孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】コロナ拡大。大阪最多１２６０人、福岡最多、東京９２５人で１月１５日以来。

理由は①感染力強の変異株への移行、②対応策が弱。菅首相は緊急事態発出時、専門家の「最低でも三週間」無視。「短期集中」と述べたが多くの国民は通常と変化なく行動。拡大は失政に由来、:
2021-04-29 08:576

1:コロナの感染拡大か続いている。「大阪、最多１２６０人感染　福岡も最多更新、東京９２５人―新型コロナ」である。「２８日、４７都道府県と空港検疫で５７９４人の感染者。大阪府で過去最多となる１２６０人、福岡県（４４０人）で最多。東京都では９２５人。９００人を上回ったのは、１月２８日（１０６５人）以来、３カ月ぶり。兵庫県、過去２番目に多い６００人。北海道は２１９人で、２００人を超えたのは１月１５日以来」（時事）。
２：急速に拡大している背景には、①感染力の強い変異株への移行と、②対応策が弱まっていることにある。
３：変異株への移行は、4月19～25日の1週間に都内で確認されたコロナ感染者の59・6％が、感染力が強いとされる変異株「N501Y」に感染と推計されることをモニタリング会議で明らかに。この前週（4月12～18日）は32・8％で、急速に従来株や他の変異株からの置き換わりが進んでいる可能性（毎日）
　大阪では東京に先行してこの現象がで、「変異株猛威、若年も重症化　コロナ急拡大の大阪府」「大阪府。３月２０日以降、重症者が急激なペースで増加。英国で流行する変異株の影響が大きく、重症者に占める若年層の割合も高まっている。府などが実施する抽出検査では、感染力の強い英国型の「Ｎ５０１Ｙ」変異株の陽性率が２月中旬から上昇。４月上旬には約８割。抽出検査で陽性だった約３５００人の症状を府が分析した結果、重症化率は３．８％と「第３波」より０．６ポイント上昇。重症者に占める５０代以下の割合は１８ポイント増の約３５％と大幅に拡大。変異株陽性者に占める１０代以下の割合も９ポイント増の約１９％」（時事）
４：他方、対抗措置の動きは弱い。
　都内繁華街の夜間の人出（今月18～24日）は、1回目と2回目の緊急事態宣言でそれぞれ最少だった週の人出と比較すると、1回目の約3倍、2回目の約1・5倍（毎日）
　各機関も協力的ではない。「都内の「鈴本演芸場」「新宿末広亭」「浅草演芸ホール」「池袋演芸場」、客席の定員制限や換気等の感染防止策をこれまで通り続けた上で営業を決めた。演芸場は都の「無観客開催」の要請対象、「社会生活の維持に必要なものを除く」という文言があり（これに該当）（毎日、２４日１８時）。
「緊急事態宣言が25日に出された。街の姿は、どう変わったか。浅草・仲見世の人出は変わらず」「普段と同じ」3回目の緊急事態宣言、初の平日の通勤風景」
　又、規制の強化された東京都を避け、人々が、埼玉、神奈川、千葉に出向くという現象が出ている。例「「「川崎に来るしかない」改札からあふれる人…宣言初日、都民押しかけた神奈川。ＪＲ横浜駅周辺も混雑。商業施設では入場制限をする店舗もあり、外には行列ができていた。「カワスイ　川崎水族館」も、家族連れやカップルなどでにぎわった。」（読売）「２５日午前9時ごろ、千葉・浦安の東京ディズニーランドでは、グッズを身につけた入園者たちがひっきりなしに訪れ、従業員のアナウンスに従い距離を空けて長い列を作っていました」
５：こうした現象を生み出している原因の一つに、政府の対応がある。コロナの危機感をくみ取って、成功して対応を取るのではなく、不承不承に措置を取らざるを得ないのが見えている。
　東京都の緊急事態宣言の期間をめぐって政府の分科会の尾身会長は、１０日程度では不十分との見解を示しました。　「今回の緊急事態宣言を出すときは、１回目、２回目とは違う覚悟でやる必要がある。（期間が）１０日というのは短すぎる。３週間は最低必要だと思います」と述べているが、緊急事態の期間を三週間とすべしとの専門家の助言は受け入れられなかった。
６：菅首相は緊急事態発出に際し、専門家の「最低でも三週間」の助言は無視した。「短期集中的」を見れば、多くの国民は通常と何ら変化なく行動している。コロナ拡大は政府の政策の失敗と言える。