2016.10.25
達人に訊けスペシャル 朝堂院大覚ロングインタビューact2
小池百合子都知事が隠したかった？「不都合な真実」をニッポン最後の黒幕・朝堂院大覚がすべて暴露する��
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＊−−−−−引用開始−−−−−−＊
発言の食い違いはただの思い違いか？
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撮影／羽太康雄
──その後、小池父とはどうなったんですか？
朝堂院 うむ。それで、大の男がブラブラしとってもいかんから、何かをやらようと。フィリピンのアキノ、当時は上院議員だったが、彼が投獄されて死刑判決を受けておったから、私が石原慎太郎と一緒に現地へ行って、マルコス大統領に談判した。
──ベニグノ・アキノ・ジュニア。後のコラソン・アキノ大統領の夫ですね。総統は彼の死刑回避を求めてマルコス大統領に会いに行った。それが1977年です（アキノ氏は国民に多大な人気があったためマルコスは処刑せずアメリカへ追放する。しかしアキノは1980年に帰国を決意。とみろがマニラ国際空港に降り立ったところ、日本のTBSテレビのカメラが廻っている中、政府軍兵士に射殺された）。
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wikipedia「フェルディナンド・マルコス」よりマルコスとイメルダ夫人、中央はアメリカのロナルド・レーガン大統領（リンク）
朝堂院 あのときはアキノの女房（後のコラソン・アキノ大統領）と、息子がまだ小さかったなあ、私のホテルのペントハウスまで来て「お願いします。主人を助けてください」と言って、そのときもまあ何の役にも立たんが小池も同行させましたよ。
──カバン持ちみたいな感じですか？
朝堂院 まあそんなもんだ。あいつは衆議院選に出るとき、一応、石原慎太郎の「日本の新しい世代の会」の推薦をもらっておったので、知らない仲でもないし。だから私がマラカニアン宮殿に行って大統領と会うときも、嬉しそうに一緒に座って得意満面なポーズは取ってたわな(笑)。その後もタイとか、私が海外に行くときはどこでもあちこち付いて来よった。カバン持ってな。
──そうこうしているエジプトにレストラン「ナニワ」を、という話になるんですか？
朝堂院 結局、東京におっても何の仕事もできんわけだ、彼は。関西電力に捨てられたから地元にも帰れん。だから私が「エジプトに行きなさい」と勧めた。幸いエジプトのほうでは会社の倒産が知られてなかった。事務所もまだあったので、「現地の人間には知らせずに行け」ということで。
──総統も一緒にエジプトまで行かれたそうですね。
朝堂院 小池は何もできん男だから、「カイロでどうしたらいでしょう？」というから、「レストランをやってみろ」と。名前も私が「ナニワ」と決めて、すべての備品、什器、全部私が用意して、開店させたというわけだ。
──小池百合子さんは、お母さんの恵美子さんが突然「カイロに日本料理店を作りたい」と言い出したと言ってますよ。留学中に遊びに来たとき食べた現地のすき焼きの味がひどくて、「私がエジプトの人たちに本当の日本の味を広めたい」って言ったと。
朝堂院 ふむ。嘘を言ってるのか。あるいは百合子自身はそう聞かされておったのかもしれん。
──しかし、真相はそちらだと。それにしてもなぜ総裁はエジプトにレストランを作ろうと思われたんですか？
レストランの権利が「どこかに」消えた
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撮影／羽太康雄
朝堂院 当時のエジプト政府ではトハミ副首相という男が私の担当で（1978年、総裁は第4次中東戦争の終結と日本エジプトの外交関係構築のためエジプトのアサド大統領と会談。その後の交渉はトハミ副首相と行った）、そのハトミ氏が雑談の中で「エジプト人は栄養が足らない」「鳩の肉ばっかり食べとるから早く死ぬ」と。「これが困ったことだ」と言っていた。油ものの料理ばっかりなんだな、あそこは。
