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詩と死とセックスコミュのあ

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白熱灯



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121:Hiro :2012/6/19(火)00:08

援助交際・レイプ・風俗に身を落とした女の子達の描写された映画や小説、漫画を見て、昔から私は嫌悪感にかられていました。セックスとは神聖な、子供を作る為のものであるはずなのに、快楽という余計なものが付属しているから、私の見える範囲の世界は肉欲に溢れているように見えます。快楽なんてなかったらよかったのに、男女共に性交に激痛が伴えば、性犯罪や性風俗が消えて、望まない妊娠も消える。快楽なんてなかったらよかったのに。性欲なんてなかったらよかったのに。

201:Noa :2012/6/20(水)10:28

恋人になったら決まりごとのようにセックスをしなくてはいけない。子供を作る訳じゃないのに。「愛し合いたい」とか素敵な表現使ってさ。本当は私の体で性欲処理をしたいだけ。肉棒と肉壷を擦りつけあったって愛なんてきっと生まれないよ、生まれるのは臭い体液だけ。

274:Sayaka 2012/6/22(木)21:50

男の8割は、ある程度の女なら誰とでもセックスしたい。女の8割は、好きな人としかセックスしたくない。男は気持ち悪い。頭の中は精子で満たされていて、気持ち悪い。男は意味が分からない。初めてセックスした時、口に精液を出された。意味が分からなかった。気持ち悪い。気持ち悪い。セックスをして気持ちよかった私自身も気持ち悪い。

315:Kana :2012/6/26(火)06:02

性欲は嫌い、醜い、なくなればいい。なんでかは分からない。個人の感情。鼻息を荒くして快楽を求める様は吐き気がする。その感情はゴキブリなんかの虫に対する感情と似ている。子宮を摘出してしまおうか、性器を針と糸で縫ってしまおうか。

