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NNDDL〜略称「のんどる」〜コミュの河野太郎・ごまめの歯ぎしり

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河野太郎公式ブログ
ごまめの歯ぎしり
http://www.huffingtonpost.jp/taro-kono/

軽減税率よりも
使わない船に年間12億円
1300億円の根拠
福島第一原発の安全管理
退職給付債務割引率
新たな財政の中期試算
危機的な銚子市の事業仕分け
安倍晋三候補の脱原発
1540億円の競技場
幻の1300億円プラン
関係閣僚会議に対する公開書簡
まだあるザハ案の疑問
未払い給食費と児童手当
新国立競技場のあやまちを繰り返さないために
自由民主党の新国立競技場見直しプラン
新国立競技場のゼロオプション
1300億円の根拠
集団的自衛権を考える
隠された報告書
まだまだ汚染水処理
欄外の注の効力
『強行』採決
高校生の英語
二宮町はなぜ揺れる
税収弾性値を巡る議論
若い世代の投票率を上げるには
骨太の方針2006との比較?
東京電力の支払い状況
新しい母屋と離れの関係
「9.4兆円」
新議長に大島理森代議士
偽装官民交流
姉妹都市関係の充実に
湘南のコメ
時代遅れの「ベースロード電源」
ちょっとおかしな人材育成
東電によれば
卒業式に年金を
リーマンショックの前と後
ゴールデンシート
パブコメ改革
逃げるな政治!
続・変えられた汚染水処理の定義
変えられた汚染水処理の定義
農協改革とは
パブコメと再エネ
形骸化するパブコメ
あり得ない数字
競争的資金に関するルール
財政健全化
ネット選挙
アンケートについて
特定秘密保護法の施行を前に
無念の時間切れ
解散台風北上中
高額療養費を考える
医療費を考えるために
なぜ再生可能エネルギーが導入できないか
不都合な原子力を救済する?
原発の本当のコストはいくらか
観光客49人で1人の雇用
これからの社会保障をどうまかなうか
屋久島の事業ヒアリング
福島第一原発視察
政府の事業にタグをつける
行革推進本部の仕事
霞が関のルール
マスコミの矜持
燃料電池車
外国人に対する社会保障
日系アメリカ人の歴史
人事給与システムの怪
国立感染症研究所の中では何が起きているのか
電力会社の利権を守る戦い
再稼働する前に
国策でも打ち切ります
増税を避けるために
市町村国保のある特色
年金保険料の「機械的」納付率
50年後に1億人
大本営発表に追随するマスコミ
隠されている資料
なんで事前に賛否がわかるのか
代理懐胎を認めるべきですか
憲法解釈はどうやって変えられてきたか
なぜ核燃料サイクルはできないのか
笑ってしまう燃料費増加の前提
日米の懸け橋
ボッタクリをなくせ!
年金再検証への疑問
デンマーク議連とグリーンランド
排外主義者
プライバシーとテロ対策
国民年金の現状
日米の指紋 つづき
アメリカにどこまで指紋を提供しますか
都知事選挙について その2
都知事選挙について
宮内庁の鴨猟2014
続々 特定秘密保護法

【河野太郎】
国政報告紙
http://www.taro.org/%e5%9b%bd%e6%94%bf%e5%a0%b1%e5%91%8a%e7%b4%99

NEW!第47号 目指せ、電力改革
■PDF版 (pdf739 KB) □ ワード版 (doc 45 KB)

第43号 廃炉にお金が足りない!
■PDF版 (pdf439 KB) □ ワード版 (doc 40 KB)

第39号 私は自民党をこう変える/公務員制度改革二案(PDF 836KB)

第11号 『トイレの無い家(原発政策について)』

コメント(23)


【河野太郎・ごまめの歯ぎしり】
ボッタクリをなくせ!
2014年05月13日
http://www.huffingtonpost.jp/taro-kono/post_7095_b_4961668.html

2013年11月6日に「経産省によるボッタクリ」というタイトルで、「経産省による回避可能費用は不当に安く計算され、消費者が負担する再エネ賦課金が巨額になっている。」というブログを書いた。
http://www.taro.org/2013/11/post-1418.php
固定価格買い取り制度の対象になる再生可能エネルギーは、電力会社が買い取らねばならない。
しかし、買い取った電力の分、電力会社は自前の発電をしなくても済むため、電力会社は費用を一部削減することができる。
この電力会社が削減できた分を回避可能費用と呼び、電力会社の買い取り費用からこの回避可能費用を引いた金額が、消費者が負担する再生可能エネルギー賦課金になる。
再生可能エネルギー賦課金=再エネ買取費用+事務経費−回避可能費用
そのため、回避可能費用の計算はとても大事で、これが不当に低く計算されると、消費者が負担する再生可能エネルギー賦課金が必要以上に高くなる。
しかし、これまでは水力や原子力のような発電単価の低い電源を含めた全電源の平均費用を回避可能費用としていた。
しかし、本来、電力会社はコストの高い電源から止めるべきであり、この回避可能費用の算出はおかしい。
その結果、回避可能費用が少なくなり、消費者の負担が過大になっているというのがそのブログの要旨である。
それに対して「この論旨の一部は、全くの間違いであり、「ボッタクリ」という表現は適切ではない。」という反論が出された。
「回避可能費用は電力事業者にとってみれば電気の仕入れ価格であり、計算方法を変更して回避可能費用が上がることは、電気料金の原価上昇を意味する。総括原価主義のもとであろうが、自由化されようが、原価が上昇すれば電気料金上昇につながる。」
この反論はおかしい。
再生可能エネルギーを買い取ることによって電力会社が支出を免れたコストが回避可能費用であり、それが電力料金に影響を与える、与えないにかかわらず、その算定を適正にするのは当たり前のことではないか。
さらにもう一度、『 』に気を付けて、この反論を読んでみてほしい。
「しかし、回避可能費用は電力事業者にとってみれば電気の仕入れ価格であり、計算方法を変更して回避可能費用が上がることは、電気料金の原価上昇を意味する。『総括原価主義のもとであろうが、自由化されようが』、原価が上昇すれば電気料金上昇につながる。」
総括原価主義のもとでは、原価が上がれば電気料金は上がる。
つまり、回避可能費用が上がって再エネ賦課金が下がれば、電力会社の電力購入費用が増え、電力購入費用は「原価」だから総括原価がその分増えて、電力料金が高くなる。
だから消費者は、再エネ賦課金が下がった分、電力料金で負担しなければならないから、同じことだと言いたいのだろう。
しかし、電力料金が自由化されれば、そうはいかない。回避可能費用が上がり、再エネ賦課金が下がったからといって、電力会社は電気料金を高くすることができるだろうか。
例えばトヨタが、原価が上がったから当然に自動車の販売価格が上がります、というだろうか。
モノの値段が市場価格で決まっているマーケットでは、原価が上昇したからといって、当然には価格は上がらない。電力会社は、まず、水膨れしたコストを削らなくてはならない。
総括原価主義のもとでは、原価が上がれば電気料金は上がるが、「自由化されようが原価が上昇すれば電気料金上昇につながる」ことはない。
電力市場の自由化はプログラムに沿って着々と進む。総括原価で電力料金が決められた時代はもうそろそろ終わる。
だから今、きちんと回避可能費用を計算しておかないと、自由化されても再エネ賦課金が不当に高くなってしまう。
日本には、余った電力を取引する卸電力市場というものがある。電力会社が電力を調達することが必要になった場合、この卸電力市場で調達することができる。
だからこの卸電力市場での取引価格を回避可能費用にすればよいのではないかという提案もしている。
例えば、現在、新電力の回避可能費用はこれまでの電力会社の回避可能費用の平均とされている。
この費用が極端に安くなっているため、新電力は再生エネルギーを回避可能費用相当額で購入し、それをそのまま卸電力市場で売却してサヤを抜いて儲けるということができてしまう。
これを見ても回避可能費用が安すぎるのがわかる。
回避可能費用は、少なくとも卸電力価格であるべきだ。