──ああ、何でも油で揚げちゃうんですね。
朝堂院 そう。何もかもオリーブオイルで、もう油ドロドロの食い物ばっかりだ。生魚とかは一切食べないし、そもそも魚を食うという文化がないんだな。そこで「日本では魚をすり身にして食ってる。カマボコにしてる。ハンバーグとかにすればエジプト人たちも魚を食うんじゃないか。タンパク源になるぞ」と言ったら、ハトミも「それはいい！」と。アスワン（エジプト南部、ナイル川東岸の都市）なんて魚だらけだから。ナイル川っていうのは水が肥えてるから、栄養がたっぷりあって、魚が日本では考えられないくらい大きい。しかも丸々とよく育っている。だからそれを粉にする加工工場を作った。巨大な工場です。で、完成してさあこれからというときに私が東京で......。
──高砂事件ですか（1982年3月、ナミレイ会長就任中、同業大手・高砂熱学工業の株式を買い占め、筆頭株主の力を盾に同社社長等を脅して業界提携とナミレイの株式引き受けを強要したとして逮捕され、執行猶予付き有罪判決を受けた）。
朝堂院 うむ。それからしばらくは海外への渡航が出来なくなった。
──執行猶予ですからね。その間に小池百合子の両親は逃げてしまったと。
朝堂院 そうです。
──レストラン「ナニワ」や、巨大加工工場の権利はどこに消えてしまったんでしょう？
朝堂院 まあ、あの夫婦が処分したんでしょう。金に換えたわけです。だからあの夫婦は死ぬまでゆったり生活しとったよ。工場の株を売ったのか、何をしたかはわからないが。私はそんなことばっかりだから、高砂熱学の一件でも700億くらい失っとるし。まあ、そういう大損のほんの一部だし、私は済んだことは追わない主義だから、もう放っておきました。
──じゃあ、総裁はそれ以来、小池百合子さんのお父さんとは会われてない？
朝堂院 そうですね。あの男も死んだし、女房も死んだでしょう。晩年は日本に帰ってきていたようだが、もうすべて終わったことです。
見え隠れする石原慎太郎人脈
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都庁は伏魔殿か!?
──じゃあココで少し話題を変えます。築地市場の移転に保留に決断を出したことによって、豊洲の地下に謎の空間が存在することが明るみに出たことに象徴されるように、小池百合子新都知事の改革への姿勢は世間では非常に評価されてます。大人気と言っていいほどです。これを総裁はどう見ておられますか？
朝堂院 小池百合子というのは非常に頭のいい女で、言葉も弁舌爽やか。元々衆議院の選挙でも圧倒的な強さを見せておったし、今回の都知事選でも、自民党からあれだけの逆風を受けながらものともせず高得票を叩き出した。これはまあ実に、実力は見事なものだと私は捉えてますよ。そう思ってはいますが、彼女は正義で仕事をやる女性ではない。それだけは言える。
──そう言い切るだけの根拠は何でしょう？
朝堂院 それが小池ファミリーのDNAです。それはもう、嫌というほど私は、いや私だけが知ってることでね。父親も母親も長男も全部、やってることは私は知ってる。やってきたことも知っている。そして小池家に対する世間の評価も知っている。要は百合子の親父に、信頼出来る人物はいなかった。友達と呼べる人間もおらなかった。小池百合子もそれは同じだと思う。あれだけ頭が良く実力も行動力もあるが、彼女を心から支持する衆議院議員、参議院議員はいなかったと思う。今回初めて、若狭勝だけが応援し、数名の都議会議員（会派「かがやけTokyo」の両角穣、上田令子、音喜多駿）と7人の区議会議員が応援して、見事当選したわけだが、あれは若狭たちの力じゃない。百合子ひとりの実力です。それだけ演説が上手い、大衆を惹きつける力がある。しかし、だ。小池百合子は選挙期間中何と言いましたか？ 都庁のブラックボックスを開けて、すべての悪を洗い出し閉め出すと、特捜上がりの人気弁護士・若狭と一緒に宣言した。ところが昼間は選挙活動でそう叫びながら、夜になれば誰と会っていたか。巨悪の根源。都民の税金を食い散らしてきた石原都政時代の談合担当者・浜渦じゃないか？
