孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】日本経済の厳しさ拡大

①食品スーパーの業績が悪化。10日までに決算を発表した24社の営業利益は前年同期比で9%減、②小売店主らに聞いた「街角景気」で判断指数（ＤＩ）は前月比３・７ポイント低い４１・８（５０横ばい）。③関西経済、中国人消費が600億円減
2020-02-11 07:323

A-1　事実関係　食品スーパー、4四半期連続で営業減益増税でマインド悪化　販促・人件費も重荷（日経）

食品スーパーの業績が悪化。10日までに決算を発表した24社の営業利益は前年同期比で9%減り、4四半期連続で減益。昨年10月の消費増税以降、個人消費の冷え込みが続き、コンビニエンスストアなどとの競争も厳しい。販促費を積み増さざるを得ないうえ、人手不足で人件費も膨らみやすくなっており、採算面でも逆風。

日本経済新聞社が2.3月期決算の上場スーパーマーケットを対象に、2019年度の第3四半期（19年9～11月と同10～12月）の業績を集計。24社のうち7割にあたる17社の営業損益が悪化し、営業利益の合計額は283億円と30億円近く減少。減益率は第2四半期（4%）から拡大。　。

東京都などで店舗を展開するいなげやの10～12月期の営業利益は2割減。食品には軽減税率が適用されるものの「全般的に消費者の節約志向が強まっている」（同社）。既存店売上高は3カ月の単純平均で1.5%減。

中部が地盤のバローホールディングスは10～12月期の営業利益が1割減。スーパーマーケット事業の既存店売上高が平均で2%のマイナスと。北海道などが拠点のアークスも9～11月期に営業利益が5割減。

コンビニでは多くの店舗が2%還元の対象。この結果、コンビニは買い物客を集めやすくなっているようで、最大手のセブン―イレブン・ジャパンの既存店売上高は増税以降、4カ月間プラス。一方、大手スーパーは苦戦、マルエツ、カスミ、マックスバリュ関東を傘下に持つユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスは、増税後に値下げなどで価格訴求力を強める戦略に出た結果、9～11月期に6%の減益。名古屋市が中心のヤマナカもポイントなど販売促進費用を増やしたことで採算が圧迫され、10～12月期は営業赤字。

足元では年3%程度のペースで最低賃金が上昇しており、物流費などその他のコストも上昇基調に歯止めがかからない。

A-2　「街角景気」４か月ぶり低水準…新型肺炎感染拡大で（読売１０日[孫崎1] ）

内閣府が１０日発表した１月の景気ウォッチャー調査によると、景気に敏感な小売店主らに聞いた「街角景気」で、２～３か月先の景気の先行きを示す判断指数（ＤＩ、季節調整値）は前月比３・７ポイント低い４１・８。新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大で、昨年９月以来、４か月ぶりの低い水準。

先行きを示すＤＩの悪化は２か月連続で、すべての業種で悪化した。「サービス関連」（５・６ポイント減）や「製造業」（５・５ポイント減）の下落幅が大きかった。

　具体的には「中国人観光客の減少や外出の自粛傾向で大幅な売り上げ減少は避けられない」（近畿の百貨店）や、「観光旅行そのものが控えられることも懸念」（北海道の旅行代理店）との声があった。

　現状を３か月前と比べた判断指数（ＤＩ、季節調整値）は４１・９と、前月に比べて２・２ポイント上昇した。内閣府は基調判断を「このところ回復に弱い動きがみられる」として前月から据え置く一方、「先行きについては、新型コロナウイルス感染症の拡大等に対する懸念がみられる」とした。

A- ３: 日産、九州工場を一時停止　新型肺炎で部品調達混乱（１０日時事）

A-4: 関西経済、訪日中国人による消費が600億円減も　日本総研が試算（毎日）

日本総合研究所は10日、新型コロナウイルスの感染拡大による関西経済への影響について、訪日中国人による消費が約600億円減少するとの試算をまとめた。

　日本総研によると、関西の中国人旅行客による消費額は年約5000億円で、訪日客全体の約4割を占める。

[孫崎1]