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ほぼ日刊『お兄ちゃん』コミュの屍踏み越えて進む意志を嗤う豚よ

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寝坊した。

出来れば死ぬまで寝ていたかった。


原因は分かっている。
「進撃の巨人」だ。昨晩は随分と読み耽ってしまったしついでにアニメにまで手を出してしまって、寝起きと共にイェーガー!と叫んでしまったのも頷ける程の陶酔ぶりだ。


えー、そう。寝坊だ。



***



駅までの道を全力で駆け抜けた。朝からこんなに走れるんだから、自分はもしかしたら朝型人間なのかもしれない。でも、寝坊が原因で走っているんだから、違うのかもしれない。そんな愚考と共に改札を抜けてホームを目指す。
群れる人の合間を縫って、階段を3段抜かしで駆け上がる。割とのんびりとしたリズムで足を交互に繰り出す。本当は二段抜かしが一番しっくり来るし、実際その方が天翔るイメージに合致するんだろうなと頭では考えつつ、しかし一歩でも先に進みたいという願望が僕の膝を必要以上に持ち上げた。
最後は手すりを両手で掴み、地面を蹴ると同時に腕に力を込め、体を前方に一気に押し出す。秘技、4段抜かしである。着地した右足でしっかりとホームを踏みしめる。電車が見えた。あと少し。駆け込み乗車まであと少し。その姿勢には全く感心できないが、悪いのは急ぐことじゃない。駆け込むこと。急げば駆け込まなくても済む。
ラストスパート。僕は右膝のクッションを利用し、左足を前へ出す。



その靴下むき出しの左足を…



きっと秘技を繰り出した時なんでしょう。僕の左足が収納されていた革靴は後方、階段付近に忘れられていた。ぽつん。
結局、電車は到着していたものの、ドアが開いた状態でその場に固まっていた。人身事故か、はたまた車両トラブルだったか、とにかくダイヤが僕の息以上に乱れているらしい 。
ホームには、携帯をいじる者。時計を眺めながらぼーっとしている者。 そして、僕が置き去りにした靴と、靴を置き去りにした僕を交互に眺める者。 それぞれがそれぞれの時間をぶっ潰している。
僕は取り敢えず息を整えつつ、「なるほど、そういうことか」そんな顔をしながら靴に近づき、「わかったぞ」そんな事を言いながら靴に踵を滑り込ませる。この状況で分かった事なんて、ちょっとだけ靴(紐無しタイプ)が大きいからあまり動くと脱げちゃう、という事実。そして、慌てても無理に走らない、朝は早く起きる、電車も遅れる、そんな教訓。
最後に一言「恥ずかしい」

この僕の滑稽な小芝居に対し、あら可愛らしい位の感想を持って微笑んでくれる人がいてもいいものを、そこはやはり朝であり、朝とは人が基本的に人に対して優しくない時間帯であるからして、誰一人として僕に微笑んではくれない。
「冷たいものを下さい」と注文すれば「私の視線で良いかしら?」と返される。そうに決まっている。「ホットください」というよりは「ほっといてください」そんな心持ち。


さて、電車は止まっている。ホームで発車再開を待つ人が多いようで、車内には割かし空間が目立つ。特に大きな駅でもない為、路線はひとつ。振替輸送という手段も選べない。遅延ならば言い訳もきく。ということで、僕はひとまず乗車して発車を待った。そして、出会ってしまった。この日記の主人公となる、少女との出会いだった。主人公と言っても、それはあくまで僕の主観であるし、もしかしたら僕の物語なのだからこの僕こそが主人公であり、それを放棄した瞬間に僕の人生は終わってしまうのかもしれないけれど、だからといってこの少女がいなければ、この少女に着目しなければ僕のこの日は何の変哲も無い日になってしまっていて、まさにショーウィンドウに飾られているマネキンの様な、つまりは無機質な日々に落ち着いてしまう訳だからやはり主人公は少女だ。その少女に注目した僕自身も捨てたものではないけれど。

その少女は車両の真ん中辺りに佇んでいた。何とはなしにその少女を見遣る。
恐らく小学生(3〜4年生ぐらい)であろう、ランドセルでは無かったが、一通りの勉強道具が収まるサイズのリュックを背負っている。背は低くく、髪の毛を後ろで束ねている。所謂ポニーテール。僕が個人的に“後ろいっちょ結び”と呼んでいる髪型であるが、そんなことはどうでもいい。
平日の朝に、少女はひとりだった。同車両、そしてホームにも同年代の子供の姿は全く見受けられない。僕は瞬間的にその少女を、私立の小学校へ通うイケすかない子供、と勝手に判断していたのだが、どうも違うようだ。何よりも制服らしい衣服を纏っていない。スニーカーにデニムを合わせ、長袖Tシャツを着こなしている。