この提案にも反論がでた。
「卸電力価格を使うという提案は...合理性が高い。しかし、日本の卸市場は小売販売電力量の0.5%しかなく、FITの買取発電量と比べても1/3程度しか無い。これを回避可能費用の参照価格とするのは時期尚早であるように思える。」
我が国の電力の卸市場が小さいのは、東京電力をはじめとする電力会社の嫌がらせによるところが少なくない。
例えば、3.11直後に東京電力が、東電管内の送電網を卸電力市場で取引された電力に対してクローズしたのは記憶に新しい。
東京電力は、計画停電をやらねばならないほど供給が逼迫していると言いながら、供給余力のある企業に対して送電網へのアクセスを拒否するという暴挙にでたのだ。
現状のように、卸電力市場で電力を調達するよりも、回避可能費用で再生可能エネルギーを買ったほうが安いという状況では、ますます卸電力市場は利用されなくなる。
電力改革には卸電力市場の更なる整備が不可欠なのに、これまでのような安い回避可能費用は市場をゆがめる。
この反論でも卸電力市場が一定の大きさになれば卸電力価格を回避可能費用にできるといっているようだから、卸電力市場をみんなで育てていかなければならない。
すでに経産省は回避可能費用がおかしかったことを認め、修正に入っている。
「こうした検証を経ずに「ボッタクリ」といった刺激的な言葉を使うことは決して生産的ではない。また、この議論に時間を費やすよりは、いかに再エネを合理的に拡大していくか、普及策としてFITがふさわしいのかについて改めて議論を行うほうが建設的ではないだろうか。」とこの反論は言う。
しかし、回避可能費用をきちんと計算すれば、再エネ賦課金は下がる。
そして電力市場が自由化されれば、総括原価も廃止され、電力会社は電力購入費を単純に総括原価に加えて消費者からとることができなくなる。
おかしな回避可能費用を定めて、再エネ賦課金を人為的に高く設定したのは『ボッタクリ』以外のなにものでもない。
電力会社と経産省に騙されてはいけない。
(2014年03月13日「 河野太郎公式ブログ ごまめの歯ぎしり」から転載)


【河野太郎・ごまめの歯ぎしり】
笑ってしまう燃料費増加の前提
2014年05月17日
http://www.huffingtonpost.jp/taro-kono/taro-kono_b_4982611.html

経産省が、原発停止による火力発電の焚き増しに関する燃料費の増加の計算について、説明に来る。
説明を聞いているうちに、笑ってしまう。
燃料費増加の影響は3.6兆円というが、その計算の前提は2013年度に、福島第一原発の1号機から6号機が動いているという前提なのだ。
福島第一原発の1号機から6号機、福島第二原発、活断層問題の敦賀2号機などがすべて稼働するという前提だ。
試算の前提は、「原発はベースロード電源であり、仮に原発停止がなければ、需要の増減にかかわらず、震災前と同等規模の発電がおこなわれると考えられる。」
経産省は、この前提がおかしいと思っていないのか。
そんな前提の3.6兆円が独り歩きしているが、いや、独り歩きするように説明してきたというのが正しいのかもしれない。
(2014年03月18日「河野太郎公式ブログ ごまめの歯ぎしり」から転載)


【河野太郎・ごまめの歯ぎしり】
なぜ核燃料サイクルはできないのか
2014年05月27日
http://www.huffingtonpost.jp/taro-kono/post_7214_b_5046857.html

政府・与党が議論しているエネルギー基本計画の政府案には、核燃料サイクルを推進するなどというとんでもないことが書かれています。
しかし、核燃料サイクルは、現状では進めようとしても進められないのが現実です。
なぜ、核燃料サイクルを進められないのか、ひろく大勢の皆様と問題意識を共有していきたいと思います。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

本音と建前の乖離
まず、なぜ経産省と電力会社は、破綻しているのが明白な核燃料サイクルを強引に進めようとしているのでしょうか。
電力会社はこれまで立地自治体に対して、使用済み核燃料は原発敷地内のプールで一時的に冷却保管するが、一定の時間が来れば青森県の再処理工場に搬出するので、使用済み核燃料は立地自治体には残らないという約束をしてきました。
一方、再処理工場がある青森県は、使用済み核燃料は、再処理の原材料であるという位置づけで県内への搬入を認めてきました。
もし、再処理をやらないことになると、使用済み核燃料はただの核のゴミになってしまいます。そうなると国、電力会社と青森県との約束で、電力会社は使用済み核燃料を青森県から持ち出さなくてはならなくなります。
持ち出した使用済み核燃料を原発の立地自治体に保管するためにはこれまでの地元との合意の枠組みを作り直す必要がありますが、電力会社は、それをしたくないし、それができるとは思っていません。
しかも現実には、再処理工場が問題だらけで稼働でないため、再処理工場にある原材料プールはすでに満杯になり、これ以上再処理工場向けに搬出はできません。
使用済み核燃料の中間貯蔵施設も、結局、青森県のむつ市にしか建設することができませんでした。
この状況では、青森県から使用済み核燃料を持ち出しても持っていくところがないのが現実です。
そのため、経産省と電力会社は、再処理の継続を明言し、使用済み核燃料の問題を先送りする道を選び続けてきました。
しかし、そのために莫大なコストを支払って再処理を進める、あるいはすすめるふりをしなければなりません。
使用済み核燃料の問題と向き合わないために核燃料サイクルを進めるという馬鹿なことはやめるべきではないでしょうか。
使用済み核燃料の中間貯蔵、最終処分について、逃げずに真正面から徹底的な議論・合意形成を進めることが必要です。
そのためには、再処理ありきの議論ではなく、再処理を白紙にした場合の議論が必要です。
原発に関する国民的議論が高まる中で、「使用済み核燃料の搬出先がないから核燃料サイクルを動かす」という本末転倒の論理は通用しません。


当初の目的の消滅・プルサーマルの無意味さ
そもそも核燃料サイクルは、高速増殖炉によるプルトニウム燃料の増産が目的でした。その実現が困難となった今、核燃料サイクルを継続する意義はありません。
高速増殖炉が実用化される見込みがなくなる中で、経産省はプルトニウムをウランと混ぜたMOX燃料を作り、それを普通の原子炉で燃やすプルサーマルを推進する方向に転換しました。しかし、問題だらけです。
まず、ウラン燃料を燃やしてできる使用済み核燃料を再処理しても再利用できるのはプルトニウム1%とプルトニウムとともに回収される回収ウラン1%の合計2%にすぎません。
残りの回収ウランは不純物が多く、そのままでは再利用できません。
不純物の混ざった回収ウランを燃料にするためには再転換、濃縮、転換、成型加工のプロセスが必要ですが、日本にはそのための転換工場がないため、回収ウランから燃料を製造できません。
現状では、再処理で回収されたウランは貯蔵しておくしかないのです。
再処理して取り出した1%のプルトニウムと1%の回収ウランにしても、それからMOX燃料をつくるためには、新しい劣化ウランを混ぜて濃度の調整することが必要になります。
ですからほとんどウランのリサイクルにはならないのです。
それでも新しい劣化ウランを混ぜてMOX燃料をつくったとしましょう。
このMOX燃料を燃やすと、ウラン燃料と同じように使用済み核燃料になります。しかし、その使用済みMOX燃料は、プルトニウムの濃度が高く、臨界の危険性などから、六ヶ所では再処理できません。
使用済みMOX燃料は、使用済み核燃料と比べ発熱量が大きく、取り扱いも困難であり、必要となる貯蔵施設、処分施設の面積は大きくなります。
新品のウラン燃料を燃やしてできた使用済ウラン燃料に含まれる核分裂性プルトニウムはプルトニウム全量のうち67%ですが、それが使用済みMOX燃料の場合は約60%にまで低下します。
MOX燃料として使うためには核分裂性プルトニウムがプルトニウム全体の60%程度含まれていることが必要です。それを考えると、もし仮に使用済みMOX燃料を再処理しても、新しいプルトニウムを加えなければ燃料を作ることはできません。
ですから核燃料サイクルといってもそのまま燃料のリサイクルが可能なのはせいぜい2回までで、無限にサイクルが続くわけではありません。
そのために二ケタの兆円のお金を使うならば、ウラン鉱山を買ってしまったほうが安上がりです。
もうひとつ大事なことは、使用済み核燃料は放射能が強く取り扱いが困難で、テロリストがむやみに使づくことはできません。しかし、再処理して取り出されるウラン・プルトニウム混合物はプルトニウムの取出しが容易であり、核不拡散に逆行します。