動物のように猿のように欲の対象としてではなく人間として恋して欲しいし人間として恋したい。




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泌尿器から白濁した毒を吐き出させる。私の睾丸は無益の仕事中毒者だ。膿のように知らず知らずに湧く性欲を、私はその場凌ぎで体外へと掻き出す。自慰をした後は視界のピントが合い、冷たく静かに世界が見える。そして例え難い喪失感も感じる。汗腺から止め処なく汗が吹き出ている。体は酸素を求めて、呼吸運動を加速させている。生暖かい精液を拭って、包んだティッシュを右手で優しく掴み、私の顔の前に持ってくる。私の眼球はぼんやりとこの汚れたものを映し、脳は認識する。私はこの汚れたティッシュによく似ていると思う。薄っぺらな綺麗ごとで、汚い中身を包んでいるところが、よく似ている。汚れたティッシュを、ベッドの隣に置いてある大きすぎるコップにぽいっと投げ入れる。右手に力を込めて腹筋を使いゆっくりとベッドから上半身を起き上がらせる。尻を基点に九十度体を回転させて足をフローリングの床に触れさせる。床に置いてあったボクサーのような下着を右手で掴み取り、片方ずつ膝を上げて穿く。デニムも掴み取り片方ずつ膝を上げて足先から布の空洞に通す。カチャカチャと音を鳴らしてベルトを締める。窓掛けから月色が少し零れていた。淡い灰色にスポイトで一滴青を混ぜたような視界。歩いて、窓掛けを払いバルコニーと部屋とを仕切るガラス戸を開ける。外気に触れる。春の甘い匂いがして、ふんわりとした柔らかい風が吹いていた。 サンダルを履いて手摺りに近寄る。煙草とライターをデニムのポケットから取り出す。ライターを強く親指で押して、くわえた煙草の先端に火を付け、軽く吸う。深く長く呑む、煙草の先端が赤く光りながら灰へと変わっていく。靄を細く長く吐く。両肘を手摺りの上に置いて、前の景色を眺める。見えるものは目と鼻の先の高級そうなマンションの通路や階段、数字の書かれたプレートのある扉、通路を燈す白熱灯。その白熱灯がとても綺麗だと思った。琥珀色をしていて、母親のように優しく暖かく、ぼんやりと発光していた。
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見上げると、薄めた墨汁を垂らしたような雲がごくごくと青空を飲み込もうとしていた。私は音の鳴らない鍵盤を一歩一歩前進しながら踏み続ける。川沿いに植えられた桜の木は花びらを散らし、葉桜へと変わろうとしていた。桜の木はどちらかと言えば哀愁を帯び、冷たい色をしていた。川に飛び込もうとするように幹が斜めに傾き、枝を川の方へと垂れ下げていた。肩に乗った花びらは、身投げ桜の涙に思えた。もの悲しさがまとわりつく。
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ヘッドフォンから鳴るオルゴールの音は、酒に酔ったように脳を甘く鈍らせる。プラットホームの黄色い線の上に立ち電車を待つ。視界の片隅から急行電車が向かってくる。音を鳴らして少しずつ少しずつ視界の中で大きくなってくる。電車が私の前を通過していく。風が私を弱く押し飛ばす。私は妄想をする。通過する電車に轢かれて、四肢を千切らせて、臓物を弾けさせる妄想をする。まるで風船を針で突くようにパーンと弾け、消滅する妄想をする。それはとても爽快で、気持ちのよいことだと思う。右手首に取り付けた腕時計を見る。もうすぐ各駅停車の電車がやってくる。「先輩、おはようございます。」灯莉が私の前に回り込み微笑む。私はヘッドフォンを外し、首にかける。「おはようございます。」私が挨拶をし終えると、灯莉は私の横に並ぶ。先程の妄想を何気なく灯莉に話す。灯莉は少し黙り込み、私の目を見て口を開く。「私は自身が風船ならば、破裂するよりも空高く飛びたいですね。」「空高く飛んだとして、その後どうするのですか。」「空を越えて、月を目指しましょう。」灯莉は微笑んで言う。電車が視界の端からやって来て、緩やかに停車する。ぷしゅぅぅとガスの抜けるような音を立てて扉が開く。何も起きなければ、何も始まらない日常が始まる。カチカチと時間に咀嚼され、日常に飲み込まれ、退屈に溶かされ、私は糞となりゆく。
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上を向いていると、歩く度に木々の葉から漏れる光が煌めき、万華鏡を覗いているようだった。たくさんの陽を浴びる親のすねかじりの若葉達は、日陰の私を見て、揺れ、笑う。「部室で友達と食べればよいではないですか。」 私は少し振り返り、後ろをちょこちょこと歩く灯莉に言う。 「先輩がお昼を一人ぼっちで食べるのが寂しそうなので。」 灯莉は微笑みながら言う。 「一人静かに食べるのが好きなのです。」私は抑揚なく言う。 舗装されていない肩幅ほどの小さな脇道を抜けると、誰もいない廃れた野外ステージに辿り着く。ベンチがいくつもあり、その中で一番近いベンチに座る。私がベンチに座ると、灯莉も隣に座る。私はボストンバッグのファスナーを開けて中からコンビニ袋に入った紙パックのコーヒーと包装された菓子パンを一つ出し、包装を破き食べ始める。 「またそれだけですか。今日は愛妻弁当を作ってきましたよ。」灯莉は当然のように、私に弁当を渡してくる。 「あなたは私の愛妻でしたか?」呆れながら私は「ありがとうございます。」と礼を言い弁当を受け取る。灯莉は溜め息をつく。「……先輩はなぜ私と付き合ってくれないのでしょうか?」 灯莉はふいに、変なことを聞く。「……ところで、灯莉さんの『付き合う』とは何をすることですか?」「一緒に四季折々を過ごすのです。」 「ならば、今と遜色ないではありませんか。」 「……ちょっと違います。もっと深く過ごしたいのです。」「深くとは?」 「互いが互いを想い、好きな気持ちを表現するのです。ええと、とりあえず色んなことをしたりするのです。」「好きな気持ちを表現ですか。変ですが、私は好きという恋愛感情がよく分からないのです。」 「誰かを好きになったことがないのですか?」「ありますよ。……しかし思春期を終えた私の『好き』という恋愛感情は、『単に性交がしたいだけではないか?』と思う時がありまして、汚れている気がしてならないのです。」 「ふむ。」 「子供のように純粋に性欲なく人を愛してみたいものです。残念にも、今の私はどす黒くエロチックな煩悩の塊なのです。」 「恋愛に性欲があってもよいのではないでしょうか?」 「灯莉さんは性欲を汚く思わないのですか?」灯莉は微笑んで口を開く。




