『残念な夫。』コミュのインタビュー#6『細井美香役生田絵梨花(乃木坂46)』

Q. 『残念な夫。』への出演を知られた時のご感想は、いかがでしたか？

「連続ドラマのレギュラー出演は初めてなので、嬉しかったです。また、私は演技の経験が少ないので、この作品で勉強させていただこうと思いました」
Q. 台本を読まれて、いかがでしたか？

「美香という役をいただいたのですが、台本を読んでこんなに私と等身大の役はないんじゃないか？　と、思いました。年齢はもちろん、進路のことで悩んでいたり、ピアノが大好きだったり…。性格も私と似ているイメージなので、後にも先にもこれほど等身大の役はいただけないだろうと思います」
Q. では、美香はどのようなキャラクターと捉えていらっしゃいますか？

「美香は、すごくいい子だと思います。母の美和子（大塚寧々）とも、すごく仲が良いです。ただ、父の茂（岸谷五朗）さんには反抗期と言うか、それよりもうひとつ上の接し方で…“何も興味がない”みたいな感じです（笑）。そんな茂との雰囲気を出すのがすごく難しくて…。いつも岸谷さん、大塚さんと関係性をどう出すか話し合いながら演じています。美香も美和子も、茂を突き放してしまいすぎるのも違います。その微妙なニュアンスを毎回探りながら撮影しているんです。茂に対して“ピリッ”とした態度になっても、美和子と美香には悪気ないような感じになるように意識しています」
Q. 仲の良い美和子と美香に、何やら暗雲が…。


「そうなんです。美香がやりたいことと、美和子に求められていることが食い違っているので、これからの母娘の関係性に変化していきます。その変化も大切に演じていきたいと思っています」
Q. 美和子の父、茂を演じている岸谷さんの印象はいかがですか？


「岸谷さんは、ユニークな“残念さ”を出されています（笑）。演じられている茂について、ご自身で深く考え、組み立てていらっしゃるのがスゴいなぁと思っていて…。大塚さんや私にも、お芝居のアイデアやヒントを下さいます。台本をそのまま演じるのではなく、ご自身の解釈を持たれていて、セリフや役を活かすことを常に考えられているんです」
Q. 母、美和子役の大塚さんは？

「大塚さんは、本当に自然は家族の感じを出して下さるので助かっています。私も自然に演じたいと思っているんですが、どうしてもカメラの前では心が構えてしまいます。大塚さんのお芝居は本当に“セリフ”ではなく、普段通りに話しかけて下さっている感じなんです。だから、私はそんな大塚さんのお芝居に乗っからせていただいています」
Q. 美香のピアノ演奏シーンで、生田さんご本人がNGを出して取り直したことがあったそうですね。何がいけなかったのでしょう？

「あの時は、単純にたくさんミスしてしまったんです。ピアノってクラシックをお好きな方はシビアなんですよ。美香はピアノに真剣な役なので、恥ずかしい演奏は出来ないと思ったんです。また、映像に残ってしまうので、あまりボロボロなのも困ってしまいます（笑）」
Q. ピアノ演奏は生田さんにとっても大事なものなのですね。

「アルバムに入れていただいたソロ曲（『あなたのために弾きたい』）は“ピアノの弾き語り”ですし、今回の美香も、舞台などでいただく役もピアノにつながっています。こんなに、ピアノを活かしていただけるとは思っていませんでした。ここまでピアノを続けられたことを不思議に思うこともあります。でも、やはり続けて良かったのですね」
Q. 美香は“ピアノを続けること”で悩みます。生田さんは、そんな悩みを抱えたことは？

「私にもありました。中学校３年生の時に“これから先、真剣にピアノに取り組みたい”と思って、両親にグランドピアノを買ってほしいとお願いしたんです。両親にしてみれば簡単にOKと言えることではありませんよね？　音楽で食べて行くのは易しいことではなく、どんなに好きでも厳しい世界です。それでも、やる気なのか？　と、両親に聞かれ、私は一生ピアノをやっていく覚悟を泣きながら伝えたんです。だから、美香の気持ちも理解出来ますし、親の危惧や反対することも解ります。美香を演じていると、あの時を思い出します」
Q. 美香のピアノに陽一は癒されます。陽一を演じる玉木さんの印象は？


「最初は緊張してしまうんじゃないかと思いました。でも、収録現場でお会いすると全く飾らない方で、自然に話しかけてくださったのでリラックス出来ました。実は、玉木さんが出演されていた『のだめカンタービレ』を見ていて…。この作品は、私をより一層ピアノ好きにしたドラマなんです。ですから、玉木さんと言えば“千秋先輩”と思っていたぐらいですから、まさか共演出来るとは考えもしていなかったです」
Q. 陽一は“残念な夫”とされていますが、生田さんは将来どんな夫婦像を望まれますか？

「私って結構面倒くさがりなんですよ。片付けは“後で”だし、料理も“面倒くさい”って放っぽり出してしまいそう（笑）。だから、夫は家事を手伝ってくれたり、イクメン系の人が良いですね。ただ、それを苦痛に感じてしまう方だと申し分けないし…。日頃から“お世話好き”の方っていませんかね？　こんな甘い考えじゃダメですか？（笑）」
Q. 最後に視聴者のみなさまにメッセージをお願いします。

「陽一と知里（倉科カナ）夫婦の掛け合いは、私も見ていて笑ってしまいます。多分、どのご家庭のみなさんにも共感出来る部分があると思いますので、一日の息抜きと言うか…笑いながら楽しんでいただきたいです。細井家は美和子、美香の関係がこじれるんですが、その時に今まで空気のように扱われていた茂がどうするのか？　ほつれた家族の関係がどのように修復されるのか？　されないのか？　を見守っていただきたいです」