──浜渦武生氏（69才）、石原慎太郎知事時代の東京副知事です。僕も驚きました。「えっ、なんで浜渦さんが！」って。8月2日の初登庁のとき、浜渦氏が小池さんに同行して都議会各派の部屋を廻ったことは事実です。コレ、なぜかあまり報道されてないので知らない人が多いんです。
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『東京を弄んだ男 「空疎な小皇帝」石原慎太郎』著／斎藤貴男 刊／講談社
ちなみに浜渦氏というのは、総裁のおっしゃるように色々と噂のある人物です。斎藤貴男さんがお書きになった『東京を弄んだ男 「空疎な小皇帝」石原慎太郎』 (講談社 2011年刊行）などによれば元々は関西の右翼活動家で、石原氏に憧れ衆院時代に公設秘書に、そして石原氏が都知事になると特別秘書になり、そして2000年に副知事に抜擢される。「東京都職員以外からの副知事の登用は41年ぶりの快挙」だったそうですが、実は一度「素性がわからない」ということで副知事起用を否決されたこともあった。
そもそも空手の心得があるとかで昔から暴力沙汰の噂はありましたが、案の定、副知事になった途端、中目黒で二人の若者に対して暴力事件を起こす。これは石原氏の「（殴り合いは）男の世界にはよくあること。むしろ無い方が嘆かわしい」という、何とも彼らしい言い分で擁護されますが、その後も同僚秘書の男性を、石原氏が役員を務める「全日本キックボクシング」の事務局長と二人で呼び出し「殴る蹴るの暴行」をして、「車のトランクに押し込めよう」とした。なんでも「多摩川に沈めるつもりだった」とか。もうムチャクチャです(笑)。
朝堂院 そう。数々の黒い噂で2005年に都議会で問責決議が可決され、副知事をクビになったが、実は辞めたあとも影の知事として天の声を出し、談合の旗振りをやっておった。鹿島建設の栗原（俊記）専務をパートナーにして、副知事時代の猪瀬直樹も引き込んで談合組織を作ったわけだ。
──栗原さんという方もずいぶん噂のある人物です(笑)。元々一橋大学で石原慎太郎と同窓で、鹿島建設に入社後、出向という形で公設第一秘書になります。1998年に証券スキャンダルで自殺した自民党の新井将敬が、1983年に衆議院議員選挙に立候補したことがあった。このとき同じ東京2区の対立候補が石原慎太郎です。その選挙期間中、元在日朝鮮人だった新井（1966年に帰化）のポスターに、何者かが「昭和41年北朝鮮より帰化」という誹謗シールを貼った。この犯人が栗原俊記です。指示したのは石原本人とも言われてますが、栗原が公職選挙法違反で逮捕書類送検されます。これがきっかけで彼は鹿島に復帰しますが、総裁の言われるように石原氏や浜渦氏との関係は続いていた可能性がある。
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石原慎太郎公式サイト（リンク）
というのは2002年に秋葉原再開発計画が持ち上がり公開入札が行われた。このとき鹿島建設はNTT都市開発やダイビルなどと「UDXグループ」を組んで参加。一方で東京電力やJR系の会社も参加を検討したが、あまりにも応募期間が短かく、結局「UDXグループ」だけの入札となった。これには当然、そもそも石原が鹿島中心のグループにやらせる計画だったのを、隠すために公開入札にしたという疑惑が巻き起こりました。おそらくその功績のためでしょう、栗原氏は現在、鹿島の執行役員という地位に登り詰めてます。
朝堂院 まさにその通り。だから百合子がまず第一にやらねばならんのは浜渦への追求じゃないか。後で詳しく言うが、東京ガスの跡地だった豊洲を東京都が買った、その交渉をしたのは浜渦なんだ。ところが、当選した翌日にはもう百合子は浜渦は手を繋いで、各党の挨拶回りを東京都庁でやっている。これはもう都民、選挙民を翌日には裏切ってる行為だ。私はねえ、「やはり勇二郎の子だな」と呆れるしかなかったよ。
──手のひら返しというわけですか。
小池氏は朝堂院事務所で働いていた!?
