ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

コピペの部屋コミュの【不思議・心霊】夜泣き峠

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
(転載元)
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/9405/1401772436/
ホラーテラー作品群保管庫

(まとめトピック)
なつのさんシリーズ【まとめ】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=6168454&id=98776397&from=share

コメントに続きます
でははじまり

━━


 『夜泣き峠』


50: なつのさんシリーズ「夜泣き峠」1 :2014/06/03(火) 17:43:46 ID:j2Iwz4NM0
その峠は『夜泣き峠』と呼ばれていた。
僕の住んでいる地域では有名な心霊スポットで、
この峠の正式な名称は知らなくても、『夜泣き峠』と言えば地元の人間なら誰でも知っているようだ。

その日の夜、十一時ごろ。僕は友人のKとSと三人で、その問題の峠に向かって車を走らせていた。

「県道って言うから覚悟してのにさー、中々いい道じゃねーか」

そう言ったのはKだ。
確かに、元々は地元民でない僕はこの道を使ったことが無かったのだが、
アスファルトも比較的新しく、ずっと二車線の道路は、心霊スポットに続く山道としては拍子抜けするものだった。

「ユウレイ出るって聞いたから、どんだけ寂れた道なのか!ってドキドキワクワクしちゃってたのにさコッチはよ〜。あー残念だ。ザンネン。ザ・ン・ネ・ンだあ!」

「うわっ、馬鹿。やめろ」

横を見れば、Kが後部座席から運転席のシートを掴んで揺らしている。

運転しているのはSだった。助手席には僕が座っている。
Sの父親の車だという軽自動車が、フラフラ対向車線にはみ出す。対向車は無い。あったら死んでたかもしれない。

「ここで事故ったら、僕らも幽霊になって化けて出ような。そしたらここ、全国的な心霊スポットになるかもしれんし」

と僕が言うと、

「そらいいな」

とKが笑う。
騒ぐ僕らの横でSは大きく溜息をついていた。

ちなみにその時のKは酔っていた。僕も酔っていた。
そもそも、宅飲みで酔っぱらった僕とKが、酒の勢いで『何処か怖いとこ行こうぜ!』となり、
運転役として急遽呼ばれたのがSだったのだ。


「……っていうか、道路整備は当たり前だ。そんだけ需要があるんだよ、この道には。
 うちの街から○○(街の地名)に行くのにも、この道使えば早いしな」

この車内で一人だけ酔ってないSは冷静だ。というかぶすっとしてる。
その表情からは、早くこの馬鹿二人から解放されたいと言う気持ちがにじみ出ていた。ごめんなS。
それでも、嫌々ながらも付き合ってくれるのが、こいつの良いところなのだが。

「おれの携帯さ、録音できっから。これで赤ん坊の声取れねーかな?」

「携帯の音質じゃ無理だって。よほど近くで泣いてもらわんと。ってかそんな声録音して何に使うんだよ」

僕がそう言うと、Kはニヤリと笑い、

「んなもん……」

「うん?」

「んなもん、女の子驚かすために使うに決まってんじゃねえかお前ぇ!」

Kのシャウトが車内に響く。

「……お前が子供泣かしたと思われて終いだボケ」

隣でSがぽつりと呟いた。Kはガハハと笑って聞いてなかった。

コメント(3)

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

コピペの部屋 更新情報

コピペの部屋のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング