孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】南北首脳会談後の朝鮮半島情勢。どうなる・ミサイル発射台廃棄、寧辺核施設の廃棄に言及。

【孫崎享のつぶやき】
南北首脳会談後の朝鮮半島情勢。どうなる・ミサイル発射台廃棄、寧辺核施設の廃棄に言及。ただし後者は米国が相応措置を採る場合という条件付き。米国がこの条件を満たせるか。一つの候補は朝鮮戦争の終戦宣言。だが北朝鮮への先制攻撃なしまで行けるか。
2018-09-22 06:52

韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長は、2018年9月18日から20日まで平壌で南北首脳会談を行った。最近の米国の動きを含め、動向をまとめてみたい。

１：トランプ米大統領は８月24日、「朝鮮半島の非核化が十分に進展していないと感じたからだ」として、ポンペオ国務長官に北朝鮮訪問の中止を指示したとツイッターで明らかにした。一

２：ポンペオ国務長官は１９日付の声明で南北首脳会談について「両首脳が朝鮮半島における完全な非核化を目指すとしたシンガポールでの米朝首脳会談の共同声明を再確認したことを歓迎する」と表明し、「アメリカは、米朝関係を変革させる交渉にすぐ入れる準備がある」として、停滞気味の米朝協議を再び加速させたい意向を示し、ポンペオ長官は北朝鮮側に、来週、国連総会に合わせニューヨークにおける李容浩（リ・ヨンホ）外相との会談を打診。さらに、ビーガン北朝鮮担当特別代表と北朝鮮側の代表によるオーストリアのウィーンでの会談を打診したことを明らかにした。

３：非核化等に関する部分を見てみたい。
(1)北側は東倉里（トンチャンリ）エンジン試験場とミサイル発射台を関係国専門家たちの参観の下、優先して永久的に廃棄することにした。
(2)北側は米国が「6.12米朝共同声明」の精神に従い相応措置を採る場合、寧辺(ヨンビョン）
核施設の廃棄のような追加措置を続けて行う用意があることを表明した。
(3)南と北は朝鮮半島の完全な非核化を推進していく過程で、共に緊密に協力していくことにした。

４：上記において、具体的廃棄計画が言及されたこと、及び廃棄においては関係国専門家の参観の下、行われるとした点が評価される。

５：ただし、寧辺（ヨンビョン）核施設の永久的な廃棄は、「米朝共同声明の精神に従い相応措置を採る場合」との条件が付されている。
　この条件に付いては、朝鮮戦争の終結宣言をすることが候補として指摘されている。
　しかし、核施設の全面は息には、米側の北朝鮮への先制攻撃特に核兵器を行わない保証を二カ国間、ないし多国間で行う必要があり、米側にはその用意はないので今後は不透明である。

６：他方南北間は緊張緩和に向けて大きく動く。
. 南と北は非武装地帯をはじめとする対峙地域での軍事的な敵対関係終息を、朝鮮半島の全地域での実質的な戦争の危険の除去と根本的な敵対関係の解消につなげていくことにした。
(1)南と北は、今回の平壌首脳会談を契機に締結した「板門店宣言軍事分野履行合意書」を平壌共同宣言の付属合意書として採択し、これを徹底して遵守し誠実に履行し、朝鮮半島を恒久的な平和地帯として作り上げるための実践的な措置を積極的に採っていくことにした。
(2)南と北は南北軍事共同委員会を早くに稼働させ、軍事分野の合意書の履行実態を点検し、偶発的な武力衝突防止のための常時的な対策を講究していくことにした。
. 南と北は相互互恵と共利共栄の土台の上に、交流と協力をより増大させ、民族経済を均衡的に発展させるための実質的な対策を講究していくことにした。

７：これまで朝鮮半島の大規模な緊張は米韓軍事演習を契機に緊張が高まっていたが、文大統領の間は軍事的緊張関係の低下と、人的・経済的交流の活発化によって、北側が緊張緩和の利益を理解する可能性がある。

コメント(2)

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[1] mixiユーザー 09月22日 11:22

こういう外交交渉は、大きな力のある国が、先に度量をみせて、譲歩しなければ、解決しない。

朝鮮半島で、南北が、戦争しない、といっているのだから、まずそれに、賛同すべきだろう。

核廃棄の問題は、５大国以外に、イスラエル、インド、パキスタン、など、保有国があるのだから、じっくりとやればいい。もちろん、イランの問題も。

[2] mixiユーザー 09月22日 17:27

>>[1]

同感です。
欧米よりも、現在は南北朝鮮がはるかにまとも。とくに韓国。

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