今更だけどあまりじろじろと観察するのも気が引けるので、僕は視線を外そうとしたのだが、その時、少女がゆっくりと顔を上げ、しきりに何かを数え始めた。何を数え始めたのだろうか。まさか羊?いや、電車内で眠れないからといって羊を数えてまで睡眠に執着するというのは何か間違っている気がする。羊サイドも車内では遠慮してしまう。そうでしょ?
僕は少女の側へ徐に移動し確認する。少女の目線の先には、駅表があった。それを見ながらしきりに数えているのだ。丁寧に指をさして。これは明らかに降りる駅を確認しているとみて間違いなさそうだ。少女は確認を終えると、しっかりと一度頷いた。自分を鼓舞するかのように頷いた。そしてその目には、決意の意志が浮かんでいた。

この一連の行為を目の当たりにしたことから、僕の中であるひとつのストーリーが導きだされてしまった。
これはまさか、



お父さんに会いに行こうとしてるんじゃないか。



分かっている。考え過ぎだって事は分かっている。だけど、その可能性を否定できるだけの材料が無い。この子の両親はきっと、大人の事情で離婚してしまっており、今はお母さんと一緒に暮らしている。少女は職人として汗を流すお父さんの事が大好きなのだが、やはりそこも大人の勝手な事情で月に一度しか会えないのだ。でも先日、学校の授業で絵を描いた。それは家族の絵。もう二度と叶わないであろう、かつて家族でキャンプに行ったときの絵だ。満点の星空の下、手を繋ぐ少女とお母さん、そしてお父さん。少女は願っている。また家族揃ってキャンプに行きたい。それが無理なら公園でも、買い物でも、何でも良い。家で映画を見るんだっていい。口べたな少女は絵で、自分の意志をお父さんに伝えたいのだ。帰ってきてほしい、と。また一緒にお風呂で遊んでほしい。布団の中で面白い話を聞かせてほしい。お母さんと仲直りしてほしい。今日はお父さんに会える日ではないけれど、でもお父さんの家への行き方は知っている。職場への行き方も知っている。お母さんに言えば反対される。私だってもう子供じゃない。ひとりで会いにいってみせる。待っててね、お父さん。



号泣である。

僕は勝手に号泣である。



その時、電車内に車掌の声が響き渡った。
「大変御待たせ致しました。運転を再開いたします」
それを合図に、ホームに散らばっていた乗客達が一斉に詰め掛けてきた。空いていた空間も徐々に埋まっていく。乗車率は悠に十割を超えてくるだろう。熾烈な戦いが予想される。無事では済まないかもしれない。ネクタイは解け、Yシャツのボタンは飛び散り、腹に謎の肘鉄をくらうかもしれない。でも、それでも、


この少女だけは守らなきゃいけない。


僕の中で何かが弾けた生まれた成長した。使命感であった。なんとも手作りなそれではあるが、この即席エピソード抜きにしても、これは子供には危険すぎるに決まっている。誰かが守らなければ、あの娘は満員電車に殺される。そんな事があっていいものか。俺がお父さんに会わせてやる。

僕はまず後ろから押されている風を装い少女を閉じているドアの付近まで誘導した。少女は無駄の無い動きで移動する。
そして僕は足を肩幅に開き、膝でバランスをとる準備に入る。更に、吊り革ではなくその柄の部分をしっかりと掴む。天国の親父、俺、やるよ、見ててくれよな。というクライマックスな気持ち作りも忘れない。
こうして、どれだけ揺れても、どれだけ圧迫されてもびくともしない(つもりの)強固な壁が完成した。
その時少女はというと、鞄から何やら紙を取り出し眺めていた。きっと、否、絶対に家族の絵だ。もうすぐだぞ。この戦いが終わったら、お父さんと一緒にハンバーグでも食べたら良い。
あとは俺に任せな…

さあ来い。来いよサラリーマン。お前達がどれだけ押そうと叩こうと、この壁は動かねえ。俺の心は曲げられねえ。潰せるもんなら潰してみ…ッッン!?

