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Pathfinder Society 新潟支部コミュの[地獄の戦場アヴェルヌス] バルダーズゲート都市ガイド [超意訳版]

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「地獄の戦場アヴェルヌス」キャンペーンの当初の舞台はバルダーズ・ゲートというフェイルーン大陸有数の大都市だ。
この都市は旧版より何度となくシナリオの舞台となっており、TRPG以外でもゲームタイトルのシリーズとなるほど有名だ。
そういった過去作の知識がなくともプレイできるように、キャンペーンに付随して40pにわたる地理誌が書かれている。
 
だが当然、「アヴェルヌス」を所持していないと読めないし、持っていてもDMでないならネタバレを気にしてアクセスしづらい事もあるだろう。
このトピックでは、その都市ガイドを超意訳して「バルダーズゲートっ子」のロールプレイへのハードルを下げるためのものである。
ネタバレ情報ではないが著作権的にアレなので個人使用の範囲とするべし。
より詳細な記述が欲しいのであれば、アヴェルヌス記載の該当の地理誌を直接読むことをオススメする。
 
では↓より短縮意訳を開始する。

コメント(20)

   バルダーズ・ゲート地理誌(超意訳版)
 
【概要】
バルダーズ・ゲート(以下BG)は治安の悪い地域として有名で、熟練の冒険者さえ市内では決して気を抜かない。
この世界にあるどんなものでも(そしてそれらの偽物も)BG市のどこかで売られている。
市の雇っている傭兵団“燃える拳(フレイミングフィスト)”は都市の治安を守っているが住民感情を一顧だにしない。
上層地域を警護する“衛兵隊”は貴族に奉仕するためだけの存在だ。
一方で“ギルド”は犯罪者たちを管理して、あらゆる組織犯罪に影響を及ぼしている。
 
 人口:125,000(大部分はヒューマン)
 政治体制:四公会議と貴族院議会が主導
 防衛力:“燃える拳”団と衛兵隊
 通商:漁業、船舶関連の物資、染料、チャルトからの輸入品、傭兵
 組織:“ギルド”、地元の“寄合”、通商系譜ギルド
 宗教:ガンド、タイモーラ、アンバーリー、その他法と秩序を遵守するなら何でも、カルト教団“死せる三者”
 
・バルダーズ・ゲートの歴史
何世紀か前、英雄バルダランが冒険の末に故郷の漁村に持ち帰った富を基に、灰色港は劇的に変貌し急速な発展を遂げてきた。
街に最初に築かれた防壁の門は、この英雄の名にちなみバルダーの門=バルダーズ・ゲートと名付けられ、それが都市の名前となっていった。
 
古参の裕福な家系は貴族(パトリア)となり、いつしか壁の外の余所者に警戒心を抱くようになる。
商取引と通行への各種付加税を発端に、壁の内側と外側の暴力的な対立が始まった。
諸家は自衛のために傭兵を雇うようになる。
 
やがて、この地方で育った有名な戦士エンタンが、都のいくつかの傭兵団を糾合し一つにした。
新たな傭兵団“燃える拳”は暴徒の巣を鎮圧し、犯罪者を処罰した。
 
近年起こった「ベハルの落し子」事件はいまだに影響が大きい。
殺人の神ベハルが定命の存在に後継者を何人も作り、殺し合わせた動乱のことだ。
(公式シナリオ「殺戮のバルダーズゲート」のこと)
 
 
【現在のバルダーズ・ゲート(デイル歴1492年)】
3つの地域に区切られたBGでは一番治安が悪いのは門外地域と考えがちだが、どの地域もそれなりに危険がある。
上層地域では貴族が個人的な密偵を雇って、自らの地位を守るため互いの足を引っ張りあっている。
それら政治的な陰謀と門外地域の無法が、BG市の中心である下層地域にも飛び火している。
 
“燃える拳”団の無差別な暴力による治安維持に対して、市民は団結して“寄合”を結成し始めた。
これは市民生活を自分たちで守るための自警団であり、市内で武装する市民も増えたのだ。
 
門外地域には世界中から人が押し寄せ、犯罪と貧困、そしてフェイルーン各地から集まる文化とが対照をなす。
毎月のように共同体が形成されては解散し、異国の伝統や宗教的慣習をすべて把握し続けることは困難だ。
そのためBG市は宗教や組織については、都の重要な市民に危害を加えない限り、どんな集団でも活動できるものとした。
 
BGはただ危険なだけの場所ではなく、毎日のように冒険と成り上がりのチャンスが転がってくる、まさに冒険者の街なのである。
 
・近隣諸国、ライバル、味方
ソードコーストの北方、ウォーターディープやネヴァーウィンターと交易する一方で、南方の商業国家オームーとは紛争状態にある。
ソード海の交易を独占しようとするオームーに対抗するため、BG市は“領主同盟”に加盟している。
内陸東方のエルターガルド国、コアミア国はBG市の宗教に関して寛容すぎる姿勢に眉をひそめている。
 
