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石原莞爾平和思想研究会コミュの桜の花と父と石原莞爾

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毎春、自分の部屋から外を眺めると、桜の花が満開が見られます。人々をなごませてくれる桜の花は、その満開の時期の短かさゆえに日本人を感動させるのでしょう。桜と言えば日本の代名詞のように思われがちですが、世界各地には北を中心に約50種が自生しています。

ただ、そのうち30種が日本に自生しているのでやはり日本は桜の国といえます。窓から見える桜はほんの数日で短い寿命を終わるのです。長い年月生き続けてきた自然と儚い人生との対比の中に美を発見する感性、このような感性は、日本人がとりわけ鋭いと言います。
おそらく世界中の人が感性をもっているのでしょうが、日本人が鋭いと思うのです。

日本人の感性の鋭さの一例が、桜の花に対するものでしょう。桜の花が、本当に綺麗なのはたったの3日ぐらいです。しかも、毎年、春風や嵐が吹き散ってしまいます。日本人はたった3日の美しさのために、あの棒のような木を日本中に植えているのです。

桜の木は、毛虫がつきやすいし、太い上にねじれていて、肌はガサガサしているので、伐採したくなるような木です。しかし日本人は、桜の花が咲くこの3日に命をかけて潔く散っていく桜の花に、人生を投影し、そこに他の花とは別格の美しさを見出しているのです。

だからこそ桜をことのほか大事にし、「花は桜木、人は武士」とまで持ち上げ、ついには国花にまでしたのです。桜前線が南から上がって来ると、吉野は満開かな、小田原はどうだろう、千鳥ヶ淵や井の頭公園は来週かな、弘前の桜はいつになるだろうなどと、みな自分の知っている桜の名所が気になりだす。

桜前線が地元に至ると、今度は天候を心配します。天候を心配するのは、花見の幹事だけではありません。桜は人生そのものの象徴だから、誰もが気になって仕方ないのです。米国ワシントンのポトマック川沿いにも、荒川堤から持っていった美しい桜が咲きます。

日本の桜より美しいと言います。しかし、アメリカ人にとってそれは「オー・ワンダフル」「オー・ビューティフル」と眺める対象に過ぎません。そこに儚い人生を投影しつつ美しさに感激してそこに止まる暇人はいないのです。

私の父は海軍中佐だった祖父がいた広島県呉市から原爆投下後、爆心地へ入って被曝した。「来年まで生きられない命だよ」と医者から宣告されて春を向かえた。父は咲いている桜をじーと見ていた。きっといつも見る同じ桜だがすべてが違って見えたのだろう。父にとっての最後になる花見は格別な思いだったのだと思います。

原爆が投下してから71年たった時に、米国のオバマ元大統領が広島で被曝者と抱き合う姿を父が生きて目の当たりしていたらどう思ったことでしょう。父は幼少の頃から石原莞爾将軍の身の回りの世話をして将軍をこよなく愛していた。ベットについた父は最期まで石原莞爾の生涯を語っていた、死の間際、父の心に去来したものは若き頃の石原莞爾将軍をリヤカーに乗せて東京裁判へ曳く姿だったかもしれません。

大寒の入り日になると、私の元に毎年、父から満開の桜の絵葉書が届きました。一瞬にして澄みわたるような、父が大好きだったあざやかな桜の花です。文章は短いもので、返事を書かなければならないような負担を感じさせない気配りがありました。だが、もうその葉書は来ないのです。今年は過去最高の猛暑が続き、冬だというのに桜が狂い咲きした。桜の時期になると父との思い出が今でも脳裏に鮮やかに蘇ります。

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