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世界の特殊部隊&対テロ部隊コミュのU.S.SOCOM 米特殊作戦コマンド

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 今回は特殊作戦を語る上では避けて通れない組織, 米軍の特殊作戦コマンド(United States Special Operations Command/U.S.SOCOM)についてお話ししたいと思います.

【歴史】
 1980年4月24日, イランにおける米人質の救出作戦『イーグルクロー』が失敗に終わり, アメリカの威信は傷付けられ政府に対する国民の信頼は失墜しました.
ベトナム戦争終結以降, 米軍特殊作戦部隊の兵力は削減され続け, また特殊作戦部隊と在来戦部隊との間の相当な不信感や特殊作戦に対する重大な予算カットなども手伝ってアメリカの特殊作戦能力は著しく衰退しており, これが作戦失敗の要因の一つと考えられています.
しかし, この出来事を受けて国防総省では調査委員会が設置され, その委員長に元海軍作戦本部長のジェイムズ・ホロウェイ大将が就任し(この辺の経緯は『第160特殊作戦航空連隊』http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=5151142&comm_id=632934の冒頭部分を読んで頂ければ幸いです), 調査委員会の結論を基に国防総省には対テロ統合タスクフォースと特殊作戦顧問団が作られました.

 これらの動きは特殊作戦部隊を改革しようとする国防総省内の意思を勢い付けることとなり, 当時の陸軍参謀総長だったエドワード・メイヤー大将(デルタフォース創設を支持した人物の一人)は特殊作戦能力の再構築を提唱しました.
統合レベルでの彼の訴えは却下されたものの, それでも陸軍特殊作戦部隊を改善するための重要な段階として1982年10月1日に第1特殊作戦コマンドを創設し, その指揮下で改革を進めました.

 1983年までは連邦議会で軍の改革の必要性を訴える声は小さかったものの, それは徐々に大きなものに変わっていき, 同年6月, バリー・ゴールドウォーター上院議員を委員長とする上院軍事委員会は特殊作戦部隊の調査を含む国防総省に関する2年間の研究を開始しました.
また, 1983年10月に起きた二つの出来事(レバノンにおける自爆テロとグレナダ侵攻作戦)により, 変化の必要性がさらに明白になりました. グレナダ侵攻作戦の最中に起こった自爆テロでは237名の海兵隊員の命が失われ, 侵攻作戦における指揮統制の問題とも相まって連邦議会は増大する小規模紛争の脅威と統合的な相互運用問題に注目し, 焦点を絞りました.

 1984年1月1日, 国防総省は連邦議会で高まってきている懸念のために統合特殊作戦局を創設しましたが, 同局はいかなる特殊作戦部隊に対しても運用指揮権限を保有していなかったため, 特殊作戦部隊の即応性・能力・方針を向上させるための力を発揮できませんでした. これはつまり, 連邦議会には特殊作戦部隊の問題を体系的に解決する方法が無かったことを意味しています.
その頃, 国防総省には特殊作戦部隊の熱心な支持者が数名おり, 特に当時の国際安全保障問題担当国防次官補だったノエル・コッホと彼の主席代理であったリン・リランダーは特殊作戦部隊の改革を強く支持していました.

 時を同じくして, 連邦議会にも特殊作戦部隊の徹底的な整備を決心した先見の明を持つ人物が数名いました.
上院軍事委員会のメンバーだったサム・ナン上院議員(後に上院軍事委員長)とウィリアム・コーエン上院議員(後に国防長官),
そして下院軍事委員会の即応小委員長だったダン・ダニエル下院議員です.
ダニエル下院議員は米軍上層部は特殊作戦に関心が無く, この分野での能力は二流以下で, 特殊作戦部隊の運用指揮統制は根強い問題だと確信していました.
そしてナン, コーエンの両上院議員もまた将来起こりうる脅威に対する国防総省の備えが十分ではないことを強く感じていました. ナン上院議員は本来, 特殊作戦部隊の近代化のために充てられるはずだった予算がそれ以外のことに使われている現状に大きな不満を表し, コーエン上院議員は小規模紛争に対処するための特殊作戦における明確な中心的組織と指揮命令系統が必要であると提唱しました.

