【孫崎享のつぶやき】
《『日米開戦の正体』（4月27日発売）クーデターの脅しの下にあった昭和天皇（抜粋）》
2015-03-29 08:1212
一九三三年熱河作戦（張学良の拠点を叩く作戦）の時に、天皇がこの作戦の中止を指示しようとした際に、奈良侍従武官長は「陛下の御命令にて之を中止せしめんとすれば大なる紛擾を惹起し政変の因とならざるを保ち難し」と述べました。天皇の中止への動きを止めています（「奈良日記」）。「大なる紛擾を惹起し政変」は天皇の排除も意味します。この言葉で天皇は中止の指示を取りやめました。
天皇と軍部の最大の危機は勿論、日米開戦直前です。
『昭和天皇独白録』で天皇は次を述べています。
「私が主戦論を抑えたならば、陸海の与論は必ず沸騰し、クーデターが起こったであろう」
更に、『昭和天皇独白録』は（注）として次をとして加筆しています。
「（上記の発言に加え）ジョン・ガンサーの『マッカーサーの謎』に奇妙なほど一致する一節がある。真偽を確かめるべきもないが、戦後の昭和２０年９月２７日天皇が初めてマッカーサー元帥に会った時、“もし私が戦争に反対したり、平和の努力をやったりすれば、日本は私を精神病院かなにかに入れて戦争が終わるまでおしこめられておいたに違いない。また国民が私を愛していなかったならば、彼らは簡単に私の首をちょんぎったでしょう”」
半藤一利氏は『いま戦争と平和を語る』で次のように記述しています。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
二・二六事件はひと言でいえば「恐怖のてこ」ですよ。
何かといえば、陸軍の上に立つ人は「わたしたちはいいが、部下の方がどうでるか」と脅迫するのです。
昭和天皇ですら、「わたしが開戦の時にノーと言えば、多分軍がクーデターを起こしただろう」と『昭和天皇独白録』でいっているじゃないですか。
内大臣の木戸幸一なんかはおびえっぱなしです」
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
実力行使におびえなければならない状況、実は日本では着実にその時代に入っています。
原発再稼働反対の立場で、最前線で発言していたのが新潟県の泉田裕彦知事があるインタビューに答え、「もし僕が自殺なんてことになったら、絶対に違うので調べてください」と言っています。
２０１３年島根県松江市教育委員会は、原爆の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」を、子供が自由に閲覧できない「閉架」の措置を取るよう市内の市立小中学校に要請しました。その直前には在特会関係者が松江市教育委員会に出かけ、激しい言葉で撤回を要求しています。
２０１３年１月１７日、小野寺防衛相は「鳩山元首相が尖閣諸島は日中間の係争地だとの認識を示したことに、「頭の中に『国賊』という言葉がよぎった」と述べました。特定の発言を「国賊」と決めつける、これに暴力的行動へはほんの一歩の差です。
在特会会員が参加するデモにおいては、「朝鮮人を殺せ」等のヘイトスピーチのデモ活動が繰り返されています（ウィキペディア）。これもまた行動への一歩手前まで来ています。
戦前の時代が今確実に再現されています。
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私見
このような現代日本をしっかりと凝視していきたい。かつて、父も母もそのような時代に青春時代を送っていたのだ。
《『日米開戦の正体』（4月27日発売）クーデターの脅しの下にあった昭和天皇（抜粋）》
2015-03-29 08:1212
一九三三年熱河作戦（張学良の拠点を叩く作戦）の時に、天皇がこの作戦の中止を指示しようとした際に、奈良侍従武官長は「陛下の御命令にて之を中止せしめんとすれば大なる紛擾を惹起し政変の因とならざるを保ち難し」と述べました。天皇の中止への動きを止めています（「奈良日記」）。「大なる紛擾を惹起し政変」は天皇の排除も意味します。この言葉で天皇は中止の指示を取りやめました。
天皇と軍部の最大の危機は勿論、日米開戦直前です。
『昭和天皇独白録』で天皇は次を述べています。
「私が主戦論を抑えたならば、陸海の与論は必ず沸騰し、クーデターが起こったであろう」
更に、『昭和天皇独白録』は（注）として次をとして加筆しています。
「（上記の発言に加え）ジョン・ガンサーの『マッカーサーの謎』に奇妙なほど一致する一節がある。真偽を確かめるべきもないが、戦後の昭和２０年９月２７日天皇が初めてマッカーサー元帥に会った時、“もし私が戦争に反対したり、平和の努力をやったりすれば、日本は私を精神病院かなにかに入れて戦争が終わるまでおしこめられておいたに違いない。また国民が私を愛していなかったならば、彼らは簡単に私の首をちょんぎったでしょう”」
半藤一利氏は『いま戦争と平和を語る』で次のように記述しています。
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二・二六事件はひと言でいえば「恐怖のてこ」ですよ。
何かといえば、陸軍の上に立つ人は「わたしたちはいいが、部下の方がどうでるか」と脅迫するのです。
昭和天皇ですら、「わたしが開戦の時にノーと言えば、多分軍がクーデターを起こしただろう」と『昭和天皇独白録』でいっているじゃないですか。
内大臣の木戸幸一なんかはおびえっぱなしです」
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実力行使におびえなければならない状況、実は日本では着実にその時代に入っています。
原発再稼働反対の立場で、最前線で発言していたのが新潟県の泉田裕彦知事があるインタビューに答え、「もし僕が自殺なんてことになったら、絶対に違うので調べてください」と言っています。
２０１３年島根県松江市教育委員会は、原爆の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」を、子供が自由に閲覧できない「閉架」の措置を取るよう市内の市立小中学校に要請しました。その直前には在特会関係者が松江市教育委員会に出かけ、激しい言葉で撤回を要求しています。
２０１３年１月１７日、小野寺防衛相は「鳩山元首相が尖閣諸島は日中間の係争地だとの認識を示したことに、「頭の中に『国賊』という言葉がよぎった」と述べました。特定の発言を「国賊」と決めつける、これに暴力的行動へはほんの一歩の差です。
在特会会員が参加するデモにおいては、「朝鮮人を殺せ」等のヘイトスピーチのデモ活動が繰り返されています（ウィキペディア）。これもまた行動への一歩手前まで来ています。
戦前の時代が今確実に再現されています。
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私見
このような現代日本をしっかりと凝視していきたい。かつて、父も母もそのような時代に青春時代を送っていたのだ。
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