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孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】本日20時ニコニコ、『孫崎享チャネル』で『トランプ王国の素顔』の著者、立岩陽一郎氏

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【孫崎享のつぶやき】
(*時間が過ぎてすみません)
《本日20時ニコニコ、『孫崎享チャネル』で『トランプ王国の素顔』の著者、立岩陽一郎氏。NHKを辞めたスクープ記者が新大統領の就任する国に乗り込んだ理由|(クーリエ・ジャポン抜粋)不祥事が続いたNHKの上層部と戦って、そして退職》
2018-06-15 08:51


第1回 NHKを辞めたスクープ記者が新大統領の就任する国に乗り込んだ理由|立岩陽一郎「トランプ王国」の研究(クーリエ・ジャポン引用)
立岩陽一郎(たていわ・よういちろう、ジャーナリスト)
1967年生まれ。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て2016年12月に退職し、17年よりフリーランスとして独立。06年、調査報道で中央官庁の随意契約の実態を公表し、随意契約禁止のきっかけを作る。NHKで最後に手がけた番組は「NHKスペシャル 追跡パナマ文書」。現在、ワシントンDCのアメリカン大学で客員研究員。
 2017年元旦、無職となり、米国へ
私、立岩陽一郎は2016年12月31日、25年間勤めたNHKを辞めた。つまり、職を失ったわけだ。
そして翌日、つまり年が変わったばかりの2017年元旦、私は成田空港のカフェでパソコンを叩いていた。実は、正月早々、米国に向かおうとしていたのだ。
無職になった私がなぜ米国に行くのか、まず説明させていただきたい。私に与えられている米国入国のビザは「J1」と呼ばれるものだ。これは研究者に与えられるビザで、実際、私はしばらくの間、首都ワシントンDCにあるアメリカン大学のプログラムに参加し、同大学に研究者として身を置くことになる。
米国国内でも、もちろん取材はする予定だが、それは研究活動の一環ということになる。
大学のプログラムに参加するといっても、大学から給料が出るわけではない。机とパソコンを与えられ、大学の図書館なども使えるが、あとは自分で研究を自由にやってくださいという内容である。つまり、ありがたい環境ではあるが、至れり尽くせりというわけではない。
決して安くないワシントンDCでの生活費や研究費を、私はすべて友人からの借金で賄う予定になっている。近年よく使われている言葉を借りるならば、「下流記者」というべきか。
1円、いや、米国では1ペニーといえども無駄にできない。したがって、「クーリエ・ジャポン」をはじめ各メディアからいただく原稿料や謝礼などは、全部この借金の返済に充てることになる。
元旦、成田空港に着いたのは、飛行機が離陸する6時間も前のことだった。どう考えても、早く到着しすぎである。しかし、私はそれでも、空港に早く来て搭乗まで延々といることを選んだ。空港にはフリーWi-Fiがあって、金を使わずに時間を潰せる。
退職した私は、出発ギリギリまで都内にいても何もすることがない。以前は年末年始も取材や情報収集に動いたりしていたが、そういうこともなくなった。空港でカフェに座ってインターネットを見ていた方が安上がりなのだ。

ワシントンDCに飛んで私がしようとしているのは、「これから米国がどういう方向に向かおうとしているのかを模索すること」だ。しかし、これでは言い方がやや漠然としているかもしれない。
具体的かつストレートに表現すれば、「新たに選出された第45代米国大統領ドナルド・トランプを研究すること」である。正確には、「トランプ新大統領を生んだ米国を見ること」と「トランプ新大統領が作り出す米国を見ること」になるだろう。
2016年の大統領選挙でトランプを支持したのは、主に、没落して這い上がることができなくなった中高年の白人労働者層だ──という見方がしばしばなされてきた。
彼らはかつて米国の経済を支え、中流層として米国社会の中核を担っていた人々だ。それが昨今では、工場の海外への移転や新たな移民の流入によって、厳しい生活環境に置かれているという。いわば従来の中流層が崩れていく流れのなかで、トランプが最高権力者にのぼりつめたというわけだ。
トランプ氏を支持した、昔は中流だったが今は下流になっている人々。年齢は中年以上。IT化の進展などと言われていても、新たなスキルを身に付けたところですでに新たな転身が困難な世代……。
ん? これは私自身と重なりはしないか?
「なんだ、トランプを作り出したのは、米国の『私』のような人たちじゃないのか」
大統領選挙の報道に接するうち、急に“気づき”を得た私のなかで、「それならばトランプ大統領を作り出し、そしてトランプ大統領が作り出す米国をこの目で見てやろう」という強い気持ちが湧き上がってきた。
そんな思いが、間違いなく、退職の翌日に渡米した原動力の1つになっている。
 不祥事が続いたNHKの上層部と戦って
ここで、簡単な自己紹介をさせていただきたい。
私は2017年1月1日現在で49歳。出身は神奈川県横浜市である。1991年、大学を卒業してNHKに入った。これをNHKでは「入局」という。テレビ局だからそう呼ぶのかと思ったが、どうやらこれはNHK独自の言い方で、民放では普通に「入社」というらしい。私は、どこか「官」の響きがある「入局」という言葉があまり好きではなかった。
NHKでの最初の勤務地は沖縄県だった。ちょうど米兵の少女暴行事件というショッキングな出来事があった時期で、私は米軍基地問題を取材し、「クローズアップ現代」や「NHKスペシャル」を作った。一方、独自の調査報道で自民党有力議員の政治献金疑惑を報じたこともあった。
そういったことが評価されたのか、沖縄で5年間を過ごした後、東京の報道局に異動になった。ペルーで起きた日本大使公邸人質事件では、現地取材班の一員として現場へ行った。そしてテヘラン特派員を務めた後、東京に戻って、社会部で脱税事件や国の予算の無駄遣いなどを報道した。

