｣と泣いてばかりいました。
「病気による訓練」
（「人生の訓練」 Ｖ・レイモンド・エドマン著 海老沢良雄訳 いのちのことば社 より抜粋）
この病気は死で終わるだけのものではなく……。 （ヨハネ11・４）
土のちりから造られたかよわい私たち人間は、
ありとあらゆる恐れや肉の弱さにさらされやすい。
その中でも無視できないものは病気である。
私たちははちきれそうな健康体を与えられ
ていても、
それをすばらしいこととも思わず、
それを与えてくださった方に感謝しようともしない。
いざ病床に伏すようになって、活発に動くことができなくなり、喜びは落胆となり、歌はため息となり、昼は寂しく夜は長くなり、
力が衰え、涙があふれてくるときに、私たちは病気による訓練を経験する。
この訓練の難関はおそらく、執拗な肉体的苦痛や、
衰弱のための疲労にあるのではなく、
むしろ、絶えず私たちを悩ます次のような疑問にあると思われる。
「なぜ私はこんな病気にかか
ったのか。私に何か落度があったのか。それでこんな苦しみにあうのだろうか。この苦しみは私の罪の結果なのか。
私は神の寵愛を失ってしまったのだろうか。」
私たちの病気は、自分白身の罪の結果であるかもしれない。
主イエスがベテスダの他のほとりで、
三十八年間病気に悩んでいた人をいやされたのち言われたみことばが思い出される。
「見なさい。あなたはよくなった。もう罪を犯してはなりません。そうでないともっと悪い事があなたの身に起こるから」（ヨハネ5･14）。
この箇所からは、この人の病気が何であったかはわからないが、
主のみことばから判断して、明らかに彼自身の罪のためにそのような苦し
みを味わわなければならなかったようである。
このような例は、この人ばかりではない。ミリアムはモーセに向かってつぶやいたので、「ツァラアトに冒され」た（民数12･10）。
ゲハジは主人エリシャの方針に反し、ナアマッ
の携えてきた贈り物に心を奪われて罪を犯したので、「ツァラアトに冒され、雪のように」なった（�粁鷁�5.27）。
アサ王は若いころ大いに神に助けられたが（�粁鯊�14･15）、
のちに自分の富に頼るようになり、神の預言者の戒めを拒否したために、「その治世の第三十九年に、両足とも病気にかかった。
彼の病は重かった。ところが、その病の中でさえ、彼は主を求めることをしないで、逆に医者を求めた」（16･12）。
ヨラム王が「主の目の前に悪を行った」ので（21･6）、エリヤは手紙を送って言った。「主は大きな災害をもってあなたの民、あなたの子たち……を打つ。
あなた自身は、……大病をわずらい……」（21･14､15）。主は中風の男に、「子よ。あなたの罪は赦されました」と言われたが（マルコ2･5）、
そのおことばの中には、病気と罪との何らかの関係が示されているだろうか。
しかしながら、病気が必ずしも私たちの不義の結果であるとはかぎらない。
私たちは、ある人々がその罪のために病気になったから、
病気の原因は罪だけであるという飛躍的な結論を、
あまりにも早急に出してしまう。
友人や批判者たちが、病気について誤った判断を下したために、どれだけの不正がなされ、どれだけの悲しみがもたらされたことであろう。
人々は、病気が常に神の知られたみこころに対する不従順から起こると推測し、
主張する。
弟子たちは、生まれつき目の見えない人について、
「先生。彼が盲目に生まれついたのは、だれが罪を犯した
からですか。この人ですか。その両親ですか」と主に尋ねたが（ヨハネ9･2）、
彼らも私たちと同じような考え方をしていたのである。
このような病気の原因についての不公正な非キリスト者的な判断は、親と子に対してなされる場合、特に残酷である。
たとえば、子供が肉体的にあるいは知能的に何かの障害を持っていると、
近所の人や友人たちは、顔を見合わせて目くばせし、頭を横に振り、陰でひそかに推測する。
「あの子があんなふうなのは、何か理由があるからなのだ。きっと何か外聞をはばかるような家庭の秘密があるに違いない」と。
私はくり返して言いたい。そのようなひそかな批判は、不親切であるばかりか、残酷である。
主イエスのみことばは、そのような批判をずっと以前に沈黙させるはずのものであった。
しかし、現実にはそうでないようである。
私たちはなおも、すべての病気は何かの罪によるものと
信じている。
しかし主は、明らかに、「この人が罪を犯したのでもなく、両親でもありません」と言われた（9･2）。
