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『リッチマン , プアウーマン』コミュのリチプア続編妄想

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スペシャルも終わっちゃったにも関わらずリチプア病が深刻なみなさん!
どんどんこれからのリチプアを妄想してみんなでキュンキュンしちゃいましょう♪

コメント(711)

>>[671]
やた!続きだ!
いい子で正座して続きを待ってまーす♪
>>[671] 続き星楽しみに待ってますぴかぴか(新しい)
焦らずにお願いします〜顔(願)
>>[671]
ごめんなさい。
吹き出しちゃった(笑)
あたしも正座して待ってます(^w^)
『モトカレ』vol.8


「ん?」
「あ、山上さん、お疲れ様です」
「あれ?日向は?」
「あ〜。。日向は早退しましたよ」
「早退?!」
「はい(笑)」
「まぁ、今日は特に何もないしいいけど…日向が早退なんて初めてじゃないか?」
「初めてですね」
「何かあったのか?夏井さんと」
「夏井さんというよりは…まぁ、そうだな…夏井さんが原因っちゃ原因ですかね」
「ま、余計な口出しはない方が良さそうだ」
「ですね(笑)」


コンコン

「はい」
「あ、あの朝比奈さん」
「安岡くん、どうした?」
「あの…お客様が」
「客?そんな予定あったっけ?」
「それが…」

「どうも…」
「さ、佐藤さん?」
「すみません。アポも取らずに度々」
「あ、いえ…えっと日向なら…」
「あ、安岡さんから聞きました。早退されたって」
「そうですか…あの、日向に何か?」
「はい…その…」
「はい」
「…夏井真琴さんのことで」
「な、夏井さん…ですか…」









「…はぁ〜」


どうしよう。

全然集中できない。


全然仕事はかどらないし。


帰ってなんて話そう。


話す前に怒鳴られるんだろうなぁ…


何で佐藤くんと一緒にいたんだ〜!!!!って…




「はぁ〜」










つづく。




※ちょこちょこアップで申し訳ありませんm(_ _)m
>>[675] いいのですムード
そのちょこっとペースぴかぴか(新しい)☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
マイペースで書いてくださいぴかぴか(新しい)無理な時は無理exclamationで。いいのですムード
『モトカレ』vol.9


「佐藤さん……場所変えましょうか」
「すみません」
「じゃぁ山上さん、ちょっと出てきます。安岡くん、あとよろしく」
「はい!」



***************

「何を話せばいいのかな?」
「あの……」
「大丈夫。日向には言わないから」
「はぁ。。」
「仕事の話なら日向も呼ぶけど、確か、夏井さんなんだよね?話って」
「はい。」
「僕の知ってる範囲なら答えるよ」
「あの……彼女……真琴が日向社長の恋人っていうのは……本当なんですか?」
「ホントだよ」
「……」
「何で嘘だと?」
「いや……」
「日向には合わない?」
「……そんな気が。性格っていうか、考え方とか、その……合うとこ少ないんじゃないかって……っていうか、真琴が日向社長みたいた人となんて……」
「想像つかない?」
「……はい」
「佐藤さんは、夏井さんのこと、よく知ってるの? 」
「よくって程じゃないけど……学生時代付き合ってたから少しは……」
「ふぅ〜ん、そっか。」
「あの……うまくいってるんですか?」
「日向と夏井さん?」
「はい」
「びっくりするくらい」
「やっぱり……」
「うまくいってるよ」
「……え?」
「うまくって表現が違うな……日向徹には夏井真琴。そんな感じかな」
「……それってどういう……」




日向徹には夏井真琴しか、いない。


確か、いつか俺が夏井さんに言ったんだっけな……笑



「朝比奈さん?」
「あ、ごめんごめん、ちょっと思い出し笑い……ちょっと電話いいかな」
「あ、はい……」


「……あ、もしもし宮前くん?今日、ノーリターンに変更。山上さんにも伝えておいて、はい、じゃ」




「ごめんね、お待たせ」
「仕事……」
「佐藤くんは?」
「あ、僕は今日はもう社には……」
「僕も、だから食事でもしながら話そうか 」
「……はい」





つづく。





>>[672]

のんびり寝転がって待ってて下さい🙆
お菓子パリポリしながら😋笑

ちょこっと日向氏は登場しないから😁
>>[673]
いつもコメントありがとうございます🙌
お言葉にあまえてのんびり更新します😊
>>[674]

正座なんて🙉
寝転がってのんびり待ってて下さい😁
おもしろくなってるのか、書いてる本人全くわかんないけど、読んでもらえてうれしいです😊
>>[677]
うっふっふvv
佐藤くんたら、元カノへの未練かやきもちか。
逃がした魚は大きいって言うしね〜♪

続きを楽しみにしていますハート
>>[677]
最近忙しくてここに来てなかったらかなりアップされていてまとめてバァーっと読みまくっちゃいました!!
いーなーやきもち(〃艸〃)
いーなーまことちゃん❤️
>>[683]
次は、朝比奈さんが日向徹・夏井真琴について語ります!!笑

佐藤くんが知らない真琴ちゃん。
佐藤くんにはまだ理解できない日向徹。

何故か、奪い合いとかにもってけない、私……orz
>>[684]
たまに来てまとめ読みがいいと思います!

ちょこっとアップだから(^_^;)笑
このあともよろしくお願いします(*´-`)
『モトカレ』vol.10


「夏井さんはさ」
「え?」
「夏井さん」
「はい…」
「付き合ってる時はどんなだったの?」
「あ、そうですね……一緒に学級委員してて……真面目っていうか、でもちょっと抜けてて……」
「うんうん(笑)」
「朝比奈さん?」
「あぁ、ごめんごめん、で?」
「なんていうか……とにかく、日向社長のような人には合いそうにない感じでした」
「ふぅ〜ん、で、佐藤くんには合ってたんだ?」
「……それは……」
「結果別れたなら合ってたってわけじゃないんだ」
「まぁ……そうなりますが……」
「それなら日向徹だってそうだよ」
「え?」
「徹も、夏井さんには……合わないと俺は思ってた」
「……」
「徹はさ、モノの言い方から態度から全てにおいて対人向けしないヤツでね、今よりそりゃぁ酷かったんだ」
「はぁ……」
「頭なんてまず下げない。意見なんて耳も傾けない。信じられるのは自分だけ。ま、簡単に説明すると、こんな感じかな」
「……はぁ……」
「だから、誰も徹には逆らわなかった。っていうか、逆らえなかった。」
「…………」
「でも、夏井さんは、違ったんだ」


そう。

彼女は、真っ直ぐに徹と向き合ってた。


「夏井さんが、日向徹を変えた」
「……変えた……」
「そう。人間らしくね」
「……」
「何度徹にどなられても、おっきな目に涙浮かべて反論してみたり、かと思えば、徹にいい事があると空にでも飛び立ちそうに嬉しそうにスキップしたり……とにかく見てて飽きなかったよ」

