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房状連華コミュの宇川直宏&EYE&メタモルフォーゼ(日記より転載)

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Vol.1

思い起こせば数年前、
新宿のLiquid Roomがまだブリブリと営業していた頃
7階分の階段をヒイヒイと登って既にフラフラだった自分は、
はじめてVJという奴にブッ飛ばされた。
あまりの衝撃とアガリ具合に、フロアは1体の生物に見え、
うねうねとグルーヴを喰って成長と死を連鎖していた。

"Liquid Room Special EYE 7Hours"

「あのVJに会いたい!」
そう思った自分は関係者用の通路をくぐり抜け、
VJブースの裏に忍び込んだ。
そこには液晶付きVHSデッキと山ほどのテープを嬲る
一人の男が居た。
それが宇川直宏。

「ロックだから十字架に火付けてみたよ〜」
と、KKKだかハードロックだかの下品な映像を出して
にやりと振り向いたその男は、
自分を見つけていぶかしげな顔をして、
やがて悟ったらしく、
人差し指をきゅっと突き出し
「フロアで、暴れて来るんだぜ」
と、まるで柴田恭平のようなシブいアクションを送った後
様は済んだかのごとくプレイに帰って行った。

「自分を否定されなかった」
その事に、その時どんなに救われた事か
クラブで客を踊らせるという事がどういう事か、
一気に学んだ気がした。
そしておとなしく僕はフロアに帰って行った。
一瞬も映像を見逃さないつもりでいた。

そして数年後、
憧れのメタモルフォーゼのVJとして、
自分は伊豆のプラネットステージに居た。
担当アーティストはEYE
VJのSpike-Bloomという名前は、
その新宿リキッドルームで見た、
生き物のように群れ咲くフロアを
穂をつける花になぞらえて付けた名前だ
フロアを一つの生物のように、
一つの花のように、まとめあげ、咲かせたい。
その一心で、四谷のアパートで一人作っていたのが
「Rainbow Candy(DVD)」に収録されている
虹色の回廊の素材達だ。

数年の間は、友人のパーティーを手伝ったり、
飛び込みで草レイヴに出演したり、
とにかく一人でプレイできるように目指して来た。
Psychedelicという感覚は、
個人個人の中に全て存在しているものだ。
しかし、それを共有できると考えた時、
隣人との垣根が無い、本当のトランス感覚がやってくるのではないか?

それまでサイケなVJなんか
やった事は無かった、
映像も、クラブってものも、何だか良くわからなかった。
でも、幾つも作っては捨てて、
見よう見まねでプレイをし、
VJ用映像素材集「Rainbow Candy」を完成させた時
何かミラクルのスイッチが入った。

Vol.2へ

コメント(3)

Vol.2

2006年。
レイヴで数年使って来て信頼できる素材を集めた
「Rainbow Candy」が完成した。
作ったは良いものの、どうして良いかわからない。
とりあえず、自宅で量産できる範囲で複製し、
プリンターとDVD-Rで家内制手工業で増やし、
知り合いのショップ等でおいてもらう事にした。
そして、その中の1枚を宇川直宏の事務所に。
茶封筒に入れて、スタッフの一人に
「宇川さんに渡して下さい」と言って手渡した。
それが2006年の11月の事だ。

ここからは、自分でも知らない流れなのだけれど、
宇川さんに聞いた話だと、
その「Rainbow Candy」が開封されたのは
静岡での石野卓球氏のイベントのVJブース。
宇川さんも知らないうちにバッグに入っていたらしい。
「なんだこれ?」と、開封してみると、
DVDとファンレターらしき手紙が
『宇川さんのModulationsをリスペクトして、
 自分で作ったモノが入っています。
 見て頂けたら光栄です』
宇川さんはそのままDVDをプレイヤーに入れてスピンした。
僕の知らない所で、僕の素材が石野卓球氏の音で踊る事になった。

その後、宇川さんは僕のメールアドレスに
恵比寿Liquid Roomのカウントダウンの
招待状を入れてくれたのだが、
どうしたことか、それは僕のメアドには受信されていなかった。
業を煮やした宇川さんからの連絡があったのは
今年の2月の事。
いきなりの直電だった
「おれ、宇川だけど!」

これには、さすがにひっくり返った。
そして、話を聞くうちに、
何かの流れで元スーパーカーのナカコーさんのライブDVD
「iLLusion by iLL」に映像参加することになる。
たまたまその時作っていた「Ghost head」の素材が
そのまますっぽりと採用され、
Rovoの勝井さんのストリングスと、ナカコーさんのギターと
自分の素材が共演する事となった。
これが今年の4月の事だ。

そして4月末
新潟でのHallucinogenのVJをしている僕に、
現場で話かけて来られた方が居た。
「Metamorphoseとか興味有りませんか?」
「いいですね〜、大好きなんですよあのパーティー」
出れたら良いなぁ、位にこの時は思っていた。