僕のこのどうでも良い敗北フラグ宣言風味な戯言の最中、とんでもない圧力が背中を急襲した。これは思った以上の圧力だ。よく仕組みは分からないけれど、圧力鍋で調理をされている具材達は常にこんな気持ちなんだろうか。料理の仕方も考えものである。

なんてことを考えていられたのはほんの数秒の間であり、その後は地獄絵図だった。
押し寄せる衝撃波。頬を霞める不良サラリーマンの襟足。潰される足。脱げる革靴。キレる若者。思春期の息子。帰らない娘。荒れる家庭環境。
それでも耐えた。必死に耐えた。必死に表情を歪めながらも、時折少女の状態を確認する。少女は笑顔であった。一駅ごとにお父さんに近づいている。溢れる感情。いいんだ、それでいい。君は何も知らなくていい。その笑顔さえあれば、お兄さん、頑張れるから。




こうして僕はしばしの間、第一線で防御壁となり続けた。
停車した駅は四つ。しかし、いつまで満員電車なんだ。日本人が全員この車両に詰まっちゃってるんじゃないか。そんな憶測さえ飛び出してしまう程に僕はもう衰弱している。

しかし、ここにきて問題勃発である。今までの駅では全て反対側のドアが開いていたのだが、次に開くドアはなんと我々サイドのドアなのである。今現在、僕は少女を扉と挟む形で、二枚岩ならぬ二枚壁で守っていたというのに、数分後にはその片方の壁が何の躊躇も無く開け放たれてしまうのだ。こんな事があっていいのか。壁だろ!どっしり構えとけよ!(※いいえ、それは扉です)
そんな支離滅裂な感情を吐露したりしていたらもう駅に到着である。だがしかし、冷静に考えてみよう。ここはまず一旦降りて、また最後に乗り込めば同じ状況が作れるんじゃないか。うん、なんだ、簡単じゃないか。簡単過ぎてちょっとだけ隣の不良サラリーマンに微笑みかけちゃったじゃないか。襟足だって気持ち似合って見えてきた。
扉が開いた。僕は少女を少し押す形で一緒に車外に出る。そして、もうなんだか本当に自分勝手なタイミングで恐縮なんだけれど、普通に、スムースに「危ないから一緒に最後に乗ろう」と少女に話しかけていた。一人で盛り上がり過ぎて、僕の中では既に充分に少女との親交が深まっていたのだった。少女はそんな僕に「はい?あ、はい。ありがとうございます」と告げた。よく出来た子で良かった。危うく気弱な誘拐犯に成り下がるところだった。

少女に僕の存在を認識させる事で僕は晴れて防御壁から護衛団団長の座まで上り詰めたわけだが、ここからが本番だ。僕らは列の最高峰に並び直し、改めて電車の乗り込んだ。
車内の圧力は幾分和らいでいた。これならばなんとかなりそうである。僕は少女にどこの駅で下車する予定なのかを聞き出そうとしたその時である。

「あぶねえ!間に合った!」

何やら派手目な男女ニ人組が迫ってくる。まさかの駆け込み乗車だった。
その二人は更に許しがたい事に間に合ってしまい、なんと僕と少女と扉の間の位置に落ち着いてしまったのだ。

この後の展開を記すにあたり、この二人にも何らかの適切な呼称をつけた方が僕がやりやすい為、観察しがてら渾名を付けてみよう。

二人組の男性の方は、どう見ても色白であり、見た目が冬であり、顔から靴べらが垂れ下がっている、と思ったら顎だった。要は、しゃくれた色白な訳だから、呼び名はジャイアント白田とするのが妥当だ。

二人組の女性の方は、グラビアアイドル顔負けのグラマラス体型で、しかしその顔面はと言うと、シダ植物と見紛う程の睫毛のボリュームと、マグロの赤身と間違う程のセクシャルリップを所有しており、明らかに日本人離れした顔立ちのため、アラビアアイドルという名が適当だと思う。

さて、渾名をつけた処でなんだが、両名ともキーボードを叩く上でここまで面倒くさい呼称も無いので、白田さんとシダさんに纏めることにする。あくまで「僕がやりやすい」事が肝心だ。

さて、現在の電車内の状況であるが、一言で表すのならば「△」である。
この中心部分に少女がいる。大変遺憾な事に、もの凄く安定している。白田さんもシダさんも扉側に立っている為、基本的には僕一人が頑張ればなんとかなる構図なのである。従って僕が少女を守る事、これ即ち白田さんとシダさんも同時に守っている事となる。とんだお人好しだ。とにかく、まさかここで白田・シダを車外へ放り出す訳にも行かないし、現状打破の仕様がないことこの上ない為、僕はこの三人の守護天使となりつつ、この鬼畜ゲームを乗り切る事に相成った、