コスト高
再処理すれば、原子力の発電コストに加え、1.6円/kWhの追加コストが発生し、電力会社や消費者の負担が増加します。
さらに廃棄物の最終処分で比べても、再処理は、直接処分と比べてもコスト高であることは明らかです。

核不拡散
高速増殖炉が実現せず、プルサーマルも進展しない中、再処理で抽出されるプルトニウムの使いみちがありません。
使用目的のないプルトニウムの抽出については国際的な理解を得られません。日本が再処理を継続することが、韓国やブラジルなどの再処理意欲を刺激しているのが現実です。

供給安定性
ウランの可採埋蔵量は当初の想定よりも多いとみられ、供給元もカナダ、豪州など多様です。仮に供給安定性を図るなら、ウランの備蓄のほうが安価で合理的です。

環境負荷
再処理をすれば、高レベル放射性廃棄物の体積は減容されるものの、再処理の過程で直接処分では存在すらしないTRU廃棄物が大量に発生し、さらに低レベル放射性廃棄物も莫大になります。
再処理工場の廃止に伴う廃棄物の発生量まで合計すれば、廃棄物体積は4〜5倍になります。
再処理を行うと非常に高濃度の放射性物質が放出されます。沖合にある放出口が周辺監視区域に指定され、モニタリングされる担保が必要です。

耐震性
六ヶ所村の再処理施設は450ガルの揺れを前提に建設された施設ですが、試運転により施設内部は既に汚染されており、追加的な耐震補強は不可能です。

稼働の実現可能性
六ヶ所の再処理施設については、事故・故障が続き、完成予定時期の延期はこれまでに19回にも及んでおり、順調な稼働は見込まれません。

将来的な技術展望
高速増殖炉が実現不可能な中で、核燃料サイクルを推進することは無意味であり、限られた資源を集中するべき研究は核種転換や除染、廃炉のはずです。
 
これでも本当に核燃料サイクルやりますか?

(2014年3月28日「河野太郎公式ブログ ごまめの歯ぎしり」より転載)


【河野太郎・ごまめの歯ぎしり】
隠されている資料
2014年05月27日
http://www.huffingtonpost.jp/taro-kono/yoshidachosho_b_5394877.html

朝日新聞が吉田調書を探り出し、インターネットに順次掲載している。しかし、国会事故調にかかわった人たちは、それどころではない資料が国会事故調の収集した資料にはあったという。電事連の会議録や安全規制のルール作りに関する班目氏の発言やさまざま、もろもろだそうだ。電事連は、あれだけのロビー活動や妨害行為をやりながら、任意団体だからと会計ひとつ公開していない。最近は、東京電力を外して電力自由化に備えた会合を重ねているようだが、福島第一原発事故以前に行われた電事連の様々な会議録が国会事故調によって収集され、国会図書館に眠っているそうだ。本来、国会事故調の資料は公開されるために国会図書館に送られたのに、公開のためのルールがないからと非公開のまま、保管されている。国会は、一日も早く、公開ルールを作るべきではないか。やらないならば、原子力に関する特別委員会の委員を一掃するべきだ。(2014年5月26日「ごまめの歯ぎしり」より転載)


【河野太郎・ごまめの歯ぎしり】
国策でも打ち切ります
2014年09月11日
http://www.huffingtonpost.jp/taro-kono/biomass_b_5581280.html

7月9日、農林水産省は「バイオ燃料生産拠点確立事業」を、今年で打ち切ると発表した。
農水省は、2007年から北海道二か所、新潟一か所で行われている国産バイオエタノール製造・販売事業に支援をしてきた。
しかし、2007年度から2014年度まで218億円の補助金を投入しながら、三か所のいずれも事業化のめどが全く立たないという状況であった。
それどころか毎年、20億円を超える補助金がこれからも延々と突っ込まれかねない状況にあった。
自民党のムダボチームは、昨年12月のヒアリングの結果、この事業の検証を農水省に命じた。
農水省は、これを受けて外部有識者による検証委員会を立ち上げて、今後の事業化の可能性を検証した。
この間、3つの事業主体に対して、検証委員会は事業の計画を作り直しを求めたり、さまざまな努力をした結果、自立化、事業化は難しいという結論を出した。
これを受けて、農水省はムダボチームに、今年度限りで事業を打ち切ることを報告し、チームも了承した。
「国策にそって取り組んできた事業だけに...」というコメントも事業主体からあったが、国策だから赤字を垂れ流してもかまわないということにはならない。
事業の前提をさまざまに変えてみても黒字化の望みがないという事業主体からの報告では、ここに国費を投入し続けることはできない。
今回は、農水省が極めて前向きに、素早く対応し、検証委員会も省庁の有識者会議とはこんなものという常識を覆すような目覚ましい活動をしてくれたことを特記しておきたい。
今後、これが常識となるような活動をしていきたい。
(2014年7月12日「ごまめの歯ぎしり」より転載)


【河野太郎・ごまめの歯ぎしり】
再稼働する前に
2014年09月18日

国会が閉会し、エネルギー問題に関して、あちこちで講演の依頼が増えてきました。7月20日(日)には、茨城県笠間市の笠間公民館大ホールで、常井洋治県議後援会と自由民主党岩間支部の共催で午後2時から、講演します。

さて、規制委員会により九州電力川内原発の審査基準への適合が認められ、再稼働に向けて動き出したと報じられています。審査基準への適合審査は独立した規制委員会が判断すべきことですが、再稼働に至るまでには、まだまだやるべきことがあるはずです。

たとえば使用済み核燃料の取り扱いなどは、本来、再稼働する前に国民的な合意を形成しておくべきものです。再稼働すると、国内のほとんどの原発は、数年以内に使用済み核燃料プールが一杯になります。電力会社は青森県六ケ所村の再処理施設で使用済み核燃料を再処理することで対応しようとしています。しかし、高速増殖炉の開発が事実上不可能になった今、再処理する意味はありませんし、経済的な合理性もありません。

そもそも使用済み核燃料を再処理しても再利用できるのはプルトニウム1%とプルトニウムとともに回収される回収ウラン1%の合計2%にすぎません。残りの回収ウランは不純物が多く、そのままでは再利用できません。回収ウランを燃料にするためには再転換、濃縮、転換、成型加工のプロセスが必要ですが、日本にはそのための転換工場がないため、回収ウランから燃料を製造できません。現状では、再処理で回収されたウランは貯蔵しておくしかないのです。再処理して取り出した1%のプルトニウムと1%の回収ウランにしても、それからMOX燃料をつくるためには、新しい劣化ウランを混ぜて濃度の調整することが必要になります。

ですから経産省や電力会社が言うようなウランのリサイクルにはほとんどならないのです。再処理して取り出したプルトニウムをウランと混ぜたMOX燃料を燃やすと、使用済みMOX燃料になります。しかし、その使用済みMOX燃料は、含まれているプルトニウムの濃度が高く、臨界の危険性などから、六ヶ所では再処理できません。これを再処理しようとすれば、新たな再処理施設が必要になります。使用済みMOX燃料は、使用済み核燃料と比べ発熱量が大きく、取り扱いも困難であり、必要となる貯蔵施設、処分施設の面積は大きくなります。ウラン燃料を燃やしてできた使用済核燃料に含まれる核分裂性プルトニウムはプルトニウム全量のうち67%ですが、それが使用済みMOX燃料の場合は約60%にまで低下してしまうので、もし仮に使用済みMOX燃料を再処理したとしても、新しいプルトニウムを加えなければ燃料にすることはできません。

ですから核燃料サイクルといってもサイクルが続くわけではありません。また、使用済み核燃料は人間が使づくことが困難なほど放射能が強く、取り扱いが困難ですが、再処理して取り出されるウラン・プルトニウム混合物はプルトニウムの取出しが容易であり、核不拡散に逆行します。