「愛し合う二人の、互いに向けられた性欲ならば、それはどんな宝石よりも、綺麗です。」




それを聞いて、私は、何も答えず空を見上げる。白い雲が流麗に形を変えていた。私は自分が何か別のものに変わってしまいそうで恐怖を覚える。胸の鼓動がさっきよりほんの少し早くなっているのに気付く。
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「紘先輩は夕方からお暇ですか? アフターファイブへと洒落込みましょうよ。」 「嬉しくもバイトです。」「私も、お店に行ってよろしいでしょうか。」 「バイト先でまで灯莉さんの相手をしていられないですよ。」私は苦笑いを浮かべる。「先輩が他の女に誑かされない様に、手を握っていてあげましょう。」 灯莉は微笑む。「女性と手を繋いで働く店員なんてお客の間で噂話に華が咲いてしまいます。」「先輩は噂の花咲か爺さんですね。」 「まだ若々しいですよ。」 「では今行かない代わりに明日土曜日なので、遊びましょう。」 「何も予定はないですけれど何をするのですか?」 「見たい映画があります。」「映画ですか、さて、どうしましょうか。」 「乙女の小さな頼みも聞けぬとは、本当に男なのですか。」灯莉は眉を吊り上げる。「……乙女の頼みとあっては仕方がない、明日映画を見に行きましょうか、気が進まないですけれど。」「一言余計ですけれど、初デートですね。私は期待にあそこを膨らませます。」 「あそこと言いなさんな、お嬢さん、胸とお言いなさい。」 「胸だなんてはしたない言葉使えません。」





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54:Shiki :2010/5/29(火)00:08

びゅる、びゅる、と精液を私の口によく出された。生臭くて苦い体液の味がした。大量のオタマジャクシが私の口内を泳ぎまわっていた。うようよと、卵子を探して泳ぎまわっていた。口に虫が湧いたみたいで気持ち悪かった。「飲んで」と彼は息を荒くしてよく私に言った。私は頷いて、喉の力を使って飲み込んだ、震えながら我慢して。その後、私はいつものように男性器を舐めて掃除した。私は便器だった。

185:maki :2010/8/05(火)00:08

高校時代に友達だと思っていた男子に私の部屋でレイプされた。首を絞められて、「騒いだら殺すぞ」って言われながら乱暴された。写真を撮られた。中に出された。「言ったらみんなに見せるからな」って言われた。私は家族にも警察にも言えなかった。生理が来るまで夜眠れなかった。レイプした男は平気な顔してクラスにいた。それ以降、男の人は自分の父親でさえ怖くて堪らない。

28:Yamada :2011/5/29(火)00:08

とあるアジアの国の売春宿で、俺は興味本意で10歳の少女を買った。その少女の瞳は汚れていた。もう何十人もの男を知っているような慣れが不気味だった。青い痣や煙草を押し当てられた火傷。少女は行為中によく微笑んでいた。「どうしてあなたが泣くの?」現地の言葉でそう言われた。俺は汚し、泥だらけの少女のシミがまた一つ増えた。