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福岡六区補選で鳩山二郎候補の応援演説をする小池氏 小池百合子facebookより
朝堂院 変わり身が早いどころの話ではないぞ。百合子は選挙期間中、知事報酬を半額にすると公約しただろう？（このインタビュー後、10月13日に都議会で条例改正案が可決。半減が決定した）しかし私の知る限り、昼間に街頭演説でそう言いながら、夜は浜渦たちと当選した後の確約まで出来とって、莫大な当選祝いがゼネコンから集まってるそうだ。しかも8月中に、だ。それを全部いただいてるわけだから、知事報酬なんて半額になろうがゼロになろうが痛くも痒くもない。いいですか、これは有権者、290万票を入れた東京都民に対する背信行為であり、明らかな裏切りである。何が「都民ファースト」だ？ 「マネーファースト」じゃないか。
──ウーン、本当だとすれば、とんでもない話です。
朝堂院 だから親父の勇二郎になくて娘にあるのはその情熱とエネルギー、弁舌の上手さ、したたかさだな。要は金のためなら何でもやるという、上昇志向には常にすべてをかける女性ですから。カイロ大学時代に他国から来ていた留学生と恋仲になって、だから私が金を出して結婚させた。しかしその男とはすぐ別れて、今度はオカモトという現地で空手教えている日本人と一緒になって、そのときは百合子が「空手雑誌を作りたい」というから、それにも私は出資した。
──親子二代にわたって総裁が面倒を見られたんですね。
朝堂院 その後はオカモトに新しい別の女ができたということで、百合子は日本へ帰ってきて、私の神田の事務所に一時期おったのだが──
──えっ、小池百合子さんが総裁のところにしたんですか!?
（以下、明日へ続く）
＊−−−−−引用終了−−−−−−＊
（一回目のインタビューはこちら リンク）
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（ニ回目のインタビューはこちら リンク）
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（三回目のインタビューはこちら リンク）
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（四回目のインタビューはこちら リンク）
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（最終回のインタビューはこちら リンク）
http://
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(豊洲問題のエッセンス）↓
豊洲の「盛り土」当初、800億といっていた。入れるはずの土はどこいっちゃったんだ？ どこにもいってない、そもそも入れてないんだから。
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達人に訊けスペシャル 朝堂院大覚ロングインタビューact2
小池百合子都知事が隠したかった？「不都合な真実」をニッポン最後の黒幕・朝堂院大覚がすべて暴露する��
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＊−−−−−引用開始−−−−−−＊
発言の食い違いはただの思い違いか？
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撮影／羽太康雄
──その後、小池父とはどうなったんですか？
朝堂院 うむ。それで、大の男がブラブラしとってもいかんから、何かをやらようと。フィリピンのアキノ、当時は上院議員だったが、彼が投獄されて死刑判決を受けておったから、私が石原慎太郎と一緒に現地へ行って、マルコス大統領に談判した。
──ベニグノ・アキノ・ジュニア。後のコラソン・アキノ大統領の夫ですね。総統は彼の死刑回避を求めてマルコス大統領に会いに行った。それが1977年です（アキノ氏は国民に多大な人気があったためマルコスは処刑せずアメリカへ追放する。しかしアキノは1980年に帰国を決意。とみろがマニラ国際空港に降り立ったところ、日本のTBSテレビのカメラが廻っている中、政府軍兵士に射殺された）。
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wikipedia「フェルディナンド・マルコス」よりマルコスとイメルダ夫人、中央はアメリカのロナルド・レーガン大統領（リンク）