 1985年10月, 上院軍事委員会は『国防組織:変化の必要性(原題 "Defense Organization: The Need For Change")』と名付けられた米軍の組織構造に関する2年間の研究結果を発表しました. その主な著者であるジェイムズ・ロッカー氏は過去の特殊作戦を調査し, 将来起こりうる可能性の高い脅威について考察しています.
そしてこの文書の影響により, 『ゴールドウォーター・ニコラス国防組織再編法(Goldwater-Nichols Defense Reorganization Act)』が作成されました(この法案には陸海空軍と海兵隊の統合運用の強化や政府に対する中長期的な国家安全保障戦略の見直しなどが盛り込まれた).

 1986年春までに特殊作戦部隊の支持者達は連邦議会の上下両院に改革法案を提出しました.
同年5月15日, コーエン上院議員はナン上院議員らと共に上院に法案を提出しました. それは国防総省内に特殊作戦部隊を担当する統合軍事組織と小規模紛争および特殊作戦のための十分な予算配分と政策強調を確実にするオフィスの創設を要求するものでした.
また, ダニエル下院議員の提案はさらに極端なもので, 統合参謀本部を経ることなく国防長官に直接報告可能な文官が指揮を執る国家特殊作戦局の創設と特殊作戦部隊の予算処理から統合参謀本部および各軍を外すことを要求していました.

 1986年夏に連邦議会は両法案に対する公聴会を開きました.
当時の統合参謀本部議長だったウィリアム・クロー海軍大将は両法案に反対するよう国防総省を導きましたが, その代替案として中将の指揮する新しい特殊作戦部隊コマンドの創設を提案しました.
しかしこの提案は受け入れられず, 連邦議会は特殊作戦部隊に対してより強い影響力を行使するために司令官には大将を充てるべきだと主張し, 何名かの退役将校やその他の人物が改革の必要性に賛成する証言を行いました.
特にリチャード・ショルツ陸軍少将(統合特殊作戦コマンドの初代司令官)の証言は特殊作戦部隊の改革における大きな必然性を表すものでした. ショルツ少将はグレナダ侵攻作戦で統合特殊作戦タスクフォース指揮官を務めており, その際に在来戦部隊の指揮官が特殊作戦部隊の運用を間違った結果, 大きな損害を受けたことを説明しました.

 特殊作戦部隊の改革に関する法案は上下両院を通過し, 調停のために両院協議会に送られました.
この法案には, 特殊作戦部隊を統括する新たな統合戦闘コマンド(以下UCC)を創設して大将をその総司令官とすること, 国防総省に特殊作戦・小規模紛争担当国防次官補の役職を設置すること, 国家安全保障会議に小規模紛争調整委員会を設置すること, 特殊作戦部隊の主要戦力プログラム(自前の予算管理プログラム)を作成すること, などが盛り込まれていました.
特に統括組織の長を大将にしたことと特殊作戦・小規模紛争担当国防次官補の設置によって, 特殊作戦部隊はこれまでに考えられなかったような強い発言権を得ることができたのです.

 しかし, 特殊作戦コマンド(以下U.S.SOCOM)の創設によって一つ大きな問題が出てきました.
それはこの新たなUCCのための基地や人員の配分をどうするのか, ということです. 最も簡単な解決策としては, それまで米軍の即応兵力を統括していたアメリカ即応コマンド(以下U.S.REDCOM)を解体し, その基地や人員をそのままU.S.SOCOMに充てるというものでした.
当時のU.S.REDCOM総司令官だったジェイムズ・リンゼイ陸軍大将はそれを承認し, 1987年1月23日, クロー統合参謀本部議長は国防長官に対してU.S.SOCOMに基地と人員を提供するため, U.S.REDCOMを解体すべきであるとの意見を述べました.
その意見は即座に受け入れられ, 1987年4月13日, ロナルド・レーガン大統領はU.S.SOCOMの創設を承認し, 国防総省は同年4月16日をもってU.S.SOCOMを始動させました.
初代総司令官にはU.S.REDCOM総司令官だったリンゼイ陸軍大将が就任し, 上院は満場一致で彼を承認しました. 彼は空挺部隊やグリンベレーでの勤務経験があり, まさにうってつけの人物だったといえます.
そして2ヵ月後の6月1日には創設式典が催され, U.S.SOCOMの創設が公式に世間に知れ渡ることとなったのです.

