せんとす。』
『十一月八日　孝謙天皇、聖武太上天皇・光明皇太后の聖體安穏を祈らんが為、薬師悔過を修し、天下に大赦し給ふ。』
『十一月十日　この頃写経所に於て、太皇太后の為に、御願十部花厳経料紙をつくる。』
『十一月二十四日　薬師寺の行信・八幡神宮の大神多麿を配流す。』
『十二月二十四日　東大寺政所、國分寺最勝王経料の玉軸の数を写経所へ注進す。』

【天平勝宝七年】(７５５)
『一月一日　太皇太后崩御により廃朝す。』
『一月二十三日　この頃写経所に於て、太皇太后の為の御願花厳経の料紙を調達す。』
『七月十二日　東大寺政所、御願十部花厳経の玉軸等を写経所へ注進す。』
『十月七日　孝謙天皇、東大寺へ伊賀國板縄杣を施入し給ふ。』
『十月十三日　戒壇院の造営成るにより、鍳眞を供養導師として大會を儲け、同十五日、院内に於て受戒を行ふ。』
『十月二十一日　聖武太上天皇不豫により、その延命を願わん為、詔して、天下に大赦、又、殺生を禁断し、諸陵に奉幣し給ふ。』
『十一月二日　太上天皇不豫により、伊勢大神宮に奉幣す。』
『十一月二十一日　東大寺講堂本尊千手観世音菩薩像の造像を始む。』
『是歳　東大寺講堂の造営進捗す。』
『是歳　東大寺内に唐禅院を建て、鍳眞の住房に充つ。』

[8] mixiユーザー 02月15日 01:19

【天平勝宝八年】(７５６)
『二月二十四日　天皇、聖武太上天皇・光明皇太后難波に幸し、二十五日、知識・山下等七寺に詣で、二十八日、難波宮新宮に入り給ふ。』
『三月一日　聖武太上天皇、難波の堀江に行幸し給ふ。』
『四月十四日　聖武太上天皇不豫により、勅して聖武太上天皇不豫により天下に大赦し除病延年を祈り給ふ。』
『四月十五日　孝謙天皇、知識寺行宮に至り、十七日、平城に還り給ふ。』
『四月十八日　紫微中臺、内裏に於て薬師経を奉讀せんとし、東大寺司に請う。』
『四月二十三日　太上天皇の延命を祈らんが為、伊勢大神宮に幣を奉る。』
『四月二十九日　医師・禅師等を京・畿内に遣わし、疾病の徒を救療せしめ、又、八幡大神宮に幣を奉る。』
『五月二日　聖武太上天皇崩じ給ふ。御歳五十六。遺勅して道祖王を皇太子とし給ふ。』
　　　　　　　　　　　　　　『聖武太上天皇』崩御
『五月三日　太上天皇崩御により三関を守らしむ。又是日、王卿をして御葬儀の諸司に任ず。』
『五月四日　太上天皇の御冥福を祈らんが為に、七大寺に於て誦経せしむ。』
『五月六日　官人素服して、太上天皇の奉為に哀を擧ぐ。』
『五月八日　太上天皇初七日、七大寺に於て誦経せしむ。』
『五月十五日　聖武太上天皇を佐保山陵に葬る。御葬の儀、佛に奉ずるが如し。是日、勅して諡（おくりな）を奉らず。』
『五月二十二日　太上天皇の三七日、七大寺に於て誦経せしむ。又是日、坂上犬養等舊握を思ひ山陵に奉ぜん事を乞ふ。』
『是日　孝謙天皇、勅して先帝聖霊の奉為に、異味の貢進を停め、養鷹を禁じ給ふ。』
『是日　興福寺、聖武太上天皇の菩提を祈らんが為、食堂（並びに）佛像を請納す。』
『五月二十三日　法栄の山稜に侍して先帝の御冥福を祈らん事を許す。』
『五月二十四日　聖武太上天皇の不豫に當り、看病に侍せし禅師等に當戸の課役を免じ、良辨・慈訓・鍳眞等に僧階を進めて労を嘉し給ふ。』
『六月三日　勅して、七道諸國に使を遣し國分寺丈六佛像を検察せしめ給ふ。』
『六月四日　太上天皇の五七日、僧沙彌千餘人を請ひ、大安寺にて斎を設く。』
『六月八日　孝謙天皇、先帝の喪に服する禮として、今日より明年五月三十日迄、殺生禁断せしめ給ふ。』
『六月九日　太上天皇の御供米・鹽（しお）等を鍳眞・法栄の二僧に下し、永く聖霊を供養せしめんとす。』
『六月十日　詔して、諸國々分寺の佛像・佛殿の造顕を急がしめ、兼て百姓を辛苦せしめざらしむ。』
『六月十二日　孝謙天皇、東大寺へ宮宅及び田園等を施入し給ふ。』
『六月十四日　太上天皇の六七日、薬師寺に於て斎を設く。』
『六月二十一日　聖武太上天皇七々日、僧沙彌千百餘人を請ひ、興福寺に於て斎を設く。』
『是日　聖武太上天皇七々日に当たり光明皇太后、国家の珍寶、玩好の遺品を東大寺に施入し、聖霊の菩提を願い給ふ。』＜現・正倉院＞
『是日　孝謙天皇、種々の薬を盧舎那佛に奉り給ふ。』
『六月二十二日　勅して、明年の國忌を東大寺に於て行はんが為、大仏殿歩廊の造営を督促し給ふ。』
『七月八日　孝謙天皇、先帝御愛玩の品を法隆寺に施入し給ふ。』
『七月二十六日　孝謙天皇、先帝御遺愛の品を東大寺に施入し給ふ。』
『八月四日　近江國朝書法壹百巻を宗福寺に施入し給ふ。』
『八月十四日　造東大寺司、大仏殿歩廊の瓦を興福寺に乞ふ。』
『十一月十七日　諒闇の為、新嘗會を廃す。』
『十二月二十日　聖武太上天皇一周忌御斎會に用ふる幡等を、二十六ケ國に別ち作らしむ。』
『十二月二一日　聖武太上天皇の御輿丁に階を進む。』
『『十二月三十日　勅して、太上天皇の奉為に皇太子・諸卿を東大・大安等六寺に遣して梵網経を講ぜしめ、又諸國をして梵網経を書写・講説せしめんと給ふ。』