朝堂院 あのときはアキノの女房（後のコラソン・アキノ大統領）と、息子がまだ小さかったなあ、私のホテルのペントハウスまで来て「お願いします。主人を助けてください」と言って、そのときもまあ何の役にも立たんが小池も同行させましたよ。
──カバン持ちみたいな感じですか？
朝堂院 まあそんなもんだ。あいつは衆議院選に出るとき、一応、石原慎太郎の「日本の新しい世代の会」の推薦をもらっておったので、知らない仲でもないし。だから私がマラカニアン宮殿に行って大統領と会うときも、嬉しそうに一緒に座って得意満面なポーズは取ってたわな(笑)。その後もタイとか、私が海外に行くときはどこでもあちこち付いて来よった。カバン持ってな。
──そうこうしているエジプトにレストラン「ナニワ」を、という話になるんですか？
朝堂院 結局、東京におっても何の仕事もできんわけだ、彼は。関西電力に捨てられたから地元にも帰れん。だから私が「エジプトに行きなさい」と勧めた。幸いエジプトのほうでは会社の倒産が知られてなかった。事務所もまだあったので、「現地の人間には知らせずに行け」ということで。
──総統も一緒にエジプトまで行かれたそうですね。
朝堂院 小池は何もできん男だから、「カイロでどうしたらいでしょう？」というから、「レストランをやってみろ」と。名前も私が「ナニワ」と決めて、すべての備品、什器、全部私が用意して、開店させたというわけだ。
──小池百合子さんは、お母さんの恵美子さんが突然「カイロに日本料理店を作りたい」と言い出したと言ってますよ。留学中に遊びに来たとき食べた現地のすき焼きの味がひどくて、「私がエジプトの人たちに本当の日本の味を広めたい」って言ったと。
朝堂院 ふむ。嘘を言ってるのか。あるいは百合子自身はそう聞かされておったのかもしれん。
──しかし、真相はそちらだと。それにしてもなぜ総裁はエジプトにレストランを作ろうと思われたんですか？
レストランの権利が「どこかに」消えた
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撮影／羽太康雄
朝堂院 当時のエジプト政府ではトハミ副首相という男が私の担当で（1978年、総裁は第4次中東戦争の終結と日本エジプトの外交関係構築のためエジプトのアサド大統領と会談。その後の交渉はトハミ副首相と行った）、そのハトミ氏が雑談の中で「エジプト人は栄養が足らない」「鳩の肉ばっかり食べとるから早く死ぬ」と。「これが困ったことだ」と言っていた。油ものの料理ばっかりなんだな、あそこは。
──ああ、何でも油で揚げちゃうんですね。
朝堂院 そう。何もかもオリーブオイルで、もう油ドロドロの食い物ばっかりだ。生魚とかは一切食べないし、そもそも魚を食うという文化がないんだな。そこで「日本では魚をすり身にして食ってる。カマボコにしてる。ハンバーグとかにすればエジプト人たちも魚を食うんじゃないか。タンパク源になるぞ」と言ったら、ハトミも「それはいい！」と。アスワン（エジプト南部、ナイル川東岸の都市）なんて魚だらけだから。ナイル川っていうのは水が肥えてるから、栄養がたっぷりあって、魚が日本では考えられないくらい大きい。しかも丸々とよく育っている。だからそれを粉にする加工工場を作った。巨大な工場です。で、完成してさあこれからというときに私が東京で......。
──高砂事件ですか（1982年3月、ナミレイ会長就任中、同業大手・高砂熱学工業の株式を買い占め、筆頭株主の力を盾に同社社長等を脅して業界提携とナミレイの株式引き受けを強要したとして逮捕され、執行猶予付き有罪判決を受けた）。
朝堂院 うむ。それからしばらくは海外への渡航が出来なくなった。
──執行猶予ですからね。その間に小池百合子の両親は逃げてしまったと。
朝堂院 そうです。
──レストラン「ナニワ」や、巨大加工工場の権利はどこに消えてしまったんでしょう？
朝堂院 まあ、あの夫婦が処分したんでしょう。金に換えたわけです。だからあの夫婦は死ぬまでゆったり生活しとったよ。工場の株を売ったのか、何をしたかはわからないが。私はそんなことばっかりだから、高砂熱学の一件でも700億くらい失っとるし。まあ、そういう大損のほんの一部だし、私は済んだことは追わない主義だから、もう放っておきました。
──じゃあ、総裁はそれ以来、小池百合子さんのお父さんとは会われてない？
朝堂院 そうですね。あの男も死んだし、女房も死んだでしょう。晩年は日本に帰ってきていたようだが、もうすべて終わったことです。
見え隠れする石原慎太郎人脈
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都庁は伏魔殿か!?