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雲で顔を隠した月はこっそり涙を流し、赤を滲ませる。もんやりとしたのろまな空気が漂う。隣の部屋の奈緒がベランダに出てきて背伸びをする。「紘、持ってる?」隣のベランダの手摺りには私の手は届かない。だから私達は手を伸ばしあい何もない空中で交流をする。私はティッシュに包んだ毒を奈緒に手渡す。奈緒は大切そうに両掌で受け取り微笑む。
「精液、いつもありがとう」私の心の中は哀れみの生温い血で溢れる。冷たくもなければ暖かくもないその血は私の行動を醜いものとする。「紘は前にこれを醜い毒と言ったけれど、私にとっては神秘的な薬なの。」純白のパジャマを着た奈緒の心は黒く病んでいる。私は煙草を取り出し口にくわえてライターで火をつける。隣のマンションの白熱灯は、よからぬものを照らしつづける。
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855:akane :2008/12/19(火)05:08

セックスが好き。男の人が好き。必要とされるのが好き。気持ち良いのが好き。優しくしてくれるのが好き。いつもお腹が減ってたまらない。涎を垂らし続ける。触って欲しい。気持ち良くなりたい。触ってあげたい。気持ち良くさせたい。男の人の欲情した表情が好き。満足させてあげたくなる。男の人の気持ち良さそうな顔が好き。とても可愛いと思う。私の身体は汚れているから、男の人に綺麗にして欲しい。触って舐めて挿入して出して綺麗にして欲しい。擦り切れるくらいセックスがしたい。何回も何回も求められたい。セックスが無ければ生きていけない。

274:Shiki :2010/8/20(金)17:58

別にセックスなんて特別なものじゃないだろう。ただの粘膜の接触、ただのコミュニケーション、ただの運動。ここにいる否定の方々はセックスを神聖化しすぎだし、頭の中が漂白されすぎている。人間はもっと汚くて世俗にまみれている。だから生きやすい。俺はやれる女がいたらやるし、インスタントな快楽を求めるセックスが好きだ。セックスに意味なんてない。セックスをしても何も変わらない。現代のぶっ壊れてきた貞操観念がさらに壊れて無くなってしまえばいい。戦争をするならセックスをしよう。挨拶代わりにセックスをしよう。ラブアンドピース。