「真琴……が日向社長に反論……」
「想像できないよね、あの感じからは普通。ところが、だ。みんなが言えないことを意図も簡単に言う。何の躊躇もなく。それが……結果、徹の心を動かしたんだ」
「…………」
「誰かの為に働く楽しさも、苦労も……自分の存在も……徹の抱える闇に光が差した。夏井さんは、光そのものだったんだ。」


眩しすぎて、僕は目をそらしてしまったけどね……




「……真琴は……」
「ん?」
「真琴は、幸せなんですね……」
「そう見えない?」
「……見えました」
「今朝、再会した時に、もうわかってたんだろ?佐藤くんも」
「……はい……」
「徹、怒ってただろ?」
「あ、はい…」
「あれは、ただのヤキモチだよ」
「ヤキモチ?」
「そ。昨夜ね、夏井さんから佐藤くんがモトカレだってたまたま話を聞かされてたみたいなんだ。それで多分夏井さんに会わせたくなかったんじゃないかな〜」
「そんな、僕と会ったくらいで……別に何かあるわけじゃないし」
「そーなんだよ、そう言っても聞かないんだよ、あいつはさ(笑)」
「はぁ……」
「夏井さんに会うまで、あんな徹は見たことなかったよ。人は変われば変わるもんだよ」
「そう……みたいですね(笑)」
「さ、これた食べたら帰ろうかな」
「はい。朝比奈さん、ありがとうございました」
「いえいえ。大丈夫?」
「はい。これからも、よろしくお願いします。仕事仲間として」
「こちらこそ、日向共々、よろしく」





つづく。

『モトカレ』vol.11


仕事を始めてから、初めて、早退した。

この僕が。
寄りによってあいつのことで……


「……くそ……」

で、だ。

気づいたら家に帰ってた。

あいが帰ってきたら何て切り出す?

落ち着け、落ち着け。

まだ、浮気したわけじゃないんだから……
でも佐藤がその気だったら……

「あーーー!もぅ……」


ブーンブーンブーン……

「……朝比奈……はい、もしもし」
「お、徹か?早退して、今どこにいるんだ?」
「別に。家だが。」
「なんだ(笑)夏井さんの会社にでも行ったのかと思ってたんだが、違ったか」
「……お前、面白がってないか?」
「面白いさ」
「お前な……」
「佐藤くんと少し話したんだ、ついさっきな」
「あいつと?朝比奈が?」
「お前が帰ってからまた訪ねてきたんだ。だからちょこっと話を、ね。」
「……あいつ、何か言ってたのか?真琴のこと」
「う〜ん、言ってたけど、お前とのこと話したら納得してたよ。徹、気にすることないよ」
「……けど、あいつは……真琴は……」
「夏井さんがバスで会社に行くって言うのを自分が車で送るからって乗せたんだってさ」
「……」
「夏井さんは、いいって断ったけど、って言ってた。久しぶりの再会で懐かしい話したかっただけだって」
「……佐藤が?」
「そ。だから夏井さんは何も悪くない。まだ夏井さんには会ってないんだろ?」
「あぁ……」
「本当に世話がやけるよ、相変わらず」
「……朝比奈……」
「あ、それと、佐藤くんから伝言だ」
「ん?」
「仕事は仕事、これからもよろしくお願いします。真琴のこと、幸せにしてやって下さい、だってさ」
「……佐藤のやつ……僕を誰だと思ってるんだ……ったく」
「じゃ、ちゃんと伝えたからな」
「あ、おい朝比奈……」

ツーツーツーツー……

「切れた……」



ガチャ……
「……ん?……た、ただいま……」
「……お帰り」
「な、なんで徹さ……し、仕事は??え?え?」
「今日は早く終わったんだ。僕が僕の家にいて何か文句あるのか?」
「な、ないけど……えっと……」
「真琴」
「は、はい……」
「も、も、元カレのことたが」
「はい……あ、あの、昼間のあれはたまたま車に……」
「わかってる。久しぶりの再会で、あれだ、その〜昔話してたんだろ」
「……う、うん……」
「僕を誰だと思ってる。そんな小さいこと、気にしてない」
「徹さん……」
「……腹へった」
「わ、私もお腹すきました。何か作りましょうかね」
「いや……」
「え?」
「……たまにはデートするか」
「そうですね……って、えぇ〜?!」
「声がデカイ……」
「だ、だ、だってデートなんて……」
「最近忙しくてゆっくり話せてなかっただろ……」
「徹、ありがとう」
「……いいから、ほら、さっさと着替えてこい」
「はい!」



元カレがなんだ。

僕は今、真琴の隣にいる。

ただ、それだけでいい。

それだけで。



「真琴〜早くしろ」
「待って〜服が決まらない〜(>_<)」







おわり。


素直に元カレについて聞けない日向さんと誤解されたくなくて途方にくれちゃう真琴ちゃん。思いっきり堪能させていただきました揺れるハート。朝比奈参謀がいい仕事してますね〜。お互いがとても大事なだけに、ついためらってしまうあれこれ。相手が大切であればあるほど、そのためらいは強くなります。
日向さんにとってはきっと初恋の真琴ちゃん。
日向さんの迷いや不安が真琴ちゃんをどれだけ思っているかを物語っていて、とてもいとおしくなりました。素敵なお話をありがとうございます。次のお話も待ってますね。
>>[690]
いつも、私の伝えたい想いを読み取ってくれて、本当にありがとうございます(>_<)

文章苦手で、ずっと会話が多くて……
とむさんにナレーション頼みたいです!笑

>>[691]
セリフのやりとりもドラマみたいでいいなぁ。と楽しませてもらってます。まことちゃんと日向さんのやりとりが目に浮かびます!いつも、新作ありがとうございます!
>>[692]

コメントありがとうございますm(__)m

真琴と日向氏なら、こんな感じで話すかなぁって想像しながら書いているので、そんな風に言って頂けるとうれしいです(>_<)

また、新しいお話書きますので、その時はよろしくお願いします(*´ー`*)
『小さな恋の物語』vol.1



「……え?!明日?そりゃ休みだけど……うん、一応秋休みっていうか……いや、でもそんないきなり……ね、ちょっとッ……」


なんてことだ……

明日から私は待ちに待った秋休み!
というのも、ここ数ヶ所、ほぼ休みという休みはろくになくて、研究所に通いっぱなしだったんです。
でも、一段落して2週間の秋休み。


久しぶりに徹さんとゆっくり出来ると思ってたのに。


田舎の兄から連絡が。

あ、実は兄、去年結婚したんですよ。
で、子供が1人。
相手の方は子持ちのバツイチ……
でもとってもいい方で私も両親も仲良し。

それで、兄からのお願い。

1週間子供を預かって欲しいって……


1年がかりてお金を貯めて、新婚旅行へ行くそうで。
なら、実家に預けたら?