「キャンドルキープ」
BG市から南へ、約200マイルにある世界的に有名な大図書館で、入場には「まだ蔵書されていない本を寄贈する」必要がある。
そのため、近くのBG市で寄贈のための稀覯書を求める者がいるし、関連ビジネスも当然ある。
BG市で冒険者を雇い目当ての本を遺跡から探させたり、本を守るために図書館までの護衛を雇ったり…
“ギルド”が図書館への旅人を強盗に襲わせ、奪った本を転売したり…
 
「エルタレル」
チオンター川の上流約250マイルにある聖都エルタレルは隣国エルターガルドの首都だ。
秩序と善の神々を奉じる騎士たちが守護る敬虔な市民たちが暮らす街で、BG市とはまるで共通点が無い。
2つの都市の間には敵対的な感情はあるが、実際に軍事的な衝突は起こっていない。
 
「ナイアンザル港」
遥か南方のチャルト半島に向かう船が出る主要港の一つがBG市だ。
チャルト半島の橋頭保ベルアリアン砦から搾取した宝物類が密輸され、結果チャルトの希少品がBGの市場に流出している。
【政治体制】
貴族院議会と貴族たちも大きな権力を持っているが、最高権力者は四公会議だ。
3名の公爵と1名の大公爵による統治評議会である。
これが投票による議決をとる場合、票が同数の場合は大公爵の票を2票と数える。
 
 アルダー・レイヴンガード大公爵
“燃える拳”団の最高司令官から出世階段を駆け上り、色々あって都の最高の地位に登りつめた。
司令官の地位もいまだに保っているため、まさにBG市の最大の権力者である。
彼の唯一の関心は「バルダーズ・ゲートの安定と繁栄」であり、他の公爵や貴族院の連中はどうせ自分の権益を優先するだろうと思っている。
政敵は多いが、スキャンダルや汚職に屈した様子はほとんど見られない。
近く、エルタレルで開催される首脳会談に出席することになっている。
 
 サランサ・ヴァンサンパー公爵
毒舌で、狡猾で、攻撃的なヴァンサンパー一族の女家長だ。
無一文から、街の下水道システムの修理と改修によって身を立て、昇進を重ねて“下水道・地下水道網管理官”となった。
ヴァンサンパー公爵の議員歴は四公会議のなかで最も短いが、政治的手腕に関しては彼女が最も長けている。
彼女は四公会議ではほとんど発言しないが、自身の政策を進める際は個人的な会談をするのを好む。
議論の際の彼女は年齢にそぐわぬ覇気をまとい、その舌鋒は隠された真実に近いところを貫くことで知られている。
 
 ディラード・ポーティア公爵
かつては尊敬される実業家だったが、ある一連の取引に失敗してからは投資から手を引いた。
妻2人と息子3人に先立たれ、屋敷で一人暮らしをしているが、姪であるリア―ラ・ポーティアとは文通をしている。
(チャルトのベルアリアン砦で“燃える拳”の前線司令官をしている)
安楽な暮らしを求める彼は、ストレスになりそうな物事と関わらないようにしている。
レイヴンガード大公をエルタレルに派遣することには懸念を表明している。
 
 ベリンヌ・ステルメイン侯爵
精力的な辣腕政治家だったが、最近起きた発作で顔の一部がマヒし、ゆっくりとしか話せなくなってしまった。
ステルメインの側近たちが彼女の代理を務めているが、現状、ステルメイン公は政治的な企みに関しては無力な状況である。
 
 
・軍事力
事件などが起こった場合、治安部隊が到着するまでの時間は各地域で異なるし、現れる兵力も異なる。
 
 「“燃える拳”団」
大侯爵アルダー・レイヴンガードが最高司令官を兼任している。
主に下層地域をパトロールし、名目上は門外地域も管轄となっている。
この傭兵団の現在の兵力は、各地の全砦を数えれば数千名にもなる。
人手が足りなくなると組織外の人員を雇うこともあるし、団員は移民も元犯罪者も引退した冒険者もいる多彩さだ。
 
 「衛兵隊」
入隊から退役までをほぼ上層地域の中で過ごす、都のエリートたちのためのボディガードだ。
彼らのパトロールは秩序正しく規則的で、それ故に予測しやすい。
夕暮れ時になると、上層地域の住人と使用人と来客を除く人々を地域から追い出して門を閉じてしまう。
衛兵隊は上層の市壁と一体になった衛兵砦を拠点としている。
緊急事態が生じると、大行政堂と衛兵砦の鐘が同時に慣らされる。
この鐘が数分間以上鳴り続けると、全隊員は衛兵砦か指定の衛兵詰所に集結することが義務付けられている。
 
 
・法と秩序
殺人、窃盗、暴行、恐喝、詐欺にはすべて重い刑罰が科される。
しかし貴族や富裕層、人脈のあるものは寛大な処置を受けられるだろう。
衛兵隊と“燃える拳”は現行犯の現場では即時強制執行の権限を持つ。
 