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灯莉と映画を見終える。私達が映画館から出ると、もう外は茜色をしていた。「先輩、太陽さんが出血しておられます。」「太陽の血液も赤かったのですね。」 「太陽なのにお月のものとは、これ如何に。」 私は聞かなかったことにする。小腹が空いた。「灯莉さんは、お腹空きましたか?」「……いえ、それほど。」「では近くの公園でも行きましょうか。」緩い坂を上る。大きな建物と長く続く階段の前で、右折して、古くて緩い石の階段を登る。ノスタルジーな雰囲気がゆっくりと私の前から伝わってくる。石段を登り終えると広い公園風景が視界に広がる。人工的な大きい池があり、鴨が水面に浮かんでいた。カラスが燃える空に揚げられて、悲鳴をあげている。また歩き始める。ベンチには若い男女がいくらか座っていて、その中で空いているベンチに私達は腰を下ろす。私はポケットを切り抜いたようなものと煙草とライターを取りだす。そして煙草を咥えてライターで火を点ける。吸って煙を吐き出す。灯莉は眉間に皺を寄せて口を開く。 「昔、先輩が煙草なんて有害を吸い始めた理由は何ですか?」 「……早く病気で死にたかったから、ですかね。」「私よりも先に死んだら私が悲しむので、煙草はやめてください。」「灯莉さんが悲しむ姿を私は天国で笑っていますよ。」私は微笑む。「先輩は少し意地悪ですから、地獄に落ちるでしょう。」「私が地獄に行ったら、灯莉さんが死んだ時は天国に行くでしょうから離れ離れでしょうね。」「その時は神様、閻魔様に言って私も地獄に行きましょう。」 「地獄は大変そうですよ?」「先輩がいるところが私にとって天国ですから。」灯莉は微笑む。私達は口を閉じて景色を眺める。池に映る燃える太陽、鴨が水面を渡る波紋、耳を澄ませばサックスの音がどこからか聞こえてきた。 「さっきの映画、私達に似ていましたね。」灯莉は言う。「そうですかね。私はあんな根暗で嫌な青年ではありませんよ。」 「どの口が言うのでしょうか。」灯莉は微笑む。「あの二人の恋愛は、素敵でしたね。フィクションの恋愛は性欲を感じないから好きです。リアルの恋愛は性欲しかなくて醜い。」「恋愛は性欲が絡んでも絡まなくても美しいものですよ。性欲、愛し合う性行為の描写があるフィクションもリアルの恋愛も私は好きです。」「その愛し合う性行為というものがよく分かりません。人間が愛し合うコミュニケーションとして性行為をするなんて間違っています。人間には言葉があります。私は言葉で人は愛し合うべきだと思います。性行為でしか愛し合えないなんてただの猿です。」少し私の声が大きかったのか、隣のベンチでべたべたといちゃつく猿二匹が私を見る。「プラトニックな意見ですね。言葉も大事ですけれど性行為で愛し合うことが悪いとは私は思いませんね。」「やはり灯莉さんとは価値観が違うようですね。」「それは素敵なことですね。」
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夜が近づいた頃、私達は腰をあげ、そして歩き始める。長い影と短い影が肩を並べて進んでいく。「今日も変なことやむかつくことばかり言って、先輩は本当に憎たらしいですね。」「それは結構なことですね。」「憎さあまって可愛さ百倍ですよ、まったく。」「意味が分かりませんね。」「この、ひねくれものめが。」「それに比べて灯莉さんは打ちやすそうなピッチャーですね。」「意味が分かりませんね。」「ストレートな発言ばかりだってことです。会話のキャッチボールならぬ会話の投手と打者ってことですよ。」「投手と打者ですか、先輩は腰に硬そうなバットも持っていますし上手い言い回しですね。」私は聞かなかったことにする。燃える空に焦げた綿毛が飛んでいた。灯莉の白いワンピースも影では黒くなっていた。私達は公衆便所の脇の細い道を通り、三色のタイルの道に出た。隣から、ぐぅぅという音がした。横を向くと頬に小さな夕焼けができていた。「ご飯、食べに行きましょうか。」
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457:Shiki :2010/5/29(火)00:08

私の初体験は強引なる和姦でした。彼は惨たらしい生殖器を勃たせて、私に『好き』というのです。この生殖器の割れ目が口を縦にして言っているような気がしました。『君が好きだからしたい』と言いました。私には『したいから君を好きだと言っている』と感じました。私はただ幼くて、性欲などありませんでした。性欲のない女にとっての性交は、満腹なのに無理矢理食物を口に、胃に入れられるようなものでした。ひっくり返ったカエルのような、間抜けな姿を晒す私に、彼は生の男性器をゆっくりと刺しました。吐息を漏らしながら快楽に浸る彼とは対照的に私は、いだい゛、いだい゛と涙ぐんでいました。彼は肉を強引にひきちぎって、侵食し私の内部の幼い恋心を刺殺しました。何の恨みがあるのか、ずぶり、ずぶりと刺しては抜いて、また刺しました。刺される度に私は言葉にならない喘ぎをあげました。自分も彼も何もかもが気持ち悪かったです。あられもなく股を広げて、私は一体何をしているのだろうと思いました。お母さんと話したくなりました。他愛ないことを話したくなりました。私はいつまでも子供でいたかった。穏やかな夕方のような日常に帰りたくなりました。なんで恋人になったら決まりごとのようにセックスをしなくちゃいけないのでしょうか。子供を作る訳じゃないのに。愛を深めるためなのですか? 私にはよく分からないのです。子供を作らない、愚劣な低俗なセックスなんてしたくないのです。必死に腰を振る彼は、なんだか人間じゃなくて、ヒト科の動物でした。私の交尾初体験の夜はゆっくりと残酷に進んでいきました。酸性の痛みと哀しさが雪のようにしんみり心に降り積もり溶けてはゆっくりと心を穿っていきました。