それが。
あの暇ひまだった民宿が、兄が結婚してから大繁盛らしく。
未だに信じられないのですが、そうらしく。
孫を見る余裕がないとかで……。


「どうしよう……徹さんに何て説明すればいいの……」










と、こんな感じで次のお話スタートします。

とぼとぼアップになりますが、よろしくお願いしますm(__)m
『小さな恋の物語』vol.2




「……なぁ」
「……」
「おい、徹」
「……」
「と〜る〜!」
「あ?!な、なんだ?」
「なんだじゃない、さっきからずっと呼んでるんだ」
「すまん……ちょっと考え事を……」
「夏井さんだろ?」
「僕が考え事と言えばいつもあいつの事だと決めつけないでくれ」
「違うのか?」
「……いや、違わない……が、」
「弁解はいいよ(笑)で?」
「……あいつ、明日から2週間まるっと休みなんだ。僕も久しぶりに数日休めそうだし、どこかに出かけるならどこがいいか考えてたんだ」
「珍しく早めに仕事も片付いたしな。夏井さんと決めれば簡単だろ」
「あいつは決断力にかけるからダメだ。いつまで経っても決まらないよ」
「あ〜、何となくわかるよ(笑)」
「家に帰ってゆっくり考えるさ。朝比奈にばかり頼ってられないからな」
「それはそれは、ご苦労なことで(笑)ま、悩むんだな(笑)お疲れ〜」
「……ったく、お疲れ。さて、僕も帰るとしよう」








「どうしよう……何て言おう……っていうか何て言ったら怒られないかなぁ……」


ブーンブーン
新着メール
『今から会社を出る』


「あ〜……帰ってきちゃう。。どうしよ……」












「ただいま」
「おかえりなさい!」
「……何なんだ、その妙に高いテンションは」
「べ、別に普通ですよ?徹さん疲れてるかな〜と思って元気にお迎えしただけですよ」
「そうか」


どうする真琴。
どうやって説明する?
笑って?
真顔で?

どうしよう……



「……い……おい」
「あ、は、はい?」
「何なんださっきからボーっとして」
「いや……そのぉ〜徹さんは……こ、こ、子供す、好きですか?」
「子供?別に。好きでも嫌いでもない」
「はぁ……ですよね……」
「子供がどうかしたのか」
「あの……じ、実は……明日からここに子供が1人増えますがいいでしょうか……」
「……は?」
「じ、実は兄夫婦が明日から遅ればせながら新婚旅行に旅立つわけです。でも実家では子どもが預かれないので頼まれまして……」
「……ちょっと待て」
「は、はい……?」
「お兄さんが結婚したのは聞いている。が、子供が生まれたなんて聞いてないぞ」
「それは、その、子供はお嫁さんの連れ子でして……」
「……そうか……なら、実家が預かれないのは何故だ?言ったら悪いがあんな暇そうな民宿なら預かり放題だろ」


やっぱ、そうきますよね……



「そ、それが、兄が結婚してからあの民宿繁盛してるらしくてテンヤワンヤしてるんです……」
「ま、まさか……あの民宿だぞ?観光スポットが特にあるわけもなく、僕が行った時には人っこ1人いなかっあのド田舎のお前の実家が大繁盛?」
「そ、そこまで言わなくても……」
「事実だ」
「……でも、今はそうなんだから仕方ないじゃないですか……明日から来ちゃうし……」
「おい、ちょっと待て」
「はッ…………!」
「明日来るのか?もう決まってるのか?」
「いや……断ろうとしたけど電話切れちゃって……明日新幹線で10時に……」
「……お前……」



僕が今朝から一生懸命明日からお前とどう過ごすか考えてたと言うのに。
子供預かるとは……


「ご、ごめんなさい!わ、私が責任持ってお世話しますから、徹さんには極力迷惑かけないようにします!それに1週間だけですから!残りの休みは徹さんと二人で過ごせますから、ね?」

「……ちょっと待て」
「はい?」
「1週間?」
「はい、明日から1週間です」
「…………」
「と、徹さん?」
「……寝る」
「え?あ、え?徹さん?」








1週間……
1週間も……

「……ったく……」


子供がいるってことは、だ。

二人きりじゃないってことだ。


……………………。


「……はぁ……1週間……長いな……」








つづく。








『小さな恋の物語』vol.3


「……徹さん?……いってきます……お昼には連れて戻りますから、帰ったら食事作ります……じゃ……」
「………………」
「……いきますね……」


はぁ〜

やっぱり怒ってるのかなぁ……
勝手に決めちゃったから無理もないけど……
っていうか、半ば無理矢理だったから私のせいじゃ…


でも……
子供の面倒なんて、大変だよね、やっぱり……
私、子供産んだことないし、知り合いにもいないし……

「……どんなんだろうなぁ……」


「お〜い、真琴〜!」
「あ、お兄ちゃん」
「待たせて悪かったな」
「そんなに待ってないよ、あ、お義姉さん、こんにちは」
「こんにちは、真琴ちゃんごめんね!変なこと頼んじゃって!んもう、迷惑だから一緒に旅行に連れてこって言っんだけど二人じゃなきゃ新婚旅行じゃない!って……」
「おい、それは……」
「お兄ちゃん〜?話が違うんだけど〜?」
「ま、まぁいいじゃないか、な?な?」
「も〜…………ん?」
「………………」
「こら、光太、おねぇちゃんの洋服引っ張らないの!」
「あ、いいですよ、光太くん、こんにちは」
「こんにちは、夏井光太です。5歳です」
「夏井真琴です。よろしくね」
「うん」
「真琴、じゃぁ、光太頼むな!」
「真琴ちゃん、よろしくお願いします。光太、いい子にしてるんだよ?」
「はい、ママ、パパ」
「光太くんはお任せくださいな」
「じゃ、行ってくる」
「はい、じゃ光太くん、一緒に、バイバ〜イって」
「バイバ〜イ」




「さて。」
「さて?」
「さて!行こうか、光太くん」
「僕、お腹すいた」
「よし、じゃぁ、帰ったらお昼ご飯作るから一緒に食べようか?」
「うん!」
「よし、じゃ行こ」



******************


どんなヤツが来るんだ……?

子供なんて……

成人女子と暮らすのも大変なのなのに、子供って…





「ただいま〜」
「……お、お……」
「……徹さん、ただいま」
「お、おぅ……」
「あ、紹介します、夏井光太くんです」
「夏井光太です。5歳です。」
「あ、あぁ……」
「お兄ちゃんは?」
「あ?」
「お名前は?」
「な、名前は……日向徹……です」
「徹、よろしく」
「な!……と、と」
「徹さん……子供ですから……ね?(^_^;)」
「……よ、よろしくな」
「真琴、僕お腹すいた!」


な!
な!!
ま、真琴だと?!
5歳が呼び捨て?!