騒動、些細な窃盗、公共物汚損のような軽犯罪に対しては、相応の軽い刑罰が科される。
一定時間、さらし台に架けられたり、公開の場で恥辱されたり、罰金を科されたりする。
一部貴族は軽犯罪は重犯罪を犯すよりタチが悪いと考えており、一族の子弟が軽犯罪で処罰されるのを防ぐためなら多大な労力を払うだろう。
 
弁護士は普通は富裕層を顧客にするため、貧しい市民が自分の主張の証拠を集めるには、傭兵や冒険者を雇うしかないだろう。
【都の住人たち】
多彩な種族と人種が珍しくないBGでは、一部での差別感情があったとしても、都全体としてはおおむね多様性を認める傾向にある。
 
・一般人と寄合員
BGは普通の人々には生きづらい場所である。
下層地域の人々が行使できる権利は貴族に比べてはるかに少なく、門外地域の住人たちは市民と認められていない。
“燃える拳”は犯罪行為に対して、通報者もろとも容疑者を制圧するため、互いを守る手段としてBGの人々は“寄合”を作って団結し始めた。
 
“バール”という慣習を広めたのもこの寄合だ。
「避難所や安全を求める者が、民家や商家で素早い3回ノックの後1回強くノックする合図をしたなら、住民はその人物を匿う道義的義務を負う」
というもので、対立する寄合の相手だとしても適用される。寄合同士での貸し借りが発生するが…

寄合と言っても千差万別で、地域や構成する職業、合法か非合法かで、心構えなども全く違ってくる。
単なる地域住民の町内会でしかないものもあれば、都で最強の影響力を持つ組織であったりもする。
旅人にとって重要な寄合は“市内ガイド会”で、BGに不慣れな者に助言したり手助けをしてくれるだろう。
 
 
・貴族(パトリア)
主に財力と(あやふやな)血筋によって定義される、この都の最上流階級だ。
経済活動に熱心な者、交渉と陰謀に忙しい者、いずれにせよ多くの貴族はほとんど一般市民と交流しない。
上層地域から外に出向くことは滅多になく、代理人を派遣したり、やむを得ない場合は護衛を連れて行く。
 
ごく一部には、BGの不平等な格差問題を気に掛ける貴族もいる。
こういった貴族は、一般的な貴族には悟られぬように非正規な経路で市民活動に援助を行う。
かつて善良だが世間知らずな貴族が自ら慈善事業のため下層地域に赴き、行方知れずとなった事例もある。
 
 
 
【経済と交易】
BGは通商の中心拠点として最適な位置にある。
輸出できる商材も海産物を中心に豊富だが、やはりその経済力そのものが商材だろう。
この都の市場規模はフェイルーン西方最大であり、ほぼどんなものでも売買できる。それを求めて人々がBGを訪れる。
 
盗品故買、密輸、依頼殺人には一応法律はあるが、告発されることは稀で、摘発されることはさらに稀だ。
「市内の経済活動に一切干渉するな」「取引は平和に済ませろ」という不文律があるからだ。
道義的な問題のある契約に苦しむものは、個人的に正義を執行できる手段を探さねばならない。
 
・職能ギルド
職人や商人は公式な設立特許を得て職能ギルドを組織するが、門外地域では非公認な職能ギルドも珍しくない。
ほとんどは下層地域で、上層の貴族家に商品を優先提供するような活動となる。
だが、それでいて自分たちはギルド無認可の品を買わねばならない現状に、不満を募らせている。
 
多くの場合、職能ギルドは“寄合”も兼ねている。
【宗教】
BGの住人は、暴力的でなく、経済活動を妨げない限り、どんな神格でも信仰を許されている。
市壁の内側にいくつもの(有名で一般的な)寺院があり、門外の街路沿いには何百もの小さな社が建ち並んでいる。
格式ある寺院のほとんどは上層地域にあるため、昼間に仕事をする多くのBG市民は信仰が薄くなりがちになる。
宗教儀式へのこれ見よがしな執着は、富裕層の特権とみなされている。
 
多数の信仰のうち特に目立つものを以下に紹介する。
 
・アンバーリー   “深みの女王”/混沌にして悪
 拠点…港の波止場にある壮麗な“水の女王の館”
海に依存した都市には欠かせない、船乗りに祝福を与える嵐の女神。
 
・イルメイター   “呻く神”/秩序にして善
 拠点…ヒープサイド地区の閑静な広場にある“受難の社”
苦難を受け入れ、弱者を救済する殉教と忍耐の神。
一部の貴族は下位の人々をコントロールするためにこの信仰を広めたが、それに対する警句が貴族の邸宅に張り紙されたことがある。
 
・オグマ   知識神/真なる中立
 拠点…上層地域。白い大理石でできた張り出し屋根の建物“開かれる巻物”
キャンドルキープに向かう旅人が立ち寄り、彼らからの依頼を期待して冒険者が周囲にたむろする。
 
