聖書研究入門　コミュの罪はなぜ発生したか　１　神とキリストの統治とルシファー

創世記3章は、人類の先祖アダムとエバが罪を犯し記録が書かれていますが、その前に、

罪がなぜ発生したかを考察したいと思います。

■罪はなぜ発生したか。

　

１．神の統治

　『「神は愛である」（Ⅰヨハネ4：16）神の性質、神の律法は愛である。それは今まででもそうであったし、これらかも同じである。「いと高く、いと上なる者、とこしえに住む者」、その「道が永久」であるお方は、お変わりにならない。彼には、「変化とか回転の影とかいうものはない」（イザヤ57:15、ハバクク3：6文語訳、ヤコブ1：17）。

　創造の力が現されているものはすべて、神の無限の愛の表現である。神の統治はすべての造られたものへの、豊かな祝福を与えることを意味する。・・・・

　まず、反逆が天で始まったそのときから、ついに、それが覆されて、罪が完全に根絶されるまでの善悪の大争闘の歴史もまた、神の不変の愛の実証である。』

　人類歴史は、罪から始まって、罪の根絶で終わり、新しい永遠の歴史の扉が開かれることになっています。そのことを教えているのが聖書であって、聖書全巻は、この神の不変の愛の実証なのです。あるいは、サタンの誤謬と神の真理の戦いの証しとも言えるでしょう。

　また神のそばには、いつも助け手がおられます。それは神の一人子であるキリストでした。彼は言であり、父と1つ、性質、品性、目的が1つであって、神のご計画に参加できる唯一のお方でした。

＊＊コロサイ1：16

＜万物は、天にあるものも地にあるものも、見えるものも見えないものも、位も主権も、支配も権威も、みな御子にあって造られたからである。これらいっさいのものは、御子によって造られ、御子のために造られたのである。＞

２．ルシファー

**イザヤ14：12

＜12黎明の子、明けの明星よ、あなたは天から落ちてしまった。もろもろの国を倒した者よ、あなたは切られて地に倒れてしまった。

13 あなたはさきに心のうちに言った、『わたしは天にのぼり、わたしの王座を高く神の星の上におき、北の果なる集会の山に座し、

14 雲のいただきにのぼり、いと高き者のようになろう』。＞

　　　英文聖書では、このイザヤ14：12にルシファーの名前が出ています。

　　　“How you are fallen from heaven,　O Lucifer,　 son of the morning!.....”（NKJV)

日本語聖書には、この名称が使われていませんが、ルシファーの意味は、ラテン語で、明けの明星を意味しています。ルシファーはその英語読みです。

＊＊エゼキエル28：12-18

＜12 「人の子よ、ツロの王のために悲しみの歌をのべて、これに言え。主なる神はこう言われる、あなたは知恵に満ち、美のきわみである完全な印である。

13 あなたは神の園エデンにあって、もろもろの宝石が、あなたをおおっていた。すなわち赤めのう、黄玉、青玉、貴かんらん石、緑柱石、縞めのう、サファイヤ、ざくろ石、エメラルド。そしてあなたの象眼も彫刻も金でなされた。これらはあなたの造られた日に、あなたのために備えられた。

14 わたしはあなたを油そそがれた／守護のケルブと一緒に置いた。あなたは神の聖なる山にいて、火の石の間を歩いた。

15 あなたは造られた日から、あなたの中に悪が見いだされた日までは／そのおこないが完全であった。

16 あなたの商売が盛んになると、あなたの中に暴虐が満ちて、あなたは罪を犯した。それゆえ、わたしはあなたを神の山から汚れたものとして投げ出し、守護のケルブはあなたを／火の石の間から追い出した。

17 あなたは自分の美しさのために心高ぶり、その輝きのために自分の知恵を汚したゆえに、わたしはあなたを地に投げうち、王たちの前に置いて見せ物とした。

18 あなたは不正な交易をして犯した多くの罪によってあなたの聖所を汚したゆえ、わたしはあなたの中から火を出してあなたを焼き、あなたを見るすべての者の前であなたを地の上の灰とした。＞

イザヤ書とエゼキエル書の記録はルシファーの記録として知られている聖句です。

これらの聖句は、天から落ちる前、宝石のように非常に美しく、聡明で、キリストの次の位にいる大天使であった状態と、その行く末、彼の高慢が神に反逆する要因となったことを教えています。

３．サタン

サタンの意味は、ヘブライ語で「敵」を意味します。サタンは神に反逆する者となったので、反逆者、敵対者、の代名詞となっています。彼はこの世の支配者であり（エペソ2：2）、この世の君（ヨハネ14：30）とも呼ばれます。

　

　『長く続いているサタンの反逆―いくつかの記録は、天の宮廷でイエス・キリストの次の位を与えられていた高貴な天使の記録と似ている。ルシファーは守護のケルブとして、栄光に包まれていた。ところが、神が創造し、信任して力を与えておられたこの天使は、神のようになりたいと願うようになった。彼は神の政府に関する批判的な考えを暗示することにより、仲間のある者たちの同情を獲得した。この悪い種は最も欺瞞的な方法で撒き散らされた。そして多くの者の心の中でそれあ芽を出し、根を張った後で、彼は他の者たちの心に自分が最初に受け付けた考えをとりまとめ、それらを神の政府に反対する他の者たちの思想であるかのように、天使の最高の位にある者たちのところへ持っていった。こうして、彼が考案した巧妙な方法によって、ルシファーは天に反逆を持ち込んだ。

　変化が起こり、サタンの働きがその真の有様を呈することを神は望まれた。だが、キリストの次の位に立つその高貴な天使は、神のみ子に対立していた。水面下での行動が非常に巧妙だったので、天の万軍の前にその正体をはっきりと見せることができなかった。そこで天に戦いが起こり、サタンは神の政府に忠実な側に立とうとしなかったすべての者たちと共に追放された。主なる神は至高の支配者として進み出た。

　このような事態は、サタンが仮面をはずし、悪い者たちが追放されるまで長い期間存在した。』（書簡162,1906年）

**参考聖句

＜7 さて、天では戦いが起った。ミカエルとその御使たちとが、龍と戦ったのである。龍もその使たちも応戦したが、
8 勝てなかった。そして、もはや天には彼らのおる所がなくなった。

9 この巨大な龍、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれ、全世界を惑わす年を経たへびは、地に投げ落され、その使たちも、もろともに投げ落された。＞（黙示録12：7-9）

＜4 その尾は天の星の三分の一を掃き寄せ、それらを地に投げ落した。龍は子を産もうとしている女の前に立ち、生れたなら、その子を食い尽そうとかまえていた。＞（黙示録12：4）

（この聖句の三分の一というのは、神の側に立たず、サタンの側についた天使の数のことを意味しています。）

アーメン！！