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ほぼ日刊『お兄ちゃん』コミュの☆ONE DAY

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さて日記を書こう、と思い立って、ここまで書けなかった事も無い。
普段ならば入念な指のストレッチの後に愛するあの娘から貰ったロザリオを胸の前で握りしめ天を仰ぎデネブに祈ればカップラーメンよりも早く出来上がっているのだけれど、こいつはダメである。

どんな風に書こうか、どんな表現を使おうか、改行はどうしよう、括弧はどれを使おう、どんなリズムで文字を紡ごう、お気に入りの靴を履いて行こう、爪の手入れもしてしまおう、思い切って今夜は外食だ。ああ、結局パンが食べたい。
つまりは、思考道路の信号が壊れているのだ。縦横無尽状態。

ああ悩む。悩み方すら悩む。
あんまんか肉まんか、それに匹敵する程に気の向くままに悩んでいる。
悩み過ぎて昔のアルバムを引っ張りだしてきては仕舞ったりしている。
こんな事をしている間にも世界のどこかしこでは飢えに苦しむ子供が雨水を舐め、ペンギンや白熊は溶けてなくなる氷をただただ指をくわえて見ているというのに、僕は結局高校時代のアルバムを眺めながら、商業科の女の子は可愛かった、などと過ぎ来し方を思い返しているのだ。いいか高校生の俺様よ、村上さんは剣道部の先輩と付き合っている。お前がそれを知るのは高二、秋の文化祭でのことだが、高三の春には村上さんは剣道部の一年生と付き合いだす。根っからの武士フェチで、腹ぺこのメン食いだ。俺様よ。コテ先の技術でドウ足掻いても彼女は振り向かない。いいからさっさと剣道部に入れ。地学天文部で天体観測をしたり心理学研究部で心理テストの向こう側を模索していたんじゃ一向にあの娘からは一本取れないぞ。




そんな夢を見て、起きたのだ。
違和感と共に、大きく一つ、深呼吸をする。




鼻の奥に犬が住んでいた。




そう思わなくてはやっていられないくらいに臭かった。
匂いの発生元を探すも、特にこれといった原因が見当たらず、ティッシュペーパーを丸めて鼻腔に突っ込む事で対処していたのだが、それにしたって臭いのである。こうなれば、原因はそもそも僕の鼻なのではないかと疑うのが当然だ。誰の仕業なんだ。僕の寝込みを襲い、こっそりと鼻を取り外して犬小屋へ放り込んだ犯人は誰だ。部屋を見渡すが、やはりこれといった容疑者も見当たらない。そのとき、視線を感じたのだ。プリンターの上で御澄まし顔のマトリョーシカ人形が目に入る。「お前か?」諭すように語りかけては見たもののマトリョーは相変わらずシカとを決め込んでいる。僕は徐に容疑者を手に取り、ぐにぐにしてみた。すると、胴回りがくるっと回転したかと思うと上下に分離した。中から出てきたのは外面と瓜二つの容疑者2であった。はは〜ん、こいつら、犯人を匿っているな。僕の第六感が粗ぶる。僕は容疑者2を胴からまっ二つにねじ切った。売り三つであった。次々と外面共をねじ切り、ようやく中枢へと差し掛かると、そいつを引きずるように照明の下へ連れて行き、尋問を開始した。

『ご両親は、今のお前を見たら、どう思うだろうなあ?』

いきなりの泣き落としである。こちらも切羽詰まっているのだ。マトリョーもこれには動揺を隠せない。ぼそっと呟くその声が少し湿っぽい。

『мать・・・отец・・・Ohh』

このロシア気触れめ!ぼくは怒りをあらわにし、このミニマトリョーを鼻の穴に突っ込んでやることにした。どっちがいいんだ?右穴か?左穴か?最終的にはウォッカ漬けにしてやるからな。
まるで気違いピエロな僕の肩に彼女がそっと手を置く。
いつから居たのだろうか、彼女はゆっくりと僕の手から容疑者を取り去り、とうとうと語り始める。

