サクラ大戦 de PBWコミュのサクラ大戦PBW　第１話オープニング

　支配人室を辞し、近くの会議室へ移動した森組のメンバーを見渡して、檜希は一礼した。
「さて。みんなにはこれから、森組として活動してもらうことになるんだけど。その前に、僕の能力をざっと説明するね」
　檜希は片眼鏡を外すと、目を開いた。
　檜希の左目には、ガラス玉のような透明な義眼がはめ込まれている。よく見ると、そこには細かい文字のような模様のようなものが書き込まれていた。
　檜希は眩しそうに片眼鏡をはめると、再び細目に戻った。
「僕の能力は、未来予知。霊的におかしな現象やなんかを、予知することができるんだ。この予知は突然でね。自分でも制御できないから困ったものだねぇ」
　ははは、と乾いた笑みをこぼした。
「僕が見た予知を、みんなに覆してほしい。ちなみに、僕は戦闘能力ゼロだからね。できることは、一般人と変わらない。でも、一般人と同じようなことはできるから、何かやってほしいことがあったら遠慮なく言ってね」
　檜希は改めて一礼すると、モニターをセットした。
「みんなにはこれから、初任務についてもらうことになるんだ。まず、これを見て」
　会議室のモニターに映し出されたのは、セントラルパークの光景だった。
　子供が描いたような、独特な絵だった。特徴こそとらえているものの、個人を特定したり表情を読んだりはできなかった。
　大きな画用紙いっぱいに広々とした芝生が描かれ、そこかしこでスポーツを楽しんだりお弁当を広げたりする紐育市民の姿が描かれていた。
「みんな、楽しそうだねぇ。あす正午、ここに魔が現れる。現れた魔はここにいる全員を殺して、どこかへ立ち去るんだ」
　描かれているのは、ピクニックを楽しむ親子連れ、デート中のカップル、バトミントンをする二人の少女、ダンスレッスンをするダンサー二人。
「僕の予知は、この光景の直後に真っ赤に染まる。魔がどうやって現れるのかまでは見えなかった。もう少し調査をすれば分かるんだけど……」
　檜希はやるせない、といった風に首を振った。
「ここにいる人たちを、事前に避難させることはできない。そこまですると、未来が変わって別の場所で別の被害を生んでしまうんだ。僕がそれを、予知できるとは限らないからね。だから、正午を過ぎたらここにいる人たちをどうにか避難させて、具現化した魔を退治してね。悲劇を、未然に防ぎたい。あ、魔は一体とは限らないからね」
　檜希は手元のスイッチを押した。そこには、別の画用紙に化け物が描かれていた。子供の落書きのような、クレパスで描かれた魔物の絵だった
　のっぺりとした、粘着質の肌を持つ化け物だ。見た目は目鼻のないオバＱに似ている。
「この魔は、ぬとぬとを投げつけたり掴んだ物を溶かしたりするんだ。性質はスライムに似ていて、捕まえた獲物を消化吸収するんだ。大きな網みたいに広がって、ぱくって食べちゃうイメージかな。とにかく、一般の人を全員避難させて、この魔を退治してほしい。セントラルパークに被害がなければ、特別ボーナスを払うってサニーさんが言ってたよ〜」
　檜希は少し申し訳なさそうに眉根を寄せた。
「僕に戦う力があったら、君たちを危険な目に遭わせることはないのに。危険な任務だけど、力を合わせて頑張って」
　檜希は祈るように両手をパン！　と合わせると、右手をさっと差し出した。
「君たちに、木々の守護がありますように！」



メタ発言コーナー
というわけで、第一話です。
セントラルーパークに現れる魔を退治してください。
一二時過ぎにどこからか現れます。
調査をすれば、何体がどこから現れるのか大体の目星がつけられて戦いが有利に働きます。
ぶっちゃけ、この辺の調査はどうしようか考え中。アイデアあったら教えてねｗ

勝利条件
一般人全員の避難
魔の退治

敗北条件
一般人の被害
森組の撤退

任務が成功して、セントラルパークに被害が無いか軽微であれば、サニーサイドからボーナスが出ます。

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