電力会社は、原発の立地自治体に対して、使用済み核燃料は原発敷地内のプールで一時的に冷却保管するが、一定の時間が来れば青森県の再処理工場に搬出するので、使用済み核燃料は立地自治体には残らないという約束をしてきました。

一方、再処理工場がある青森県は、使用済み核燃料は、再処理の原材料であるという位置づけで県内への搬入を認めてきました。しかし、六ヶ所村の再処理工場は依然として問題だらけで稼働できないため、各地の原発から搬出された使用済み核燃料で、再処理工場にある3000トンの原材料プールはすでに満杯になっています。

もし、再処理をやらないことになると、使用済み核燃料はただの核のゴミになってしまいます。そうなると国、電力会社と青森県との約束で、電力会社は使用済み核燃料を青森県から持ち出さなくてはならなくなります。

しかし、使用済み核燃料を原発の立地自治体で保管するためにはこれまでの地元との合意の枠組みを作り直す必要があります。この問題を避けるために、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の建設が急務でしたが、結局、青森県のむつ市にしか建設することができませんでした。この状況では、青森県から使用済み核燃料を持ち出しても持っていくところがないのが現実です。


そのため、経産省と電力会社は、再処理の継続を明言し、使用済み核燃料の問題を先送りする道を選び続けてきました。しかし、そのために莫大なコストを支払って再処理を進める、あるいはすすめるふりをしなければなりません。

使用済み核燃料の問題と向き合わないために核燃料サイクルを進めるという馬鹿なことはやめるべきではないでしょうか。使用済み核燃料は、ドライキャスクと呼ばれる容器に入れて、空冷で保管するのが一番、安全です。

問題は、どこでそれを保管するかということです。

再稼働する前に、使用済み核燃料とどう向き合うか、国民を巻き込んでしっかり議論するべきです。「使用済み核燃料の搬出先がないから核燃料サイクルを動かす」という本末転倒の論理は、もうやめなければなりません。

核のゴミには目をつぶり、やみくもに再稼働しようというのは無責任です。

(2014年7月19日「ごまめの歯ぎしり」より転載)


【河野太郎・ごまめの歯ぎしり】
電力会社の利権を守る戦い
2014年09月24日
http://www.huffingtonpost.jp/taro-kono/power-company_b_5622573.html

電力の自由化は安倍内閣の三本目の矢の目玉の一つだ。
が、電力会社が必死にサボタージュをしようとしている。
例えば楽天リサーチによるインターネット調査によれば、男性の25%、女性の33%が「電気代に関わらず原発を保有する従来の電力会社を選択したくない」と答えている。
数字はともかく、それなりの数の消費者が自由化されれば電力の購入先を変えたいと思っているのはまちがいないだろう。
そこで問題になるのは、携帯電話を乗り換えるようにワンストップで電力会社を乗り換えられるようになるかどうかだ。
専門家によれば、乗り換えは簡単で、自宅の電力のメーターの番号を新しい電力会社に通知すれば手続きは終わるそうだ。
しかし、これに既存の電力会社が難色を示し、なりすましの恐れがあるからきちんと確認ができるようにしないとだめだと主張している。
そもそも現在の電力のメーターは、検針員が確認をするために屋外に設置され、そのために雨風をしのぐためのスペックが必要になっている。
屋外の人の目に触れるところに設置してあるメーターだと、誰でも番号を読み取って、なりすますことができるから、様々な対策が必要だというのが既存勢力の主張らしい。
しかし、現在の通信環境であれば、屋内の配電盤に小さいメーターを設置し、データを飛ばせばよいので、誰でも番号を読み取ってなりすますことができないようにすることは簡単だ。
もう一つの問題は、電力会社が作ろうとしているスマートではないメーターだ。
家庭用を中心とした低圧のスマートメーターを、電力会社はバケツリレー方式、俗にいうマルチホップ方式と呼ばれるものでやろうとしている。
三十分間の電力使用量をはじめとするデータを、次の四時間以内に送りますという仕様だ。
電力消費量のデータが四時間経たないとわからなければ、ピークカットに役立たない。
現状でも大口の高圧のデータは、三十分間のデータを次の三十分の間に送ることができる。
高圧でできることを低圧ではやらないというのはおかしい。
しかも電力会社は、電力の小売り会社に対して電力に関して需要と供給が三十分同時同量になることを求め、そこに差が出てくるとペナルティを課している。
それなのにデータがリアルタイムに取れないシステムをつくろうというのは...。
電力料金の計算は、関東と関西で違う。
関東ではブレーカー値に基づいた基本料金があり、それに従量料金が加わってくる。ブレーカーによって最大電力量が決まる。
関西ではブレーカー値がなく、最低料金に従量料金が加わって料金が決まる。
スマートではないメーターの統一仕様にはブレーカー値が入っていない。電力会社は、今までのやり方を踏襲したいだけで、新しくどんなサービスができるようになるかという視点でスマートメーターの仕様をつくっていない。
電力自由化に必要なスマートなメーター、スマートなグリッドに作り替える必要がある。
経産省は、どうやら電力自由化と言いながら、こうしたことを見て見ぬふりしている。経産大臣は、総理を見ているのか、電力業界を見ているのか。
(2014年7月25日「ごまめの歯ぎしり」より転載)


【河野太郎・ごまめの歯ぎしり】
行革推進本部の仕事
2014年09月20日
http://www.huffingtonpost.jp/taro-kono/story_b_5853226.html

自民党の行政改革推進本部の大きな仕事の中に、中長期の財政見通しをつくることと来年度の予算に向けた無駄撲滅があります。
政府は、国と地方を合わせた基礎的な財政収支の赤字を対GDP比で、2010年度と比較して2015年度に半減させ、2020年度には国と地方を合わせた基礎的財政収支を黒字化するという財政健全化目標を掲げています。
基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字とは、国債の利払いを除いた歳出を、国債を除く税収その他の歳入で賄えない部分をいいます。
2010年度の基礎的な財政収支の赤字は対GDPで6.6%でした。ですから、2015年度、つまり、来年度の基礎的な財政収支の赤字はGDP比で3.3%までに抑えなければなりません。
内閣府の試算によると、アベノミクスにより経済が好転すると、2015年度の基礎的財政収支の赤字は、3.2%になる、つまり目標は達成できることになっています。
しかし、その後はあまり改善できず、このままでは2020年度の黒字化は困難という見通しです。来年度以降、2020年度に向けて、歳入と歳出をどうバランスさせていくのかというのが中長期の財政見通しです。
そしてそのための一里塚として来年度の財政健全化目標を達成することは非常に重要です。
内閣府の2015年度の基礎的な財政収支の赤字がGDP比で3.2%におさまるという試算の前提は、2.8%の経済成長、歳出は社会保障費の自然増以外は一切なし、法人税減税は入れていないというものです。あまり現実的な数字ではありません。
2014年度の予算は、基礎的財政収支の対象になる歳出が72.6兆円。(それに国債費の利払い23.3兆円を加えて歳出合計は95.9兆円)
ちなみに2014年度の税収は50兆円。
2015年度は、税収が55.6兆円と仮定して(法人税減税は入れていません)、基礎的財政収支の赤字目標を達成するためには、国債費を除く歳出を74.4兆円に抑える必要があります。
つまり2014年度と比べて、1.8兆円の歳出増で抑える必要があります。
社会保障費の自然増が8300億円、消費税を含む税制改正に伴う社会保障の充実で見込まれるのが約1兆円。ここまでで、合計1.8兆円になってしまいます。
概算要求では社会保障の自然増8300億円、地方交付税と義務的経費は前年同額、そして裁量的経費(14.7兆円)は10%削減をベースにしています。
これにより、新しいことをやるための枠として1.47兆円が確保されましたが、各省庁からの新規要望は3.88兆円。
さらにその外に「事項要求」とよばれる金額はまだ入れていないけれど、こういうことをやる必要がありますよという要求として、整備新幹線、地方創生交付金などがあります。
さらに、ここでいう基礎的財政収支の歳出は、予算に計上したベースではなく支出ベースで計算されるので、2014年度に補正予算が組まれ、その執行が2015年度にずれ込むものがあれば、その金額も2015年度の歳出として計算されます。
2015年度に補正予算が組まれれば、2015年度中に執行された金額は当然、計上されます。
法人税減税はここまでの計算には入っていませんから、やればその分、歳出の上限は下がることになります。
ということで、目標は達成できるという楽観的な内閣府の試算は発表されていますが、2015年度の基礎的財政収支の赤字半減は、極めて厳しいのが現実です。
そのために、社会保障の自然増8300億円分の歳出が増えるのを当然の前提とせず、社会保障から行革推進本部で見ていこうと思います。
先に無駄撲滅プロジェクトチームで出した提言のジェネリック医薬品の徹底など、社会保障分野でやれることを、まず、きちんとやっていただかなければなりません。
そしてそのうえで、あらゆる予算を見直しててきます。
(2014年9月19日「ごまめの歯ぎしり」より転載)


