1985年10月, 上院軍事委員会は『国防組織:変化の必要性(原題 "Defense Organization: The Need For Change")』と名付けられた米軍の組織構造に関する2年間の研究結果を発表しました. その主な著者であるジェイムズ・ロッカー氏は過去の特殊作戦を調査し, 将来起こりうる可能性の高い脅威について考察しています. そしてこの文書の影響により, 『ゴールドウォーター・ニコラス国防組織再編法(Goldwater-Nichols Defense Reorganization Act)』が作成されました(この法案には陸海空軍と海兵隊の統合運用の強化や政府に対する中長期的な国家安全保障戦略の見直しなどが盛り込まれた).
<陸軍特殊作戦コマンド(United States Army Special Operations Command/U.S.ASOC)> 陸軍の全特殊作戦部隊を統括する組織で, 司令官は陸軍中将です. 特殊部隊コマンド(グリンベレーと化学偵察分遣隊を統括), デルタフォース, 第75レンジャー連隊, 第160特殊作戦航空連隊, 民事・心理作戦コマンド(民事部隊と心理作戦部隊を統括), 特殊作戦支援旅団, 特殊作戦学術機関などが傘下に入っています.
<海軍特殊戦コマンド(United States Naval Special Warfare Command/U.S.NAVSPECWARCOM)> 海軍の全特殊戦部隊を統括する組織で, 司令官は海軍少将です. 4個の海軍特殊戦グループ(SEALチーム, SEAL輸送艇チーム, 特殊舟艇チームを統括), 海軍特殊戦運用支援グループ, 海軍特殊戦開発グループ(旧SEALチーム6), 海軍特殊戦センターなどが傘下に入っています.
<空軍特殊作戦コマンド(United States Air Force Special Operations Command/U.S.AFSOC)> 空軍の全特殊作戦部隊を統括する組織で, 司令官は空軍中将です. 第16特殊作戦航空団, 第347救難航空団, 第352特殊作戦グループ, 第353特殊作戦グループ, 第720特殊戦術グループ, 第18試験飛行中隊, 電子戦闘支援飛行中隊, 空軍特殊作戦学校, 救難調整センターなどが傘下に入っています.
<海兵隊部隊特殊作戦コマンド(United States Marine Corps Forces Special Operations Command/U.S.MARSOC)> 海兵隊の特殊作戦を統括する組織で, 司令官は海兵隊少将です. 近年まで海兵隊の特殊作戦部隊はU.S.SOCOMと協力関係にあってもその傘下には入っていなかったのですが, 2003年に海兵隊特殊作戦コマンド第1分遣隊(Marine Corps Special Operations Command Detachment ONE/MARSOC Det-1)が創設されると, U.S.SOCOMが海兵隊の特殊作戦を部分的に指揮するようになりました. その後, 2005年末から2006年初頭にかけて本格的なU.S.MARSOCが創設され, 海兵隊の特殊作戦の大部分をU.S.SOCOMが指揮するようになりました. U.S.MARSOCの傘下に入っているのは海兵特殊作戦連隊, 国外軍事訓練ユニット, 海兵特殊作戦支援グループ, 海兵特殊作戦学校です.
<統合特殊作戦コマンド(Joint Special Operations Command/JSOC)> 複数の特殊作戦部隊が集まって展開される統合特殊作戦の戦術や装備の研究開発を行う組織で, 司令官は陸軍中将です. 実はこの活動内容は表向きのもので, 実際にはそれらの活動に加えて平時・戦時問わず政治的に非常に微妙な作戦を指揮しています(要人の拉致・暗殺や諜報活動など). デルタフォースや海軍特殊戦開発グループ(旧SEALチーム6)はこの組織の命令によって動く場合がほとんどです.
<統合特殊作戦大学(Joint Special Operations University/JSOU)> 統合特殊作戦に必要な学術や技術の講義, 研究, 援助活動を通じて特殊作戦部隊の上級将校や中間管理職, さらには国家及び国際的な安全保障上の意思決定者など軍人・民間人問わず教育を行う組織で, U.S.SOCOMの知識・将来性センター長が学長を兼任します.