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創作が好きだ!小説写真アート他コミュの狐VS狸

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人として生きる道を選んだ狐と、人として生きる道を選んだ狸が歩みだす。



最近、いらだつことがあると、何やら変なことが起こる気がする。なぜだろう。
表へ出て境内を掃除しているとそこには、また空き缶が捨ててある。
いらだつ気持ちを抑えつつも片付けようとすると、風が騒ぎ出す。
なぜ、いらだつと風が起こるのだろう。疑問を持ちつつも、掃除を続ける。
そのような毎日を平穏に過ごしていた。
とある16歳をむかえる前日に、父と母から話があると部屋へと呼び出された。










   ちなみに始めて小説書きます。書き方も何も知らない初心者なのでおかしい箇所などあれば
   かまわず指導のほうしていただければと思います。思いつきで書いてるあたり
   最初からおかしいところもあるかもしれません。

コメント(30)

「影百(えいと)、お前も明日で16になる。私たちの一族は16になると、不思議な力を持つんだ。
それは、風を起こしたり、火を操ったり。天災を起こすこともできる。中には、・・・・・・。」
と言って、影百の父は口をつぐみ何やら立ち上がった。立ち上がったかと思うとその姿はたちまち狐に変わった。
「・・・・・・・・・・・。」
影百は、父の姿を見て固まってしまった。
ふとわれに戻ると・・・・、父は人の姿に戻っていた。
「この力を自由に使えるようになれなければならない。しかし、・・・・・。」
「人に、・・・人に知られてはいけないのですね?」
「そうだ、まぁ・・・影百なら大丈夫だろう。お前は私たちの中では優秀だから。
学校の方でもうまくやっているのだしな。」
お邪魔します。コミュニティ管理人の、しちみ黒猫です。

本来、当コミュニティは、作品ごとにトピックを立てる方式ではなく、目的に沿ったトピックに作品を投稿していただく方式を取っています。

今回は初挑戦ということもあり、製作過程の公開とアドバイスの受け入れという特殊なトピックコンセプトを確認したので、特別にこのトピック設置と運用を公認させていただきます。

応援しています。どうぞ、遠慮なくご利用ください。
また、今後自力で新作を仕上げられるようになったら、通常の作品投稿トピックのほうもぜひ利用してみてください。

管理人:しちみ黒猫
私が何か書くときに最初に気にするのは、結末が決まっているか、ということと、どれぐらいの長さにするか、ということです。
母が口を割って入ってきた。
「力を使いこなすのも、そのうちうまくなると思いますよ。」
母は、ちらっと父の顔を見て言い出した。
「この人も、16の時はうまく使いこなせませんでした。せやけど、自分自身で努力して半年くらいで、使えるようになっていました。」
「あの、母さんは人間ですよね?」
「私ですか?私は人間ですよ。」
影百は、これからどうすればいいのか少し考え込んでいた。
現在このままこの場所で何事もなく過ごせばいのか、それとも、他へ出て行きたいと思っていたことをするべきなのか・・・。
「これからどうするべきかを考えるのはお前次第だ。」
父は、自分の周りに管狐を巻きながら話していた。
「力を思い通りにするもしないも。生活に活用するもしないもだ。
・・・・・・・・。
ここを無理に継がなくても、まだいているのだしな。」
そう、影百は6人兄弟の長男なのです。
長男だから継がなければいけないと思っていた影百、継がなくてもいいと聞いて思わず口に出てしまった。
「継がなくてもいいのですか?」
「そうだ、自分のやりたいことをやってもよい。ただし、その力をまわりに気づかれないようにすればな。」
後日、影百は荷物をまとめていた。一人暮らしをすることをきめて。
大阪にある高校にも編入できるように手続きも終えていた。
弟や妹にも挨拶を終え大阪に向かって出発した。
今回から行く高校は制服を着なければいけないのだが、まだ届いていない。
最少の荷物を部屋に置き窓から外を眺めた。
そこから少し行った先に高校がある。
隣近所に挨拶を済まし、落ち着こうとしたとき玄関のチャイムがなった。
マンションの管理人である。
「さっきはごめんなぁ。着てくれはってんやろ。ちょっとでとってんやわ。あんたぁ、一人暮らしなんやってなぁ。なんか困ったことあったら言いやぁ。相談乗るさかいに。」
おばちゃんパワー全快に圧倒されつつもにっこりしながら、
「これからお世話になります。徳山影百(とくやま えいと)といいます。」
このままだと話が長くなりそうだと感じた影百は、付近にだけ雨をふらせた。
「あらぁ、えらいことやわ。雨降ってきてもうたやんか。ごめんなぁ。話の途中やのにぃ。洗濯物とりこまなあかんわ。ほなさいなら。」
ため息をついた。自分の力も少し操れるようになってきた。
「次は、バイトでも探しに行きますか。」
履歴書を手に持ち外に出てみた。
少し歩いたところに、ちょうどバイト募集の張り紙がでている。そこは、居酒屋で昼もランチをしているみたいだ。店主に話をしバイトもすぐに決まった。高校のほうにもバイトをすることは報告している。
自分で決めることすることを順番にこなしていく。
「明日から、学校だな。」
いったいどんな日常になるのだろうとさっきのおばちゃんをおもいだし少しゾッとした。