・ガンド   革新と発明の神/真なる中立
 拠点…上層地域。“大発明工房”
内部では実験的なポーションの調合や人造機械クリーチャーの試作などが行われている。
 
・死せる三者(専制の王ベイン/秩序にして悪、殺戮の王ベハル/中立にして悪、骨の王マ―クール/中立にして悪)
 拠点…???
これらの神格は力の大部分を失っているが、いまだにBGでは畏敬と恐怖の的となっている。
この信仰は、眉を顰められることはあるが違法ではない。
 
・サイアモーフ   貴族制と神授の権利の女神
 拠点…???
かつてBGの貴族中心に信仰されていたが、BG市の歴史の初期に起きた暴動で、寺院は焼け落ち所在は忘れられてしまった。
伝説では、その寺院は見事な出来栄えで、秘密の宝物庫には当時の貴族家の印象指輪や家系図、重要な法文書の写しが保管されていたという。
 
・タイモーラ   幸運の女神/混沌にして善
 拠点…上層地域。“女王の館”
BGでは人気の高い信仰で、冷酷な犯罪者ですら彼女に幸運を祈る。
寺院は危険なクエストを求める冒険者たちの、非公式な集合場所としても機能している。
 
・ヘルム   守護の神/秩序にして中立
 拠点…上層地域。“油断なき盾”
衛兵隊、“燃える拳”をはじめ、傭兵やボディガードなどに人気が高い。
ガントレット騎士団はひそかにBG中の自警団を後援している。
【バルダーズ・ゲートにおける危険】
 
・ギルド
ただ“ギルド”とだけ呼ばれる、あらゆる犯罪者のとりまとめ組織。
ギルドの長は“9本指”のキーネという中年女性だ。
都の各地域に首領直属のキングピン(大幹部)1〜数名が縄張りを割り当てられている。
 
彼らキングピンはエリート犯罪者を自認しており、ニックネームと一目でそいつとわかる衣装を身につけている。
キングピン同士はライバル関係で、縄張りの境目は常に変化している。
ギルドの不利益にならない限り、こうした内輪の勢力争いには誰も干渉しない。
 
キングピンには隠れて行動する者もいれば、おおっぴらに活動する者もいる。
特に門外地域では住民がキングピンを知っており、救援を求めたりモグリの犯罪者への対処を頼んだりもする。
 
 
門外地域では密輸と賭博が主な活動で、暴力犯罪、窃盗の標的は主に旅人となる。
“燃える拳”がほとんど来なかったこの地域だが、近年は自警団や冒険者による妨害が増えている。
 
下層地域がギルドの活動の中心で、内容は多岐にわたる。
密売人は他の地域への抜け道を保持しており、通行料をせしめている。
 
上層地域では押し込み強盗、ゆすりたかり、脅迫、信用詐欺だ。
貴族がギルドを使ってライバルの情報を得たり、流布することもある。
衛兵隊がギルドの活動を監視しているが、キングピンとの密約が交わされることもある。
 
 
・死せる三者
神としての力を失いつつも、半神となったこの三者はBGを一度ならず闊歩していたという。
BG市民が恐れるものでは上位を占め、実際にこのカルトが起こした事件をはるかに超える速度でゴシップが広まってしまう。
 
専制の王ベインは、権力を得たい非道な貴族、ギャングのリーダーや悪属性の傭兵などに敬される。
骨の王マ―クールは、死者の知識や秘密を求め墓を暴く者、富裕層の老人などが祝福を求める。
そして殺戮の王ベハルは「ベハルの落とし子」の時代以降、闇の中で秘かな人気を集めるようになった。
 
 
・殺人
BGにおいて暗殺者は仕事に事欠くことはない。
門外地域では殺人は生活の一部で、“死体通り”と称されるいくつかの街路は、道の端に人殺しが捨てていった死体が積まれている。
そこでは最も困窮している部類の住人がラショウモンめいた死体漁りを行っている。
 
下層地域での殺人は頻繁ではないものの、住民は暗くなってからは集団で移動したほうが良いと心得ている。
ここでの殺人にはほとんど何らかの因果関係があるものだが、中には意味の分からない殺人が起こり、人々をパニックにさせる。
荒唐無稽な噂が語られる中、ベハル信仰の隆盛との関連性も指摘されている。
 
上層地域での殺人事件は背後に陰謀が絡むものが多く、偶発的なものは稀だ。
政治的な目標専門の暗殺者を逮捕してしまえば、貴族諸家の秘密がまとめて暴露されてしまいかねない。
そのため、衛兵隊は報復を恐れて、専門の暗殺者の追跡には消極的になる。
【市内のランドマーク】
BGの3つの地域、それぞれの特色・目印となる建造物を記す。
 
・門
BGには9つの門があり、都市の住民は「〇〇門民」と名乗ることがよくある。
その門のあたりに住んでいる者だ、という表明であると同時に、詳細な出自を伝えてトラブルにしたくない、という意味合いも含まれる。
 