僕はそう呼ぶのに大した時間を要したというのに……


「じゃ〜何食べたい?」
「オムライス!」
「え?」
「僕オムライス大好きなんだ。徹は?」
「と、と、と」
「徹さん……(^_^;)」
「……僕も……オムライスが好物だ……」
「じゃぁ、真琴、オムライスで決まりだね!」
「はいはい、じゃ、オムライス作るから待ってて……」
「これナニ〜?」
「バ、バカ!それはタブレットだ、仕事に使うんだ、こら、かせって!」
「僕も見たい〜」
「こら、待てって〜」


ドタバタドタバタ……



「……子供が……二人…………に見える……」









つづく。



『小さな恋の物語』vol.4


僕は。
子供は苦手だ。

何考えてるかわからんし、タメ口だし。
この僕に対して名前を呼び捨てにするなど10年早い。

しかしだ。

ここは真琴に免じて我慢している。

我慢……


この僕か我慢。

人は変われば変わるものだな。




「……る、……る、とおるってば!」
「あ、な、なんだ」
「オセロ、徹の番だよ!」
「あ〜ごめんごめん」
「もう、さっきから呼んでるのに何ボーっとしてんだ」
「うるさいな、ちゃんとやるからごちゃごちゃ言うな」
「ボーっとしてたくせに」
「お前……」
「真琴〜喉乾いた」
「……また呼び捨てにしやがった……」

「はい、オレンジジュース」
「ありがと真琴」
「いいえ、徹さんも飲む?」
「僕はいい」
「あ、そう……」
「そろそろ風呂に入る」
「あ、じゃお湯ためますね」
「真琴、僕と一緒に入ろうよ」




今、なんて?
なんて言ったんだ?

「いいよ〜」
「わ〜い!僕おもちゃ持ってくる」
「お湯入れてくるから待っててね」


「おい!」
「はい?」
「ちょっとこい!」
「え?あ、ちょっと」
「光太、ちょっと待ってろ」
「うん」


「徹さん?お風呂場に来たならお湯入れなきゃ」
「いや、そうじゃなくて!」
「はい?」
「お前、入るのか?」
「入りますよ、それが何か?」
「ちょっと待て、光太はお前と一緒にと言ってるんだぞ?」
「知ってますよ。だから一緒に入りますよ?」
「一緒って……」
「何か?」
「何かって………………だ……」
「はい?」
「……ダメだ」
「え?」
「ダメだー!!! 」
「え?!ちょっ、ちょっと徹さん?!」



「光太!」
「なに?」
「風呂は僕と一緒に入るぞ」
「え?僕は真琴と」
「いいや、僕と入ろう、な!男と男の裸の付き合いだ、いいな!」
「……はぁい……」

「ちょっと徹さ……」
「いいな、光太は僕と一緒に風呂に入る!」
「あ、は、はい……わ、わかりました……」



何が一緒に風呂に入るだ。


この僕でさえ一緒に入ったことがないのに。


あいつもあいつだ、全く。



「……あの……徹さん……」
「なんだ」
「お風呂入りましたけど……ホントに大丈夫?」
「大丈夫だ、僕を何だと思ってる。子供を風呂に入れるくらい、朝飯前だ。いくぞ、光太」
「うん、わ〜い、お風呂♪」
「では、ごゆっくり……」
「あぁ」




パタン……





「……大丈夫かなぁ……徹さん……」







つづく。
『小さな恋の物語』vol.5



いっしょになんて入るんじゃなかった……


「あ"〜〜……」
「徹さん、大丈夫……?はい、これ、水」
「真琴、僕も喉乾いた〜」
「あ、そうだね、じゃぁこれ、オレンジ」
「わ〜い」

「…………」


このクソガキめ……
こっちはのぼせて気持ち悪いってのに
また真琴のこと呼び捨てに……

「徹さん、冷えピタ貼る?」
「大丈夫だ、じっとしてればそのうち……」
「徹〜、オセロの続きしよ〜」
「……はぁ……」
「あ、オセロの相手は私がやるから、徹さんはゆっくり休んで、ね?」
「い〜や、僕がやる」


この戦い。
負けるわけにはいかない。


「……あの〜……」


「あ!バカお前、そこは!」
「僕の勝ちだも〜ん!」
「クソ〜……もう一回だ!」


「……じゃ、私はお風呂に……」



*******************



「やっぱりまた僕の勝ち〜」
「何故だ……何故勝てない……」
「ねぇ徹、僕もう眠いよ……」
「なら……続きは明日だな。」
「僕、どこで寝るの?」


そういえば……どこに寝かせるつもりなんだ?


「僕、ここ〜」
「な、バカ、ここは僕が寝るベッドだ」
「真琴は?真琴はいつもどこで寝てるの?」
「ここだ」
「……徹と一緒?」
「そうだ。何か文句あるか」
「……何で徹と真琴は一緒に住んでるの?恋人なの?」
「……何でって……」



恋人同士だからだ。か?
付き合ってるからだ。か?

いや、それじゃ同じか……

「何してるの、二人して」
「真琴、僕どこで寝るの?」
「あ〜……光太くんは、このベッドだよ」
「な!!」
「光太くん、このベッドで徹さんと一緒に寝てくれる?」
「真琴はどこに寝るの?」
「そ、そうだ、お前は……」
「私はこれ、ありますから」


そ、それはいつぞやの……


「何、それ?」
「これは、寝袋よ。すっごくあったかいんだから」
「ちょっと待て」
「はい?」
「真琴、ちょっと来い」
「え?あ、ちょっと」


「何で寝袋なんだよ」
「だって……光太くん寝せるお布団ないし、寝る場所寝室しかないでしょ?光太くんに寝袋なんてかわいそうだし」
「だからって……」
「徹さんはちょっと眠りにくいかもしれないけど、光太くん私より小さいし、場所取らないから我慢して下さい、ね?」

「……僕が……」
「え?」
「僕が寝返りしなきゃ、3人で寝られる」
「……どこに?」
「ベッドにだ」
「……川の字……的な?」
「……か、川の字……的な……」
「……光太くんに聞いてみます……」

「光太く……」
「どうした?」
「シー、光太くん寝てる……」
「……コイツ……」
「川の字じゃなくて、大の字的な?笑」
「これじゃ寝るスペースないな……」
「ですね……笑」


「お前はソファに寝ろ、僕は床で寝る」
「ダメです、風邪引きますから」
「……じゃぁ……」
「……久しぶりにお酒でも飲もうかな♪」
「……酔って絡むなよ」
「絡みませんよ〜、徹さんも飲みましょ、せっかくの休みなんだから」
「ったく……」


久しぶりに、ちょっと昔に戻ったような気がした。

ソファと床に座って酒を飲む。
最近お互いずっと忙しくて。
こんなことしなくなってたからな。

久しぶりに、酔った真琴とソファで朝まで眠るのも、悪くない、な。






つづく。





昨日まで風邪で発熱していたとむです。ありがちな風邪っぴき話ですが、日向夏さんのお話の合間にどうぞ。↓
『ぬくもりがすべて』


いつもなら。
ほんとうに五月蝿いだけの女なんだけど。

◇ ◇ ◇ ◇

ようやく部屋に戻り、持っていたカバンを放り投げてリビングのソファに腰掛けると、部屋の奥から血相を変えた真琴が駆け寄ってきてその額をこちらに押し当てた。
金曜の深夜の23時。
どうやらこの五月蝿い女はもうすでに、僕が通常の状態ではないことを知っていたらしい。

