孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】危機管理の拙さ。人事院、懲戒処分の指針は処分の種類より重い時は

②その職責が特に高い時とある。高い地位にある者にはより厳しくである。一般事例で賭博は減給又は戒告。何故逆に低くするのか。「訓告」に批判の声殺到「国民をなめた処分」
2020-05-22 14:51
１：人事院規則で今回の事件に該当するとみられるものを見てみよう。
懲戒処分の指針について。（平成１２年３月３１日職職―６８）（人事院事務総長発）最終改正：令和２年４月１日職審―１３１を見てみよう。
　まず、具体的な処分量定の決定に当たっては、④　他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか等も含め総合的に考慮の上判断するものとする。
例えば、標準例に掲げる処分の種類より重いものとすることが考えられる場合として、　②　非違行為を行った職員が管理又は監督の地位にあるなどその職責が特に高いとき　とある。つまり、高い職にある者は、普通の公務員よりも厳しい処分が行われることを想定している。
２：そして一般の懲罰を見てみよう。
第２　標準例　１　一般服務関係　　３　公務外非行関係　(9) 賭博
　　　ア　賭博をした職員は、減給又は戒告とする。
　　　イ　常習として賭博をした職員は、停職とする。
　つまりここでは、マージャン賭博は戒告が想定されている。「義家法務副大臣は２１日の参院厚生労働委員会で、週刊文春に賭けマージャン疑惑を報じられた東京高検の黒川弘務検事長について、刑事手続きの対象になるか問われ「一般論として申し上げれば、刑法の単純賭博罪が成立しうる」と述べた。」
３：つまり、１と２　とを合わせれば、訓告以上の処分が想定される。
４：しかし、実際の処分はこれより低い訓告である。
５：かつ次の報道があった。　朝日新聞は１回の勝ち負けは数千円～２万円程度、仲間内での遊びの範囲内」（時事）
　しかし、レートを調べれば、賭けらる額がはるかに高いことが想定される。実際週刊文春の記事でも、十万円以上の金が動いていることが報じられている。検事と新聞記者は一般通念では仲間内ではない。
６：森法相は21日、”本日中に調査を終わらせ、夕方までに公表し、厳正な処分も発表したいと思っている”と述べた。」（共同）
７：FNNプライムオンライン「野党森法相の任命責任を追及黒川氏の処分めぐり
「野党側はさらに、黒川氏の処分について、人事院の指針では賭博をした職員は懲戒処分にあたる「減給」または「戒告」となっているにもかかわらず、6,000万円以上とされる退職金にも影響のない「訓告」にとどめられたことを批判した。山尾衆院議員「どうして訓告で足りると考えたのか」森法相「さまざまな事案を参考に、諸般の事情を総合的に考慮し、処分した」
８：黒川氏「訓告」に批判の声殺到「国民をなめた処分」
東京高検の黒川弘務検事長の賭けマージャン問題で、森雅子法相は21日午後、黒川氏が緊急事態宣言下の今月1日と13日に報道機関関係者3人と金銭をかけてマージャンをしていたことが分かったため、訓告処分にしたと発表した。黒川氏からは辞表が提出され「明日（22日）の閣議で承認をいただく」とした。この報道が流れると、ツイッターでは「訓告」というキーワードが一瞬でトレンド上位に登場。「賭け事ならクビでしょ」「訓告で済ますつもりか」「国民をなめた処分」など批判が殺到した。退職金が支払われるのかという疑問や、安倍首相の責任を問う声、過去の事例と比較して「逮捕されないのか」などの投稿も少なくない。