上層地域に通じる門を衛兵隊が担当し、残りの門は“燃える拳”が担当している。
「バルダー門」「黒竜門」の衛兵は常に警戒を怠らず、滅多に賄賂を受け取らないが、他の小さな門では警戒が緩んでいる可能性がある。
 
市内に入るには5cpの通行料が必要になり、本当に困窮している者は市内に入れず門外地域のスラムに押し込められる。
特に「黒龍門」「バジリスク門」の近くには物乞いや難民が群れをなし、通行料分の金を恵んでくれと通行人に縋りつくのだ。
 
夜には門が閉ざされ、上層地域からは貴族かその家の従者か通行証を持つもの以外は追い出される。
これで貴族の安全は見かけ上は保証され、半面、他の地域の夜間はいっそう危険度が上昇する。
 
 
・灰色港
BGは港の出入りには自由放任主義であり、まっとうな商売をする船長と、略奪品を換金しようとする海賊どもの両方で賑わっている。
港を監督しているのは港湾監督官ダルス・ケリノス。(ヒューマン男性)
 
灰色港は何十基もの巨大なクレーンと、無数の動力付きのバケットや荷車のおかげで、船荷の積み下ろしが圧倒的に早い。
これらの機械はガンド教会が発明したもので、港湾労働者ギルドが運用している。
このギルドは市の経済的な生命線を握る、最も力のある組織と言えるだろう。
 
 
・ダストホークの丘
BGの東に、黄色い花崗岩の丘がスラムと安宿を見下ろして険しくそびえたつ。
チオンター・ダストホークの数少ない生息地であり、この鷹は現在希少種となっている。
BG創設の英雄バルダランが好んで鷹狩りに用いたとされ、BGの公爵たちはこの鷹の生息域保護のために、この丘での狩猟を禁じた。
しかし、金持ちの間で大人気のダストホークのために、不法侵入者は後を絶たない。
 
門外地域の住人はこの禁令を恨んでいる。「鷹のねぐらに金を出すのに、俺たちの家に払う金はねえのか」ということだ。
また、丘の洞窟にワーウルフの群れが住み着いている、などと噂が立っている。
【上層地域】
清掃の行き届いた街路に、下層では模造品以外で滅多に見かけない品物で満ちた美しく壮麗な街並み。
街路樹に咲く花は下の区画から流れ込む臭気を遮っている。
市内の主要な寺院のほとんどがこの地域に集まっており、宗教組織も裕福な層を重んじているのが露骨にうかがえる。
 
この地域の住人は外向きの屋敷の美観を維持するためなら、屋敷の内装を抵当に入れさえする。
貴族らのうぬぼれは他の地域の住人から深い恨みを買っており、日没後に上層地域の外にいる貴族は危険な目に遭うことだろう。
 
・門
数百年前、英雄バルダランの指示で築かれた旧市壁が上層地域を囲っており、この壁を通る6つの門が上層地域への経路だ。
貴族とその使用人や客人を除いて、上層地域に入れるのは衛兵隊発行の通行証を見せた者か通行料を支払った者に限られる。
また、通行証と通行料で通れるのは「砦門」「バルダー門」「黒龍門」に限られる。
 
「黒龍門」…最北に面する門。ここから伸びる街道は北上してウォーターディープに至る。
「砦門」 …北西の衛兵砦に面する門。砦への唯一の出入り口であり他の場所には行けない。
 貴族門 …「岡門」「ガンド門」「屋敷門」「海門」の4つは貴族が出資して後付けした門である。
      基本的に貴族とその使用人や客人しか通行できない。
 
・地区
上層地域にも暮らしぶりや地位による明確な地区分けがされている。
「寺町」    …上層のほぼ中央に位置し、大聖堂や礼拝堂が林立する。
「砦通り」   …衛兵砦を除けば、多数の店舗、比較的質素な住宅くらいしかない。
「広場」    …BG最大の公共空間にして主要市場で、日中は多くの商人たちが露店を開く。
「マナーボーン」…上層の西側の最も豪華な住宅街。貴族院議員のほとんどがこの地区に住む。
 
・旧市壁
バルダランの時代に築かれ、その後もBGを騒がせる騒乱のたびに改修されてきた。
しかし、いまだに立派に立ち続けてるように見えても、その下には無数の抜け穴が掘られている。
 
 
・貴族の屋敷
豪華な屋敷こそが貴族の誇りの源であり、旧市壁の創立当初からの血脈だという証明でもある。
邸宅の維持には金がかかるが、権勢は永続ではないため、資金獲得に躍起になる貴族は珍しくない。
屋敷が丸ごと買い取られる場合でも、新たな持ち主は以前の所有者との血のつながりを(捏造してでも)証明しようとする事が多い。
 
市壁に囲まれている以上、裕福な貴族家ですら利用できる土地は限られる。
狭い空間に複雑な過去が詰まっている事も多い。
・上層地域案内
 
 「“三樽の古酒”亭」 黒龍門前
“燃える拳”団員や元団員に人気が高く、そういった常連客のおかげでBG内で有数の安全な宿となっている。
経営者のウィンターサイズ家の3兄弟(50代のヒューマン)は親切なのは良いが用心が足りず、何度も詐欺被害に遭っている。
 