と思ったらここからが本当の鬼畜ゲームだった。
次の停車駅は、この路線にて最も大きな駅であり、降りる者はいないのに乗る者がバーゲン宛ら詰め寄せる魔のステーション、一気に乗車率が跳ね上がる(もう率が上がる余地はないはずなのに)地獄のトレイントレイン。栄光に向かって走るあの列車なんて存在せず、圧迫と窒息と脂汗の三重奏が車内の僅かな隙間を埋める。そして開くドアは、白田とシダの直近のそれであった。
電車は何喰わない顔で駅に進入し停車。僕はもう既に腿が限界に達していたので、なんならうつ伏せで寝そべってやろうかととも考えていたのだが、そんな事をしたら勿論精神的にも肉体的にも社会的にも僕は死ぬし少女も死ぬし白田は白いしシダは植物である。当然の未来。そんなのお断りだ、ここが正念場だ。
駅では案の定だれ一人として降車せず、新規参入の狼藉者がタックルよろしく乗車してくる。もう少女を抱きかかえようか、どうするか、俯き迷う僕はある事に気が付く。全く以て圧力に変化が無い。何事かと前を見れば、そこには鬼の形相で踏ん張る白田とシダの姿があった。何人たりとも立ち入らせない、そんな無言のメッセージが額の汗から伝わる。

「事情は分からねえが、こんなところで小さな命を潰すわけにはいかねえだろ」
「お嬢ちゃん、安心しなよ。あなたの死に場所はここじゃない。私らが教えてあげるわ。力に屈する事が如何に馬鹿らしいかってことをねっ!」

そんな声が聞こえたとか聞こえなかったとか。しかしながら明らかにこの二人が少女をかばっている事は一目瞭然、疑問の余地もない。人は見た目によらないとはこの事か。いや、白田もシダも見た目で悪人と判断できる要素は持ち合わせてはいないけれど。
即席の三銃士が少女を守るという目的のもと、結成されたのだ。仲間になったという事で、仲間の情報はやはり欲しいから、出来る事ならその顎がシリコンなのかどうかとか、その赤身リップに猫が集ることはあるかとか、聞きたい事はたくさんあったけれど、聞かなければいけない事はそんな事ではなく、少女の降りる駅である。そうだった。聞いておかないと精神的にキツいのだ。そして、更にはなんと次の駅が僕の降車駅なのだ。電車は三銃士と少女を乗せながら次の駅へと滑り込む。僕はこのタイミングで少女から情報を引き出そうと肩を叩いた瞬間、その声は上がった。


「降りまーす!」


少女、降車宣言!ここか!ここで降りるのか!そうかそうか偉いぞ処女!(違う馬鹿!少女と打ったんだ俺は、誤変換の馬鹿!きっとそうだろうけれどそんな情報今いらないだろ馬鹿!)基、少女!僕も白田もシダも一瞬ではあるが顔を見合わせ、「最後まで気を抜かない」というスローガンを確認し合う。(そんなものいつ決まったのかは分からないし知らないし知ったこっちゃ無い)
ドアが開き、僕らは少女の周りにトライフォースを築きながら、なんならそのまま回転しながらホームに降り立った。そして、軽く少女に向かい手を挙げながら、お父さんによろしくな★の意味を込めて擬ウインク(ウインクが出来ないのでやろうとするとどうしても両目を瞑ってしまう型くずれのウインク。またはただの瞬き)をかましその場を後にしようとした。白田もシダもこの駅で降りるらしい。僕らの間には既に仲間意識がきっと芽生えている。今の戦について語り合うもよし、和えて馴れ合わずに日常に戻るもよしな空気が立ちこめる中、僕はまた気が付く。左足が無防備である事に。

靴が無い。靴が無いぞ。何処に行った。靴が無い。

振り返る。電車内。そこに発見。僕の左足。
慌てる僕。咄嗟に右足を踏み出す。早くしないと電車が出てしまう。
僕は車内に駆け戻る。きっとトライフォースとか言い乍ら回転したときだ。くそ!本当は回転してないのに!

電車内にて靴に左足を滑り込ませ、体を反転、もう一度ホームを目指そうとする僕の目の前で無情にもお約束にもドアは閉まる。僕だけを乗せて電車は走る。どんどん小さくなる駅。僕は瞳にその光景を焼き付ける。


少女と、白田、シダの降りた駅は、突如現れた謎の巨人に襲われ、壊滅した。



***



みたいな事になったら嫌だから今日はちゃんと紐を結ぶタイプの靴で行こう。
立体機動装置を装着し、かがんで靴紐を結ぶ。

背後から声がした。
「ガスがないと死ぬよ」

彼女から満タンのガスを受け取り機動装置に充填すると、僕は玄関のドアを開けた。隙間からは初夏の爽やかな風が流れ込む。調査兵団に入って今日で半年だ。兵団長は遅刻には厳しい。

行ってきます。
行ってらっしゃい。

靴紐が緩んでいないかを再確認し、ウォール・ローゼへと向かう。
巨人に会わなければよいのだが。

コメント(1)

これ、好きwwwてか、よくここまで引っ張るなと感心しながら読んでるw

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