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温室に囚われた蝶たちへコミュの藻屑

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息を吸って、めいっぱい吸って、それから君と手を繋いだまま、海へと飛び込んだ。

夜の海は静かだなんて、言ってみたかったけれどその日は風が強くて嵐の夜だった。

ゴポゴポと口から空気が漏れていく。
どこまでも体が沈んでいく。
そっと目をあけたら、ゆらゆらの水面の向こうに月が光っていた。

このままどこまでも沈んでしまうのかな。
どうしようかな。
ねぇ君。

君は地上に向かって泳ごうとしている。
ぼくはまだこうしていたいよ。
だんだん意識が遠くなる。

空気がゴポゴポ漏れて、何も吐ききるものがなくなった感じ。
だからぼくは君にニコッて笑ったんだけど、君は泳ぐのに必死で気づいてくれなかった。

それから君はぼくの体をかついで、岸辺に上げた。

「ばか」
もう少しだったのに。
風がゴウゴウと唸っている。
僕たちは水浸しで、風が冷たくて、冷たすぎて、震えていた。

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