「…徹。徹?え?ちょちょちょ、ちょっと大丈夫?!やだ、何コレ。なになに、徹ったら、もの凄く熱い!」
耳元から後頭部にダイレクトに響く声に、思わず眉間の皺が寄る。
「………暗示になるから繰り返すな。余計に頭が痛くなる」
「朝比奈さんから連絡もらったの。…風邪?!徹、体温計で熱測った?!」
「測らない。そんな暇はない」
「バカ!そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。会社中に風邪を蔓延させるつもり?!」
そう言いながら、真琴は僕のコートをひっぺがし、さらには着ていたスーツを脱がしにかかる。
そして、クローゼットの中から出してきたスエットを広げては僕の膝の上にぽすりと置き、さらには既に用意していたのだろう体温計を僕の腋の下に入れては時計をちらりと見た。
「…案外スケベだな、お前…」
「なに言ってんの、もお。ちゃんと服脱いで着替えてベッドに行かないと。いいから早くコレ着て」
「………めんどくさい」
「バカ!もういい大人なんだから、さっさとやりなさい」
ピピピと耳障りな電子音が響き、すばやくそれを脇の下から抜き取ると「げ…。40度もある」と真琴は小さく呟いた。
「…暗示にかけるなと言っている」
ぐたりとしながら呟くと、
「暗示もなにも、もう十分熱出てるじゃない」
呆れ声で返って来たその声は、先ほどより幾分柔らかいトーンに変わっている。
真琴が出してきたスエットに着替え、ベッドに体を埋めるとずきずきと体中の節々が痛みを訴えてきた。
思わず小さなうめき声が漏れる。
その横で真琴は着ていたパジャマの上からコートを着込み、「取り合えず、解熱剤を買ってくるから」と言って玄関に向かおうとするが。
「………真琴」
思わず、この真夜中に外へ出ようとする真琴を引き止めた。
「ん?」
「…行くな」
「大丈夫だよ。隣のドラックストアに行くだけだから」
ちょっと行って来るね。
笑ってそう言う真琴を、さらに引き止めるように力を込める。
「行くな」

…らしくもない。
心細いなんて言うと情けないが、そうじゃないと言うのも嘘になる。
一人にされるのが何故だか怖かった。ずっと昔、母親に置き去りにされたことなんてとっくに忘却の彼方に消え去ってるはずだし、真琴は僕を置いてきぼりにはしないと分かりきってはいたが。
…熱に浮かされているせいか、どうもセンチメンタルになっているようだ。

ぼうっとした頭の中で繰り返す。
薬なんかどうでもいい。
今は数秒でも離れていたくない。
薬なんかより、そんなものよりずっと。

−−−すると。

不意にベッドの中に温かいぬくもりが遠慮がちに入ってきた。
それはそのまま、傍らに横になると僕の髪を優しく撫でてくる。
「…徹」
「なんだ」
「どうしたの?」
「別に」
「あれ?もしかして徹、甘えてるんだー。うわー。えー?んふふ、珍しい〜」
小さく笑う声と自分よりも低い体温と甘い香りに包みこまれた瞬間、緊張の糸が切れたかのように体の力がふっと抜けた。
「…いいから、ここにいろ」
そう言うと、真琴はまた可笑しそうに笑った。

お前、やっぱり五月蝿いぞ。

そう言ってやろうかとも思ったが、もういろいろ考えるのが面倒で、僕は重たくなった瞼をゆっくりと下ろすことにした。
横たえた体は真琴の体に少しだけ冷やされて、心持ち呼吸が楽になる。
ベッドに体が沈むような感覚を覚えて、真琴の身体をもう一度抱き寄せた後、僕は静かに眠りに就いた。
それこそ朝まで、一度も目覚めることなく。



薬なんかいらない。
そんなものより、なによりも。

お前のぬくもりがすべてなんだとは、−−−口が裂けても言わないけど。
久しぶりにお話を。ちょっとだけ長いので続きは宜しければホームにてご覧ください。

『25時間365日』


それは、全くの偶然だったが。

取引先からの帰り道、乗っていた車の前を真琴と見知らぬ男がにこやかに話しながら歩いている場面に遭遇した。
真琴は横断歩道前に停車した車の日向に気づく様子もなく、相変わらずのオーバーアクションで楽しげに目の前をにぎやかに歩いていく。相手は同僚の男だろうか、真琴から少しも目を逸らさず、それでいて何気なさを装いつつも真琴を意識した笑みを浮かべては頷いている。
日向はしばらくその二人の様子に気をとられ、信号が青になっても後続車からクラクションを鳴らされるまで、固まった姿勢のまま動くことができなかった。

頭痛に似た眩暈に襲われながら、―――息をするのも忘れるほどに。

恋人同士になる前から夏井真琴に振り回されていたという自覚はある。
なにせ真琴ときたら異性からの視線には全くの無頓着で。
その愛らしさやひたむきさを好ましいと思う人間は自分以外にもいるだろうに、就職活動完敗という輝ける実績のためか、己に課す自己評価は呆れるほど低かった。まさか自分が異性に好かれることがあるなどと、これっぽっちも思っていない節すらある。
…尤もそう思わせるに至った原因には、自分の過去の言動が多分に含まれていることを日向は知っている。出会った当時、真琴に対して「バカ」とか「役立たず」とか「能無し」とかの言いたい放題だったのは間違いなく日向自身だ。当時、周りの人間への日向の言動について、きゃんきゃんといきり立ちながら歯向かってきた真琴に罵詈雑言を浴びせていたのは、好きな子ほどいじめたくなると思う小学生男子の心理にとても似ていた。相手に言いたい放題やりすぎて泣かせてしまうものの、それもこれも全ては自分をもっと見て欲しいという甘えの裏返し。その証拠に日向は真琴とのすったもんだを不快に感じたことなどなかったし、むしろ、もっと言い合っていたいとすら思っていた。
しかし、当時はまさか後になってこんな苦労をするとは夢にも思ってない。
もっとそこそこに手加減すべきだったと、今更ながらに日向はとても後悔している。
お陰で、恋人になった今でも日向は真琴に余計な心配をかけられっぱなしだ。
本当ならせっかく出くわしたのだから、クラクションでも鳴らして声をかければよかったのに、こっそり観察してしまったのは長年培ってきた意地っ張りの習性が抜けきっていない。
そんなことはあるはずがないとは思いつつ、男に向けられていた真琴の笑顔を思い出すだけで気分が悪くなり。
眉間に皺を寄せて会社に戻り社長室に入ると、朝比奈からは「お前、何を拗ねてんだ」と軽く頭を小突かれた。