私たちも主と同じように、病気の子を持つ人々に同情的でなければならない。このような苦痛を許容される神の限りない知恵とあわれみを計ることはできない。
私たちは、途方にくれている両親をあわれみ、両親のために祈るべきである。
すなわち、彼らがこの悲みは罪によってもたらされたものではないという確信によって強められ、彼らの悲しみが軽減されるように努めなければならない。
それにしても、病気になったために他人から心ない非キリスト者的な批判を受ける、
この病気による訓練は、何と深刻なものであろう。
そして、ある病気は「神のわざがこの人に現れる
ためです」（9･3）という主イエスのみことばを信ずるのは、何と幸いなことであろう。
主はその目の見えない人をあわれみ、その両親に関してきびしい質問をするようなことはせず、
いやして目が見えるようにされた。
私たちがキリストのような態度をとることを学ぶとき、
何という心のいやしがもたらされることであろう。
病気が私たち自身の罪や不注意によることもあるが、必ずしもそうであるとはかぎらない。
それは「神のわざが現れるため」ばかりでなく、「神の栄光のため」（ヨハネ一11･4）でさえあるかもしれない。
「神の栄光のため」―これは強いことばである。
そして主は、ラザロとその病気について、明らかにそう言われたのである。
何か原因でラザロがそのような病気になったかは、示されていない。
そして私たちは、それが罪のゆえであると推測する必要はない。
主はラザロを愛しておられた（５節）。主はご自身のすべての民を愛しておられる。
主は愛する者たちを懲らしめ、ご自分の息子や娘たちをむち打つことさえされる（ヘブル12･6）。
しかし、そのむちは、私たちに対する神の最後通達ではない。
なぜなら、「すべての懲らしめは、そのときは喜ばしいものではなく、かえって悲しく思われるものですが、後になると、
これによって訓練された人々に平安な義の実を結ばせます」11節）。
詩篇記者は、「苦しみに会う前には、私はあやまちを犯しました。
しかし今は、あなたのことばを守ります」と言うことができた（詩篇119・67）。
長い試練ののち、彼はまた、
「私たちは、火の中を通り、水の中を通りました。
しかし、あなたは豊かな所へ私たちを連れ出されました」と言うことができた（66･12）。
私たちが病気になる場合、その原因が自分自身にあるのではなく、「敵」によってもたらされることもある。
病気の原因をたどろうとするとき、確かに私たちは未知の不可解なものを調
査しているのであるが、時には「敵のやったことです」と言う以外、説明かつかないように思われることがある。
あの「潔白で正しく、神を恐れ……る」ヨブ（ヨブ1･8）の上にふりかかった
恐怖の跡をたどってみよう。
このヨブに、彼をのみ尽くすようなひどい病気がもたらされた。
それは、神の窮めがたい摂理のうちに、神によって許容されたものである。
なぜなら、力に満ち、あわれみに富む方は、誘惑者の嘲笑に対して、
「では、彼をおまえの手に任せる。ただ彼のいのちには触れるな」と答えられたからである（2･6）。結果は直ちにあらわれた。
「サタンは主の前から出て行き、ヨブの足の裏から頭の頂まで、悪性の腫物で彼を打った」（7節）。
ヨブの苦しみがあまりにも大きかったので、友人たちは「七日七夜、地にすわっていたが、だれも一言も彼に話しかけなかった」（13節）。
病気は、すべてが罪の結果であるとはかぎらないように、すべてがサタンによるものであるともかぎらない。
しかし聖書は、病気が「悪しき者」によってもたらされることがあることを、
くり返し語っている。
ゲラサの地に、世人から捨てられた不幸な人がいた。
その人は、悪霊につかれて精神病にかかっていたが、悪霊が追い出されると、「着物を着て、正気に返って、すわっていた」（ルカ8･35）。
またガリラヤの女について、主は、「この女はアブラハムの娘なのです。
それを十八年もの間サタンが縛っていたのです。
安息日だからといってこの束縛を解いてやってはいけないのですか」と言われた13.16）。
主のお働きについて、
「このイエスは、……悪魔に制せられているすべての者をいやされました」と言われている（使徒10･38）。
またパウロの「肉体のとげ」がどんなものであったにせよ、それはパウロを打つ
「サタンの使い」なのであった（?コリント12･7）。
病気の原因を識別することも、病気における訓練の一部である。
ただし短気な不信仰な態度でそうするのではなく、
