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音楽★美人コミュの024#鈴木蘭々の名曲(2012年01月14日19:21)

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 ☆ 音楽は人を美しくする ☆

  「今だからこその名盤」

 ・Rouge(鈴木蘭々1996「One and Only」 SonyRecord)
   ×http://www.youtube.com/watch?v=dOOkj0-_Fjk
   ×http://www.youtube.com/watch?v=9bPKjMV9Arw
   ○https://www.nicovideo.jp/watch/sm13656587


 ・Of You(同)
   http://www.youtube.com/watch?v=urKstbFvXag

 当時、同アルバムからシングルカットされた「Of You」が聞きたくて「レンタル焼き」
 して聴いていたが紛失。最近、Youtubeアップを見つけて拝借し、十数年ぶりに小生の
 ライブラリに戻ってきた(ユーザーがアルバム丸でアップしてくれていたので、とても
 ありがたかった)。

 テレビバラエティでのキャラが強すぎ、彼女の音楽性そのものにスポットが当たる事は
 (記憶では)少なかった様に思う。
 実のところ小生も、当時は「栄養不足だな」と感じ「お蔵入り」した一枚であった。
 まあ、ガキにはこの「味」がわからなかったという事だ。美食には相応の経験が必要だ。

 ファーストアルバムから曲相をガラっと変え、本アルバムはアダルトコンテンポラリ的
 な楽曲を揃えている(基本ブラコン・テイストなのだが、小生の耳にはAORテイスト
 にも聴こえる)。アレンジもそれらテイストを意図した作りになっている。
 当時「栄養不足」と評したのは、歌謡曲の唄(唄メロ)と歌詞を守りながら、そういう
 テイストの曲相でまとめた事を「中途半端さ」とネガ的に感じていた為だ。
 「そういうのが聴きたいなら本物を聴くしなあ」と。

 「Rouge」
 ハイウェイを流れるテール・ランプ・・・
 並んだ車がオレンジ色のウィンカーを点滅させながら目の前を交差する・・・
 ギアを一段下げ、唸るエンジンの加速でイッキに追い抜き、闇へと走り去る・・・
 深夜、独りのドライブに最適である。

 今は懐かしいドラムンベースのフィールが雰囲気を出す(正確にはパターンをパクって
 いるだけでビート自体はドラムンベースしているかといえばなかなか微妙だが、気持ち
 イイから、まあ・・・よい)。
 ドラムンベースは好きだ。リスナーを過激なビートで圧倒してグイグイ引っ張る事も
 できるし、タイムをダブルにして(2小節で解釈して)ゆったりとした空間を与える事
 もできる。ガリガリのアレンジより、「Rouge」の様にソフィスケイト(洗練)された
 クールなアレンジが好みである。
 コードはむしろ優雅でさえある(だからAORと呼びたいのだが・・・)。

 さて、十数年ぶりに聴いた感想は「栄養不足」か否か・・・。
 これが実にイイのだ!

 非常にシンプルなアレンジ、唄メロも抑揚やドラマチックな展開があるワケでもなく、
 淡々とクール・・・。
 しかし、ヒラ唄(「♪さえない夜と一人きりの部屋」の部分)の疾走感は圧巻だ!
 鳴ってる音は少ないのだが、スピード感(躍動感)を持っている。
 非常に気持ちイイ。とてもカッコイイ。
 タイトなリズムの上でシンプルに刻まれる白玉(※)のキーボード。
 そのコントラストがダイナミックな(しかし、クールな)疾走感を生んでいる。
 バッキングのシンコペーション(=この場合、食(く)い)も必要最小限かつ最適で
 唄メロをしっかり感じている(唄の背後にいる中央オルガンを弾くマネをしてみれば、
 キーボードがどういう息継ぎをしているか、いかに唄を感じているか、また曲全体に
 推進力を与えているかが体感できると思う。それが聴こえると、この曲全体のビートが
 更に気持ち良くなるハズだ)。また、バッキングシンセの「音色の速さ※」も重要だ。
 ビート感を出したいからと皆でカツカツ刻んでガンバレば良いというモノではない。
 縦に打ち込まれるビートを軸に、その上で長いタイムを感じてバッキングを奏でる。
 要は「リズム・アンサンブルの妙」という事だ。
 曲のテンポは♪=163〜4だが、MP3フリーツールでテンポを数%上げると更に
 カッコ良く、疾走感/推進力が増す(♪=165〜6がお奨め)。
 唯一、カッティングギターだけは生演してほしかった。それだけが惜しい。

