1963年の部分的核実験停止条約により、10年にわたったイギリス、アメリカ、ソビエトの大気核実験が終了したが、この国連のグラフは、同条約締結後に出生率が大幅に減少したことを示している。 また、イラク戦争(1990年ー2000年)での劣化ウラン兵器および正体不明の核兵器の導入に伴ってさらに出生率が減少したことをも示している。 2011年のフクシマ事故は、世界の出生率および人口に関して大量殺戮的かつ無差別的な影響を与えたが、いまだにその影響の規模は未知である。しかしながら、過去に判明した核汚染の影響を遥かに上回るであろう。 UN Report: “World Population Prospects: The 2008 Revision Highlights”, Fig. 3.
ロンドンのシティの銀行家は、原子力エネルギーを支配し、原子力は最も安価なエネルギーかつ地球温暖化の解決策であるとして、贈賄と欺瞞にまみれながら推進してきた。 現実には、原子力発電は最も高価な発電方法であり、各国政府の助成金と税金が投入されている。また、ライフサイクル全体を通した温室効果ガスの排出量は最大である。 原子力エネルギーは、世界の公衆衛生および環境の健全性に多大な影響を与えており、国際社会および環境にはその影響に対処するだけの余力はない。 Source: “The Madness of Nuclear Energy”, The Ecologist 29/7 (November 1999), back cover.
「雲の下で 核実験の10年」より引用した放射性物質の降下状況を表す地図。 この地図から、ネバダ核試験場で1200回行われた核実験の影響が見て取れる。 2002年アメリカ政府は、1958年から1963年にアメリカに居住していた全ての人が核実験による放射性降下物に曝されたと認めた。 現在、アメリカでは、放射能の影響と思われるガン、心臓病、自閉症、糖尿病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ぜんそく、ぶらぶら病、新生児の甲状腺機能低下症、肥満、学習障害が蔓延している。 また、アメリカの子供12人に1人に障害がある。 Source: R. L. Miller, “Under The Cloud: The Decades of Nuclear Testing” (1991). D.V.Conn “U.S. Counts one in 12 children disabled”, Washington Post (6 July 2002).
Source: J.M. Gould, E.J. Sternglass et al, “U.S.A. Newborn Deterioration in the Nuclear Age, 1945-1996”, Radiation and Public Health Publications (1998). This was presented at the International Congress on the Effects of Low Dose Ionizing Radiation in Childhood and Youth, in Medicine, Industry and Environment in the Workplace, March 19-21, 1998.
特定の狭い地域(ニューヨーク市)、特定の広い地域(アメリカ)そして世界における糖尿病の増加を見れば、核実験の人間の健康への影響を読み取れる。
世界の糖尿病地図は、明らかに放射能降下地図と重なっており、放射性物質がジェット気流とともに基本的に西から東に拡散したことが明らかである。
Source: N.R. Kleinfield “Diabetes and Its Awful Toll Quietly Emerge as a Crisis”, The New York Times (9 January 2006)
アメリカ疾病予防管理センターが発表した2011年3月13日より同年9月3日の期間における統計によれば、アメリカのすべての地域で死亡者数が著しく増加し、その数は例年に比べて過剰といえる。
このようなアメリカ全土で見られる急性死は、週を追うごとに増加しているが、その原因は日本のフクシマ事故による環境汚染以外に考えられない。
乳児死亡数も増加したが、この地図の統計には含められていない。
Source: Bobby1, “Post-Fukushima Excess Deaths in US Updated for Sept. 3”
1945年までの日本の主な死因は感染症であったが、抗生物質によりおおかたの感染症は撲滅された。
1945年に広島と長崎に原爆が投下され、第二次大戦後の日本の主たる死因に原子力技術の影響が加わった。積算的な被爆で脳血管疾患、ガン(緑色の線)、心臓病による死亡数が増加し、主たる死因の感染症に取って代わった。
Source: Vital Statistics of Japan 2004, Ministry of Health, Labour and Welfare, Vol.1, p.67, Fig.4.
核実験により放射性物質が拡散されたが、1986年のロシアのチェルノブイリ事故により放射性物質がさらに拡散されたために、周辺国であるウクライナおよびベラルーシは、より深刻な汚染を受けることになった。
事故の影響は、5年以内にすでに深刻であり、死亡率が上昇を続ける一方、出生率は下降の一途をたどった。
このことから、フクシマ事故が日本、北アメリカの一部の地域、そしてヨーロッパにさえ深刻な影響をもたらすことが予測できる。これらの国や地域は既に、大気核実験、原子力発電所、劣化ウラン兵器、戦場(イラク戦争、ユーゴスラビア紛争、アフガニスタン戦争)で使われた正体不明の核兵器から拡散された放射性物質で汚染されているが、フクシマ事故でさらに深刻な影響を受けると思われる。
Source: Prof. Y. Bandashevsky, “Non cancer illnesses and conditions in areas of Belarus contaminated by radioactivity from the Chernobyl Accident”, Proceedings of ECRR Conference, Lesvos, Greece, May 5-6, 2009, Fig. 4.
アメリカの大学進学適正試験(SAT)の点数は、1945年に生まれた生徒(グラフの線に添って記載されているのは出生年)の480点から、1963年生まれの生徒の425点へと大幅に下がった。
1963年はアメリカの核実験のピークであった。アメリカの高校生達が受けたSATの点数は、1945年から1963年に12.5%下落したが、その後、回復することはなかった。大気核実験に取って代わって原子力発電所が放射能汚染を続けたからである。(1)
世界保健機関の世界調査によれば、アメリカは世界で最も精神病を患うものが多いのだが(26%)、それは核時代の負の遺産の一つといえるだろう。(2)
Source: (1) Sternglass, E.J., S. Bell, “Fallout and SAT Scores: Evidence for Cognitive Damage During Early Infancy”, Phi Delta Kappan, April 1983, pp.539-545; and (2) “Prevalence, Severity, and Unmet Need for Treatment of Mental Disorders in the World Health Organization World Mental Health Surveys, The WHO World Mental Health Survey Consortium, Journal of the American Medical Association (JAMA), Vol. 291 No. 21, June 2, 2004: 2581-2590.
原発技術者の菊池氏が注釈を記した日本地図。
日本は、4つの構造プレート上にあり、地震が起きる「高いリスク」と「非常に高いリスク」のある国である。
その国土のうえに、54基の原子力発電所が建てられている。
Source: L. Moret, “Japan’s deadly game of nuclear roulette”, Japan Times (23 May 2004)