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妄想最終形態コミュの本編

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いつも通りの朝だった。

窓から差す日差しも、気怠い感覚も、煙草どこ置いたっけ?なんてボーっとする頭で考えるのもいつものことだ。
ただ一つ隣に感じる違和感を除いては…。

嫌な予感を感じながらも、意を決した土方は勢いよく布団をめくりあげた。

『…おい、てめぇ。なんで俺の布団にもぐりこんでやがる』

違和感の正体を確認した土方は口元をひきつらせながら、己の布団上で小さく丸まっている少女に問いかける。否、問い詰める。

『えー?副長が寂しいよぉおおって泣いてたから?……気持ち悪っ』

うっとしいと言わんばかりの表情で答えた宵は引き剥がされた布団を求めて手を伸ばす。

『んなわけあるかァアアアア!』

青筋を立てて叫んだ土方は伸ばされた宵の手を叩き落とした。


『なんだなんだー?トシー、朝から騒いで元気だなー!』

『土方さん、騒音はご近所迷惑です!近藤さんが怒られたらどうするんですか!』

『黙れ土方、しねよ土方』


ハッハッハーと豪快に笑いながら襖を開けた近藤。
近藤の後ろからひょっこり顔を出した璃玖。
冷めた目で暴言を吐いてる沖田。
璃玖に叩き起こされた近藤と沖田は食堂に向かう途中だった。

『あぁ、近藤さん。宵が勝手に俺の部屋に忍びこん…』

言いながら、目線を三人に向けた土方だったが続く言葉は遮られた。

『宵!?なんで土方さんの布団に!?…まさか土方さん、嫌がる宵を無理矢理…』

璃玖の頭の中では悪魔化した土方が天使・宵に襲いかかっていた。

『んなわけあるかァアアアア!…アレ?デジャヴ?』
あらぬ誤解を受けている状況に土方が声をあげるも
『トシ…宵ちゃんが美人さんなのはわかるが、無理矢理はダメだ。聖女がマヨネーズまみれなんて!』

近藤も璃玖の妄想世界に引きこまれいた。確実に悪化している。

『土方さん最低ー』
沖田は薄ら笑い

『土方さんハゲー』
いつの間にか三人の横に移動した宵にまで悪口を叩かれる始末。



『てめぇら全員表出ろォオオオオ』



彼らの朝はいつも通りである。

コメント(2)


『ってか、璃玖。今日非番じゃなかった?』

あの後、土方から説教を受けた宵はなんとなく不機嫌だった。

『ちょ…宵…生クリーム乗せ過ぎだよおぉおうぇっ…。非番だけど、なんで?うぅうぇえ』

生地が見えない程の生クリームが乗っかったホットケーキに璃玖は青ざめた。

『えー?美味しいのにー。ほら、璃玖の味噌汁に入れてあげ…『やめてぇえええ!!』…冗談だよ』

笑いながら宵は入れかけた生クリームを口に運んだ。

『これから銀ちゃんとこ行く予定なんだけど、暇なら誘おうと思ってさ』

行かない?と宵は首を傾けた。

『万事屋さんかー。あたし今日は総ちゃんに稽古してもらう約束してて…ごめんね』

しゅんと俯いた璃玖に宵は真面目だなーと微笑んだ。

『じゃあお土産買ってきてあげるよ』

璃玖の好きな大福でも…

『ちょっとちょっと宵!?』

スパーンと勢いよく扉が開かれ宵の言葉はかき消された。

『あ、退くん』
璃玖はきょとんとしながら扉を開けた人物を見上げた。

『なんか用?退』
目線は合わせず応える宵。


『なんか用?じゃないでしょ!この前非番変わってあげたんだから今日は俺が非番!宵は偵察!』

興奮気味に山崎は宵をまくし立てた。

『えー?そうだっけ?…てへ』

一方宵は語尾に☆マークがつきそうな調子で返す。

『てへじゃねーよ!見た目は天使、中身は悪魔ってか!隊長とキャラかぶってるからね?今日は譲らないからね?ね?』

宵にサボられて、ミントンに没頭する時間が度々削られてきたせいか山崎は必死だった。

『ご、ごめん退…。そんなに怒ると思ってなくて…ごめんね。ちゃんと仕事するから…宵のこと嫌いにならないで』

急にしおらしくなった宵にうるうるした瞳で見つめられて山崎は謎の罪悪感でいっぱいになった。ミラクル!

『あ、え、いや。うん、俺も言い過ぎたかなーなんて。うん、今日は宵が休みでいいよ!うん』

アタフタしながら山崎は宵を宥めた。

『…ほんと?いいの?
……流石、退!ありがとう!じゃあ璃玖いってくるねー!』

そう言い残した彼女は颯爽と飛び出していった。

『行ってらっしゃーい。……退くん。いいの?』

隣に立ってる山崎をチラッと様子見し、璃玖は遠慮がちに質問した。

『だって女の子泣かせるなんて、出来ないしさー。宵もきっと大事な用事が…』

『宵、目薬使ってたよー。ちなみに今日は万事屋さんとこ遊びに行くんだって。いいなぁ!』

璃玖には全く悪気はないのだが山崎にとっては言葉の凶器となった。

『ちっくしょうううううううう』

山崎の叫びをBGMに退くん学習能力ないなーなんて考えながら璃玖は今日の晩ご飯はハンバーグ!と意気込んでいた。


哀れ・山崎

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