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Englishesコミュのソ連抑留者の話です。

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http://yokuryuki.raku-rakudou.com/index.php?%E3%82%B7%E3%83%99%E3%83%AA%E3%82%A2%E6%8A%91%E7%95%99%E8%A8%98-%E2%85%A1

労働の中で身に付けたロシア語で交渉する話が書いてあります。
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ノルマ交渉は決裂
 責任者として悲壮なる決心をした私は、もとより入倉は覚悟の上だ。営倉ですむか、それともモスクワ行きか。そして、ああ・・・・否、こんなことではモスクワには連れて行かれないであろう。やはり生きたいが為か、悲観感は無意識のうちに否定されるのである。只ならぬ空気を感じてか、ズカズカと私の側に来た監督は
「パチエムニエーラボーター(何故作業しないのか)」
ともう高姿勢で怒鳴りつけたのである。私は努めて冷静を装い
「ノルマオーチエンムノーゴニエーハラショー、イッショーマーロハラショー(非常にノルマが多すぎるから駄目だ。もう少し少なければよい)」
と単語の綴り合わせで語尾の変化も何もあったものではなく、彼らに言わせればおかしなものだろうが、日常会話となっている今は充分その意味は通じるのである。
「ニエート、マーロダバイビストリー、ニエーハローシイガマンディール(いいえ、少い早くやれ、お前はよくない指揮官だ)」
私はいささかムッとして
「ホイ、エビオマエ、ドラーク、スマトリーエシ、ヤポンスキーラボーチニークフショーニエーラボータ(この馬鹿野郎、見てみろ、日本の労働者はみんな作業しないぞ)」
と言ったのである。監督にしてみれば、作業をしないぞということ自体が自分のノルマに関わる重大事である。その上捕虜の身の私から馬鹿野郎呼ばわりされたのだから怒るのも無理はない。
「ヨッポニマエガマンディール」
とカンカンになり私を突き飛ばした。栄養失調で一寸つまずいても転ぶ体である。雪の上にまともに倒れた。作業員の目は全部私に向けられている。歯を食いしばってその一人ひとりを見据えるように見回すうち、遂に私の口は割れたのである
「やるかストを、決死のストを!」と。

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