日向にとって真琴は最強だ。
日向にとっての最優先事項がNIの経営であることは疑いようのない事実だが、それでも彼の意識の奥の奥――無意識の意識の奥の方に365日、常に真琴は存在している。
ヘヴィな仕事の最中でも、忙しく部下達に発破をかけている時も、とんでもないトラブルの真っ最中であろうとも、日向が意識する、しないに関わらず彼は真琴を意識している。
一日中、24時間、起きていても眠っていても、日向の意識の下には彼女が陣取っていて、なにかのきっかけでそれは嵐のように日向を翻弄する。

今、目の前にいる夏井真琴は、至っていつも通りの態度でこの店一押しのチョコレートケーキを食べている。仕事帰りに耀子の店で待ち合わせをして、二人でその日にあった出来事を報告しあうのが最近の二人の日課だ。
コーヒーを飲みながら真琴の様子を伺うようにしている日向を尻目に、客が引き始めて暇ができた耀子を相手に真琴はケラケラと笑いかけては話し込む。耀子との話に夢中になって、全然目の前の日向に意識が向いていないのがムカつくが、今日向にとっての最重要事項は、そんなことではない。
真琴にあいつは誰だ?と聞きたいのに、日向は無言のままコーヒーを飲む。
まったくバカみたいな話だが、自分は真琴に関してだけはデリケートで傷つきやすいらしい(もといチキンである)ことを、こういう時に思い知る。
『小さな恋の物語』vol.6


「それでお前はどうしたんだ?」
「……」
「おい、ま……」
「……」

ほらな。
やっぱり。
酒を飲みながら必ず寝る。

「相変わらずだな……」

少し髪の毛が濡れたままで。
手に持ったグラスは今にも落ちそうで。
僕の左側にもたれかかって眠る。

「全く……」

僕は真琴の手から落ちそうな空っぽのグラスをそっと取ってテーブルに置く。

「……と…るさ……お腹…………いた……」
「お腹すいた?」
「……むにゃ…………」
「ったく、どんな夢見てるんだ」


こんな風に二人でいるのはいつぶりだ……?
昔はよくこうやって朝までソファに寝るか、僕が真琴を運んで一緒にそのまま寝たりしてたが……

お互いに仕事が忙しくなってからは酒もあまり飲まなくなったしな。

「……たまには悪くないな……」









「おはよー!!」

……………………。

「あれ?まことー、まことー、おはよ……う……」

「……ん?あ、あぁ、光太くん、おはよ……」
「まこと、ここで寝たの?」
「え?」
「……ん……はぁ、あ、おはよ」
「徹さん、お、おはようございま……」
「ねぇ、徹もここで寝たの?」
「……え…あぁ、まぁ、そうだな」
「え?!わ、わ、わ、私はまままたしても……」
「いつものことだ。久しぶりだったが驚くことじゃないだろ」
「だ、だって……徹さん……」
「床で寝ようかとも思ったが、お前が僕を枕かベッドだと思って寝てたから、動くのが面倒でそのまま寝たんだ」
「ご、ごめんなさい……」
「別にいい。慣れてる」
「ねえ!」
「ん?なに?」
「まことと徹は付き合ってるの?」
「え?!」
「だって、手を繋いで寝てたよ?」
「……えぇ?!」
「声がでかい……」
「だだだだだだ…って………」
「光太」
「なに?」
「付き合ってるか聞いたな」
「うん」
「そのとおりだ。僕と真琴は付き合ってる」
「と、徹さ……」
「まこと、ほんと?」
「は、はい……」
「じゃぁ、まことは徹と結婚するの?」
「け、け、結婚?!」
「だって幼稚園の先生が言ってたよ?付き合ってる人同士が結婚するって。だから僕のママだって結婚したんだよって」
「へぇ……」

幼稚園の先生って今時そんなこと教えるの……?!

「ねえ、徹はまことと結婚するの?まことは徹が好きなの?」


小声で話す。
「と、徹さ……」
「今時の幼稚園じゃそんなこと教えるのか?」
「わ、私もそう思ってたんですけど……どう答えるべきでしょうかね……」
「そりゃ……」

「僕、やだ!」
「え?」
「僕がまことと結婚するんだ!」

「ちょ、光太くん?!」

バタンッ!
「光太くん?!光太くん?!」

「よりによってトイレに立てこもりか……」
「スケルトンでよかった……」
「風呂もトイレも使えないな」
「様子が見えるから少しは…………え?」
「だから、光太が出てくるまで風呂もトイレも使えないそ」
「……全然会話噛み合ってないですよね、私達……」
「……しかし……」
「どうしましょう……」





つづく。



長らく放置してしまい申し訳ありませんでしたm(__)m
少しずつアップしますので、よろしくお願いします。
このあと、どんな展開がいいか、案がありましたらコメントお願いします(*´∇`*)


『夕暮れ5分前』

『―――お前、今何処だ』
『は、?』
『そろそろ帰りなのか』
『…は?え?!………だ、誰…。………え?!―――と、徹?!え?何?どどど、どーしたの?!』
『どーしたもこーしたも。―――昨日の夜、いくら連絡してもずっと僕の電話に出なかったのは何処の誰だ』
『え?!え、あ?!…あぁ〜〜〜?!き昨日?電話くれてた?!夕べ?!うあああ!!なんで!!』
『…なんで、だぁ〜〜?!僕達はいちいち用事がなければ電話などできない、そんな仲か』
『え?!だ、だだだだだって!徹だもん!あたしなら“声が聞きたいな〜”と思って電話しちゃうことがあるとしても、相手は徹だよ?!「この忙しいのに電話なんかしてくんな、馬鹿!」って切られることはあっても「OH、MAKOTO!MY SWEET、MY HONEY♪」なんて言われるわけないし』
『言うか。気持ちの悪い。―――夕べはなんだ。急な仕事だったのか』
『―――う、うん。急に調べて欲しいって頼まれて。残ってたのあたしだけだったから断れなくて。…結局徹夜で仕事して今帰るトコ』
『人が良いいのも考えものだな』
『う…。でもその分、ちゃあんとお手当て貰うし。今度、徹と会う時にはあたしが何か奢ってあげるから文句ないでしょ』
『それはそれは』
『…で、どうしたの?急に』
『あ?』
『だって…。NYはまだ朝方前でしょう?こんな時間に電話なんて。―――嬉しいけどなにか急な用事でもあったのかなって………、』
『いや別に。本当にこれと言って用はないけどな』
『…あと1週間だっけ、帰国まで。ちゃんと前みたいに連絡してよね。いきなり帰るって言われても、昨日みたいにうっかり仕事になっちゃって会えなくなるのはヤだから。…ちゃんと今回は休み取ってるし、到着時間には成田に行けるから』
『―――ああ。…その予定だったんだが』
『………』
『………』
『―――え?え、なに。…何かあった?…も、もしかして、帰るのがまた遅くなるとか?』
『、いや。…そうじゃない』
『え。まさかまた帰るの延期―――?!?!嘘でしょ?もうこれで何回目?!』
『そうじゃない』
『だって、前の時も予定の3日前くらいに急にメール寄越して帰れないって。せっかく耀子さんと用意してた鍋もおじゃんになったんだよ。今回は絶対絶対大丈夫って言ったのに!』
『だから、そうじゃないと言ってる』
『だって、わざわざ昨日何回も電話をしてきたってことは、そういうことでしょ。今だってそっちはまだ朝の4時前位のハズなのにこんなに急いで連絡寄越すなんて。どーせ、予定の変更に決まってる』
『―――まあ、変更は変更で間違いないが。ああとにかく、路上で珍妙な一人芝居はするな。ちょっとは落ち着け、恥ずかしい』
『ほら、やっぱり!――――――、は?』
『信号が変わるぞ。いいから取り合えずは足元のバックを持て。そして、さっさと信号を渡れ』
『え、え、え?え?!?!えとえとえとえと!!!ちょっと―――徹、今どこにいるの?!?!』
『―――だから、』


