元TBS記者・山口敬之氏による準強姦事件の逮捕状を握りつぶしたといわれる中村格(いたる)刑事部長(当時)。その中村氏が菅義偉官房長官の秘書官時代、テレビ朝日「報道ステーション」に強い圧力をかけていたことが元経産官僚・古賀茂明氏によって明らかにされた。 古賀氏は「I AM NOT ABE」を一貫して訴え、報ステのコメンテーターを2015年3月いっぱいで降板している。最後の放送では、「菅官房長官はじめ官邸の皆さんからものすごいバッシングを受けた」とも訴えていたが、一体、古賀氏降板の裏で何があったのか。 報ステ降板の裏側などを克明に記した『日本中枢の狂謀』(講談社)を上梓したばかりの古賀氏が2017年6月5日、日本外国特派員協会で記者会見に出席し、その一部を明かした。 古賀氏によると、官邸は「後藤さんらを見殺しにした」という批判があがり、政権の大きなダメージとなることを心配していた。「それに対して私のはっきりしたコメントが出たので、非常に怒ったのだ」という。 「結果、私が番組に出ている最中、テレ朝の幹部に菅官房長官の秘書官のうちのふたりから、私の発言に対する抗議するメールがきました。幹部のうちのひとりが編集長で、(抗議のメールを)報道局長に報告し、大騒ぎになった。その後も3月までは報ステの出演の約束が決まっていたのですぐにクビにならなかったが、上層部からの指示で『4月以降は出すな』ということになった」 そのうえで古賀氏は、「重要なのはクビになったことではなく、秘書官のうちひとりが中村格氏だということだ」と話す。 「準強姦事件」の過去を週刊新潮にスクープで報じられた元TBS記者の山口敬之氏は安倍総理に近く、安倍総理を称える『総理』『暗闘』(いずれも幻冬舎)を著書にもつことでも知られている。