 
 「ラマジスの塔」 黒龍門前
6階建ての、古びた赤レンガでできた円柱状の塔で、100年前にラマジスというウィザードが建てたものだ。
それまで魔法使いとしてはぱっとしないと思われていたが、突如大金を手にして塔を建てたのだという。
その直後に、彼は謎の怪死を遂げた。塔はそのまま持ち主なく立ち続けた。
 
数年前、ロローカンという魔道士がこの塔を買った。
若く短気で、高級料理を好むために、いつも金欠という評判だ。
 
 
 「ヴァンサンバー屋敷」 寺町
貴族として新参のヴァンサンパー公は、あえて寺町の大行政堂前に屋敷を構えている。
 
 
 「エオメイン家の屋敷」 寺町
ナイセン・エオメイン(ヒューマン女性)は他の地域から上流階級に仲間入りしたい人々を屋敷に招待し、悪趣味な仮面舞踏会を開く。
ゲストたちは夜明けまでナイセンの残酷な娯楽の種になる以外に逃れることができないのだ。
彼女のほかの3兄弟は、貴族らしからぬ彼女の行いに対し、バツが悪く思っていても止めようとはしていない。
どうせ犠牲者は身分の低い連中であり、下賤の輩に貴族が気を遣う理由はないからだ。
 
 
 「“兜と外套”亭」 寺町
上層地域には珍しい客層が多く、宿も飾り気はないが、完璧な技術と最良の素材で客をもてなす。
二つの建物がくっつきあったこの宿は、冒険の記念品がいくつも飾られている。
昔から理想主義的な貴族の子女が集まるこの場所で、いつしか“ユニコーン騎士団”が生まれた。
 
 
 「女王の館」幸運の女神タイモーラの神殿 寺町
BGの民が、もし影響力ある組織を頼るとすれば、それは衛兵隊でも“燃える拳”でもギルドでもなく、この神殿だろう。
ほとんどの場合、願い事を聞いて寄付を受け取るだけだが、よほどの不正義を聞いたなら、教会の上位者に介入を求めることは稀にあり得る。
そして、神殿に集まる冒険者たちが、ここの神官の接触を受けて小さな正義を行うことはよくある。
 
 
 「大行政堂」 寺町
BG政府のほとんどの活動がここで行われる。
貴族院議会や四公会議、刑事裁判、税の会計、職能ギルドの会合もここで行われる。
あらゆる法律と法令を収める書庫があり、記録はBG創設にまでさかのぼれる。
ここの東翼一階はBGの歴史博物館となっており、多くの公爵や英雄たちの霊廟となっている。
 
 
 「大発明工房」革新と発明の神ガンドの寺院 寺町
工房で生み出されるのは、おおむね実験的な試作品であり、広く世間に披露すべきものではない。
BGではガンド信徒の発明を重んじ、その道義性や素性はそれほど重んじない、というのがガンド寺院がこれほど栄えている理由の一つだろう。
 
 
 「発明博物館」 寺町
ガンド神の御名の元に開発された発明品を展示する博物館である。
“大発明工房”は開発中の試作品を作る工房だが、ここは完成品を陳列し展示する場所なのだ。
この地下には機械の守護者に守られた秘密の宝物庫があるという噂が絶えない。
 
 
 「リリン家の屋敷」 寺町
BGでも指折りの貴族の名家だったが、数代前に貧窮してしまう。
イヴァンドル・リリン(ヒューマン女性)のおかげで近年ようやく暮らし向きが上向いてきた。
彼女は長年“燃える拳”その他の傭兵団で働いて、BGに帰ってきたのだ。
 
イヴァンドルは長期的な収入を得るため、屋敷のゲストハウスを使って剣術学校を開いた。
そして5年以上彼女と稽古して腕前を認められた最初の卒業生たちが送り出されようとしている。
イヴァンドルは厳しい教師で、生徒たちが腕前に誇りを持っているのも当然なのであった。
・上層地域案内(続き) 
 
 「衛兵砦」 砦通り
上層地域の警察組織である衛兵隊が、兵舎、訓練所、運営事務所として使用している。
砦には牢獄として使える房は少なく、一時的な拘禁場所として使用しているだけだ。
 
城代兼防壁管理官のオスムル・ハヴァナク(シールドドワーフ男性)は政治に関わらず砦の監督に専心している。
ハヴァナクは部下に厳しいことで有名だが、彼は一人しかいないので、その目にとまらぬ悪事がどうしても出てくる。
 
隊の士官の多くは貴族で、大方の隊員は都の貴族を見知っている。
旧市壁の外で暮らしている者は少なく、貧民の出とわかる相手には露骨に態度が変わり、敵意というより恩着せがましい態度となる。
貴族や上層地域の住民には「疑わしきは罰せず」となり、門外地域の住人の言葉よりはそれ以外の者の言葉を信じる。
 
