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孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの映画:「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」(評論)

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孫崎享のつぶやき
映画:「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」(評論)
2014-06-10 06:337



宣伝でのあらすじは「1960年代のニューヨーク、冬。若い世代のアートやカルチャーが花開いていたエリア、グリニッジビレッジのライブハウスでフォークソングを歌い続けるシンガー・ソングライターのルーウィン・デイヴィス(オスカー・アイザック)。熱心に音楽に取り組む彼だったが、なかなかレコードは売れない。それゆえに音楽で食べていくのを諦めようとする彼だが、何かと友人たちに手を差し伸べられ……」となっている。もし、ロマンチックな映画を期待したら、それは期待外れである。

 最初に出てくる曲が「Hang me, oh hand me. I'll be dead and gone. Hang me, oh hang me. I'll be dead and gone. Wouldn't mind the hanging. But the layin' in a grave so long, poor boy. I been all around this world. I been all 'round cape Gigardeau Parts of Arkansas」と、「首つりにしろ。そしたら私はあの世に行ってしまうのさ」という歌から始まる。この歌を評して、「映画の中の(登場人物をめぐる)希望の名さ、幻滅、無感動を象徴している」と書いたあったがそう思う。

 主人公の歌を聞いたプロモーターが「貴方は上手だ。しかし貴方の歌には金の匂いがしない」と言っていたが、人公の生き方には金の匂いがしない。主人公は女友達に「貴方はキャリア志向の人物だ」と攻撃し、女友達は「貴方は敗北者」だという。

 映画を観終わって、主人公が敗北者から脱出できる予感はしない。

 しかし、一般的に評価は高い。

「2013年5月19日に第66回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映され、審査員特別グランプリを獲得した。Rotten Tomatoesでは230件のレビューで支持率は94%、平均点は8.5/10となった」とされている。

 かつて米国の映画はアメリカン・ドリームが主流の時もあった。

 この映画にはアメリカン・ドリームの匂いはしない。

 彼らに歌う場を提供する劇場の持ち主は嫌な奴だ。しかし、理想を高く持っていても、所詮こういう人物を相手にして生きていかざるをえない。.

 しかし、劇中人物の流れと無関係な所で、主人公は猫とかかわる。この主人公の視線にどれだけほっとするか。映画のポスターからして、主人公が猫を抱えて歩いている。この写真で最も印象に残る場面はと言えば、主人公がシカゴへ行く車の中で別れる時の猫の表情だ。猫との関わりを通して、主人公の人間性の一面を示している。

 ロマンを求めるならこの映画はパスだ。

 しかし、現実の社会を見つめたいという人にとっては見る価値がある。歌を含めて、主人公の役をオスカー・アイザックが見事に演じている。主演男優賞を全米映画批評家協会賞で受賞し、ゴールデングローブ賞、インディペンデント・スピリット賞でノミネートされている。さらに撮影賞は全米映画批評家協会賞で受賞し、アカデミー賞、放送映画批評家協会賞、英国アカデミー賞でノミネートされ、主題歌賞をゴールデングローブ賞でノミネートされ、録音賞をアカデミー賞でノミネートされている。こう見れば映画の専門家からは高い評価を受ける作品であることが解る。

 私にも歌が印象に残る。

「Hang me, oh hand me. I'll be dead and gone. Hang me, oh hang me. I'll be dead and gone. Wouldn't mind the hanging.」

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