【河野太郎・ごまめの歯ぎしり】
福島第一原発視察
2014年09月24日
http://www.huffingtonpost.jp/taro-kono/fukushima-1-nuclear-power-plant_b_5871178.html

原発ゼロの会で二回目となる福島第一原発の視察を9月22日月曜日に行いました。
参加議員は近藤昭一、秋本真利、菅直人、小宮山泰子、阿部知子、鈴木望の各代議士と私です。その他に逢坂誠二、服部良一元代議士と加藤修一元参議院議員も参加しました。
菅元総理は事故翌日以来の福島第一原発訪問になりました。
上野駅7時発のスーパーひたちで9時過ぎにいわき駅に到着。
10:20 Jヴィレッジにて昼食、ホールボディカウンタ受検
12:00 第一原発到着サイト内視察(15:40まで)
16:20 Jヴィレッジにてホールボディカウンタ受検
18:00 いわき駅到着 18:20のスーパーひたちで帰宅。
昨年使った全面マスクは鼻と口を覆うものに変わっていましたが、サイト内に入るための準備そのものはあまり変わっていません。
着ていったものはパンツ1枚だけを残して総着替え。
パンツの上に支給される長袖、長ズボンの下着上下を着て、ビブスを着ます。背中に冷却材を入れ、左胸に線量計と入館証。
タイベックのつなぎ上下、靴下二枚ずつ、綿手袋、ゴム手袋とシール、さらにその上からもう1枚ゴム手袋。
帽子、マスク、メガネをしていない人はガンマ線防止メガネ、タイベックのフード、ヘルメット、サイト内用の靴、靴カバー。
涼しい日でしたが、汗ぐっしょり、のどはからから。マスクを締めすぎた人はみんな頭が痛くなっていました。
作業環境はかなり劣悪です。この中で作業している方々には本当に頭が下がります。
サイト内の視察は主に4号機の使用済み燃料の取出し工程を作業現場まで上がって視察し、さらに凍土壁の工事現場と地下水バイパスの井戸等を視察しました。
総被曝量はガンマ線で0.02マイクロシーベルト、ベータ線では0.0マイクロシーベルトでした。
3号機横では毎時95マイクロシーベルトの線量を記録しました。
4号機の使用済み核燃料取り出し作業を行っている現場では、毎時8−20マイクロシーベルトでした。
作業員の数が約6000名と昨年の視察時よりもかなり大きくなっていました。そのうち半分近くが土木作業に従事しています。
作業員の大部分は、月平均で1ミリシーベルト、年間にして12ミリシーベルトの被曝をするようですが、年間50ミリシーベルト、5年間で100ミリシーベルトという上限に達するようなことはまずないという説明でした。
しかし、建屋に入る作業だと一回の作業で1−2ミリシーベルトの被曝をしてしまい、凍土壁など建屋の近くでの作業でもかなり高い被曝になるため、計画的に配置替えをして被曝線量を抑えていました。
凍土壁の作業は毎日午後5時からのシフトで進められ、周囲1500メートルに1メートル間隔で冷却材を入れるケーシングを地下30メートルまで打ち込む作業が進んでいます。
地下水が流れ込んでいるような流れのある部分も凍るのかどうか、まだまだ不明な点もあるようです。
作業員の休憩所として8階建ての大きなビルが第一原発の入り口付近で建設が進められていました。
作業員のけがについては、担当する工事の経験が深い作業員にも起きていて、マスクや手袋、タイベックなどを装着して作業をするという福島第一の現場の経験が浅い人がけがをしやすいようです。
入所時の教育の更なる徹底が必要です。
アメリカ人の溶接工など、経験が必要とされる部分には外国人の作業員もすくなくありません。
バスから降りない視察は、現在、地元の方々を中心に、1日2回程度行われているようです。
日立製の高性能ALPSの稼働が間もなく始まりますが、高性能とは廃棄物として出てくるものが少なくて済むということです。
現在も汚染水の量は1日400トン、2日半で1000トンタンクがいっぱいになる状況は変わらず、サイト内のタンクは増え続けています。
汚染水の発生を防ぐために地下水バイパスで1日300トンをくみ上げますが、それによって300トン地下水が減るわけではなく、周りから水が回ってくるため、300トンをくみ上げると50−80トンの水が減るようです。
表面を舗装して雨が地下にしみ込むのを防いだり、さまざまな対策を講じて地下水の流入を1日あたり100−130トン減少させたいとのことでした。
4号機の使用済み核燃料の取出しは、順調のようですが、曲がったものや穴の開いたものが数本あり、それらの取出しは最後になるようです。
被曝線量の管理をはじめ、作業員の安全管理の仕組について、原発ゼロの会で議論をしていきたいと思います。
(2014年9月24日「河野太郎公式ブログ」より転載)


【河野太郎・ごまめの歯ぎしり】
原発の本当のコストはいくらか
2014年10月17日
http://www.huffingtonpost.jp/taro-kono/cost-of-nuclear-plant_b_6000754.html

小渕経産大臣の政治資金に関して、国会でも質問が飛んでいる。
もちろん政治資金の流れにおかしなことがあってはならない。しかし、経産大臣に国会で金の話を質問するならば、もっと突っ込みどころがあるはずだ。
10月2日の参議院本会議で小渕大臣は、「原発の発電コストはその他の主要電源のコストと比較しても遜色なく低廉な電源と考えています」と答弁している。

本当にそうなのか。

10月8日の参議院予算委員会で、政府は「原発のコストについてはキロワットアワー当たり8.9円以上となっておりまして、その他の電源に比べて低廉なものと認識をしています」と答弁している。
これは福島の事故の費用が5兆8000億円であるとして計算された数字だ。2011年のコスト等検証委員会の計算である。
この計算の前提は、福島第一原発の1号機から4号機の4基を除く50基の原発がすべて再稼働され、その後、40年間稼働するというものだ。
しかし、実際の福島の事故の費用はこれをはるかに超えている。
立命館大学の大島堅一教授の試算では

損害賠償額 4兆9088億円
賠償対応費用   777億円
除染費用  2兆4800億円
中間貯蔵施設1兆0600億円
事故収束費用2兆1675億円
行政対応費用  3878億円
合計   11兆0819億円

原発の発電コストと経産省が称するものにこの費用を加えたものを、50基の原発が40年で発電する電力量で割ると、キロワットアワーあたりの原発の発電コストは9.4円になる。
さらに、これを現実的な試算に置き換えてみる。
現在、我が国にある50基の原発がすべて再稼働するものとするが、それぞれの原発は建設から40年経ったところで運転を停止するとして計算すると、11.4円になる。(大島堅一教授の試算による)
もちろん福島第一原発の5、6号機は再稼働しないし、日本原電の原子炉も再稼働できないだろう。その他にも再稼働しないものは少なからずあるはずだ。
だとすると、

原発のコストはさらに高くなる。

とてもじゃないが「原発の発電コストはその他の主要電源のコストと比較しても遜色なく低廉な電源と考えています」などとは言えない。
小渕経産大臣に、国会で、金の質問をするならば、まず、こっちのほうから質問するべきではないか。
ちなみに

