【孫崎享のつぶやき】
トランプ、ヒラリー共に大統領候補に前進。彼らが大統領になった時、対日政策は一段と厳しくなる。トランプ氏は円安、「安保ただ乗り論」で攻撃
2016-03-04 07:27
１：トランプ、ヒラリー共に大統領候補に前進している。
この内関心の最も強いのはトランプ氏である。
彼を支持している最大の要因はトランプ氏個人の資質ではない。
ニューヨークタイムズ紙は［スーパーチューズディでの全ての州投票でトランプ支持理由の�，�事実をありのままに述べる（Tells it like it is）、�△�アウトサイダーである］と世論調査結果を報じた。米国民が現在の米国政治に幻滅を感じているか、政治家を信用していないか示す。この要因は継続する。
最大の問題はトランプ氏を追うクルーズ、ルビオに打ち負かす要因が出ていないことである。
クルーズ氏の基盤は南部、福音主義の強い地域であるが、ここでトランプを敗れなかった。今後は東部、西部と彼の弱い地域で闘う事となる。
保守派既存勢力はルビオ氏に期待したが第３位である。彼にとっては選挙区のフロリダが唯一の頼みであるが、ここで今、トランプ44.7％、ルビオ 26.0％である。保守派既存勢力内にはルビオから逃げる動きが出ている。FOX TVは保守系TVであるが、ルビオ支援のトーンを落としている。
２ヒラリー対トランプ
現在マッチアップはヒラリー 45.4％対トランプ 42.0％であり、ヒラリーが優位であるが、ヒラリーは��eメール事件（国務長官の時に極秘文書を個人のサーバーに保管）�▲�リントン財団の不正経理と叩かれる材料を持ち、他方トランプ支援者には熱があり、逆転の可能性は十分ある。
３ ヒラリーは日本に厳しい
ヒラリーは国務長官の時代TPP推進役であったが、今TPPは「不完全だ、為替の不当捜査に対する条項がない」と指摘し、「日本は円安誘導をしている」と批判している。
ヒラリーは国務長官時代、中国重視、日本軽視の態度をとってきた。
普天間問題でうんざりし、「日本に来ればハウスキーパーか不動産屋の話しかしない」と強い不満を述べていた。
４トルンプ氏も攻撃の対象に日本
�）念彜愀�
「日本がやっていることを見ろ。円の切り下げだ」。日銀が二月十六日に「マイナス金利」を導入した直後、トランプ氏が持論をまくし立てた。
日本は輸出を増やすために円相場を意図的に安値に誘導していると主張。人民元の相場を当局が管理している中国と同じだと訴えている。（共同）
２月9日に予備選が実施されたニューハンプシャー州勝利演説にて「米国を再び偉大にする」とキャッチフレーズを掲げた。さらにその中で、「我々は中国と日本を打ち負かす」と宣言し、会場から拍手喝采を浴びた。
��安全保障
トランプは２月25日(現地時間)、テキサス州ヒューストンで開催されたCNN主催の共和党大統領候補討論会で「我々はこれ以上このような全ての国を防御できない」、日本、ドイツ、韓国を取り上げた。
集会演説などでは「日本が攻撃されたら米国は直ちに駆けつけなければならないのに、米国が攻撃を受けても日本が何もしなくていいのはおかしい」と日米安保の片務性をやり玉に挙げ、喝采を浴びている。
「これまでの発言から考えても、“アメリカに守ってほしいなら、日本も相応の軍事的プレゼンスを示すべき”という主旨の主張になる。つまり、集団的自衛権の初行使を急がせるということで、“有志連合に参加してイスラム国への攻撃に加われ”といった要求になる。
（2016.01.02NEWSPOST）
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私見
ヒラリーもトランプも、日本の主権を尊重する候補者ではないことが、孫崎氏の分析からわかる。最もふさわしい候補者は、私はサンダース候補と考える。なぜか。それは彼がとろうとする政策は、差別主義でも覇権主義でもなく、アメリカの弱者を尊重する政策であり、現実にアメリカの若者達がその根拠をあきらかに示していることからうかがえる。サンダースは、社会主義ではなく、社民主義であり北欧の社会思潮と変わらない。彼の思潮こそ、日本でも福祉社会を建設する社会主義的民主主義、民主主義的社会主義と合致している。生存競争の新自由主義はすでに国際的に破綻している。
トランプ、ヒラリー共に大統領候補に前進。彼らが大統領になった時、対日政策は一段と厳しくなる。トランプ氏は円安、「安保ただ乗り論」で攻撃
2016-03-04 07:27
１：トランプ、ヒラリー共に大統領候補に前進している。
この内関心の最も強いのはトランプ氏である。
彼を支持している最大の要因はトランプ氏個人の資質ではない。
ニューヨークタイムズ紙は［スーパーチューズディでの全ての州投票でトランプ支持理由の�，�事実をありのままに述べる（Tells it like it is）、�△�アウトサイダーである］と世論調査結果を報じた。米国民が現在の米国政治に幻滅を感じているか、政治家を信用していないか示す。この要因は継続する。
最大の問題はトランプ氏を追うクルーズ、ルビオに打ち負かす要因が出ていないことである。