2005年、自衛隊のイラク派遣が決まったときは、社会部長に直訴して現地入りすることができた。防弾チョッキとヘルメットという当時の流行りのいでたちで、イラク南部のサマーワを取材した。
しかし、どうやらこの時期までが私のNHKでの仕事の絶頂期だったようだ。
まもなく、NHKは不祥事で大揺れに揺れた。しかも、権勢をほしいままにしていた海老沢勝二氏が会長として君臨していたため、皆が「会長を守ること」だけを考えて対応するという恥ずかしい状況だった。不祥事を生む体質を変革することなど、上層部で真剣に考えている人はほとんどいなかったと思う。
「これは何とかしなければいけない」と私は考えた。
社外ではまったく無名だったが、NHKの記者のなかではいくらか知られる存在となっていた私は、NHK職員を対象に、不祥事を考えるためのシンポジウムの開催を計画した。かねてから親交のあったノンフィクション作家の吉岡忍氏や映像作家の森達也氏の協力のもと、司会をジャーナリストの田原総一朗氏にお願いして、シンポジウムの準備を進めていった。
やがて、当然ながら、私たちのシンポジウムの計画はNHK幹部の知るところとなった。
私はまず、社会部長から計画の中止を命じられ、さらに、シンポジウムの開催予定日に出張するよう命令された。いうまでもなく、業務命令には、NHKのみならず、どこの組織でも違反することが許されない。しかも、命じられた出張は、新潟県中越地震の取材に関するものだった。放送法で定められた災害放送に関する業務であり、より義務性が高い。この命令に違反すると、通常の業務命令に違反したときよりも厳しい処罰を受けてしまう。
 NHK幹部はさらに驚くべき対応をした。私たちはシンポジウムの会場としてNHKの関連施設である千代田放送会館を予定していたのだが、そこを閉鎖するという強硬策に出たのだ。そして念の入ったことに、シンポジウムの開催日のみ、NHKの全職員に「禁足令」が出ることになった。
過去に例のない、あまりにも強圧的な対応であり、要は“徹底したシンポジウム潰し”だった。
私は驚き、呆れた。しかし気力が萎えることはなく、逆に「是が非でもこのシンポジウムをやらねばならない」という決意がさらに高まった。
私たちは別の会場を押さえ、スケジュールを再調整し、さらに準備を進めた。当初はシンポジウムを組織内のイベントとして、外部には公開しないつもりだったが、公共放送であるNHKの現状を広く世の中に知ってもらおうと、新聞、テレビ各社の取材を許可することに方針転換した。
特にありがたかったのはTBSの「ニュース23」で、同番組は、私が田原総一朗氏を迎えに行って打ち合わせをする場面から取材してくれた。
シンポジウムの当日になった。会場は、NHKが監視役として送り込んだ総務部の幹部が目を光らせるという異常な状況になったが、それでも100人近い職員が勇気を持って参加した。
司会の田原氏は、NHKの体質を真っ向からこう批判した。
「いま、NHKでは海老沢会長に誰も意見できない。NHK内部で『エビジョンイル』と言われているそうじゃないか」
田原氏の影響力もあり、当時の北朝鮮の独裁者の名前をもじった「エビジョンイル」という仇名を多くの人が知ることになったのだが、この話ばかりを詳述するのは本稿の趣旨から外れてしまう。
ごく簡単にその後の顛末を書くと、海老沢会長はさらにさまざまな批判を受けて辞職に追い込まれた。だが、私もただではすまなかった。
詳しい経緯は省くが、シンポジウムの開催そのものが問題視され、私は辞表を出すの出さないのといった騒ぎになった末に、主要な取材の現場から外された。さらにしばらく経った後、東京の社会部から出されて大阪へ異動することにもなった。
海老沢会長時代の不祥事はもう10年前の話だが、その後もときどき混迷するNHKの会長人事が話題になるたびに、当時の記憶がよみがえる。
そういえば、米国でトランプ新大統領が誕生する1月20日から数日後に、NHKにも新たな会長が生まれる。超大国の国家指導者だけでなく、日本の公共放送のトップの見識も気になるところだが、そろそろ話を米国に戻したい。

コメント(2)

興味深い記事のご紹介、ありがとうございます。
>>[1]

恐縮です。(^^;)


「イイネ」に感謝申し上げます。

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