『そのへんにしといたらどう?誤認逮捕は洒落にならない。ましてや、このままでは国際問題に発展しかねないよ』

どういうことだ?この俺が、誤認?そんなはずはない。だってマトリョーにはアリバイが無い。それを言うなら動機も無いし、感情も手も腕も生命反応も無いが、絶対にこいつが犯人に違いない。僕の第六感が無駄に粗ぶる訳が無い。

『その獣臭の犯人は、私よ』

脊髄に電気が走った。そんな馬鹿な。なぜお前が、俺の鼻を犬小屋に投げ込むだなんて、そんな非人道的な事が出来るのだ。

『昨晩友人の家に遊びに行ったらね、犬が居たの。二匹のマルチーズよ。彼女達は私に群がり、更には私の靴下を重点的に攻めて来たの。帰宅をしてすぐに脱ぎ捨てたその靴下は、どうにも消化不良な匂いを醸し出していたわ。私達はまだやれる。こんなところで洗われたくない。そんな事を言いもしたわ。だから、気持ち良さそうに眠るあなたの顔の上にそっと横たえてみたの。貴方は、咽せていたわ』

ぼくは直ぐに洗面所に向かい洗顔、勢い余り洗顔料を鼻内側まで塗りたくり泡立てまくり、改めて咽せる。
洗い流して顔の水気をとり、背後から彼女の頭にチョップを振り下ろす。



一本!!!



半笑で痛がる彼女の顔は、高校生だったあの頃のままだった










なんてことはまるでない。

コメント(14)

えー。待ってください。どこから褒めたらいいのかわかんないくらい面白い。
読むと意識するまでもなくグングン読まされて、要所要所で「うわすげぇ」ってなりながら最後ストーンとオトされて、「え、え、おもしろっ」ってドギマギしながら何処がどうすごいか振り返るっていう作業を、いつもしてますお兄ちゃんの日記読ませてもらうとぉぉ!!

かっこいい。

鼻の奥に犬が住んでいたって言える大人になりたいです。
>>[1]

プロポーズ以外に、どう受け取れば良いかわかりません。
一生大事にしてください。
>>[2]

♂と♀がすぐに判別できない体になって約27年が経過しております。
確かに気違いと気遣いはごっちゃです。
遣隋使と遣唐使も手こずりますね。
「貴方は、咽せていたわ」の句点の使い方が絶妙だと思いました。そこまでは必死に笑いをこらえていられて・・・まぁ笑いをこらえている時点でそれはもう笑っているのと同義なわけで、ガキの使いなら「ひろ兄、アウト〜」っていわれて、ケツおもっこシバかれてるとは思うんですけど、あれ、なんだったっけ。
「句読点」ってどっちが句点でどっちが読点だったっけって考えて、考えてしまった結果おもいきり間違えました。「読点」が正解でした。腹を切って詫びます。
>>[5]

わかってるんですよ。お兄ちゃんってタイトルにも入ってるんだから簡単に名前変えるんじゃねえよ的な熱視線、までは感じてないけれど、ありますよねそういうの。

読点、意識してます。というか、今回そこと、ロシア語と、最後に「砂漠」の決め台詞をパクル、という3点にのみ重きを置いたので他のところは書いた記憶ないです。
喉を切って朽ちます。
>>[6]

転載にエコロジー―ってwコピペ容疑がかかってるじゃないですかw
たしかに冒頭の分は以前に書いたひろ兄との兄会オフレポから抜粋したので、っていうかえ!?それわかったんですか!?mixi探偵ですね!全然的はずれだったら恥ずかしすぎて頭かち割って逝きます。

このジェットコースター、ずっと逆さまなので安全バーだけは外さないでください。命綱です。
>>[10]

ダメです!きょうそさまって呼んじゃダメです!
その流れになったら僕だってそりゃ乗りたくなっちゃうけれどちょっとどうしたらいいのかわかんないくらいに上から目線になっちゃいそうで怖いw

的外れだったんですね?頭、今半分くらい割りました。もう半分はお湯で割ります。

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