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携帯に映る性欲に関する掲示板の文章は、脆くて泣いていた。私は、傍観者であり何も知らないのに何もしないのに勝手に他人を哀れんでいる。それは私が一番嫌いな人柄だ。それでも私は傲慢で、自分の考えを他者に伝えたい。「性欲なんてものは、この世から無くなればいいのです。」私は奈央に話しかける。「もしも性欲、性的快楽が無くなれば性産業は無くなり、望まない妊娠が無くなる。皆、お伽話のようなピュアな恋愛をして、本当に愛し合うものだけが神秘的な性行為をして、子供を作る。綺麗な世界になる。」 「紘は根本的な所で矛盾があることに気がついた。」 奈緒はこちらを見ずに言う。「何ですか?」 「性欲が無くなったら、誰も恋愛をしなくなると思う。人類は減少、滅亡する。」 「そんなことはないと思います。性欲のない恋愛はあります。」 「紘は異性愛者だよね。バイセクシャルの可能性はある?」 「多分、異性愛者だと思います。」 「じゃあ……男とピュアに付き合いたい? 発展して、その神秘的なセックスとやらをしたい?」「……いいえ。」「それなの。異性愛者の男と男がどんなに仲が良くても恋愛に発展しないのは、そこに性欲がないから。もしも人間に性欲が無くなってしまったら、異性愛者なのに異性がいなくなって、みんな同性に見えてしまうということ。紘が性欲を感じない男と恋しないように、友達という垣根を越えれず誰も恋愛をしなくなる。」 私は気分が悪くなりながら相槌を打ち、奈央はまた続けて口を開く。「『恋愛とは性欲の詩的表現を受けたものである。』芥川龍之介の言葉。性欲にお洒落な服を着せたものが恋愛なの。性欲があるから恋愛がある。性欲のない恋愛なんてないの。」奈央は、ふぅと息を吐いて口を閉じる。「……私はそれでも性欲を拒絶し、純粋な恋愛を探したい。」 「それは、何も殺生はしたくないけれど、美味しいステーキを食べたいくらい矛盾に溢れているよ。」奈央の言葉に私は口を結んで目を閉じる。「世の中には、愛のない性欲がある。これだけを紘は嫌えばいいんだよ。愛のある性欲は認めてしまえばいいんだよ。」

「性欲のない恋愛はない」その言葉が頭の中を殴り壊し廃墟と化していく。性欲は醜いのに、恋愛は美しい。『愛のない性欲だけを嫌えばいいんだよ。愛のある性欲を認めてしまえばいいんだよ。』性欲は愛の有無に関わらず全て醜いはずなのに。考えることに疲れてしまった。すやすやと私の肩にもたれかかり眠る灯莉の頭の重さが暖かい。こんな硬い肩を枕に寝ていたらきっとよい夢を見ないだろうに。早送りに進む窓景色を眺める。遠くでは莫大な夕陽が街を照らす。私は目を瞑りゆっくりと灯莉の頭の上に耳を着地させる。胎動を感じた。寝たふりをしたのは私だけではなかった。口元がほんの少しだけ緩む。安心感と胸の高鳴りが不協和音を奏でて私を掻き乱す。柔らかく湿っているこの感情は何なのだろうか。満ちているのに足りないこの感情は何なのだろうか。ただ、ぎゅっと灯莉を抱きしめたくなるこの感情は何なのだろうか。友情とは違うし家族愛でもなければ隣人愛でもない。



――性欲が心の扉をノックする。「認めてしまえ。素直になれ。」とノックする。私にもう迷いはなかった。私は重い心の扉をこじ開ける。どす黒くいやらしい性欲がにんまり笑って顔を覗かせる。『恋』という甘いケーキを手土産に持って。



私の既存の価値感は死に、新しく生まれ変わっていく。灯莉とセックスがしたい。詩的な性欲が白熱する。





















白熱灯 了

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