孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】2019-05-29 09:103

トランプ対中強硬路線。その中、米国著名経済学者、ジェフリー・サックスは「米国大衆にとっての敵は中国でなく、企業の強欲。企業は税逃れ画策。本来は巨大利益を上げている企業の利益を福祉、教育、インフラ等に回すのが米国の利益。貿易で人々は利益。」

ジェフリー・サックス（Jeffrey David Sachs）は、アメリカ合衆国の経済学者. コロンビア大学地球研究所長を務め、国連ミレニアムプロジェクトのディレクター, タイムマガジンのタイム100(世界で最も影響力のある100人)に連続してノミネート.CNNに「中国が我々の経済問題の源ではない。企業の貪欲が源である」を寄稿。

・中国は敵でない。中国は、教育、国際貿易、インフラ投資、技術改革を通じて生活水準を上げようとしている国である。簡単に言えば、貧困で強国から遅れを取っているという歴史的現実に直面した国が行わなければならないことをしている。しかし、トランプ政権は中国の発展をとめようとしている。それは米国、および世界に災難をもたらす。

・中国は米国の増大する不平等のスケープゴートにされている。米国の中国との貿易は双方にとって利益であったが、米国の労働者はおいておかれ、特に中西部工場の労働者は中国の生産性向上と比較的低い賃金による競争に直面している。中国を非難する代わりに、我々は莫大な企業利益に税をかけ、その収益を労働階級の家計、インフラ建設、技能向上、科学技術への投資を行うべきである。

・中国の市場を基盤とする発展は、鄧小平が権力を握った１９７８年になって初めて始まったものである。

・過去４０年、中国は信じがたい成長を行ってきたが、過去一世紀の貧困、不安定、侵略、外国の脅威は依然大きくのしかかっている。中国指導者は現在は正しい道を歩もうとしており、そのことは、米国、西欧諸国に屈することはしない。

・中国は市場価格で世界第二のGDPを有しているが、国全体では貧困から追いつく過程である。

・中国は日本、台湾、香港、シンガポールの発展戦略をたどっている。

・技術のリーダー達は保護ではリードを維持できず、イノベーションで行わざるをえないことを知っている。

・中国の人口が韓国程度であれば米国によって、称賛されもしようが、中国は大きく、中国は米国が世界を動かすという主張を拒絶する。米国は世界人口の４．２％を持つにすぎず、他方中国は２５％弱を有している。

・中国との貿易で米国は低価格、比較的高品質の消費物資を得て居る。同時に中国と競合する工場分野の失業を生む。

・今日米国の勝利した企業はその利益を米国国民と分かちあう精神を失った。貪欲さがワシントンの政策を支配している。

・真の戦いは中国とでない。巨大企業とである。米国の実業界指導者たちは減税を求め、米国社会を公平にする政策を排除している。

・トランプは中国を攻撃し、中国がひざまずくと思っている。トランプは貿易基準を一方的に変え、ファーウェイの様な成功した会社を潰そうとしている。.

・中国は過去４０年西洋の規則で行動し、アジアの他の国が行った様に、追いつくことを図った。今米国は足元を揺るがせ、新たな冷戦に行こうとしている。

・もし、偉大な英知が勝たなければ、中国と最初に経済、次いで地政学的に、次いで軍事的紛争に向かい、災難を招く。この紛争に勝者はない。現在の米国政策の軽薄さと腐敗で我々は災難の道に向かっている。

・中国との貿易戦争は我々の経済問題を解決しない。我々は負担可能なヘルスケア、よりよい教育、近代的インフラ、より高い最低賃金、企業の強欲さの阻止という国内解決を必要としている。我々は無謀で不公平な挑発よりも中国との協力によりより多くを得ることを学ばなければならない。