Vol.3へ
Vol.3

Metamorphoseへの出演のオファーがあったのは、
5月の末の事だ。
「早速で恐縮なのですが、メタモルフォーゼ07でVJやりませんか? 」
もちろん、喜んで引き受けたが、
修善寺でのメタモには参加した事が無く、
右も左もわからない。
とにかく参加だけを目標に、夏のイベント群をこなしていた。
自分がプレイするのは、殆どがレイヴパーティー
それも、参加者を数百名に絞ったものが多く、
ビッグパーティーへの参加は殆ど経験はない。

ただ、台風のAnoyoや、豪雨の中の九州のマイナーなパーティー等
箱でのプレイヤーとは違う環境で、過酷なプレイを2泊以上連続で
という話がザラなので
1時間30分程度というプレイ時間で、自分らしくプレイできるかが心配だった。
「担当は誰なんだろう?」と、思いつつも
「まぁ、何とかなるでしょ」と温かい事を考えて居て、
EYEさんだと知ったのは、参加数日前の事だった。
軽く動転した。

それまでの素材を全てひっくり返し、
足りないものや、汚れたものを洗浄した。
素材のDVDは300枚を越えていた。
それらを全て分類して、どんなプレイでも対応できるように
3つのDVDケースに振り分けた。

EYEさんはどんなプレイでやって来るのか?
Anoyoで数回踊った時には、
ハウスセットが多かったと思う。
サイケか、トランスか、ハウスか?
それぞれのケースに色分けをし、
足りない部分に新しく素材を追加して行った。
もちろん、宇川さんの素材も入れて行った。
出たとこ勝負まで、あと数十時間。
テンパる。
ギリギリまで素材を焼いて、機材を詰め込んで伊豆へ!
いきなり現場に遅刻して迷惑をかける。
あああああああああああああああああああああ

当日夕方になって、照明にShinkilowさんが入る事になる。
憧れの照明Shinkilow=黒沢組だ!
さらに追いつめられる(w)
もう、ケーブル捌いても、何度も同じ事を繰り返す。
こんなに動転したのは初めてかも知れない。

お客が入って来た!
タイムスケジュールがずれ込む。
仕込みまで1時間しかない!
急遽DVDプレイヤーを
Realrock designの方に借りてプレイする事に。
もう、下手な事考えても無駄無駄。
ディスクに緑のグリッド素材と、Rainbow Candyを突っ込む。
午前0時
EYEさんのプレイが始まった!

Vol.4へ
Vol.4

プレイ自体は…
どうだったろうか?
必死でミキサーとカオスパッドを叩いていて、
終わった時に軽く貧血か過呼吸みたいになっていた。
お客さんが笑顔で動きだし、Shinkilowの照明が入り、
画面を黒く落としたあと、どっと疲労がやってきた。

なんも考えられない。
とりあえず、水と酒をがぶ飲みする。
しばらくじんわりと座っていて、
急に思い出した
「そうだ、ダレンは宇川さんだ!」
途中、STS9のプレイに捕まって踊らされたりしながら、
テクテクとLunarを目指した。
メタモは相変わらずの暖かいパーティーで、
みんな子供の顔で遊んでいる。
「ここに来れてよかったなぁ」
と、ぼんやり思っていたら、
下り坂でキックの音に急かされた
そうだ、ダレンエマーソン!

会場に走り込んだら
スクリーンいっぱいにRainbow Candyが映し出されていた
自分の初期衝動
VJの原点
「宇川さんっっっっっっ!!!!」
何かのタガが外れてしまった。
Liquid Roomで大暴れをして、
何人も友達を引かせていた、あの頃のそのまんまに戻ってしまった
もう、静止も何も効かない。
フロアを走ってサクをくぐり抜け
VJブースの帽子のシルエットに駆け寄る

「宇川さぁぁぁあああん!!!!!
 ありがとぉぉおおおおおおおお!!!!!」

叫んでから、やっちまったと思った(w)
両手を上げて、アガリ過ぎの自分を
あの時のようにいぶかしげに見た宇川さんが
「なんだ、お前か」という顔をして、
また、シブいアクションで人差し指をビっと向けて
「使わせてもらってるよ」
と言った。

宇川さんの隣にはEYEさんがにこやかに立っていた。
握手を求め、「最高の夜でした」というと、
にっこりと笑って、宇川さんの前の椅子に腰掛けて
煮え煮えのフロアを楽しそうに見つめていた。
フロアは虹色でうねっていた。

自分のミラクルの話はこんな感じ。
あとの記憶は定かではなく、
一升瓶を抱えて、誰だか良くわからない外タレに飲ませまくったり、
ヤグラに登って傘を振り回したり、
あげくの果てに唾が出ない程脱水症状になったり、
熱中症で動けなくなったりした。
初心者か!
でも、メタモルフォーゼは確実に
昔うずいていた、あの頃のパーティーに繋がっていた。

パーティーではミラクルが起る。
確実に起る。
だからもっともっと良いパーティーを作ろう。
まだまだ走ろう。
そしてまた、最高のフロアでメタモルフォーゼをしょう!

長くなったけど、書きたい事書いちゃった。
読みづらい文章でゴメン。

最後に、色々と迷惑かけてしまったにもかかわらず、
暴走を暖かく受け止めてくれたスタッフの方々。
ありがとうございました。
最大限の感謝とリスペクトを!
メタモ最高!

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