 
 「ショア輸入品店」 広場
ナイアンザル港から移住したカップルの経営する店で、ミックス・スパイスが貴族の間で評判となり成功を収めた。
そのため、資本家たちがこの事業を買収しようと申し出てきたが、彼らはすべてを断り、結果、脅迫状などの事件が相次ぎだした。
 
 
 「地下の地下」 広場
広場地区の下には倉庫と酒場と蜘蛛の巣だらけの通路が入り組んだ地下空間があり、“地下の地下”と称される。
そこに通じる道は少なくとも20以上あるが、世間に知られているのは数えるほどしかない。
多くの市民は、そこを秘密酒場兼売春宿兼賭博場、程度にしか考えていない。
 
しかしそこはギルドの管理する部屋で売られている、本当の禁制品の取引場所である。
そして上層のほとんどの地域とつながっている、とも噂されている。
 
 
 「ハーブリーズ・ベーカリー」 広場
市内で評判のパン屋であり、異国のお茶も幅広く取り揃えている。
貴族たちが噂話に興じるため、店主のエリン(ヒューマン女性)は世間のゴシップに詳しい。
 
 
 「開かれる巻物」知識神オグマの寺院 広場
周囲から強烈に目立つ建物で、婚礼や奉納、その他宣誓の儀式などの場として人気が高い。
 
 
 「広場地区」
BG市で唯一の公共空間であり、納税している店舗以外での商取引が可能なのはこの場所のみと定められている。
毎朝、売り手がどっと押しかけて店を広げ、日が暮れると、売れ残った商品を運び出すか、料金付きで倉庫で保管してもらうかする。
日中のこの地区は込み合うが、無秩序というほどでもない。
衛兵隊が巡回し、さらに音楽の演奏が禁じられている。(音を出さない見世物や大道芸人は普通に見かける)
 
広場管理官ジェドレン・ヒラー(ヒューマン男性)が毎朝店の場所を割り当てるのだが、その腐敗ぶりは誰もが知っている。
期待した賄賂額を渡さねば、隅のおいしくない場所に回されてしまう。
 
※ ミンクスとブーの像
広場地区のランドマークとして「愛すべきレンジャー」像があったが、それは当人が石化されていただけと判明。
英雄は石化を解呪されて居なくなったが、新たに本当の彫刻を立てようという事になった。
 
 
 「ヒューン家の屋敷」 マナーボーン
ソードコースト全土に強力なコネがあるヒューン家は他の貴族家から恐れられてきた。
現在は高齢の未亡人ルテシア・ヒューンが屋敷を治めているが、彼女には後継者が無く、嫌いな親族に家を継がせたくもない。
なので現在、家系図を調べてもらい、よりマシな後継者を探そうとしているようだが…
 
 
 「ボームル家の屋敷」 マナーボーン
今年の春の祝日に、疎遠だった叔父が大量の荷物を抱えて屋敷を訪れた。
その滞在中に使用人たちが奇妙なふるまいを見せたが、ボームルの人々はただの食あたり程度にしか考えなかった。
数日後に叔父は品物をいくつか置き去りにして去っていったそうだ。
 
 
 「油断なき盾」ヘルムの神殿 マナーボーン
衛兵隊や“燃える拳”の要請があれば、ヘルム神官は彼らの仕事を手助けする。
このため、門外地域では彼らを軽蔑する者もいる。
【下層地域】
旧市壁から下る三日月形の急な斜面にBGの一般市民が住んでいる。
昼間は混みあって騒々しく、たくさんの店で繁盛しているけれど、夜には不気味に静かになる。
ほとんど誰もが何らかの商売に従事し、また、あらゆる犯罪が横行している。
 
市当局は“燃える拳”に通りを見回らせているが、彼らは大体の見当で容疑者の頭をカチ割るのを得意としている。
それで大方の住人は、互いを守って犯罪を未然に防ぐため、微妙な問題の解決のために“寄合”という自警団的なものを作る。
さすがに、明白な犯罪に直面したなら“拳”を呼ぶが…
 
・門
下層と門外を繋ぐ3つの門は、通行証は必要ないが、中に入るには5cpの通行料が要る。
「バルダー門」 上層と下層をつなぐ、一般市民が通れる唯一の門。
「崖門」    街の最南東にある門。あばら家地区と墓地地区のそばにある。
「バジリスク門」街の東に面する門。ここからの街道は門外地域を貫いてチオンター川を越え、南方の国々につながる。
 
 
・地区
どんな商売のものが多いか、貧富の差や伝統などによって下層はさらに複数の地区に分かれる。
各地区住人は互いに地区住人の傾向を「あそこの連中は○○な奴だ」とステロタイプで決めつけ、対抗意識を持っている。
ただ滑稽なだけの反目もあれば、長年にわたり過ぎて即座に暴力沙汰となりかねないものもある。
 
「イーストウェイ」…バジリスク門に面した東通りは旅人が多く、宿屋や荷運び人、隊商用の補給物資などが用意してある。
          犯罪者は基本的に旅人を狙うので、都で特に危険な場所になっている。
 