神からの知恵をもってすべきである。
もし病気が自分白身の罪の結果であるなら、その罪を心から悔い改め、
自分の道、自分の日々を、神にゆだねなければならない。
私たちの時は神の御手のうちにある（詩篇31･15）。
もしサタンが原因であるなら、
反抗し、拒否し、主イエスの力ある御名によって救い出されるようにしなければならない。
病気の原因が何であるにせよ、私たちは、その苦しみも弱さも、「生きるにも死ぬにも」（ピリピ1･20）神の栄光があらわされるためのものとなりうるということを、信じなければならない。
病気は確かにきびしく訓練するものである。
その苦しみの下にある者だけが、その訓練の深さを知ることができる。病気による弱さとむなしさ、倦怠と苦痛、涙と試み、
長い昼、それよりもさらに長い夜は、私たちを深い憂うつの中に投げ込むこともできれば、
「わたしの恵みは、あなたに十分である。というのは、わたしの力は、弱さのうちに完全に現れるからである」
（?コリント12･9）という主のみことばを、私たちに知らせることもできる。
私たちはパウロと同じように、キリストの力が私たちに宿るように、
むしろ、喜んで自分の弱さを誇ることを学ぶことができる。
この訓練を恐れないようにしよう。
またそれに打ち負かされないようにしよう。
この試練によって、自分の心を探り、まだ言いあらわしていない罪があるかどうか反省しよう。
この試練によって、私たちの障害がたましいの敵によってもたらされたものであるかどうかを
明らかにしよう。
それは、私たちが罪から救い出されるためである。この試練によって神の栄光をあら
わすことができ、神の恵みが十分であることを見出すことができるのだという
輝かしい真理に、この試練を通して立つ者となろう。
病気によって訓練されてこそ、多くの人々神のあわれみ
と恵みを分かち与える者となることができるのである。
いつくしみ深き 友なるイエスは
罪とがうれいを とり去りたもう
こころの嘆きを 包まず述べて
などかは下ろさぬ 負える重荷を
いつくしみ深き 友なるイエスは
われらの弱きを 知りてあわれむ
悩みかなしみに 沈めるときも
祈りにこたえて 慰めたまわん
讃美歌３１２
（「人生の訓練」 Ｖ・レイモンド・エドマン著 海老沢良雄訳 いのちのことば社 より抜粋）
この病気は死で終わるだけのものではなく……。 （ヨハネ11・４）
土のちりから造られたかよわい私たち人間は、
ありとあらゆる恐れや肉の弱さにさらされやすい。
その中でも無視できないものは病気である。
私たちははちきれそうな健康体を与えられ
ていても、
それをすばらしいこととも思わず、
それを与えてくださった方に感謝しようともしない。
いざ病床に伏すようになって、活発に動くことができなくなり、喜びは落胆となり、歌はため息となり、昼は寂しく夜は長くなり、
力が衰え、涙があふれてくるときに、私たちは病気による訓練を経験する。
この訓練の難関はおそらく、執拗な肉体的苦痛や、
衰弱のための疲労にあるのではなく、
むしろ、絶えず私たちを悩ます次のような疑問にあると思われる。
「なぜ私はこんな病気にかか
ったのか。私に何か落度があったのか。それでこんな苦しみにあうのだろうか。この苦しみは私の罪の結果なのか。
私は神の寵愛を失ってしまったのだろうか。」
私たちの病気は、自分白身の罪の結果であるかもしれない。
主イエスがベテスダの他のほとりで、
三十八年間病気に悩んでいた人をいやされたのち言われたみことばが思い出される。
「見なさい。あなたはよくなった。もう罪を犯してはなりません。そうでないともっと悪い事があなたの身に起こるから」（ヨハネ5･14）。
この箇所からは、この人の病気が何であったかはわからないが、
主のみことばから判断して、明らかに彼自身の罪のためにそのような苦し
みを味わわなければならなかったようである。
このような例は、この人ばかりではない。ミリアムはモーセに向かってつぶやいたので、「ツァラアトに冒され」た（民数12･10）。
ゲハジは主人エリシャの方針に反し、ナアマッ
の携えてきた贈り物に心を奪われて罪を犯したので、「ツァラアトに冒され、雪のように」なった（�粁鷁�5.27）。
アサ王は若いころ大いに神に助けられたが（�粁鯊�14･15）、
のちに自分の富に頼るようになり、神の預言者の戒めを拒否したために、「その治世の第三十九年に、両足とも病気にかかった。