──じゃあココで少し話題を変えます。築地市場の移転に保留に決断を出したことによって、豊洲の地下に謎の空間が存在することが明るみに出たことに象徴されるように、小池百合子新都知事の改革への姿勢は世間では非常に評価されてます。大人気と言っていいほどです。これを総裁はどう見ておられますか？
朝堂院 小池百合子というのは非常に頭のいい女で、言葉も弁舌爽やか。元々衆議院の選挙でも圧倒的な強さを見せておったし、今回の都知事選でも、自民党からあれだけの逆風を受けながらものともせず高得票を叩き出した。これはまあ実に、実力は見事なものだと私は捉えてますよ。そう思ってはいますが、彼女は正義で仕事をやる女性ではない。それだけは言える。
──そう言い切るだけの根拠は何でしょう？
朝堂院 それが小池ファミリーのDNAです。それはもう、嫌というほど私は、いや私だけが知ってることでね。父親も母親も長男も全部、やってることは私は知ってる。やってきたことも知っている。そして小池家に対する世間の評価も知っている。要は百合子の親父に、信頼出来る人物はいなかった。友達と呼べる人間もおらなかった。小池百合子もそれは同じだと思う。あれだけ頭が良く実力も行動力もあるが、彼女を心から支持する衆議院議員、参議院議員はいなかったと思う。今回初めて、若狭勝だけが応援し、数名の都議会議員（会派「かがやけTokyo」の両角穣、上田令子、音喜多駿）と7人の区議会議員が応援して、見事当選したわけだが、あれは若狭たちの力じゃない。百合子ひとりの実力です。それだけ演説が上手い、大衆を惹きつける力がある。しかし、だ。小池百合子は選挙期間中何と言いましたか？ 都庁のブラックボックスを開けて、すべての悪を洗い出し閉め出すと、特捜上がりの人気弁護士・若狭と一緒に宣言した。ところが昼間は選挙活動でそう叫びながら、夜になれば誰と会っていたか。巨悪の根源。都民の税金を食い散らしてきた石原都政時代の談合担当者・浜渦じゃないか？
──浜渦武生氏（69才）、石原慎太郎知事時代の東京副知事です。僕も驚きました。「えっ、なんで浜渦さんが！」って。8月2日の初登庁のとき、浜渦氏が小池さんに同行して都議会各派の部屋を廻ったことは事実です。コレ、なぜかあまり報道されてないので知らない人が多いんです。
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『東京を弄んだ男 「空疎な小皇帝」石原慎太郎』著／斎藤貴男 刊／講談社
ちなみに浜渦氏というのは、総裁のおっしゃるように色々と噂のある人物です。斎藤貴男さんがお書きになった『東京を弄んだ男 「空疎な小皇帝」石原慎太郎』 (講談社 2011年刊行）などによれば元々は関西の右翼活動家で、石原氏に憧れ衆院時代に公設秘書に、そして石原氏が都知事になると特別秘書になり、そして2000年に副知事に抜擢される。「東京都職員以外からの副知事の登用は41年ぶりの快挙」だったそうですが、実は一度「素性がわからない」ということで副知事起用を否決されたこともあった。
そもそも空手の心得があるとかで昔から暴力沙汰の噂はありましたが、案の定、副知事になった途端、中目黒で二人の若者に対して暴力事件を起こす。これは石原氏の「（殴り合いは）男の世界にはよくあること。むしろ無い方が嘆かわしい」という、何とも彼らしい言い分で擁護されますが、その後も同僚秘書の男性を、石原氏が役員を務める「全日本キックボクシング」の事務局長と二人で呼び出し「殴る蹴るの暴行」をして、「車のトランクに押し込めよう」とした。なんでも「多摩川に沈めるつもりだった」とか。もうムチャクチャです(笑)。
朝堂院 そう。数々の黒い噂で2005年に都議会で問責決議が可決され、副知事をクビになったが、実は辞めたあとも影の知事として天の声を出し、談合の旗振りをやっておった。鹿島建設の栗原（俊記）専務をパートナーにして、副知事時代の猪瀬直樹も引き込んで談合組織を作ったわけだ。
──栗原さんという方もずいぶん噂のある人物です(笑)。元々一橋大学で石原慎太郎と同窓で、鹿島建設に入社後、出向という形で公設第一秘書になります。1998年に証券スキャンダルで自殺した自民党の新井将敬が、1983年に衆議院議員選挙に立候補したことがあった。このとき同じ東京2区の対立候補が石原慎太郎です。その選挙期間中、元在日朝鮮人だった新井（1966年に帰化）のポスターに、何者かが「昭和41年北朝鮮より帰化」という誹謗シールを貼った。この犯人が栗原俊記です。指示したのは石原本人とも言われてますが、栗原が公職選挙法違反で逮捕書類送検されます。これがきっかけで彼は鹿島に復帰しますが、総裁の言われるように石原氏や浜渦氏との関係は続いていた可能性がある。