【天平寶宇元年】（７５７）
『一月一日　聖武太上天皇の諒闇により廃朝す。』
『一月五日　勅して、聖武太上天皇の菩提を祈らんが為、四月十五日より五月二日迄、國毎に梵網経を講ぜしめ給ふ。』
『一月二一日　東大寺盧舎那佛塗金の為に、沙金を造東大寺司に下す。』
『是月　造東大寺司の書師、大仏殿の雑器・大佛の座花等を描く。』
『三月二十九日　皇太子道祖王を廃す。』
『是月　大仏殿歩廊の営作荘厳進捗す。』
『四月四日　孝謙天皇、群臣に議し、大炊王を皇太子となし給ふ。』
『是日　造東大寺の工匠、造山陵司の役夫、諸國の兵士・防人等の今年の田祖を免ず。』
『五月二日　聖武太上天皇の周忌、東大寺に僧千五百餘人を請ひ、斎を設く。』
『十一月二十八日　勅して、備前國の墾田を唐禅院に施入し、聖武太上天皇の菩提を祈らしめ給ふ。』

[9] mixiユーザー 02月15日 01:20

【天平寶宇二年】（７５８）
『三月十日　詔して、五月は聖武太上天皇の登遐（？）の月に當るを以て、天武天皇の古事に効ひ永く端五の節會を停め給ふ。』
『六月一日　孝謙天皇、聖武太上天皇御愛玩の大小眞跡書を盧舎那佛に献じ、菩提に資せんとし給ふ。』
『八月九日　勅して、先帝の洪業を奉賛せんが為、勝寶感神聖武帝と追尊し、天璽押開豊桜彦尊と諡す。』

【天平寶宇三年】（７５９）
『一月三日　高麗國、使節を遣わして聖武太上天皇の登遐を悼み、表文並に献物を献ず。』
『七月五日　聖武天皇夫人廣岡朝臣古那可智薨ず。』

【天平寶宇四年】（７６０）
『一月二十九日　聖武天皇夫人藤原夫人薨ず。』（だれのことか？）
『三月十三日　光明皇太后不豫により、詔して、御平復を諸社に祈らしむ。又四月、大般若経を宮中に轉讀せしめ、五大寺に使いを遣して平癒を祈り給ふ。』
『六月七日　光明皇太后崩じ給ふ。御歳六十。』
『六月十七日　光明皇太后を佐保山に葬る。』
『七月二十六日　光明皇太后七々日の斎を東大寺等に設け、諸國をして阿彌陀浄土書像並に稱賛浄土経を写さしむ。』
『十二月十二日　勅して、以後、太皇太后宮子並びに皇太后光明子の御墓は山稜と稱し、國忌の例に入れ給ふ。』

【天平寶宇五年】（７６１）
『六月七日　光明皇太后の周忌御斎を法華時阿彌陀浄土院に設け、諸國をして、各國分尼寺へ丈六阿彌陀像等を造立せしめ給ふ。』
『六月八日　毎年光明皇太后の忌日には、山階寺に於て梵網経を、法華寺に於ては阿彌陀佛を禮拝せしめ、又その用途料として平城京南田を施入し給ふ。』

ここまで
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