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めどうのエッセイ&写真コミュの 『微笑みの木』もっと続編

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 そこに越してきたころは、回りに家はなく、使われなくなった水田と畑だけが広がっていた。雨戸の戸袋の隙間から、蛍が迷い込んでくることもあった。両親の話によると、自然環境の良さが魅力で、そこを選んだという。しかし、畑に苺を植え、梅の実を収穫するが出来たのは、越してきて2年余りだった。水田も畑も潰され、宅地になり、隣に家が建った。我が家の庭も植え込みで囲われ、領域がはっきりと決められた。
 小学校5年か6年のころだったと思う。幼少時より親しんできた梅の木が、誰かの手によって伐採されてしまった。それに気付いた瞬間、
「一体誰がこんなことを…」
 と、顔の分からない相手に対して、強い怒りを感じた。
 梅の木は、我が家の庭の外に立っていたので、所有権があったわけではないが、幼少期の思い出が染み付いていた。毎年花を咲かせ、実を付ける“再生のシンボル”としての木が、無残に命を奪われてしまったことに対して、どうにも遣り切れない気持ちになった。

 その木は、姿を消してからも、夢に何度となく出てきた。この世から完全に消滅してしまったのではなく、木の精霊のようなものが、天空のどこかに漂い続けていてほしい、という願いが心のどこかにくすぶっていた。
 『いにしえの唄』『微笑みの木』を描いた18歳というのは、高校を卒業後、音大受験を目指して浪人していたころだ。自分が再生し花開くときがくるのを望んでいたわけで、そういった心境と、姿を無くした再生のシンボルとしての梅の木への想いが重なって、このような形になったのだと思う。


※ 写真に写っている道路の右側に我が家があり、そして梅の木が立っていた。
 なお、道路奥の背景にぼんやりと桜島が写っています。


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