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孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【色平哲郎氏のご紹介】萩野-昇-富山のシュヴァイツァー

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【色平哲郎氏のご紹介】萩野-昇-富山のシュヴァイツァー

「私は田舎の開業医ですが、ひとりの医師として患者がかわいそうなばかりに、この病
気の研究を積み重ねてきました。痛い痛いといって泣き叫びながら死んでいった農婦た
ち、主婦が寝込んだため起きた様々な家庭の悲劇、あの人たちになんの罪があるのでし
ょうか。なにがあのひとたちを地獄の苦しみに追い込んだのか・・・私はただ患者が気
の毒だと思います・・・私はただ患者を助けるのが宿命と考え、純粋な立場で、謙虚な
気持ちで、研究を積み重ねてきただけです。」

http://uraoka.jp/nihonjin/history-of-medicine/575.html   

==

しかし痛みはしだいに強くなり、大腿部、背部などに神経痛に似た、切られるような鋭
い痛みが走り、骨のレントゲンでは骨粗鬆症の所見が見られた。痛みは年単位で悪化し
、患者は全身に痛みを訴え、歩く際には大腿部の痛みをかばうため、アヒルのような格
好で歩くようになった。そして痛みのため仕事や家事ができなくなり、数年後には骨折
をきたし、激しい痛みから歩行も困難となった。骨は薄くもろくなり、身体を動かした
だけで、また医師が細い腕の脈をとるだけで、あるいは咳をしただけで容易に骨折を引
き起こした。患者は多発性の骨折のため、昼夜を問わず「痛い、痛い」と訴えるように
なった。患者の中には全身72ヵ所に骨折をきたした患者がいた。また脊椎の圧迫骨折
のため30センチも背が縮み、まるで子供に戻ったように小さくなった患者も多かった
。患者たちは何ら治療法のないまま、苦しみの中で寝たきりになっていった。この病魔
におかされた患者は、あまりの痛さから、また精神的苦悩から自殺に至った者もいた。

イタイイタイ病の患者のほとんどが40歳を過ぎた中年以上の女性で、子供の患者はみ
られず、男性患者はまれであった。更年期の主婦、しかも子供を多く産んだ経産婦がほ
とんどであった。中年女性に発症することから、イタイイタイ病を抱えた家庭は、家事
を支える主婦を失ったのと同じ状態に陥った。病魔に襲われた主婦は農作業はできず、
家事もできず、家計は苦しくなった。当時は医療保険のない時代である。医療費はかさ
み家族全体が貧困による生活苦から抜け出せずにいた。また中期症状として恥骨の痛み
があり、股を開くことができず、排便も困難になり、夫婦生活はもちろん不可能となっ
た、、、

初の公害裁判へ 

厚生省はイタイイタイ病の原因を神岡鉱業所が排出した公害と認定した。そしてイタイ
イタイ病は裁判所に場所を変え争われることになった。第一次裁判は患者と犠牲者の遺
族23人が三井金属鉱業を相手に総額6200万円の損害請求額を求めて争われた。イ
タイイタイ病を追求する20人の弁護士が全国から集まり患者支援に立ち上がった。弁
護士たちは貧しい患者から弁護料をとらず、すべて無償の手弁当で集まった。

弁護士は無報酬であったが、裁判には多額の費用が必要だった。裁判には訴訟請求額に
応じて数十万円の印紙代がかかった。そのため全国の弁護士に支援を求め、全国300
人の弁護士から300万円のカンパが集まった。また婦中町議会は「イタイイタイ病訴
訟支援」を決議し、全員一致で町費から100万円の援助金を寄付することになった。
また周辺の町からも援助金が集まった。県内世論はこの裁判を支援したが、富山県はイ
タイイタイ病は鉱害ではないとして動こうとしなかった。それどころか、市町村が一方
的に裁判を応援するのは地方自治法違反であるとコメントを出した。 

この富山県のコメントに対し婦中町は、イタイイタイ病の医療費は町で負担している。
もし原告が負ければ婦中町には膨大な被害を受けることになる。イタイイタイ病は個人
の問題ではなく町全体の問題であり、もし県が市町村を非難するならば、特定企業を応
援する富山県こそ地方自治法違反であると反論した。そして婦中町の議員全員がマイク
ロバスに乗り富山県の市町村をまわり、富山県内35の市町村のうち32の市町村から
支援を得た。 

天下の三井財閥を相手にした裁判である。住民たちには絶対に負けられない裁判との悲
壮感があった。生命をかけた闘い、どうしても勝たなければならない裁判であった。あ
とにひくことはできない、「負けたら切腹もの」と住民たちは覚悟を決めていた。 

国も住民のために立ち上がった。原告に代わり訴訟費用の一部を国が負担したのだった
。国のこの訴訟救済は原告が勝訴することを確信してのことであった。このイタイイタ
イ病裁判は大きな意味があった。ひとつは日本最大のマンモス裁判であること、相手が
日本有数の企業で、全国初の公害裁判であること、そしてこの裁判は人間の尊厳をかけ
た闘いといえた。

https://www.cool-susan.com/2015/07/24/萩野-昇-富山のシュヴァイツァー/

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