 リンゼイ陸軍大将は就任後, U.S.SOCOMの主要な役割として以下の7項目を策定しました.
  1.特殊作戦における教義・戦術・技術・手順の開発
  2.配属部隊に対する訓練・装備・相互運用の保証
  3.配属部隊と他の統合コマンドに配属されている部隊の即応体勢の監督
  4.特殊作戦に必要な装備・資材・補給物資等の研究・開発・取得
  5.全ての特殊作戦部隊員のための専門教導課程の運営
  6.全ての特殊作戦部隊員の専門能力向上に対する監督
  7.独自の予算計画の実行

【組織】
 U.S.SOCOMの本部には創設後しばらくの間は他のUCCと同じように, 総司令官, 副総司令官, 参謀長のいわゆる三役(過去には副総司令官が参謀長を兼任したケースもある)の下にJ-1(総務・人事), J-2(情報), J-3(作戦計画), J-4(兵站), J-5(戦略計画・政策), J-6(指揮統制・通信・コンピュータシステム), J-7(運用計画・統合戦力開発・相互運用), J-8(戦力構成・資源・評価), J-9(民事・心理作戦支援)などの幕僚機能が存在していましたが, 5代目総司令官であるピーター・スクーメイカー陸軍大将(現在の陸軍参謀総長)の下で1998年頃から本部機能の効率化が図られるようになり, 従来の幕僚機能の代わりにいくつかのセンターが作られました.
J-1は参謀長がセンター長を兼任する指揮支援センターへ, J-3とJ-5とJ-9が統合されて作戦計画・政策センターへ, J-2とJ-6が統合されて諜報・情報作戦センターへ, J-7とJ-8が統合されて戦力構成・要求・資源・戦略評価センターへ, J-4が取得・兵站センターへとそれぞれ再編成され, 2003年には更なる効率化が図られて, 作戦計画・政策センターから政策部, 訓練部, 即応部が抽出されて政策・訓練・即応センターになり, 作戦計画・政策センターは純粋に作戦だけを担当する特殊作戦センターへと改編されました.
 2004年末には特殊作戦センター, 諜報・情報作戦センター, 政策・訓練・即応センターの3個が統合されてより大規模な特殊作戦センターが作られ(これによってセンター長の階級が少将から中将になった), 加えて新たにネットワーク通信センターと知識・将来性センターが作られました.
 U.S.SOCOMの主要役職の階級は現在, 総司令官が大将, 副総司令官が中将, 参謀長と各センター長が少将または准将となっています(特殊作戦センター長だけは中将が指揮).

【傘下にある各特殊作戦(特殊戦)コマンド】
 U.S.SOCOMの傘下には陸海空軍と海兵隊のそれぞれの特殊作戦(特殊戦)コマンドと統合特殊作戦コマンド, いくつかの戦域特殊作戦コマンド, そして統合特殊作戦大学が存在します.

<陸軍特殊作戦コマンド(United States Army Special Operations Command/U.S.ASOC)>
 陸軍の全特殊作戦部隊を統括する組織で, 司令官は陸軍中将です.
 特殊部隊コマンド(グリンベレーと化学偵察分遣隊を統括), デルタフォース, 第75レンジャー連隊, 第160特殊作戦航空連隊, 民事・心理作戦コマンド(民事部隊と心理作戦部隊を統括), 特殊作戦支援旅団, 特殊作戦学術機関などが傘下に入っています.

<海軍特殊戦コマンド(United States Naval Special Warfare Command/U.S.NAVSPECWARCOM)>
 海軍の全特殊戦部隊を統括する組織で, 司令官は海軍少将です.
 4個の海軍特殊戦グループ(SEALチーム, SEAL輸送艇チーム, 特殊舟艇チームを統括), 海軍特殊戦運用支援グループ, 海軍特殊戦開発グループ(旧SEALチーム6), 海軍特殊戦センターなどが傘下に入っています.

<空軍特殊作戦コマンド(United States Air Force Special Operations Command/U.S.AFSOC)>
 空軍の全特殊作戦部隊を統括する組織で, 司令官は空軍中将です.
 第16特殊作戦航空団, 第347救難航空団, 第352特殊作戦グループ, 第353特殊作戦グループ, 第720特殊戦術グループ, 第18試験飛行中隊, 電子戦闘支援飛行中隊, 空軍特殊作戦学校, 救難調整センターなどが傘下に入っています.

<海兵隊部隊特殊作戦コマンド(United States Marine Corps Forces Special Operations Command/U.S.MARSOC)>
 海兵隊の特殊作戦を統括する組織で, 司令官は海兵隊少将です.
 近年まで海兵隊の特殊作戦部隊はU.S.SOCOMと協力関係にあってもその傘下には入っていなかったのですが, 2003年に海兵隊特殊作戦コマンド第1分遣隊(Marine Corps Special Operations Command Detachment ONE/MARSOC Det-1)が創設されると, U.S.SOCOMが海兵隊の特殊作戦を部分的に指揮するようになりました. その後, 2005年末から2006年初頭にかけて本格的なU.S.MARSOCが創設され, 海兵隊の特殊作戦の大部分をU.S.SOCOMが指揮するようになりました.
 U.S.MARSOCの傘下に入っているのは海兵特殊作戦連隊, 国外軍事訓練ユニット, 海兵特殊作戦支援グループ, 海兵特殊作戦学校です.

<統合特殊作戦コマンド(Joint Special Operations Command/JSOC)>
 複数の特殊作戦部隊が集まって展開される統合特殊作戦の戦術や装備の研究開発を行う組織で, 司令官は陸軍中将です.
 実はこの活動内容は表向きのもので, 実際にはそれらの活動に加えて平時・戦時問わず政治的に非常に微妙な作戦を指揮しています(要人の拉致・暗殺や諜報活動など).
 デルタフォースや海軍特殊戦開発グループ(旧SEALチーム6)はこの組織の命令によって動く場合がほとんどです.

<統合特殊作戦大学(Joint Special Operations University/JSOU)>
 統合特殊作戦に必要な学術や技術の講義, 研究, 援助活動を通じて特殊作戦部隊の上級将校や中間管理職, さらには国家及び国際的な安全保障上の意思決定者など軍人・民間人問わず教育を行う組織で, U.S.SOCOMの知識・将来性センター長が学長を兼任します.


 米軍には現在, 中央コマンド(中央アジア・中東・東アフリカ地域を担当), 欧州コマンド(ヨーロッパ・CIS諸国・アフリカ地域を担当), 太平洋コマンド(極東・東南アジア・オセアニア地域を担当), 南方コマンド(中南米地域を担当), 北方コマンド(北米地域を担当)の5個地域別UCCと統合戦力コマンド(陸海空軍と海兵隊の戦略予備兵力を統括), 戦略コマンド(陸海空軍の核戦力を統括), 輸送コマンド(陸海空軍の輸送兵力を統括), U.S.SOCOM(陸海空軍と海兵隊の特殊作戦部隊を統括)の4個機能別UCCが存在しており, 統合戦力コマンド, 戦略コマンド, 輸送コマンドを除く全てのUCCにも小規模な特殊作戦コマンドが置かれ, 配属部隊の管理運用や総本山であるU.S.SOCOMとの連絡を行っています. なお, 北方コマンドにはこれまで特殊作戦コマンドが置かれていなかったのですが, 最近になって小規模な特殊作戦担当部署が作られたようです.

<中央特殊作戦コマンド(Special Operations Command Central/SOCCENT)>
 中央コマンド所属. アフガニスタンやイラクでの戦争等で近年最も忙しい組織.

<欧州特殊作戦コマンド(Special Operations Command Europe/SOCEUR)>
 欧州コマンド所属. 位置的に近いため, 中央特殊作戦コマンドを支援.

<太平洋特殊作戦コマンド(Special Operations Command Pacific/SOCPAC)>
 太平洋コマンド所属. 9/11テロ以降はフィリピンでのテロ組織掃討作戦を指揮.

<在韓特殊作戦コマンド(Special Operations Command Korea/SOCKOR)>
 直接的な上部組織は在韓米軍だが, 大元をたどれば太平洋コマンドの所属.
 北朝鮮の動向に目を光らせ, 韓国軍特殊部隊と頻繁に訓練や演習を行っている.

<南方特殊作戦コマンド(Special Operations Command South/SOCSOUTH)>
 南方コマンド所属. 対麻薬作戦に従事.

<統合戦力特殊作戦コマンド(Special Operations Command Joint Force Command/SOCJFCOM)>
 統合戦力コマンド所属. 他の特殊作戦コマンドの戦略予備的な役割を果たし, 訓練や演習を担当.

 これらの特殊作戦コマンドはSOCJFCOMを除いて通常では准将が司令官を務めますが, SOCCENTやSOCEURなど近年重要度が増しつつある組織の司令官は少将へとランクアップされているようです.
 (SOCJFCOMは一番地味なせいか, 大佐が司令官となっている)


以上, 長々と失礼しました.

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