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コピペの部屋コミュの【ブーン系】( ^ω^)ブーンがアルファベットを武器に戦うようです【79】

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(転載元)
http://boonsoldier.web.fc2.com/1164547543.html

(全話まとめ)
http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=6168454&id=80277036

ーー

301 :第79話 ◆azwd/t2EpE :2007/11/11(日) 02:11:46.85 ID:y1qIQMtk0


  【第79話 : Wild】


 ――世界暦・499年(28年前)――

 ――エヴァ城――

 奪うべく狙っていた城に、降将として入ることになるとは思わなかった。

 内部の木造建築が美しい城と聞いていたが、実際見てみても何も感じなかった。
 燃えやすそうだな、と思っただけだ。

 この城をオオカミの将として奪うことがあったら、取り壊すことも考えたほうが良さそうだ、と思った。


(`・ー・)「んー……さて」

 アルファベットは持たされていないが、縄を打たれているわけでもない。
 その気になれば、逃げ出せそうな気もした。

 その気になれば、後ろから殴り殺せそうな気もした。


( ゚∀゚)(……直に見たのは、これが初めてだが……)

 自分の前を歩く、ハンナバル=リフォース。
 ヴィップ国軍の総大将。

 人のことは言えないが、体格はさほど大きくなく、覇気もない。
 常に笑みを浮かべているように見えて、間が抜けていた。
 こんな男が総大将で、よく国がまとまっているものだ、と感じたくらいだ。


307 :第79話 ◆azwd/t2EpE :2007/11/11(日) 02:12:59.01 ID:y1qIQMtk0

 いつでも、殺せる。
 半ば確信に近い思いさえ、あった。


(`・ー・)「みんなは、なんて言うかな」

 これから、軍議室に連れていかれるらしい。
 自分の処遇を決断するようだ。


(`・ー・)「どう思う? ジョルジュ」

( ゚∀゚)「は? 知らねぇよ」

(`・ー・)「ナーマイキな口を利くなよ。まだ二十歳にもなってないガキだろ?
 俺はもう三十九だぞ。ちょっと悲しい年齢になってきたけどな」

( ゚∀゚)「戦じゃ年齢なんか関係ねーだろ」

(`・ー・)「はは、まぁ確かにそうだな」

 屈託のない笑み。
 それが余計に、自分を苛立たせる。

 能天気な男だった。
 まさか、自分の降伏を本意だとでも思っているのだろうか。

 マリミテ城防衛戦で、伏兵としてヴィップ軍を待っていた。
 情報は統制されていた。上手くいくはずだった。
 しかし、ヴィップには見破られていた。


315 :第79話 ◆azwd/t2EpE :2007/11/11(日) 02:14:16.30 ID:y1qIQMtk0

 いったん逃げ出したあと野戦でモナーと戦ったが、体勢が悪すぎた。
 大して抗えず、アルファベットLを操る男を討ち取ったくらいしか戦功はなかった。

 結果、惨敗して囲まれたが、こんなところで死にたくはなかった。
 降伏という決断は、すぐに浮かんだ。死は免れるだろうと思ったからだ。
 しばらくヴィップに留まって、いずれ裏切ってやるのも面白い、と思った。

 しかし、今はできるだけ早く逃げ出したい気持ちだった。
 総大将が、思ったよりも鬱陶しい。馴れ馴れしくて、不快だ。
 オオカミのためでも、ここで戦うことには耐えられそうになかった。

 こんな男が統べているのに、何故ヴィップが手強いのか、不思議でならなかった。
 分かりたくもない、という気分だった。

 しかし、その強さを消しておく必要はありそうだ。
 見るからに隙だらけの男。どうやったって、殺せる。
 あとは、時期の問題だろう。


(`・ー・)「ここだぜ。ほら、入れ」

 背中をぐいと押された。
 その手を、乱暴に跳ね除ける。

 温かみが、不快だった。

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