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石原慎太郎公式サイト（リンク）
というのは2002年に秋葉原再開発計画が持ち上がり公開入札が行われた。このとき鹿島建設はNTT都市開発やダイビルなどと「UDXグループ」を組んで参加。一方で東京電力やJR系の会社も参加を検討したが、あまりにも応募期間が短かく、結局「UDXグループ」だけの入札となった。これには当然、そもそも石原が鹿島中心のグループにやらせる計画だったのを、隠すために公開入札にしたという疑惑が巻き起こりました。おそらくその功績のためでしょう、栗原氏は現在、鹿島の執行役員という地位に登り詰めてます。
朝堂院 まさにその通り。だから百合子がまず第一にやらねばならんのは浜渦への追求じゃないか。後で詳しく言うが、東京ガスの跡地だった豊洲を東京都が買った、その交渉をしたのは浜渦なんだ。ところが、当選した翌日にはもう百合子は浜渦は手を繋いで、各党の挨拶回りを東京都庁でやっている。これはもう都民、選挙民を翌日には裏切ってる行為だ。私はねえ、「やはり勇二郎の子だな」と呆れるしかなかったよ。
──手のひら返しというわけですか。
小池氏は朝堂院事務所で働いていた!?
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福岡六区補選で鳩山二郎候補の応援演説をする小池氏 小池百合子facebookより
朝堂院 変わり身が早いどころの話ではないぞ。百合子は選挙期間中、知事報酬を半額にすると公約しただろう？（このインタビュー後、10月13日に都議会で条例改正案が可決。半減が決定した）しかし私の知る限り、昼間に街頭演説でそう言いながら、夜は浜渦たちと当選した後の確約まで出来とって、莫大な当選祝いがゼネコンから集まってるそうだ。しかも8月中に、だ。それを全部いただいてるわけだから、知事報酬なんて半額になろうがゼロになろうが痛くも痒くもない。いいですか、これは有権者、290万票を入れた東京都民に対する背信行為であり、明らかな裏切りである。何が「都民ファースト」だ？ 「マネーファースト」じゃないか。
──ウーン、本当だとすれば、とんでもない話です。
朝堂院 だから親父の勇二郎になくて娘にあるのはその情熱とエネルギー、弁舌の上手さ、したたかさだな。要は金のためなら何でもやるという、上昇志向には常にすべてをかける女性ですから。カイロ大学時代に他国から来ていた留学生と恋仲になって、だから私が金を出して結婚させた。しかしその男とはすぐ別れて、今度はオカモトという現地で空手教えている日本人と一緒になって、そのときは百合子が「空手雑誌を作りたい」というから、それにも私は出資した。
──親子二代にわたって総裁が面倒を見られたんですね。
朝堂院 その後はオカモトに新しい別の女ができたということで、百合子は日本へ帰ってきて、私の神田の事務所に一時期おったのだが──
──えっ、小池百合子さんが総裁のところにしたんですか!?
（以下、明日へ続く）
＊−−−−−引用終了−−−−−−＊
（一回目のインタビューはこちら リンク）
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（ニ回目のインタビューはこちら リンク）
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（三回目のインタビューはこちら リンク）
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（四回目のインタビューはこちら リンク）
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（最終回のインタビューはこちら リンク）
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豊洲の「盛り土」当初、800億といっていた。入れるはずの土はどこいっちゃったんだ？ どこにもいってない、そもそも入れてないんだから。
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