少しだけ含んだような笑い声と共に、対向車線の車道からパパッと点滅してくる車のヘッドライト。
耳に携帯をあてたまま、細めた目で慄くようにそちらを見れば、夕暮れの帳の向こうにはポルシェのボンネットに腰をひっかけては得意げな顔でこちらを見る日向がいる。


「………なんで?!出張は?!」

瞳を真ん丸と見開き、あんぐりと口を開けて突っ立っている真琴に向かい、黒いコートに身を包んだ日向は、余裕の笑みで右手で作ったピストルをこちらに向け「バン!」とジェスチャーする。

「なーにを酸欠の魚みたいな顔をしてる」
「………、な、な、な!」
「今夜は何を奢ってくれるってー?」
「バ…!バカ―――!!バカ徹!………もぉ〜〜〜〜!!!!」

あたふたと足元のバックを拾い上げ、携帯をその中に仕舞いこむと、真琴は一直線に日向に向かって駆け出した。


−−−信号はちかちかと点滅を始めていたが。
もうその頃真琴は、すっかり日向の腕の中。
日向の香りとぬくもりに包まれて。


春にはまだまだ遠い2月13日、−−−バレンタイン・イブの夕暮れのひとこま。
この日はこの冬、一番の冷え込みだったらしいが。




でも二人にとってはこの上なく、優しくてあたたかい一夜であった。
>>[704]
いいですねぇ。
読んでいて画像が頭に浮かんできますほっとした顔
またまた電車内でニヤニヤしてまする…
>>[705] お久しぶりです。いつも嬉しいコメントをくださってありがとうございます。今年に入って初めて書いたリチプアの短編です。季節柄、VDの話にしちゃいましたがこういうシチュは日向氏ならではですね。わたしは日向さんの「バン!」が大好きなので無理やりやっていただきましたが不自然じゃなかったですか。こんな俺様なことを仰ってますが、きっと会いたかったのは日向さんの方なんですよ、きっと。ホームでも短いお話を書いてますので、よかったら遊びに来てくださいね。コメントをくださってありがとうございます。また機会がありましたら宜しくお願いいたします。
大変お久しぶりです。約半年ぶりにリチプアのお話を書きました。結構長くなってしまったので、続きはホームに置いておきます。よろしければどうぞ。

『ふたりの時間』


(なんでこうなっちゃうかな…)
夏井真琴は小さく溜息をつくと、目の前でプリンを口に運んでいる日向徹をこっそり仰ぎ見る。



さっきまで出来立てホヤホヤのこのオフィスには、朝比奈耀子がいた。
兄である朝比奈恒介が日向に反旗を翻し彼のポジションを一瞬のうちにさらって以来、彼女はちょくちょくこの部屋にやってくる。
朝比奈が日向に行った背任行為を気にしてのことか、もともとあった日向への恋愛感情ありきのことか、この状況下ではどちらもありとは思うものの。耀子が自分に向けてくる、少しだけ挑発的な視線につい身を縮こませてしまうのは、自分の立ち位置が相変わらずあやふやなままだからだということを真琴はとうに分かっている。
今日耀子は、先程まで日向に持参してきた「自信作だから食べて」というカスタードプリンを嬉々とした顔で披露した。
「日向さんがプリンを好きっていうから、ちょっと気合を入れて作ってみたの。あんまり甘くしてもどうかと思って、自分なりに香りとか舌触りとかにこだわってみたつもり。ねえねえ、夏井さんもよかったら食べてみて。ちょっとバニラビーンズの香りが強すぎないかな。スイーツはあまり普段作らないから気合を入れて作ったんだけど、後で是非感想を聞かせてね」
そんな真っ直ぐな耀子の言葉を受けながら、いつものタイムセールのプリンとは違う、上品で甘い香りに真琴の腹の虫がタイムリーに鳴った。

ゲ…。

思わずその音に目を剥いた真琴の横で。

「…このところ、こんなことばかりしてくれるけど。―――耀子さん。何度も言うが、君が僕に気を遣う必要などまったくない。こんな風に僕のために君の時間を使うのは、もう止めてくれていい」
と溜息交じりに発した日向の声に、真琴は耀子に向かって視線を上げた。



『―――日向さんを巡るライバルだね』

いつだったか、そう笑って真琴に言いきった彼女が。
勝気そうな見かけによらず、本当は凛とした義理堅い女性であることは自分だって知っている。
こんな自分をライバルだと認めてくれた彼女は。
確かに真琴を差し置いて日向に何かをしかけるということをしなかった。
今日も日向メインで作ったはずの菓子にも関わらず、しっかり真琴の分も用意してくれる気遣いに、真琴は感謝すれども耀子を疎む気には絶対なれない。
多分、日向もそんな耀子の気質を十分に分かっていて。
朝比奈が日向に齎した最悪の出来事をもってしても、彼女への態度をそれまでと変えることは決してなかった。

―――むしろ。

耀子が振ってくるあらゆる会話に、日向は楽しげに答えているように見えて。
もともと日向はIT用語以外でもあらゆることを知っている博学だったが、耀子が振ってくる世界中の珍しい食材や料理の話にも何の衒いもなくついていっていた。
だからこの場合、二人の会話についていけないのは真琴一人だ。
二人に悪気がないことは重々承知で、二人ともそれぞれに辛い思いを抱えているということも、心の底から分かっているのだけど。
真琴は自分が蚊帳の外に置かれたような気がして、ほんの少しだけ悲しかった。
耀子が帰ってすぐに、「じゃあせっかくだから、ここでお前も食べるか」と言った日向に「―――ハイ」とだけ答え、たった一つ置かれたテーブルに向かい合うと真琴は無言のままプリンを食べ始める。

バニラの芳醇な香りが、少しだけ胸に痛かった。

耀子にしても総務庁の藤川にしても。
日向の周りにいる女性たちは、皆自立して自分の世界を持っている。
そんな彼女たちに日向は敬意をはらい、礼儀を尽くし、自分と対等の人間として楽しげな会話を交わす。
一方で。
社長解任の一件で無理やり押しかけてはきたものの、自分が日向の力になれているのかと言えば、思いっきり疑問だ。今だって向かい合ってプリンを食べてはいるものの、日向が自分に投げてくる言葉は「お前は馬鹿か」とか「うるさい」とかそんな無礼な言葉ばかりだ。
大変お久しぶりです。

