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孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【色平哲郎氏のご紹介】 『未来への大分岐』刊行にあたって 斎藤幸平

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 現代社会には、そう簡単に解決策が思い浮かばない、数多くの危機が存在しています
。経済の長期停滞と債務危機、排外主義的ポピュリズムによる民主主義の危機、気候変
動に代表される環境危機などが、複合的に絡み合っている状況です。

 それにもかかわらず、私たちは、SNSに溢れるフェイクニュースに踊らされ、現実か
ら目をそらし、自己とは異なる他者を敵視して、ヘイトをむき出しにしています。本来
、互いに協力して解決策を見出し、その方策の実現に努力すべきこのような時に、危機
に向き合うことを避ければ、長期的な損害がより大きくなるのは明らかなのにです。

 けれども、もし危機を先延ばしすることで得をしている、一握りの人々がいるとした
ら? 普遍的人権や自由、平等といった近代民主主義の理念を否定することで、自分た
ちの権力や富を増大させることができる人々がいるとしたら? 

 AIやロボティクスについての楽観的な予測が世間を賑わせていますが、1%の人々が
プラットフォームとレントを独占する世界において待っているのは、情報テクノロジー
を利用した「デジタル封建主義」や「サイバー独裁」だと、マルクス・ガブリエルやポ
ール・メイソンは本書『未来への大分岐』のなかで指摘します。

 同じように気候変動も対策を遅らせれば、被害は拡大します。気候変動は予想以上の
ペースで進行し続けており、このままの経済モデルを追求することは、気候変動の否定
的帰結を将来の世代や発展途上国に押しつけることに直結します。

 ところが、惨事便乗型資本主義は、そこに新しいビジネスチャンスを見出すでしょう
。現在の先進国での意思決定に参加できない人々がその(非)決断による悪影響を被る
ことは、民主主義の機能不全であり、気候正義的観点からも許されることではありませ
ん。経済成長のための政策だけでは、持続可能で公正な社会を実現することはできない
のです。

 こうした大きな危機の時代に、理論に求められているのは資本主義的ロジックと決別
する大胆なポストキャピタリズムのビジョンを展開することです。そして、今世界中で
そのような理論が生み出されつつあります。

 すべてを変えてしまうような「未来への大分岐」に直面するなかで、私たちに残され
た時間は多くありません。これ以上時間無駄にしないための「行動」の土台となるよう
、『未来への大分岐』で私は三名の知識人たちを訪ね、議論を重ねました。

 本書が、未来に向けた対話と行動の土台になることを願っています。

https://shinsho-plus.shueisha.co.jp/special/mirai/

コメント(2)

20世紀の終わりごろ、共産主義社会が崩壊したとき、資本主義をも超越する、第3の経済理論が
出てくると、期待しましたが、修正資本主義が幅を利かせましたが、新しい経済原論は出てこなかった。

なんとか、21世紀の経済理論の出現を期待したいです。
>>[1]

「大」理論でなくともよいので、まっとうな暮らしをできるような理論がほしい時代ですね。

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