BCLS研究会コミュのご利用者から介助拒否された時の対処法

●ご利用者から介助拒否された時の対処方！

施設で働いていると、「介助拒否」のあるご利用者の方いませんか？

認知症の方や、精神疾患のご利用者に限らず、タイミングなどによっても不機嫌であったりすると、拒否される。

しかも、暴力とかもあり得ますよね。

私も１年目の頃、夜勤中にそのご利用者がトイレにいくとコールがあったんですが、私を見るや否や、「違う人はいないのか！」なんて怒られて…

その方はベッドに端座位になっていたんですが、私が目線を下にする為に（威圧感を与えないように）膝をついて傾聴しようと思うと、

キック！

顔面に蹴りを食らったのを今でも鮮明に覚えています(笑)

さて、このようなご利用者の場合、どうのように対応すればいいのでしょうか？

まず、一番簡単なのは、「その場では他の職員に変わる」がいいです。
（その場ではですよ。金輪際関わらないということではありません）

これってすごく大事です。

先輩職員は「行った方がいい」と言わんばかりに目で合図をしてきますが、これは職員の心理的背景を無視して、虎の子を崖から落とすようなやり方。

確かに得るものもありますが、２４時間サービスの毎日その方と関わっていくので、最初は他の職員とスイッチして、職員同士の連携をしっかりと図ったほうが賢いです。

だって、相手は人間ですもの(笑)

無理に来られても余計に不穏になるだけですからね。

自分だって、嫌いな人に来られても嫌な思いするだけですからね…

無理に毎日関われという職場は、その上の上司に相談するか、辞めた方がいいです。

では、介助拒否が見られるご利用者様。

どう対応していくか、具体的に上げていきます。

■自分の対応を振り返ってみる

ご利用者様は周りをよく見ています。

他のご利用者様への対応、職員同士の対応、会話、声かけ、職員の行動。

全て見ています。

目から入る情報を頭で整理して、「この職員はこういう人だ」と認識し、自分に利益・不利益がないかを判断します。

自分（職員）が正しい判断で行動したとしても、ご利用者からみればそれが正しい行動とは限りません。

人は常に自分を他者より見てほしいと思う願望があります。

要は自己実現を果たしたいんですね。

認められたい。

だから、例え全ご利用者に平等に対応しても（不可能ですが）物足りなさを感じてるかもしれません。

それが拒否につながるのであれば、自身の行動を変える必要も出てきます。

■ご利用者の生活歴、既往歴、疾患を見る

今までの生活はどんなだったか？

穏やかだったけど、真の通った性格だったか？

攻撃的だったか？

生活歴もサービス提供するためには最も重要な要素です。

薬を飲んだり、誰かの介助を必要としなければならない体になってしまったことから、プライドがボロボロになっていたり。

そして、既往歴と疾患も調べてください。

アルツハイマーや脳腫瘍、脳血管障害による認知症なら、性格や物の感じ方、捉え方の変化もあります。

うつ病などの精神疾患やストレスによる不安障害も考え方、見方、感じ方、性格が変わります。

その他、ピック病などの人格障害。

薬による副作用で人格が変化するケースもあります。

既往歴や疾患と生活歴を照らし合わせてみるのも、その方に合った対応を検討するためにとても重要です。

また、ご家族の方にその方の性格や趣向、どんな人だったか、何を好んで何を嫌ったかを聞くのもＧＯＯＤです。

■情報＝記録から分析する

記録から、情報を分析すると何かわかるかもしれません。

排便が滞っていないか？

トイレに行く時間がまばらではないか？

もしかしたら自分から言えないのかもしれません。

食事の量、水分量によっても、本人が不満に思ったりすることもあります。

糖尿病なら糖分を取れずイライラしてしまうことも。

たばこの習慣があれば、据えない環境などがイライラにつながっていたり…。

一定の職員しか対応していないことが不満であったり、本当は声を掛けてほしかったり、仲間に混ざりたかったり、一人になりたかったり。

もっと色んな背景があって、様々な情報から分析して、「なぜ、私を拒否するのか？」「なぜ介助拒否があるのあか？」を見つけ出すことがポイントですね。

ご利用者の言うことを全て聞くのが介護職の仕事じゃありません。

でも、ご利用者の意見や希望を聞くのは仕事です。

拒否があるには必ずその人なりの理由があるのですから…

相手が嫌がっているなら、その場は離れても、分析をして、サービス提供につながる選択肢を増やして、信頼を得ていくことが大切です。

人を見る。

そんなに簡単なことではありませんが、介護は人そのものを見る仕事です。

人は単純に作られていないですから、当然、価値観も違い、必ず相違はあります。

良いサービスを提供するには、頭・体・心・生活（リズム）・過去等、その人を形成する全てを見て、把握して、情報を全員で共有しながら対応をしていけるような職場体制とサービスが重要ですね☆