石原莞爾平和思想研究会コミュの第一級戦犯は誰だ

記者「ジェネラルは、トルーマンを政治家として落第生であると言われるが、それはどのような点でしょうか?」石原「遠慮なく言わしてもらおう。彼には深謀遠慮というものがない。しかも目先が利かない男だ。明日から明後日くらいのところは見えていても、遠い先のことが見えない人物である。」

石原「サイパン、テニアンあたりが陥落したときの日本に対しては、さらに一手打てば難なく勝てたはずである。ところが、トルーマンは戦争最後の土壇場にきて、借りなくてもよいのに、スターリンにたった一日の借りをつくってしまったのだ。そのためスターリンをして、全世界に対する発言権を持たせてしまった。」

石原「これが原因で、この石原が年来説いてきた人類最後の戦争は、近い将来、米ソ間でやらなければならないことになったのだ。そのためにアメリカは苦しんでいるのではないか。どうだ。その通りだろう……」記者「ジェネラルの言う通りです」

石原「そのおかげで、全世界の人類が迷惑している。トルーマンの政治的無能は、後世に世界史的な大笑話として残ることであろう。世界の全人類から迷惑を受けたといって恨まれても、仕方があるまい。ルーズベルトも似たようなものだ。ヒトラーは、君らが我々ドイツを完全に破壊し去ると、将来はソ連とアメリカが直接対立するときがくる」

石原「ドイツの現状はまさにヒトラーの予言通りではないか。アメリカの大統領が、これくらいの目先が利かなくてどうするか。しかるにアメリカは世界赤化の防波堤とすべき、ドイツを完全に破壊してしまった。ルーズベルトはスターリンと手を握って、ドイツと日本を完全に破壊すれば、世界平和がくると思っていたに相違ない。」

石原「ヤルタ会談秘密協定は、ソ連の真意が奈辺にあるかも知らずに、お先真っ暗でやったから、今日のように、東欧西欧、中共国府、南北朝鮮のような不幸な対立となり、世界いたるところで自由、共産両陣営間の激しい紛争を起こしているではないか。このようなことは人類の歴史はじまって以来のことで、まさに壮観というべきである。」

石原「こんな目先の利かない政治家には、まずお目にかかったことがない。お人好しのルーズベルトであり、トルーマンである。これではまったく落第生ではないか。どうですかな?」記者「ジェネラルの言う通り」と言って笑った。石原は言いたいことが山ほどあるらしい。また言葉をつづけた。

石原「私がトルーマンならば、いまからでも遅くない。もしヒトラーが噂のように生きているなら、アメリカは莫大な俸給を払って、あなたを政治顧問に雇うから現われて下さい」と言って探す。石原「ヒトラーは戦争は素人だが、政治に関しては、ルーズベルトやトルーマンよりも一枚も二枚も上だ。」

石原「日本だって、このような無茶な状態にはしない。少なくとも東亜の安定を維持するだけの軍隊を残す。どうだ、今日の満州を見るがよろしい。関東軍のいなくなった満州は、アメリカ軍の力ではソ連の南下を押さえきれないではないか。そのため、アメリカは日本や南朝鮮から、手を引きたくとも引くことができないのだ」

記者「ジェネラルの言われる通りです」石原「オレなら、米軍の力で軍閥や悪質の官僚どもを粛正するが、東亜の安定勢力となるものは、そのまま残すだろう。全軍を解体するなどという、こんなバカげたまねはしなかった。およそ戦略眼のあるものならば、当然打つべき手である。」

石原「軍隊の存在が世界の平和を乱すという原則が成り立つならば、アメリカも世界平和のために即刻軍の武装を解除せよといわれても、いたし方あるまい。日本の敗戦は神意によるものである。第一は、世界平和のため、心から反省する機会を与えてくれたことである。つぎは、素っ裸の丸腰で、真の平和国家を世界に先がけて創造せんとする」

石原「先駆的使命をあたえてくれたことである。それはまったく神意によるものと直感する。第二次世界大戦は終わったが、それは世界が政治的に統一される一つの段階であって、すでに第三次大戦が、充分可能性をもって予想されるにいたった。」それは、石原莞爾が年来説いてきた人類最後の戦争です。

石原「この大破壊に入ろうとする前に、日本は今回の敗戦を契機にして真の平和国家に生まれ変わることができるのだ。いよいよ後の烏が先になるときだ。この意味において、私は仏天に心から感謝する」