彼の病は重かった。ところが、その病の中でさえ、彼は主を求めることをしないで、逆に医者を求めた」（16･12）。
ヨラム王が「主の目の前に悪を行った」ので（21･6）、エリヤは手紙を送って言った。「主は大きな災害をもってあなたの民、あなたの子たち……を打つ。
あなた自身は、……大病をわずらい……」（21･14､15）。主は中風の男に、「子よ。あなたの罪は赦されました」と言われたが（マルコ2･5）、
そのおことばの中には、病気と罪との何らかの関係が示されているだろうか。
しかしながら、病気が必ずしも私たちの不義の結果であるとはかぎらない。
私たちは、ある人々がその罪のために病気になったから、
病気の原因は罪だけであるという飛躍的な結論を、
あまりにも早急に出してしまう。
友人や批判者たちが、病気について誤った判断を下したために、どれだけの不正がなされ、どれだけの悲しみがもたらされたことであろう。
人々は、病気が常に神の知られたみこころに対する不従順から起こると推測し、
主張する。
弟子たちは、生まれつき目の見えない人について、
「先生。彼が盲目に生まれついたのは、だれが罪を犯した
からですか。この人ですか。その両親ですか」と主に尋ねたが（ヨハネ9･2）、
彼らも私たちと同じような考え方をしていたのである。
このような病気の原因についての不公正な非キリスト者的な判断は、親と子に対してなされる場合、特に残酷である。
たとえば、子供が肉体的にあるいは知能的に何かの障害を持っていると、
近所の人や友人たちは、顔を見合わせて目くばせし、頭を横に振り、陰でひそかに推測する。
「あの子があんなふうなのは、何か理由があるからなのだ。きっと何か外聞をはばかるような家庭の秘密があるに違いない」と。
私はくり返して言いたい。そのようなひそかな批判は、不親切であるばかりか、残酷である。
主イエスのみことばは、そのような批判をずっと以前に沈黙させるはずのものであった。
しかし、現実にはそうでないようである。
私たちはなおも、すべての病気は何かの罪によるものと
信じている。
しかし主は、明らかに、「この人が罪を犯したのでもなく、両親でもありません」と言われた（9･2）。
私たちも主と同じように、病気の子を持つ人々に同情的でなければならない。このような苦痛を許容される神の限りない知恵とあわれみを計ることはできない。
私たちは、途方にくれている両親をあわれみ、両親のために祈るべきである。
すなわち、彼らがこの悲みは罪によってもたらされたものではないという確信によって強められ、彼らの悲しみが軽減されるように努めなければならない。
それにしても、病気になったために他人から心ない非キリスト者的な批判を受ける、
この病気による訓練は、何と深刻なものであろう。
そして、ある病気は「神のわざがこの人に現れる
ためです」（9･3）という主イエスのみことばを信ずるのは、何と幸いなことであろう。
主はその目の見えない人をあわれみ、その両親に関してきびしい質問をするようなことはせず、
いやして目が見えるようにされた。
私たちがキリストのような態度をとることを学ぶとき、
何という心のいやしがもたらされることであろう。
病気が私たち自身の罪や不注意によることもあるが、必ずしもそうであるとはかぎらない。
それは「神のわざが現れるため」ばかりでなく、「神の栄光のため」（ヨハネ一11･4）でさえあるかもしれない。
「神の栄光のため」―これは強いことばである。
そして主は、ラザロとその病気について、明らかにそう言われたのである。
何か原因でラザロがそのような病気になったかは、示されていない。
そして私たちは、それが罪のゆえであると推測する必要はない。
主はラザロを愛しておられた（５節）。主はご自身のすべての民を愛しておられる。
主は愛する者たちを懲らしめ、ご自分の息子や娘たちをむち打つことさえされる（ヘブル12･6）。
しかし、そのむちは、私たちに対する神の最後通達ではない。
なぜなら、「すべての懲らしめは、そのときは喜ばしいものではなく、かえって悲しく思われるものですが、後になると、
これによって訓練された人々に平安な義の実を結ばせます」11節）。
詩篇記者は、「苦しみに会う前には、私はあやまちを犯しました。
しかし今は、あなたのことばを守ります」と言うことができた（詩篇119・67）。
長い試練ののち、彼はまた、
「私たちは、火の中を通り、水の中を通りました。
しかし、あなたは豊かな所へ私たちを連れ出されました」と言うことができた（66･12）。
