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コピペの部屋コミュの【オリジナルSS】本屋とバス停と男と女

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(転載元)
【男&女】本屋とバス停と男と女
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1378893527/

コメントにつづきます
でははじまり

ーー

1: ◆M7hSLIKnTI:2013/09/11(水) 18:58:47 ID:YAjCiUJE

あれほど誇らしげに自らの存在を主張していた夏は、もうそのなりを潜めている。

まして今は夕暮れを過ぎ、空はすっかり藍色に染まった時間。

高校の制服の半袖のポロシャツでは、少し寒くさえ感じる。

通う学校からほど近い、住宅地へと上る坂の下にあるバス停で、俺は今日も帰りのバスを待っていた。

ほど近い…とはいっても学校から最寄りの停留所というわけではない。

俺は放課後、学校から歩いて10分程のところにある本屋でバイトをしている。

その本屋は親戚の伯母さんが経営する店で午後7時までの営業なのだが、伯母さんも中学生の息子と小学生の娘を持つ身。

五時を過ぎる頃には夕飯の支度をはじめ家事に追われる事になるから困っているという話を聞き、俺が自ら志願した。

店番を始めて解った事だが、その時間帯はちょうど仕事終わりのサラリーマンや学校帰りの学生達が立ち寄り、意外とよく売れる。

店を早い時間に閉めるわけにはいかないというのも納得のいくところだ。


2: ◆M7hSLIKnTI:2013/09/11(水) 19:05:35 ID:YAjCiUJE

毎日ほんの一時間半程のバイト、少々の時間のズレはあれど賃金は日に千円と決めている。

でも月に20日程度は従事しているわけで、高校生の経済事情からすれば結構馬鹿にならない収入だ。

正直、助かっている。

それともう一つ、このバイトの魅力を増す要素がある。

その要素とは決まって午後6時40分頃に店に寄り、閉店間際まで立ち読みをして過ごす女の子。

店からすぐ近くにある女子高の制服を着たその娘が来るのを、俺は密かに楽しみにしている。

実際に本を購入する事こそ稀だが、週に四日くらいは来ていると思う。

そしてどうやらその娘が店に寄るのは、バスの時間待ちのためらしい。


3: ◆M7hSLIKnTI:2013/09/11(水) 19:06:13 ID:YAjCiUJE

俺はいつもバイト後、店舗と繋がった伯母さんの家で夕食をご馳走になっていた。

しかし半月ほど前のある日、自宅の夕食が俺の好物だと聞かされていたから、夕食を食べずに伯母さんの店を出た。

すると、バス停にあったのは気になるあの娘の姿。

残念ながら乗るバスの路線は違うものだった。

でもその日から毎日、彼女が乗るバスが来るまでの五分間、俺の至福の時は延長される事となった。

そのかわりせっかく得たバイト代の一部が、夕食のパン代に消える事にもなったけれど。








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