以前の指定かばんにノートとペン入れを入れ高校へと登校した。
職員室の方へ行くとそこには、生徒会長と彼のクラスの委員長と副委員長が待っていた。
担任となる八神真(やがみ しん)先生が、
「彼が生徒会長の、犬侘幸(いぬた こう)、委員長の百田丸(ももた まる)、副委員長の東雲守(しののめ まもり)だ。何か困ったことがあったら彼らに相談すればいい。あと5分でHRの時間だからそろそろ行くか。」
生徒会長は2年なので自分のクラスへと行った。
担任と委員長、副委員長と一緒に歩いて教室へと移動しているのだが・・・。
影百には周りからなぜかじ〜〜っと見つめられている。
それもそのはず、影百は私服なのである。前の高校は私服で制服ではなかった。その上、すらっと高すぎる身長も周りからは目を引くのである。
「転入生の徳山影百くんだみんな仲良くしてください。では、挨拶の方おねがいします。」
影百は教壇の台にはのらず、
「徳山影百です。部活やいろいろなことを高校生活で学びたいと思っています。」
クラスの子達は、影百を見つめている。
「徳山君には悪いんだけどな、後ろのほうに席を用意した。そこに座ってくれないかな。」
長身の影百が前に座ると見事に後ろの子達に黒板が見えない。影百は、後ろに座るのが当たり前のごとく席に着いた。
「教科書がまだきてないから、隣の子に見せてもらえばいい。」
左に座る男子生徒に見せてもらうことになった。
「よろしく、僕、越智相馬(おち そうま)ゆうねん。相馬ってよびすてしてくれたらええわ。」
HRが終わったとたん。クラスの子達が影百のほうに駆け寄った。みんな第一声に聞くことが何かわかっていたが・・・・。
「失礼だと思うけど、徳山君ってさ、身長どれぐらいあるの?」
「今年4月に測ったきりだけど。確か189だったと思うよ。」
クラスの子達と話をしていると何か変わった気配を感じた。
違和感を感じつつも昼休みまでの時間を平穏に過ごす。
「なぁ、徳山は弁当持参か?ちゃうかったら、一緒に学食行かんか?」
クラスの一番小柄な男子が声をかけてきた。
「あ、俺、天利勝多(あまり しょうた)ゆうねん。よろしゅうな。」
影百は、
「ああ、学食の場所だけ教えてくれないかな。悪いんだけど人見知りするほうなんだ。」
にっこりと笑いかけようとすると、勝多はにんまりわらって、
「君、狐やろ?」
ぼそっと言った。
さっきの違和感はこいつか。と感じた。
「じゃぁ気味は狸なのかな。」
二人は一緒に学食へと昼をすませに行った。
「君は、狸の一族なのか?」
「そやで、狸の直結やぁっと言いたいとこやけど、大分と薄うなっとるわ。今回君が狐ってわかったんも昨日、大じぃに聞いたんや。大じぃって言うてもひいじいちゃんのことやけどな。大じぃもええ歳やでもう108なんのに、毎晩呑んどるわ。そうそう俺なぁ狸いうてもなぁんもでけへんねん。変化も読みもなぁ。」
よく喋る。めんどくさくなった影百は、自分の影だけ残しさっさと去って行った。時間がたつと消える。勝多は、気づかずずっと喋っている。昼休みの終わりのチャイムがなってやっと気づき教室に戻っていった。
「徳山君にほっていかれたわ。てか気づかんと、ずっと喋ってる俺もあほっぽいけどなぁ。」
笑いながら友達と話してる。
「勝多と一緒に並んでたらええ凸凹コンビやんか。一緒におったらええやん。」
なんて勝手に話してる。狐と狸で一緒になんていてられるかと思ってしまう。
影百は授業が終わると、そそくさと帰ろうとする。目の前には、なぜか体格の良い先輩方が、
「あ、あの、何の用でしょうか・・・・。」
「その身長を活かして陸上部にはいらないか!!」
「いやいや是非ともテニス部に!!」
「いやぜひともうちの部に!!」
7人ほどの先輩たちがよって口々に勧誘をしてきた。
「先輩方、興味があれば顔ださせていただきますので、今は引き取りください。」
影百は睨みをきかし追い返した。
さてと、と上靴を靴に履き替えいったん家へと戻ろうとするのだが、勝多がひょこっと顔を出してきた。
「お昼の話やねんけどなぁ。うちとこちょっと着てみぃひんか。大じぃのこと紹介したいんやけど。それとなぁ、4組のほうにもな狐のにおいする子おんねんけど。今度声かけてみぃひんか。いや、ナンパしてみぃ言うてんとちゃうでぇ。どんな力持ってんのかちょっと興味あんねんな。いやぁ自分に力がないからさぁ、やっぱなかわいいってのもあんねんけどな。」
「笹川 琴李(ささやま ことり)さんでしょ。」
「えっ、知ってるんかいな。ほんなら言うてぇなぁ、それやったら君と友達なんよって言って話できるな。」
「話、しないほうがいいと思うよ。」
「なんで?ひょっとして君の元彼女やったとかか?まさかなぁ。いやぁそんなわけないわなぁ。」
なんて話をしていると彼女が近くを通りかかった。
「久しぶり。ひょっとして何か起こしてないかでも見に来たの?」
「・・・・・・・、みんな心配してたよ。管狐使ってでもいいから連絡よこせってさ。」
「そう。ところで、狸の使いでもてなづけたの?」
彼女はクスッと笑いながら去って行った。
「ん?狸の使いって・・・・、やっぱりばれてたんやぁ。ってか彼女なんかしでかしたん?なんなんなんなん。ちょっとおしえてぇな。なぁなぁ。」
影百は、勝多を振り払ってさっさと歩いていった。
今日からバイトの日だ。影百は初日のバイトを的確にこなし、イエへと戻ろうとする。バイト先から家まではほんの少ししか離れていない。そのはずなのに、距離が長く感じられる。
「誰だ?」
影百は何かを感じ取った。
「あら?近くに住んでんの?」
琴李だった。
「くだらないことしてるな。」
琴李の仕業だとわかった影百は、自分の力で琴李の力を振り払った。
「ただの挨拶よ。」
琴李を横切る時、かすかに妖気がかすれあった。
家にもどると、力をもっと自由に操れないか、自分の力を放電させてみる。
もっと自由に操りたい。そう思ったのである。


勝多はいまだに自分だけが力を持てないことに悩んでいた。
大じぃはもちろんのごとく、曾じぃもじぃさんも父さんも力を使えるのに、何で自分だけが使えないのだろう。力が使えないことはみんな知ってる。みんなからは、力が使えないのならもうあきらめろというのである。
勝多は、影百に相談しようと決めたのだ。
翌日、
「おーい、徳山君〜〜〜〜!!」
朝から大きな声でうるさい。
「呼び捨て。」
「へ?」
影百は、ため息をつきながら、
「呼び捨てでいいよ。」
「ほんまか?ほんまにええねんな!!うーわ、なんやめっちゃ嬉しいわ。そうや、帰ったら大じぃに友達できたて、言うたろ。大じぃもみんなも喜ぶわぁ。」
影百はさっさと行こうとした。
「あっ、ちょっと待ってぇな。そうそう後で相談あんねんけどええかなぁ。今度はほっとかんといてや。真面目な相談やから。ボーっとしてるように見えるかもやけどな困ってることもあんねんでぇ。ほなまた後でな。」
はぁっっとため息をつきつつも、少々小うるさい狸が友達でもいいかもなんて感じたようである。

正直、初めての方とは思えないほど、慣れた感じがします。読みやすいし、面白い。今回の挑戦までに、なにかしら書いていたか、あるいは読むことが、よほど好きな方なのかなと想像しています。

パソコンテキストとしての符号の用法にやや安定感がないぐらいで、私の好きな文章のスタイルです。展開も、似たような場面がだらだら続くこともなく、軽快に物事が進展していくのが気持ちいいです。連ドラよりも二時間映画を観ている気分です。新しい場面でも、シンプルな表現で舞台に入っていけるのは、頭の中に現場のイメージがリアルに思い浮かばれているためでしょうか。

だいぶ舞台が整ってきた印象ですね。これからどんな出来事が起こるのか、楽しみに読ませていただいています。
購買で買ったパンをほおばりながら勝多は喋りだした。
「一族の中でな、自分だけ力ない言うたやろ。それがすっごくいやでなぁ。親父にも、じぃにも大じぃにも力はあんのになんで自分だけないんやぁってみんなに聞いたんやけどなぁ。それでもみぃんなわからん言うてな。そしたら大じぃとじぃが言うんやわ。『お前に力がでてこんのわ、わしらのせいかもしれんのぉ。せやから、そんな焦って力使えるようなりたいって思わんでもええ。今のお前が今は一番大事やから。』って言うてくれんねんけど、親父は、『やっぱり力は使えるに越したことはない。勝多が力を使えるようになったら、私達狸一族も安泰やしの。』って言うんやわ。自分大じぃ等にどない言うたらいいかわからんねん。・・・・・・・・はぁ、どないしよぉ。」
勝多は少し落ち込んだ顔つきになった。そんな様子をみて影百は、
「狐一族はね、16なんだ。」
「へっ?」
「私達狐一族は、16歳になると力が使えるようになるんだ。まぁ中には少し早めに力が出てくるのもいてはいるけど、大体それぐらいになると力が湧いてでてくる。」
「そうなのか?」
「狸は、違うのか?」
「それは、聞いたことなかったわ。・・・・そぅかー、ほんじゃひょっとしたら自分とこもそうなんかもしれん。帰ったら聞いてみるわ。」
さっきと打って変わって勝多の顔は明るくなった。
勝多は、喋りながらパンを3個も食べ終えていた。影百は笑いながら、
「おかしなやつだな。」
こっちに来てから久しぶりに笑った感じがする。なんだか、やっと肩の力が抜けたようだ。
勝多は、さっそうと家に帰ると大じぃに聞いてみた。
「大じぃ!!あんな聞きたいことがあんねんけどなぁ。」
勝多は影百に聞いた力の出てくる年齢のことを聞いてみた。
「ん〜〜、わしの力の出てきた歳かぁ?」
大じぃは思い出そうとした。
「若い時から仕事ずぅっとしとったしのぉ。幾つから力あったかいのぉ、あまりにも大昔過ぎて覚えとらんわい。そうじゃぁ、健太郎(じぃ)に聞いてみぃ。」
じぃのいてる畑へと走っていった。
「じぃ!!おるかぁ!!どこじゃぁ!!おーいどこおるんやぁ!!」
叫ぶとススキの間からひょこっとじぃが顔を出した。
「なんじゃい、うるさいのぉ。なんや、次は何やったんや。金太(こんた:親父)にでも叱られたかぁ?」
「ちゃうちゃう、聞きたいことあんねんやけど。・・・・・・・・。」
同じように聞いてみた。
「そんなこと、覚えとるかいな。わい等狸っちゅうたら物覚え悪いさかいの。大じぃも覚えとるわけないし、ましてや金太も覚えとらんやろぉにぃ。念のため聞いてみてもかまわんとは思うが、あてにせぇへんほうがええでな。」
じぃが話した後速攻で走っていった。
「ただ金太だけは、人の血ちぃとは入っとるから少しはましかいなぁとは思うが・・・・ってもうおらんがな。人の話は最後まで聞けといつも言うとるがな。どこ行きよったんやな。」
勝多は親父にだけ話を聞かなかった。だけど、年齢の話は少し希望を持てるようにはなったようだ。

「影百〜〜〜!!」
朝早くからまたうるさい。だけど影百は、うれしそうな顔をして話を聞いた。
力の出る年齢はわからないもののひょっとすれば力が出る可能性もあるかもしれないと。
「よかったな。」
最近は、2人で行動している時間が多くなっていた。多くなればなるほど勝多は家の者に影百のことをよく話す。
「あ、そうそう今度大じぃが家に呼んだれって言うとったから、来てほしいんやわ。一緒に宴会しようやぁ。ってか、宴会やから泊まりで来いっちゅうこっちゃな。なんか、嬉しぃなぁ。泊まりにこれるか?泊まりにきたらいろんなことして遊ぼうや。ええなぁ、ゲームいろんなんだしとこ。」
勝多は勝手に話を進めていく。影百は、弟を見ているかのように頭をなでた。

そして、影百はバイトのない日に勝多の家へ泊まりに行くことになった。
門を見て少しびっくりした。勝多のなりを見て勝手に想像していた家とは違っていたからだ。
大きな木の門はがっしりとしていて、門を入ったすぐには大きなケヤキの木が縄を巻いて建っていた。
「お邪魔します。」
「よう、来なさった。ほなあがりんしゃい。」
影百はひそひそと勝多に聞いた。
「今のは、おばあさんか?」
「大ばぁじゃ。若う見えるやろ。大ばぁ若作りしとるでの。朝なんか早くに起きてジョギングしとるわ。とりあえず、部屋入ってぇな。おもしろそうなもん、よぉけ出しとるし。」
勝多はとっても嬉しそうだ。
「ほら、こんなゲームあるでぇ、これなんか最新式や、こっちはこないだ買うてもろた。ほんでここには漫画もぎょうさんあるし、読みたいのあったら読んでもええで。」
「なぁ。」
「なんや、どうした。」
「宿題は、しなくていいのか?」
「・・・・・・・・・・。まぁ、ええやん。今は楽しもうな。」

宴会の席、ご馳走をつつきながら高校生の2人を除きみんなはお酒を呑んでいる。
「影百君も呑みたかったらのみぃや。」
大じぃは酒を勧める。
「ありがたいのですが、お酒は遠慮させていただきます。」
「そぉかぁ、ほんなら。ジュース持ってきたるわ。ちょい待ちよぉ。」
そう言って大じぃは席を立った。他のみんなはすでにできあがり、変化をして遊んだりしている。
大じぃはジュースを持ってくると、
「ほれほれ、飲め飲め。ぐぃっと一気一気一気一気。」
みんなも乗りのりになっている。影百は、くーっと飲み干した。
天井が一回転する。頭の中が真っ暗になって、勝多の声だけが聞こえ響く。
影百は、畳の上に倒れこんだ。
気づくと影百は、自分の部屋にいた。
「なんだ?」
自分が倒れこんだことは、わかっていた。でも何故?
部屋の中には、誰かがいる。
「誰だ?」
「あら、助けてあげたのよ。感謝してほしいわ。」
そこには、琴李がいた。よく見ると怪我をしている。
「何があったんだ?」
「そんなこと知らないわ。・・・・・・って言いたいとこだけど、狸があなたを殺そうとしたのよ。」
「なんでそんなこと・・・・・。」
影百が身体を起こそうとすると何かがドンッとぶつかってきた。
抱きつきながら、泣きじゃくった顔をしていた。
「影百〜〜〜〜、ごめんなごめんなごめんな、何がなんやらわからんねん、ほんま、大じぃもじぃも親父も、みんななんかどっかおかしなっとんねん。」
影百は、お前が落ち着けと言わないばかりに勝多の背中を撫でた。
「今日は、とりあえずもう大丈夫と思うわよ。」
と、琴李は言って、勝多の家族達を管狐で押さえつけて記憶を抜き取ったことを説明した。
「でも、すぐ思い出すと思うわ。だからしばらく気をつけなきゃね。」
琴李は帰ろうとした。
「帰るのか?」
「私、一人暮らしじゃないから。そこの小狸もそろそろ落ち着きそうだしね。」

勝多は、影百の顔を見ながら涙を飲み込むように言った。
「大丈夫か?なんかしたほうがええか?怪我もあるし。消毒薬かなんか。」
「大丈夫だ。」
そう言って、影百は、自分の怪我に手をかざした。
「なんや。怪我も治せるんかいな。」
と、よく見ると勝多の腕にも怪我があった。影百は、勝多の腕にも手をかざす。
「自分が看病されてどないすんねん。」
また泣き出しそうな顔をする。気づくと夜中の3時をまわっていた。
よく眠れない。影百の変わりに勝多がよく眠っている。弟をみるように勝多の頭を撫でようとすると何かが頭についている感じがした。よく見るとそれは、狸の耳がはえている。それを感じてか
、勝多は目を覚ました。
「どないしてん、影百〜〜。」
目の前に鏡を差し出した。
「ん?なんやこれ?ひょっとして今日が誕生日やからか?16なったからか?うわぁ。なんや不謹慎やけど、なんや嬉しいわ。」
よく見ると尻尾もでている。今にも、お腹をたたいて踊りだしそうだ。
「今度は、嬉し泣きか。・・・・忙しいやつだな。」
「あ、でもこれ、どうやってひっこめたらええんやろか。親父等に聞くわけにもいかんし。」
「精神統一だよ。」
と影百が狐に化けたあと、元に戻るときは気を1つにするということを教えた。もちろん狸は、欲気にとらわれる事が多い。でも今は必死で力を使いこなせなければいけないから、だから、必死で気を込めた。
それだけでとても疲れたのか、勝多は次の日まで寝むりこんだ。
「ふわぁ、よぉ寝たわぁ。」
目の前には影百の顔が迫っている。
「大丈夫か?お腹でもすいた?」
勝多のお腹から音が鳴り響く。影百は、笑いながら勝多にご飯を作った。
「ここに居ると危ないかもしれないな。」
ご飯を勝多の前に置きながら言った。
「じゃぁ、別のとこ行くんか?自分もついて行きたいわ。今まで家族に甘えてきた分、誰かの役にたちたいねん。あかんか?」
山盛りはいった焼き飯をペロッと平らげた。よっぽど、お腹がすいていたらしい。

影百は、実家に連絡をして戻れるようにした。実家から行っていた高校にも、また行ける様に手続きを終わらせる。
「じゃぁ、行きますか。」
影百は、管狐を取り出した。必要な荷物を手に持ち颯爽と風を切って行く。地に着くと、目の前には8人の人が立っていた。
「お兄ちゃん!!」
そう言って跳びついてきたのは4歳の妹明里(あかり)、6歳の弟月十(つきと)の2人だ。
「久しぶり、ただいま。」
体制を立てなおし、
「父さん、母さんただいま戻りました。」
「お帰りなさい、また少し成長したようですね。」
母は影百を見上げて微笑みました。
「それは?」
父は、影百の足元に絡み付いている勝多を聞いた。
「あぁ、こちらは、向こうで友達になった天利勝多君です。」
父は、鼻を利かせて、
「狸だな。」
「はい。」
父は、勝多をじっっと見つめた。
「君は、まだ力を簡単に操れないな。いいだろう、とりあえず、中に入りなさい。」
家に入ると家族を紹介した。父の狐太郎(こたろう)母翡翠(ひすい)、12歳の弟千黄(せんき)、9歳の弟万緑(まろく)、6歳の月十、4歳妹朱里、そして1歳の妹紅葉(もみじ)。
勝多はまだ影百の足元に絡み付いている。
弟達は、勝多に興味心身だ。
「匂いが違う。」
「匂いが違うね。なんでなんで。」
小柄な勝多に2人が絡みつこうとする。
母は、影百と勝多に言った。
「部屋は前のままにしてありますよ。勝多くん。」
勝多は一歩前に出た。
「は、はい。」
まだ少しおどおどしている。
「影百の部屋の横の物置を片付けておいたのでその部屋を使って下さいね。影百、案内しなさい。」
「はい、こっちだよ。おいで。」
勝多は、顔を赤くしている。
「勝多どうした?」
「影百の母ちゃんきれいやなぁ。兄弟も多いねんなぁ。自分1人っ子やからうらやましぃわぁ。それにしても影百の家族身長高いねんなぁ。自分とこなんかみぃんな身長こまかいさかいに、自分なんか万緑くんと身長かわらんがな。自分16やのに9歳かっちゅうねん。」
後ろから月十と朱里がついてきている。
「この部屋だよ。」
とドアを開けた。その部屋は、物置部屋だったとはとても思えないぐらいきれいに片付けられベッドと棚が備え付けられている。勝多は小さな荷物を置いた。
「とりあえず、ここにいて、勝多の一族はここまで来ないとは思うけど。どうして、私が襲われたのかも調べなければな。」
その話をすると、勝多は瞬間落ち込んだ。
「勝多は、こうなった理由も何も知らないんだから落ち込むな。」
そう言って頭を撫でた。
「お兄ちゃん私も撫でて。」
朱里がじゃれてきた。
「そうだ、これ、つけといて。」
そう言って石のついたネックレスを勝多に渡した。
「母は、元巫女だ。これが、自身を守ってくれる。」
「こんなんあるんかいな。変わった石やなぁ。」
そう言って首につけた。
「影百は、つけとるんか?」
首からチラッと石を見せた。
「おそろいやなぁ。なんか嬉しいわ。」
「兄弟全員つけてるよ。」
「ほな自分も兄弟やなぁ。あっはっは。」
影百は、勝多が家族恋しくならないか心配した。だけど、そんな心配もあんまりなさそうだと感じた。母の声が鳴り響いた。
「みんな〜お昼ご飯ですよ。」
影百は、久しぶりに家族と共にご飯を食した。みんなで食べるご飯は、こんなにもおいしかったんだと感じた。
昼食後影百は、勝多をつれて神社の境内の掃除をする。掃除をしていると、どこからともなく風が動く。いつの間にか目の前に誰だか知らないすらっとした影百より身長の高い男性が立っていた。
「神楽さん、お久しぶりです。」
影百は呼びかけた。いとこのようだ。
「琴李に会ったんだって。」
「はい。」
「元気そうにしていたか?」
「元気そうでしたよ。でも大阪からまた別のとこに引っ越して行きました。」
「そうか。」
神楽は、長いほうきを持って一生懸命はいている勝多を見た。
「狸か。」
「彼は、友人で天利勝多君といいます。」
勝多は、空を見上げるように神楽を見た。
神楽は、勝多の頭をポンポンと撫でた。すると、勝多の姿が狸へと・・・。
「ほへ。なんやぁ。なんで?」
勝多は迷いながらもうまくもとの姿に戻れた。
「伯父さんいてるかな。」
「今は、奉納子の掃除しているともうよ。」
影百の足元に月十と朱里が絡み付いてきた。
「お兄ちゃん遊ぼう。」
「遊ぼう。遊ぼう。かくれんぼしよぉ。」
「だるまさんが転んだしよ。」
「だるまさん。だるまさん。」
影百は二人を抱き上げた。
「月十、朱里、お兄ちゃんたちは今、掃除しているんだよ。」
そう言って、二人だけで遊ぶように言おうとしたのだけれど、二人はするりと影百の腕をすり抜けて勝多と遊ぼうとしていた。
「しょうた、遊ぼう。一緒に遊ぼう。」
勝多は嬉しそうな顔をしていた。それは時運の家に居るとこうやって遊ぶことなんてないからだ。
空が少し暗くなってきている。不穏な風がそよぎ始めていた。
影百の前に狐太郎が顔を見せた。
「今大阪のほうで、不審火が相次いでいるそうだ。それに、私のつけているネックレスがちぎれた。何かが動こうとしているな。」
どうやらさっき来た神楽は不審火と石塚が壊されていたことを言いに来たらしい。石塚は奈良にあるようなのだが、なぜ壊されたのかは不明である。
狐太郎は今から奈良に行くらしい。これから何が起こるかわからない・・・、と影百に言った。
石塚を見ると天に一番近い箇所がえぐられるように欠けていた。まるで、誰かがわざとかけさせたかのようだ。そこに手をかざすとかすかに、妖気が感じられる。その妖気から、暗く黒い妖気を感じたのだ。その妖気は、西へと流れて行っている。なにやら、不穏な風が流れていくようだ。
前をお坊さんが歩いている。
「もし、そこのお方。人ではありませんね。」
「何か、ようですか?」
「私は、幼きころ友人の中に人じゃない方もいました。何か懐かしい感じがするのですが気のせいでしょうか。」
狐太郎は、お坊さんの顔をチラッと見た。
「気のせいではないですか?」
そう言って、帰ろうとした。が、石塚から影が空を覆わせる。
『いつか、この地をわが手に染めたし。あの世と繋げしこの空を、いつかわが手で。この世をわが手の中に。』
狐太郎もお坊さんも辺りを見回した。何の声だったのだろうか。いつの間にか影は消えていた。それと同時にお坊さんの姿も見えなくなっていた。
大阪のとある料亭にて、勝多の大じぃと坊主の姿があった。
「よく来てくださった。これからは、狸の時代か狐の時代どちらの時代へと進むのでしょうかねぇ。しかし、彼は、私のことを覚えとらんようでした。あなた様はよう覚えていた。どちらが大きく出れるか、楽しみですよ。」
「わしのなぁ、時代はこれからじゃて。まだまだ、先はあるはずじゃぁ。狐なんぞにやられるわけがないわい。馬鹿にされたままで黙ってられるかいな。」
大じぃの鯉太郎は、お猪口にいっぱいのお酒をグイッとのみほした。坊主はニヤッと笑い、
「狐なんかやっつけてしまえばええのですよ。これからは、狸の時代になるかもしれませんねぇ。狐をやっつけた暁には、怒涛のごとくそのまま人間も制圧してしまえばよろしい思いますよぉ。」
鯉太郎はすでに酔っ払っていた。だけど、自分の意思はしっかりある。
「人はぁ、わしは人は、好きじゃぁ。中には悪いやつもいるかもしれんがのぉ。なかなか、人っておもろいもんじゃぞぉ。・・・・・しかし、まぁ、わしら狸の手先にするのもおもろいかもしれんのぉ。」
坊主はこんなことも言っていたのだ。
『狐だけとは言わず、世間に見せ締めることもよいかもしれませんよ。』
じわじわと力を見せ締めようと鯉太郎をはじめに狸たちは、空に呪いをかけた。
たちまち空は曇り稲光を見せ、世界中は嵐となった。海は波を大きく打ち上げ、海岸の近くの家は浸水する。
流石にこれはおかしいと影百達は感じた。狐太郎の出会ったというお坊さんもかんでいると悟った彼らは、翡翠の作った石を集めた。
「石に念を込めなさい。そして天へと上げるのです。」
翡翠の言葉に彼らは石に念を込める。そして天へと高く思いを込めた。すると、石は天へ上がり一時的にその場所だけ、嵐は治まった。狐太郎は各地に散らばる狐族へと呼びかけ石に念を込め天へと上げるようにと伝えた。しかし、どれも一時的なものである。そのうちに嵐へと変わっていくのであった。
「このままではいけない。根本をなんとかしなければ。」
狐太郎の一言に勝多は、
「あのう。ひょっとしたら俺の大じぃのせいかもしれん。大じぃおかしかったさかいに。誰かに操られてるのか、それともだまされてるんかもしれん。」
勝多は、悲しそうな顔をした。勝多を見て翡翠は、
「大丈夫ですよ。助けてあげればいいのです。勝田君の念が大じぃ様に届くように。気持ちを落ち着けて、手を合わせてごらんなさい。」
優しく語り掛ける。
勝多の願いは、天へと上り、嵐を止めたのだった。
「今からいろんな地域をまわって来ます。」
「そうだな、そうでもしないと世界は安定しないかもしれない。」
影百は狐太郎の数珠を預かった。それと同時に翡翠からは、
「影百、この翡翠石をもちなさい。そうすれば、いろんな災いを吸い取ってくれるでしょう。」
「はい。」
影百は、うなずき真剣な目をした。
「影百〜、俺も行っていいか?あんま役たたんかもしれんけど、何かしたいんや。お願いやわ。」
勝多のいつものひょうきんな顔は消え真剣な趣になった。
二人は管狐にのり空へと飛び立った。翡翠石へと願いを込める。世界中の天変地異は落ち着きを取り戻していった。
島根県にある神社では、ある人がお参りをしていた。その願いは、ひとつの光となり天へとあがっていったのである。その光は、地上を瞬く間に照らしたのである。
狸たちは呆然とした、自分たちの力で起こした天変地異がこうも簡単に押さえつけられたのである。もはや、これまでかとあきらめようとした。そのとき、あの坊主がでてきた。
「あなたたちの力はそれまでか?もっとあるのではないか?」
坊主は、頭上に影を出した。そして鯉太郎の中へと込めた。坊主は、これからだというようににやけた。
鯉太郎の表情はたちまち鬼の形相へと変わり果てた。すると、今度は影百を集中して攻撃したのだ。影百は地上へと倒れこむ。
「大じぃ何するんや。・・・・ひぃ!!」
勝多は、鯉太郎の顔を見て愕然とした。身体が震えて動かなくなった勝多に向かって雷をむけた。
「もうやめて!!」
そこには、装束を着た琴李が現れた。何故だか泣いている。
「ごめんなさい。私のせいなの。私が石塚を壊れさせたから。石塚の怨念が出てきて・・・・。どうしたらいいのかわからなくて。私の・・・・、小さいときの私が、力をコントロールできなかったから。だから、自分から迷惑をかけたくなくて、わざと家を出たのに・・・・。誰にも迷惑をかけないようにしようとしたのに・・・・。ごめんなさい。だから・・・・。」
琴李は、やっとコントロールできるようになった力で影百と勝多をやさしい光で包んだ。勝多は目を開いた。
「痛たた・・・。」
少し離れた所に影百を見つける。勝多は、駆け寄った。
「影百!!おい、目ぇ覚ませよ。おい!おい!!」
影百は目を覚まさない。勝多の力が身体全体から光りだす。
「いくら、大じぃでも許されへん。」
勝多は、雷を鯉太郎にかけようとしたが、すぐに払われてしまう。
「無理よ。どいて。」
泣きながら数珠に念仏を唱える。すると悶え苦しみだした。鯉太郎から影が追い出されたのである。それもつかの間、影百の身体にうつったのだ。たちまち表情がかわる。
琴李は、念仏を続けようとするが、数珠をあっという間にちぎられたのだ。狐太郎がやっとその場に追いつく。大きな光を手に掲げ、影百に向かって投げようとするが、影百の力がそれをはばんだ。
その頃、翡翠は奈良の石塚へとやって来ていた。石塚の前で念仏を唱える。石塚に影を再び封印しようと試みるのである。しかし、すぐには効かない。神楽も一緒に念仏を唱える。二人から光が出て石塚の周りを覆った。
影百は、苦しみだした。
今だといわんばかりに、琴李は予備の数珠を取り出し念仏を唱える。3人の光が天へと上がり影百を包んだのだ。光に覆われた影百から力を多く吸い込んだのか、烏が飛びだした。
「やっと、姿を取り戻せた。」
しかし、姿を取り戻せたのもつかの間、そのまま、石塚へと封印されたのだった。石塚も元の形へと変わり地上も安定した気候へと戻った。
「影百!!影百!!」
勝多の声が空に響く。
「なんでや。なんで目ぇ覚まさへんねんやぁ。」
勝多の涙が顔に滴り落ちる。鯉太郎は、我に戻っていた。自分を哀れみ、
「悪かったのぉ。わしが烏なんぞに唆されたせいやのぉ。わしももう108じゃて、長生きしたわい。わしの寿命やるさかいにのぉ。」
鯉太郎は、自分の寿命を取り出して影百へと入れた。
生唾を飲み込み見守っている。
影百は、目を覚ました。
「影百〜〜〜〜!!よかったぁ。」
「勝多。」
「なんやどないした。」
「怪我もしてるんだが。」
抱きついた体を少し離した。横でドサッと音がする。
「大じぃ。」
不安な気持ちが過ぎった。影百に寿命をあげたのだからと顔を覗き込む。
しかし、瞬間イビキが響いた。みんなが安堵の気持ちに包まれた。
「なんやぁ。寝とるだけかいなぁ。不安になるがな。寿命あげるなんて言うから。」
勝多は鯉太郎を担ぎ上げた。
「影百〜。影百のお父ちゃんも今までありがとうな。俺大じぃつれて帰るわ。」
狐太郎は、勝多の頭を撫でた。
「送って行こう。」
「そんなん悪いわ。みんな疲れてんのに。」
「どうやって帰る気だい?」
周りを見回した。そう、この場所がどこだかわからない。
「管狐を出すから送って行こう。」
「すんません。助けてもろたのに何から何まで。」
「大丈夫。勝多くんもみんなを助けたんだ。」
みんなで大阪のほうに勝多を送っていった。みんなの呪いは解けているようだった。勝多は、その姿を見て安心しきったのか、いびきをかきながら寝たのだ。そして今まであったことを狐太郎が話す。石塚が壊され封印が解けてからすが放たれたことを。そしてその烏に呪われていたことを。そしてその呪いは、再度封印されて石塚を月に一回は清めなければならない。そうこう話をしている間に鯉太郎が目を覚ました。
「みんなすまなかったのぉ。わしのせいで呪いがかけられてしもうて。でも、彼らのおかげで呪いも解けたし、封印もされた。」
影百は、何故かそこから逃げようとした。
「どうした、影百。」
次の瞬間机の上には、ご馳走が並びお酒も並んでいた。
「めでたいめでたい。ほれほれ、飲みなされ。」
あっというまに、鯉太郎の家族はできあがり宴会になってしまった。
狐太郎も影百もあっけにとられ、一晩宴会に付き合ったのだった。







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