損害賠償額 4兆9088億円 電力消費者負担

賠償対応費用   777億円 電力消費者負担

除染費用  2兆4800億円 支援機構の株の売却益を想定*

中間貯蔵施設1兆0600億円 国民負担

事故収束費用2兆1675億円 電力消費者負担

行政対応費用  3878億円 国民負担

* 国が1兆円で買った東電の株を3.5兆円で売却し、その利益2.5兆円を充当する。

事故費用のうち、東京電力が自らの利益で負担したのは、災害特別損失の10−12年度の合計額1兆259億円と新総合特別事業計画で積み増した1兆円の

合計2兆259億円

と原子力損害賠償支援機構への特別負担金だけだという。(大島堅一教授による)
ちなみに2013年度までの特別負担金は500億円。
(2014年10月17日「ごまめの歯ぎしり」より転載)

●●●●●●●●●●●●●●●

実際の福島の事故の費用合計
11兆0819億円以上

事故費用のうち、東京電力が自らの利益で負担したのは、
2兆759億円。


【河野太郎・ごまめの歯ぎしり】
再稼働する前に
2014年09月18日
http://www.huffingtonpost.jp/taro-kono/sendai-genpatsu-saikadou_b_5602741.html

核のゴミには目をつぶり、やみくもに再稼働しようというのは無責任です。
(2014年7月19日「ごまめの歯ぎしり」より転載)

>>[8]
>>[9]


【ごまめの歯ぎしり】
エネ庁の陰謀
2016.09.11
http://www.taro.org/2016/09/%E3%82%A8%E3%83%8D%E5%BA%81%E3%81%AE%E9%99%B0%E8%AC%80.php

この夏、エネ庁の中を怪文書が駆け回っている。
その怪文書を持って、議員会館の中をせっせと回る官僚もいる。
それをすっぱ抜いたのが9月8日付けの毎日新聞の記事だ。
東京電力の福島第一原発の廃炉費用や事故の賠償費用に、そのほかの原発の廃炉費用を合計すると8.5兆円になり、その負担を電力会社だけでなく、新電力にも求めようというスキームが描かれている。
電力自由化で、大手の電力会社から新電力への切り替えが進むと大手の電力会社の負担が増えるので、それを救済しようというエネ庁の画策だ。
つまり、電力の供給に大手電力会社の送電網を使わざるを得ない新電力が負担する託送料金にこうした費用を上乗せして徴収し、新電力と契約した消費者にも負担をさせようというのだ。
安倍政権で進めてきた電力自由化に全く逆行する。
電力自由化の狙いの一つは、大手電力会社と新電力が競争し、あるいは地域独占で高い利益を上げてきた大手電力会社同士が競争し、電力料金が下がっていくことにある。
新電力の消費者が使ってもいない原発のコストを負担させられたら電力自由化は意味を失う。
過去にNTTの電話を使ったことがあるからといってauやソフトバンクの利用者にDoCoMoのコストを負担させるようなものだ。
そもそも原発のコストはバックエンドを含めても安いとエネ庁も電力会社も主張してきた。 もちろんそれが明らかな嘘であると知りながら。
2012年9月21日付けのブログ「原発再稼働と電力会社の経営」
http://www.taro.org/2012/09/post_1266.php
で、廃炉費用の引き当て不足について書いたが、電力会社は利益を増やすために必要な廃炉の引き当てをしてこなかった。
利益は懐に入れさせておいて廃炉費用を国民に押し付けようというのはおかしい。
もともと原発のコストには、バックエンドから事故の賠償から、すべて入っての計算のはずだ。 経営判断としてそれを推し進めてきたのだから、その責任は電力会社が負担するのは当然だ。
さらにこれまで電力会社やエネ庁が主張してきた廃炉費用の見積もりにも疑念がある。
ドイツの廃炉費用の見積もりやすでに始まっている東海原発の廃炉費用の見積もりと比べて、大幅に安い。
さらに資産計上されている核のゴミについても本当に資産なのかどうか疑わしい。
さらに福島第一の事故に関する費用は膨れ上がる一方だ。
原発で儲けた電力会社は、当然に、原発事故に関する賠償や費用を負担する必要がある。
資本主義の中で、利益を出している上場企業に税を投入したり、株主、経営者、貸し手の責任が追及される前に消費者に負担が押し付けられるようなことがあってはならない。
事故から5年、国民ももはや原発のことはそれほど気にしていない、声を上げないというのが今のエネ庁の考えだ。
そして喉元は過ぎたというエネ庁が正しいのかどうか、電力会社は静かに見ている。


【河野太郎・ごまめの歯ぎしり】
もんじゅ再稼働にいくらかかるか?
2016.09.16
http://www.taro.org/2016/09/%e3%82%82%e3%82%93%e3%81%98%e3%82%85%e5%86%8d%e7%a8%bc%e5%83%8d%e3%81%ab%e3%81%84%e3%81%8f%e3%82%89%e3%81%8b%e3%81%8b%e3%82%8b%e3%81%8b%ef%bc%9f.php

高速増殖炉「もんじゅ」をどうするか、議論になっている。

私は議論の余地はなく、さっさと廃炉にすべきだと思う。

エネルギー政策的には、意味のない施設だが、億が一、再稼働することになったら、それなりのコストがかかる。

政府内で、コスト計算が行われているが、おおよそどの程度のコストがかかるのだろうか。

文科省からヒアリングしながら、自民党の行政改革推進本部で試算してみた。

まず、もんじゅ本体を新規制に対応させるコストがある。

新規制がないのだから、試算のやりようがないが、軽水炉の新規制対応を横目で見ながら鉛筆をなめるとざっくり約400億円。

これについては、桁が一つ違う(桁が一つ多くなるのでは)という意見もある。

さらに、設備などの試験をやらなければならず、このコストがやはりざっくり数百億円。ヒアリングでは500億円はかからないかも、ということなので400億円とおいてみる。

もんじゅは停止していても年間200億円の維持管理費がかかるので、これは必要になる。

さらにもんじゅの燃料工場を新規制に対応させる必要がある。

このコストもざっくり数百億円。仮に400億円としてみる。

燃料工場ももんじゅ同様に現在でも維持管理費が年間30億円かかっている。

新規制ができて、申請、工事、認可などのプロセスを経て、再稼働まで何年かかるか、これも不明だが、ざっくりざっくり7年としてみる。(10年はかかるという説もある)

もんじゅは運転再開してから、フル出力に達するのに2年、そこから6年運転して評価することになる。

つまりもんじゅ再稼働の費用は、前提条件によって大きく変わるが、

もんじゅ本体新規制対応  400億円
もんじゅ関連設備等試験  400億円
燃料製造工場新規制対応  400億円
もんじゅ維持管理費 200億円x(7年+2年+6年)
燃料工場維持管理費  30億円x(7年+2年+6年)

合計すると6年の運転のために必要なのは4,650億円。

4,650億円という数字は、政府が精査して出してくるだろう数字と比べると、「たぶん少ない」。

もちろん、この数字は前提条件によって変わってくるが、文科省と話をして、ざっくりざっくりの前提条件はこんなものとして出した一つの数字だ。

これを見ただけでもんじゅは廃炉にすべきということに異論はないだろう。

問題はその後だ。

経産省などは、フランスと共同でアストリッドという高速炉の研究をやろうとしている。

そのためには金食い虫のもんじゅを廃炉にしたほうが非難されにくいというよみだろう。

もんじゅ廃炉は当然として、核燃料サイクルの見直しをすべきなのだ。

「コストが最も安い」はずの原発のコストを新電力にも負担させようとしたり、我が国のエネルギー政策は利権温存のために迷走している。


【河野太郎・ごまめの歯ぎしり】
使わない船に年間12億円
2015.09.19
http://www.taro.org/2015/09/%e4%bd%bf%e3%82%8f%e3%81%aa%e3%81%84%e8%88%b9%e3%81%ab%e5%b9%b4%e9%96%93%ef%bc%91%ef%bc%92%e5%84%84%e5%86%86.php

行革推進本部で来年度の概算要求のヒアリングが進む。
文科省の概算要求の中に、「国立研究開発法人日本原子力研究開発機構運営費交付金に必要な経費」というものがある。
1642億円にもなるが、様々な事業をまとめて一つのレビューシートにしているという典型的な手抜き記載。
細かく見ていくと、この中に原燃輸送株式会社を支払先とする12億3200万円の項目がある。
「ふげん」の使用済み核燃料の輸送にあたる輸送船の維持管理に必要な予算だという。
2005年に、当時の核燃料サイクル開発機構が原燃輸送株式会社に依頼して造らせた開栄丸という船がある。
三井造船玉野事業所で2006年2月に進水、8月に竣工した全長100m、総トン数5000トンの船だ。
ふげんの使用済み核燃料、六ヶ所再処理工場からのMOX粉末、および「もんじゅ」の照射済み試験燃料の輸送を行うための船であり、なおかつ機構が利用しない期間は電力会社が利用するというのが計画だった。
建造費は47億円。これをまず、原燃輸送が負担する。そしてその90%を機構が15年かけて支払い、残りの10%はその後の10年間で支払われることになっている。
金利と固定資産税を加えると、合計60億円の負担になる。
さらに毎年9億円の維持費がかかるので、それも原燃輸送に支払う。
しめて年間12億3200万円の税金からの負担になる。
ここで誰もが妙なことに気がつくだろう。この船が運ぶはずの予定の六ヶ所再処理工場からのMOX粉末と「もんじゅ」の照射済み試験燃料は、未だに存在すらしないのだ。
存在しないものは運べない。
では「ふげん」の使用済み核燃料は何回運んだのかと尋ねると、答えは3回。
週に?、月に?、年間?
いや建造されてからの合計が3回。
2006年10月、2007年5月、2007年6月にそれぞれ5.2トンの使用済み核燃料を「ふげん」から東海研究所に輸送した。
では、機構が使わないときに使うことになっている電力会社の利用は...。
1回!
大飯原発から東海村にある株式会社ニュークリアデベロップメントカンパニー(NDC)にプルトニウムサンプルを移送した。
開栄丸は建造以来、4回しか使われていないのだ。
では、今後はどれくらい使われるのだろうか。
「ふげん」から出た使用済み核燃料のうち150トンは「ひのうら丸」という輸送船で東海研究所に輸送されている。しかし、このひのうら丸が廃船となるため開栄丸が建造され、3回で15.6トンを輸送したが、まだ、ふげんには70トン残っている。
この70トンの処理をどうするかは決まっていないが、フランスに持って行って処理するという話が有力になっている。
しかし、開栄丸は、使用済み核燃料を海外に輸送するために必要な防護措置がないため、海外には輸送できない。
つまり、今後の使用予定はない。
それでもこの使わない船のために、毎年12億3200万円の費用が税金から出ていっている。
さらにびっくりするのは、では契約解除したらどうなのかと文科省に尋ねると、日本原子力研究開発機構と原燃輸送の間の契約には秘密保持条項が入っているので、どういう内容の契約になっているのか文科省も見ることができない、と文科省の担当課長が澄まして答える。
全く使わない船を60億円の税金をかけて建造し、その維持管理に毎年9億円を税金から支払い、その内訳もわからず、契約内容も秘密ですといって開示もされないというようなことを行革本部としては当然認めない。
財務省をよんで、なぜ、財務省はこんな予算を認めてきたのかと質しても、これまでの経緯があったのでというばかりで要領を得ない。
まず、契約書が開示されない限り、税金からこの費用を支払うことはできないので、払いたければ日本原子力研究開発機構が身銭を切ることになる。
また、これまで税金で負担してきた分についても機構から国庫に払い戻しをさせるべきだろう。
文科省の原子力関連予算は、数百億円かけて建設され、何も使われず、今後も使われる予定もないRETFをはじめ、使うはずだといって作られたのに、現実には使われていないものがたくさんある。
文科省の原子力関連予算から無駄をなくすべく、行革本部の無駄撲滅プロジェクトチーム内に特命チームを立ち上げた。


【河野太郎・ごまめの歯ぎしり】
使わない船に年間12億円 その2
2015.09.27
http://www.taro.org/2015/09/%e4%bd%bf%e3%82%8f%e3%81%aa%e3%81%84%e8%88%b9%e3%81%ab%e5%b9%b4%e9%96%93%ef%bc%91%ef%bc%92%e5%84%84%e5%86%86%e3%80%80%e3%81%9d%e3%81%ae%ef%bc%92.php

使わないのに年間12億円のコストをかけている日本原子力研究開発機構の開栄丸に関して、室蘭に停泊中の8か月は13名の船員が乗り組み、年に一回、和歌山のドックに回航して整備をする4か月には17名の船員が乗り組んでいることがわかった。
文科省によれば、この開栄丸の船員の平均給与は123万円/月・人だという。
もんじゅが再稼働すれば、2か月に一回、照射済み核燃料をもんじゅから東海研究所に輸送するために開栄丸を使うことを検討中というが、いつ、もんじゅが動き出すかも不明だし、仮に動いても開栄丸を使うのは最大、年に6回。


【河野太郎・ごまめの歯ぎしり】
原子力関係予算in秋のレビュー
2015.10.30
http://www.taro.org/2015/10/%e5%8e%9f%e5%ad%90%e5%8a%9b%e9%96%a2%e4%bf%82%e4%ba%88%e7%ae%97in%e7%a7%8b%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%93%e3%83%a5%e3%83%bc.php

政府の秋のレビューが11月11日から13日までの3日間おこなわれます。
29日の午後、官邸で今回のレビューで取り上げる事業について総理にご了解をいただき、対象事業が確定しました。
エネルギー関係では下記の事業が対象となります。

1.国立研究開発法人日本原子力研究開発機構運営費交付金
100億円以上のコストをかけて建造保有しながらほとんど使用されていない核燃料運搬船「開栄丸」や巨額のコストをかけて建設しながら全く利用されてこなかったRETFなどの具体的な事業や事業の不透明さを議論する。
2.全炉心混合酸化物燃料原子炉施設技術開発費補助金
大間原子力発電所の運転開始のめどがたっていないなかで、平成26年度の執行率がわずか4%であり、事業の必要性があるか。
3.海外ウラン探鉱支援事業補助金
事業の必要性や今後の見通しが国民に対して説明できないのではないか。
4.濃縮ウラン備蓄対策事業補助金
執行率が低調であり、成果目標にも全く達していない。そもそも事業の必要性があるか。
5.緊急時放出に備えた国家備蓄石油及び国家備蓄施設の管理委託費
なぜ国家石油備蓄基地ごとに管理会社が必要なのか。
6.電源立地地域対策交付金(経産省)
7.交付金等事務等交付金(経産省)
8.電源立地地域対策交付金(文科省)
9.交付金等事務等交付金(文科省)
10.原子力発電施設等立地地域特別交付金(経産省)
11.原子力発電施設立地地域共生交付金(経産省)
12.核燃料サイクル交付金(経産省)
13.原子力発電施設等周辺地域企業立地支援事業補助金(経)
14.電源地域産業育成支援補助金(文科省)
15.原子力発電施設立地地域基盤整備支援事業(経産省)
16.エネルギー構造転換理解促進事業(経産省 新規)
17.広報調査等交付金(経産省)
18.広報調査等交付金(文科省)
19.原子力総合コミュニケーション事業(経産省)
20.核燃料サイクル関係推進調整等委託費(文科省)

各種交付金は交付先の地方自治体の計画に基づいて事業を実施していることになっているはずだが、効果の定量的な検証が行われていない。
様々な交付金や補助金が、経産省と文科省に乱立し、資金の流れが不透明である。
執行率が低調なものが見受けられる。
こうした事業を3日間のレビューの中で議論し、年末の予算につなげていきます。


【ごまめの歯ぎしり】
原発は安くない!?
2016.11.12
http://www.taro.org/2016/11/%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%81%AF%E5%AE%89%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%81%84%EF%BC%81%EF%BC%9F.php