私たちが病気になる場合、その原因が自分自身にあるのではなく、「敵」によってもたらされることもある。
病気の原因をたどろうとするとき、確かに私たちは未知の不可解なものを調
査しているのであるが、時には「敵のやったことです」と言う以外、説明かつかないように思われることがある。
あの「潔白で正しく、神を恐れ……る」ヨブ（ヨブ1･8）の上にふりかかった
恐怖の跡をたどってみよう。
このヨブに、彼をのみ尽くすようなひどい病気がもたらされた。
それは、神の窮めがたい摂理のうちに、神によって許容されたものである。
なぜなら、力に満ち、あわれみに富む方は、誘惑者の嘲笑に対して、
「では、彼をおまえの手に任せる。ただ彼のいのちには触れるな」と答えられたからである（2･6）。結果は直ちにあらわれた。
「サタンは主の前から出て行き、ヨブの足の裏から頭の頂まで、悪性の腫物で彼を打った」（7節）。
ヨブの苦しみがあまりにも大きかったので、友人たちは「七日七夜、地にすわっていたが、だれも一言も彼に話しかけなかった」（13節）。
病気は、すべてが罪の結果であるとはかぎらないように、すべてがサタンによるものであるともかぎらない。
しかし聖書は、病気が「悪しき者」によってもたらされることがあることを、
くり返し語っている。
ゲラサの地に、世人から捨てられた不幸な人がいた。
その人は、悪霊につかれて精神病にかかっていたが、悪霊が追い出されると、「着物を着て、正気に返って、すわっていた」（ルカ8･35）。
またガリラヤの女について、主は、「この女はアブラハムの娘なのです。
それを十八年もの間サタンが縛っていたのです。
安息日だからといってこの束縛を解いてやってはいけないのですか」と言われた13.16）。
主のお働きについて、
「このイエスは、……悪魔に制せられているすべての者をいやされました」と言われている（使徒10･38）。
またパウロの「肉体のとげ」がどんなものであったにせよ、それはパウロを打つ
「サタンの使い」なのであった（?コリント12･7）。
病気の原因を識別することも、病気における訓練の一部である。
ただし短気な不信仰な態度でそうするのではなく、
神からの知恵をもってすべきである。
もし病気が自分白身の罪の結果であるなら、その罪を心から悔い改め、
自分の道、自分の日々を、神にゆだねなければならない。
私たちの時は神の御手のうちにある（詩篇31･15）。
もしサタンが原因であるなら、
反抗し、拒否し、主イエスの力ある御名によって救い出されるようにしなければならない。
病気の原因が何であるにせよ、私たちは、その苦しみも弱さも、「生きるにも死ぬにも」（ピリピ1･20）神の栄光があらわされるためのものとなりうるということを、信じなければならない。
病気は確かにきびしく訓練するものである。
その苦しみの下にある者だけが、その訓練の深さを知ることができる。病気による弱さとむなしさ、倦怠と苦痛、涙と試み、
長い昼、それよりもさらに長い夜は、私たちを深い憂うつの中に投げ込むこともできれば、
「わたしの恵みは、あなたに十分である。というのは、わたしの力は、弱さのうちに完全に現れるからである」
（?コリント12･9）という主のみことばを、私たちに知らせることもできる。
私たちはパウロと同じように、キリストの力が私たちに宿るように、
むしろ、喜んで自分の弱さを誇ることを学ぶことができる。
この訓練を恐れないようにしよう。
またそれに打ち負かされないようにしよう。
この試練によって、自分の心を探り、まだ言いあらわしていない罪があるかどうか反省しよう。
この試練によって、私たちの障害がたましいの敵によってもたらされたものであるかどうかを
明らかにしよう。
それは、私たちが罪から救い出されるためである。この試練によって神の栄光をあら
わすことができ、神の恵みが十分であることを見出すことができるのだという
輝かしい真理に、この試練を通して立つ者となろう。
病気によって訓練されてこそ、多くの人々神のあわれみ
と恵みを分かち与える者となることができるのである。
いつくしみ深き 友なるイエスは
罪とがうれいを とり去りたもう
こころの嘆きを 包まず述べて
などかは下ろさぬ 負える重荷を
いつくしみ深き 友なるイエスは
われらの弱きを 知りてあわれむ
悩みかなしみに 沈めるときも
祈りにこたえて 慰めたまわん
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