『1224君へと帰る』ホームにUPしたクリスマス話です。


見事な雲海だった。
窓の外に見える飛行機の白銀の左翼の下に、オレンジ色の夕焼けに染まった雲海の波が見えている。
どこまでも続く雲の群れにこの果ては一体どこなんだと視線を飛ばすと、翼が伸びるずっと向こう、海原の水平線すれすれの雲間あたりに朱色に染まった夕陽が揺れているのが分かる。その反対側の雲間には既に輪郭を滲ませたように群青に染まった空があり、そのグラデーションの美しさといったら、超リアリスト日向徹であっても「見事だな」と思わずにはいられない。
ふと思い立って、ポケットに突っ込んであったスマートホンを取り出してシャッターを切る。
その美しい映像をファイルの中に納めた時、ちょうど着陸態勢に入るためのシートベルト着用を促す音が「ポン」と機内に鳴り響いた。

NYでの出張は滞りなく終了し、日向は今、帰国のために成田へと向かっている。
JFK空港から約半日をかけてのフライトは、眠ってしまえばあっという間なのだが、それでも長時間座りっぱなしの体勢はあちこちにきしきしという軋みを呼び、これから膨大な資料を朝比奈に渡すまでの行程を想像するだけでうんざりした心地になる。本来、取引先のお堅いCEOとの交渉は朝比奈担当だが、今回に限っては日本で展開しているPersonal Fileの詰めの折衝があったために日向と朝比奈で仲良く分担せざるを得なくなった。
「まぁ、しょうがない、な」
一人ごち、そのまま小さく息を吐くと日向はスマホのフォトファイルを捲りはじめた。

フォトファイルの中には普段仕事で使用する資料用ファイルの他に、「ガラクタ」と呼ばれるファイルがあり、その中にはプライベートで興味を惹かれた日常の雑多な写真が適当に詰め込まれている。今回のように海外出張の時などに自然、撮り溜めする格好になるのが常だが、ここ数ヶ月そのファイル数がやたら増えたような気がしてならない。
特に今回のNYでは、取引先の担当と一緒に入ったカフェの風景やポップな色使いの可愛らしいディスプレイとか、丁度クリスマスシーズンであることもあって、サンタやトナカイやツリーやらに街中が乗っ取られている様を商談の合間になんの気なしに撮った。
いつの間にか増えたフォトデータの占有率に、知らず溜息が出る。
「…さすがにいくらなんでも撮りすぎか」
撮影者が日向なので、日向が画像に入り込んでいることはない。写っているものはその地の風景であったり、日本ではあまりお目にかかれない珍しい品物とか、まあいろいろある。本当に気の向くまま風の吹くままに突っ込んだ画像ばかりだ。
ただ、それでもその時その時で日向自身がこれはいいとか美しいと思ったものなので、それはそれで結構面白い。
正直、以前はこれほど増えるとは思っていなかったから、そのうち朝比奈あたりに見つからないよう別の場所の移さなければならないとも密かに思ってはいる。

実際、今までも自分ひとりで長期に日本を離れた時、興味を惹かれたり珍しいなと思うものをその時々で見かけることはあったが、わざわざ写真に残そうとまでは思わなかった。
元々、単独行動の方が気楽だと思えてしまう気質でもあったし。
自分はそれらを誰かと共有したいとか、一人を寂しいとかつまらないと思う人間ではないことも自覚済みだった。
幼い時から過ごしてきた「ひとりきり」の暮らしは、それまでの日向の生活では至極当たり前のことで。当たり前だったからこそ、そんな日常の切れ端に目をくれる暇などないというのは当然だった。
身の回りのあれこれ、季節の移り変わりに気をとられること自体が時間の無駄。
無意味なことだし、そんな何の利益にもならないことに一切の興味がなかった。

「…んー………」

なのに。
天を仰ぐように伸びをして力を体の外に逃がした後、つくづく人生なんて不思議なものだと日向は窓の外に視線を移した。

飛行機は心持ち左に旋回をし、目的地へと向かって着々と高度を下げ始めている。

今回出来たフォトアルバムはNYの街中でウィンドーショッピングを楽しむ家族や、クリスマスプレゼントを真剣な顔で選んでいるNYの若いサラリーマンの姿で溢れている。
商談の合間にレンタカーを借りてドライブした湾岸の夕陽とか。
マンハッタンの高層ビルから見渡した澄み切ったばかりの青空とか。
いつもよりも早く目覚めてしまい、宿泊していたホテルのテラスで吐いた息が白い塊になってしまいそうな寒さの中、手の先の凍える感覚も一瞬遠のきそうな先に見えた硬質な朝日の放つ光の矢とか。
この出張中に撮影した諸々の時間の断片たちが、この中には宝物のように詰まっていた。
二人に子どもが出来るところが観たいexclamationぴかぴか(新しい)(*^o^)/\(^-^*)
流れる季節は春…。
 新社会人が期待と緊張でオフィス街を歩く季節。その中を小さな身体にスイカを入れて歩く人?嫌……、それは小さな身体の妊婦だった。

 彼女が目的のビルについたのは丁度ランチタイムが終わりかけで入り口にはオフィスに戻って行く人が多くいた。
彼女が寄ろうと思った1階のレストランもまだ人が居そうだったので少し考え、
ビルの前にある噴水の前に座りミネラルウォーターを飲み一息ついた。
 頭上から春の日差しが優しく照らし彼女は25階の辺りを見上げた。
 スマホを取り出しメールを打とうとした彼女の脳裏についさっき言われた言葉が……。
 
「ちょっとむくみがありますねぇ―。まぁ
 お仕事がら仕方ないでしょうけどもう少し歩きましょうか。出来たらご主人にも協力頂いて……。」
 
 産婦人科の定期検診で主治医に言われた言葉だった。
 
 「よーし。上がって見よう。無理なら途中からエレベーターに乗ればいいんだ!」

 と彼女はスマホをしまいビルの中に入って行く。その横を新人社員が慌ただしく通りすぎようとして彼女を追い越して行く。

 「やべぇ、公園でうたた寝してたら遅れた。
午後から社長のレクチャーだ、遅れたら…」

 と彼はエレベーターに乗り込みボタンを押す。閉まりかけのドアの間にさっきの妊婦が見えた。彼女は階段の方に歩いて行く様に見えた。
 「物好きな人もいるなぁ?」と思うだけ
      ……だった。
 
 階段のドアを開け上を見上げた彼女は一呼吸すると意を決して昇り始めた。

 「疲れたらエレベーターね……。」と
 スイカのお腹を触る。

 その頃。25階のオフィスでは………。        昼休みが終わり午後からのレクチャーを
始める前にスマホを確認する社長……
日向徹がいた。
探していた人物のポインターはこのビルを指していた。
>>[710] 初めてコメントさせていただきます。
この続きが気になります。楽しみにしてますねわーい(嬉しい顔)

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