クルーズ氏の基盤は南部、福音主義の強い地域であるが、ここでトランプを敗れなかった。今後は東部、西部と彼の弱い地域で闘う事となる。
保守派既存勢力はルビオ氏に期待したが第３位である。彼にとっては選挙区のフロリダが唯一の頼みであるが、ここで今、トランプ44.7％、ルビオ 26.0％である。保守派既存勢力内にはルビオから逃げる動きが出ている。FOX TVは保守系TVであるが、ルビオ支援のトーンを落としている。
２ヒラリー対トランプ
現在マッチアップはヒラリー 45.4％対トランプ 42.0％であり、ヒラリーが優位であるが、ヒラリーは��eメール事件（国務長官の時に極秘文書を個人のサーバーに保管）�▲�リントン財団の不正経理と叩かれる材料を持ち、他方トランプ支援者には熱があり、逆転の可能性は十分ある。
３ ヒラリーは日本に厳しい
ヒラリーは国務長官の時代TPP推進役であったが、今TPPは「不完全だ、為替の不当捜査に対する条項がない」と指摘し、「日本は円安誘導をしている」と批判している。
ヒラリーは国務長官時代、中国重視、日本軽視の態度をとってきた。
普天間問題でうんざりし、「日本に来ればハウスキーパーか不動産屋の話しかしない」と強い不満を述べていた。
４トルンプ氏も攻撃の対象に日本
�）念彜愀�
「日本がやっていることを見ろ。円の切り下げだ」。日銀が二月十六日に「マイナス金利」を導入した直後、トランプ氏が持論をまくし立てた。
日本は輸出を増やすために円相場を意図的に安値に誘導していると主張。人民元の相場を当局が管理している中国と同じだと訴えている。（共同）
２月9日に予備選が実施されたニューハンプシャー州勝利演説にて「米国を再び偉大にする」とキャッチフレーズを掲げた。さらにその中で、「我々は中国と日本を打ち負かす」と宣言し、会場から拍手喝采を浴びた。
��安全保障
トランプは２月25日(現地時間)、テキサス州ヒューストンで開催されたCNN主催の共和党大統領候補討論会で「我々はこれ以上このような全ての国を防御できない」、日本、ドイツ、韓国を取り上げた。
集会演説などでは「日本が攻撃されたら米国は直ちに駆けつけなければならないのに、米国が攻撃を受けても日本が何もしなくていいのはおかしい」と日米安保の片務性をやり玉に挙げ、喝采を浴びている。
「これまでの発言から考えても、“アメリカに守ってほしいなら、日本も相応の軍事的プレゼンスを示すべき”という主旨の主張になる。つまり、集団的自衛権の初行使を急がせるということで、“有志連合に参加してイスラム国への攻撃に加われ”といった要求になる。
（2016.01.02NEWSPOST）
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私見
ヒラリーもトランプも、日本の主権を尊重する候補者ではないことが、孫崎氏の分析からわかる。最もふさわしい候補者は、私はサンダース候補と考える。なぜか。それは彼がとろうとする政策は、差別主義でも覇権主義でもなく、アメリカの弱者を尊重する政策であり、現実にアメリカの若者達がその根拠をあきらかに示していることからうかがえる。サンダースは、社会主義ではなく、社民主義であり北欧の社会思潮と変わらない。彼の思潮こそ、日本でも福祉社会を建設する社会主義的民主主義、民主主義的社会主義と合致している。生存競争の新自由主義はすでに国際的に破綻している。
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コメント(2)
＜私見＞に賛同します。
アメリカの衰退は、軍事力による「覇権主義」（アメリカの一極支配）の結末ですが、「資本主義」「新自由主義」の限界でもあります。
アメリカ国民はトランプとヒラリーに「強いアメリカ」の復活」を期待しているのでしょうが、その期待は幻想に終わるでしょう。
これから先、アメリカが目指すべきは、ヨーロッパのような「社会民主主義」（平等）の国です。
このまま、「格差や貧困」が拡大すれば、アメリカは内部から崩壊します。
その意味で、サンダースの登場は「アメリカの変化」を予感させます。
変らなければならないのは他国ではなく、「アメリカ自身」だということです。
日本も、「アメリカ追従」を脱し、「自由と平等」「平和と共生」の「理想を追求する政府」をつくらねばなりませんね。
アメリカの衰退は、軍事力による「覇権主義」（アメリカの一極支配）の結末ですが、「資本主義」「新自由主義」の限界でもあります。
アメリカ国民はトランプとヒラリーに「強いアメリカ」の復活」を期待しているのでしょうが、その期待は幻想に終わるでしょう。
これから先、アメリカが目指すべきは、ヨーロッパのような「社会民主主義」（平等）の国です。
このまま、「格差や貧困」が拡大すれば、アメリカは内部から崩壊します。
その意味で、サンダースの登場は「アメリカの変化」を予感させます。
変らなければならないのは他国ではなく、「アメリカ自身」だということです。
日本も、「アメリカ追従」を脱し、「自由と平等」「平和と共生」の「理想を追求する政府」をつくらねばなりませんね。
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