 当時は「栄養不足」を感じたネガも、今は魅力として聴ける。
 唄がしっかり「歌謡曲している」からこそ、楽曲全体がカッコイイのである。
 本物のR&B歌手やヒップホップアーティストが演ってしまったら、逆に最も大切な
 テイスト自体が消えてしまう。

 すべての中核で、彼女の唄声がサウンドをしっかりと守っている。
 中性的ヴォイス/脱力系歌唱は、現代のJポップ歌手たちも多く志向するものだが、
 わざとらしさが耳障りなケースも多々ある。
 その点、彼女のソレは極めて自然=ナチュラルだ。しかもウマい。
 頭の中にある「蘭々」のイメージでは「大した事のないアイドル」のハズだった。
 彼女の歌唱は、時に無機質で、聴き手の側を突き放す「冷たさ」さえ持っているが、
 それは「心地よい距離感」である。
 この「リスナーとの距離感」こそが彼女の唄の最大の特質=個性ではないだろうか。
 余計な媚(こび)が無い、というか、うわべのコミュニケーションなど信じず、しかし
 同時にナイーブかつ繊細に、心の奥底で激しく「人」を「愛」を求めている・・・。
 氷のようなパッションが彼女の中に宿っている。

 小生が歌謡曲をこよなく愛するのは、あらゆる楽器が常に唄に寄り添って、唄の為に
 すべてを捧げている、その「献身さ」にある。
 ベテラン実力プレイヤーたち(アレンジャーや打ち込みマニピュレーターも同じ)が
 昨日まで唄など唄った事もないに等しい様なアイドルに対しても全身全霊のプレイで
 「その唄抜きでは成立しない楽曲」を作ってしまう「凄み」である。

 彼女はこの2nd以後、アルバムは無く、単発シングルが少々出た程度。
 今も尚、舞台などで役者として実直に表現を続けているらしい。
  ・キミとボク(1998)
    ×http://www.youtube.com/watch?v=7m4ocM_CsiA
    http://www.youtube.com/watch?v=_at78i1ACsg

 あと数年で40歳になろかという彼女だが、是非、唄を再開してほしい。
 21歳の若さでこのポテンシャルであれば、挫折や栄光、多くの豊穣を経ての今後、
 きっと心に残る名曲を残す事ができるだろう(「Rouge」で既に名曲だと思うが)。
 彼女はバーニングプロ所属。同じ事務所の先輩には小泉今日子というバケモノがいる。
 「40歳でも、何歳になっても歌謡曲できる」事を「キョン姐さん」が既に身をもって
 示している。さすが「武闘派バーニング」である。

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 ※白玉(しろたま)
  二分音符/全音符など、白丸で書かれる音符の俗称。転じて「ここはストリングスを
  白玉で」など、(二分音符/全音符などとは無縁で)単に長い音/音を伸ばす趣旨で
  言われる事も多い(主にバッキングの演奏で多く言われる)。

 ※音色の速さ
  演奏法では無く、シンセ音源の波形で「音色自体が遅い速い」のスピード感を持つ。
  「Rouge」はメイン・オルガン系キーボード/シンセストリングスと、もう一つか二つ
  の音源が部分的に重ねられている様に聴こえる(キーボードそのものが複数音源で構成
  されているのかも知れないが、MP3の音源とチープなイヤホンのクオリティでは、
  それ以上、聴き取れない)。他にカウンタ(オブリガート)で別音源が旋律や効果音を
  奏でている・・・という雰囲気だろうか。
  メインキーボードの音色はレスリー様のエフェクトと併せ、効果的な速度/うねりの
  波形を持ち、これが「バーン」と一発弾くだけでリズム体に絶妙な躍動感を与えている。

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