社会福祉士レポート～受験コミュの相談援助演習５　

「電話によるインテーク」と「訪問による面接」をとおして、面接者とのコミュニケーションのなかで、クライアント自身が問題を整理し、やがて自己決定へと歩みを進めるプロセスで展開していく、といった事例を通じてスーパービジョンの在り方や、相談援助技法について学びを得た。新人のソーシャルワーカー（以下、山手SW）は最初の電話によるインテークの際、突然に自宅訪問を伝えたり、クライエントの主訴を不十分なアセスメントにも関わらず、自分なりに解釈をされショートステイの利用を提案するなど時期尚早かつ、その他にも配慮に欠けた対応をしてしまい、クライエントとのラポールの形成どころか不信感を与えてしまったのである。インテークに限らず、面接において最も大切な援助者側の姿勢は、相手の気持ちや置かれている状況を理解した上で、一緒に対応策を考えていく事である。クライエントがどんな気持ちで何を訴えているかに耳を澄まし、言葉の表面的なイメージのみに反応するのではなく、相談内容やその背景を理解することが重要である。しかしながら、面接では会話に食い違いが起きることは十分に考えられ、この場合は相手の反応に注意を払い、吟味しながら軌道修正を行う必要がある。前述した解説のとおり、山手SWの対応には様々な不備や誤りがありました。私見として、日頃より相談援助業務を行っているがインテークを行う際に注意している点としてクライエントのパーソナリティ、精神状態、緊急性、環境や背景、そして理解度などを冷静に吟味し、ペースを合わせながら主訴を伺っています。これらは、100件のケースに2つとして一致するものはなく、画一的な対応は、信頼関係の崩壊は必然のことであり、さらにはクライエントや要介護者救済を遅延させてしまう事にも繋がりかねません。インテークは、フォローアップまで繋がる援助過程において最も重要なポイントであると感じています。次に訪問前の配慮について。①待合せ場所を自宅から少し離れた場所とする②時間丁度に自宅を訪問する③周囲に声が聞こえる場所では職業を名乗らないなど、いくつもの配慮がなされていた。自身の行いを振り返ると、反省ばかりが思いつき、今後の専門職としての振る舞いに活かして行きたい。そして場面は自宅での面接へと移る。ここで行われたベテランSWの「流れるような」面接は、クライエントを優しく包み込むような暖かい印象を受けた。しかし、ここには様々な根拠のある専門技法が用いられていたのである。エビデンスベースドソーシャルワークという考え方は初めて耳にしたが、将来の自身の展望として必要な思考であると感じた。この場面では「伝える技法」と「引き出す」技法が、タイミングよく用いられていた。相談援助過程においてバイスティックの7原則にもあるように「クライエントの感情表現を大切にし、自己決定を促し尊重する」ことが大切である。ベテランSWは、クライエントのストレングスとワーカビリティを察知し対応に繋げていた。その後の山手SWによる要介護者との面接では、部下の対応に困った表情を一度は見せたもののスーパービジョンの原則にあるように、スーパーバイジーのストレングスに着目し弱点には触れずに指導されており、様々な視点で大変勉強になった。今後も、相談援助職として、さらにはスーパーバイザーとしてクライエントやスーパーバイジーのエンパワメントを引き出し自律（自立）支援に繋げて行けるように努力していきたい。

参考文献
F.Pバイスティック（1957）ケースワークの原則前掲書（尾崎新ほか訳：1996年）誠心書房
渡辺律子（2011）高齢者支援における相談面接の理論と実際　表5ー2
奥川幸子、渡部律子＝監修ＤＶＤ版　面接への招待　核心をはずさない相談援助面接の技法