これまで経産省は、原発のコストは安いの一点張りだった。
原発のコストには、事故による社会的コストも含まれていて、それでも一番安いというのが定番だった。
が、しかし、but、今日、経産省は、原発のコストが安いというのは、モデルプラントという想定上の原子炉を考えて計算するからであって、現実の原子炉が事故を起こしたと想定したら、原発のコストは安くないと言い出した。
おい、おい。
ということで、2017年1月1日に各電力会社の実際の原発に福島第一並みの事故が起きたら、原発コストはどうなるかを試算してもらうことになった。
さて、経産省は、原発の廃炉やら、福島の事故の賠償や除染、廃炉のコストに関する非公開のインチキ委員会を立ち上げて、何やら画策を始めている。
まず、福島第一原発の廃炉費用に関しては、東京電力が負担することになっている。
この費用の詳細を経産省に求めているが、まだ、計算中とのこと。
次に、福島第一原発事故による除染費用は、2013年12月に2.5兆円と試算された。それが2017年度の概算要求分まで入れると3.8兆円まで膨らんでいる。おそらくこの費用はさらに膨らむ。
除染の費用は、国が保有する東京電力の株式を売却して充てることになっているが、そもそも、東電の株式に2.5兆円の価値があるのか。
自民党の会議でも柴山首相補佐官が、2.5兆円の価値があるかどうかもわからないのに、3.8兆円あるいはそれ以上に膨らんだ費用をどうするのかとブチ切れた。
それに対して経産省は、東電の企業価値を上げてもらって...
さらに除染した土などの中間貯蔵の費用は国がエネルギー特別会計で負担することになっているが、2013年12月に1.1兆円と見積もられている。
ようやく中間貯蔵に関する業務が始まったが、この見積もりが極めて甘いのではないかと言われている。
例えば、この1.1兆円のうち、運搬費は1750億円と見積もられている。
合計2200万立方メートルのうち、10万立方メートルの運搬が終わったところで、見積もりの数倍のコストがかかったとみられている。
行革推進本部の求めに応じて、環境省が、実際にかかったコストを計算中だが、エネルギー特会の負担が急増することになりそうだ。
さらにこれらに賠償の費用が加わる。
2016年3月31日に7兆6585億円と見積もられている。これは原子力発電所を保有する電力会社が負担することになっているが、経産省は、託送料金を使って、新電力にも負担させようと画策している。
福島第一原発の事故を受けて2011年から原発を保有する電力会社が一般負担金という形で賠償費用の拠出を始めたが、経産省は、本来、それ以前から電力会社は拠出すべきだったのに、していなかった。だから、2011年以前に拠出すべきだった分(過去分)を、今から、取る必要がある、などという。
そして、新電力と契約した消費者も、2011年以前は電力会社から電気を買っていたのだから、その分は負担する必要があるなどと、めちゃくちゃなことを言っているのが経産省。
では、その分はいくらなんだとマスコミが迫ると、経産省はまだ計算中だとはぐらかす。しかし、経産省発の怪文書によれば、約6割、3兆円ぐらいはとりたい(!?)、と。
それまで経産省と電力会社は、原発は事故を起こさないなどとうそぶいて、事故のコストは計算に入れる必要がないなどと主張したこともある。2011年の福島の事故を受けて、慌てて負担金の徴収を始めたのだから、過去分もなにもないはず。
本来、この賠償の負担は、電力会社の利益から出すべきものだ。
どこの世の中に、事故を起こして支払わなければならなくなった賠償金を、ほかの消費者からとろうとする企業があるか。
自らの利益から支払うのが当然のこと。
しかも、経産省と電力会社は、金額が法定されず、国会で議論もされない託送料金で消費者からとろうとしている。
例えば再生可能エネルギーの賦課金は、きちんと明確に金額を示し、年限をきっている。
賠償金が将来、増えたら、託送料金をこっそり上げればよいぐらいのことを考えている。
ちなみに、河野太郎消費者担当大臣は、託送料金が不透明で高すぎるので引き下げろと経産大臣に勧告している。それに上乗せするなどとんでもない。


このほかに、各電力会社の持つ原発の廃炉問題がある。
原発を廃炉にする決定をすると、ほとんどの原発は廃炉費用が必要な分まで積み立てられておらず、また、原発設備を資産計上している分を特損で落とさなければならず、電力会社が債務超過になる。
だから、廃炉決定をしたときに、一括で債務計上しないで済むようにしようとしている。
これは会計基準を変えればよいだけで、これまでにも経産省は、原発のためにわけのわからない基準の変更を行ってきている。
ところが今回、その費用を託送料金に乗せてとれるようにしなければ、債務超過になってしまうなどと、意味不明のことを言い出している。
おそらく、廃炉に必要な費用なる見積額は、どの原発でも実際よりも小さく見積もられている。
ここにきて、もんじゅの廃炉に始まり、様々な原発に関する嘘が噴出している。
先日の自民党の会議でも、経産省は、原発の発電コストは一番安いと称して、OECD/NEAの資料を出してきた。
その資料のもとに当たると、割引率3%では原発が石炭や天然ガスよりも安いが、割引率10%だと一番高くなると、最初に書いてある。
経産省は、その中から、割引率3%のところだけ写して出してきた。
さすがに経産省寄りの自民党議員からも、いい加減にしろという声が噴出した。
そろそろ世耕大臣が自分で考えて、決断する必要がある。


【ごまめの歯ぎしり】
大島堅一教授による原発コスト試算
2016.11.19
http://www.taro.org/2016/11/%E5%A4%A7%E5%B3%B6%E5%A0%85%E4%B8%80%E6%95%99%E6%8E%88%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E8%A9%A6%E7%AE%97.php

11月17日に開かれた第61回国会エネルギー調査会で基調提起された大島堅一立命館大学教授による「原発の発電コストへの影響」によると
東京電力 電力九社
25,647 85,720  2010年度までの発電量(億kWh)
2.5 0.8    賠償コスト単価(円/kWh)
5.9 1.8    事故費用単価(円/kWh)
8.6 8.5    実績発電単価(2010年度まで)
1.7 1.7    政策コスト(2010年度まで)
12.8 11.0   発電コスト(賠償コスト含む)
16.2 12.0   発電コスト(事故コスト含む)
大島教授によれば、同時期の火力発電コストは9.87円/kWh、一般水力のコストは3.86円/kWhとなる。
大島教授による提案は
「現在の会計は、廃炉費用の中身が全く分からなくなっている。一般廃炉費用、事故炉廃炉費用、損害賠償費用を区別して経理し、それぞれがいくらかかっているか、わかる会計制度を構築すべきである。
託送料金は、国会のチェック機能が働かない。そのため、経費がいくらかもわからなくなるし、経費の膨張も避けられない。
提案が制度化されれば、ほとんどあらゆる追加的費用が託送料金から回収されることになる。これは、原子力の後始末に使途を限定した一種の目的税と同じである。
すでに国民は、原発事故賠償費用を実質的に負担していることからすれば、託送料金ではなく税で徴収すべきである。
税にすると国民の反発を招く可能性があるが、一体いくらかかるのか、かかっているのか、また、経費の使い方が適切か、といったことが国民の前に明らかになる。
東京電力の法的整理は避けられない。法的整理すれば、資産を売却することで、その分国民負担額を減少させることができる。
賠償主体がいなくなるとの懸念はあるが、特措法を制定し、厳しい規制を行わなかった国の責任を認め、国が変わって賠償支払いをすればよい。」
また、古賀茂明氏からも、負担の原則は
1 東電 経営陣 社員
2 株主 株は紙切れに
3 銀行などの債権を棒引きに
4 電力利用者(電力料金)
5 国民(税金)
であるべきとの考えが示されました。


【河野太郎・ごまめの歯ぎしり 】
原発は安くない!?
2016.11.12
http://www.taro.org/2016/11/%e5%8e%9f%e7%99%ba%e3%81%af%e5%ae%89%e3%81%8f%e3%81%aa%e3%81%84%ef%bc%81%ef%bc%9f.php

経産省は、原発のコストが安いというのは、モデルプラントという想定上の原子炉を考えて計算するからであって、現実の原子炉が事故を起こしたと想定したら、原発のコストは安くないと言い出した。

おい、おい。

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