「高坂」     …港からバルダー門へ直通する急坂の通りに、都でも指折りの大商人の営む店が並ぶ。
          貴族が訪れる頻度も高く、“燃える拳”の見回りも他より多い。
 
「シータワー」  …バルダランの海塔を中心に、“燃える拳”の団員と家族が住む。良い鍛冶施設もここで見つかる。
          傭兵の財布を当て込んだ娯楽施設の数も多い。
 
「ヒープサイド」 …東通りと高坂の間にあり、中流階級の人が多い。 
 
「ブランプトン」 …上層から最も遠い東端にあるため住人も貧しいとされる。
 
「ブルームリッジ」…高坂と海塔の間にあり、下層で特に金持ちやおしゃれな人々が集まる。
 
 
・寄合のなわばり
寄合には地縁によるものも職業で結びついたものもあるので、そのなわばりが重なっていたり、別地区にまで伸びたりもする。
特に争っているのでもなければ、大方の者は他の寄合と協力するので、寄合間の争いはほとんどない。
 
都中に店を持つような職業のギルドであれば、物理的ななわばりは主張せず、利害問題の時のみ団結する。
こうした寄合は「公式な会合の場」などは持たずに必要に応じて集まり、旗や印などにはほとんど拘らない。
 
逆に、寄合が特定の土地を支配している場合もあり、自らの自警団ぶりをひけらかす寄合もある。
あるいは、物理的にその場所に集まるのが都合が良いので、その土地を中心に活動している場合もある。
・下層地域案内
 
 「イーストウェイ探検家用具店」 東通り
ここは昔から怪しげな探検用品を安く買い、手入れをして、楽観的な英雄志願者に売るという商売をしてきた。
店主はスカーム・シルヴィン(ティーフリング女性)。
BGとナイアンザル港との同盟締結後、チャルトでの冒険需要につけこんで新米冒険者に装備を売り込んで南国行きの船に送り込んだ。
彼らのほとんどが二度と戻らず、自信過剰な貴族の子弟が数人行方不明になったあたりで市当局が介入した。
 
今では、厳選した装備と密林用装備を“注文から10日後に渡す”方式で売らねばならず、当然売り上げは落ち込んだ。
損を取り戻そうとシルヴィンは常に人手の要る公益事業(および海賊事業)と結びついた。 
以来、人々は「街からすぐに出ていきたいならこの店を頼るといいぜ。行き先がどこでも良いんならな…」と評判した。
 
 
 「薄明り丸」 東通り
港の東側の桟橋に三本マストの古びた船が揺れている。
すでに航海不能なほどボロボロで、ここは悪名高い水商売の宿なのだ。
 
 
 「“エルフの歌”亭」 東通り
常連客は荒っぽいが、BGでも指折りの繁盛店。
時おり、エルフの歌声が響くと、不思議やランタンの灯りはうすれ、非情で頑固な者すら思わずその歌に涙する。
 
 
 「ガームルトの訓練場」 東通り
半ば訓練場、半ば酒屋という三階建ての建物。店主は老いた武術家のガームルト。
ここは武術の訓練場であり、“旗印無き軍団”という寄合のたまり場でもある。
寄合の長は“肝っ玉”デズリ・ラムーアで、ガームルトとともに宿の生徒の訓練をしたり、傭兵仕事を斡旋したりしている。
 
訓練場では金を払えば誰でも教えを受けられるが、傭兵仕事を斡旋してもらえるのは“旗印無き軍団”に入団した者だけだ。
入団志望者は中庭でガームルト相手の練習試合をして、腕を認められる必要がある。
 
 
 「ジョパリンの店」 東通り
みすぼらしい宿屋を人気の喫茶店に改装したのは店主のジョパリン(ハーフエルフ男性)。
店長の淹れるスペシャルブレンドは誰もが認める人気のお茶だ。
 
 
 「“星やいば”亭」 東通り
魔法のかかった木の盾、という風変わりな看板が店名の由来。
居心地のいい宿屋だったが、最近亭主のオーラヨーン(ハーフオーク女性)が、看板の盾とともに忽然と姿を消してしまった。
それ以来、妻のルピン(ヒューマン女性)が宿を取り仕切っているが、彼女の失踪の裏には何か悪いことがあったに違いないと信じている。
 
 
 「波止場施療院」 崖門前
何世代も前にBGに疫病が流行った結果、下層市民は一致団結して誰もが治療を受けられる施療院を作った。
もちろん金はかかるが、助けを要する者には、どこへ行けばいいかわかるだけで有難いもの。
崖門前にあるので、墓場への交通の便が良いのは、いかにもBGらしいことだ。
 
ここは常に人手不足で、門外の貧民に対応する部門が特にひどく、安全面でも問題が多発している。
・下層地域案内(つづき)
 
 「会計事務所」 高坂
何百年にもわたって都の交易の中心であり続けた商業の砦。分厚い壁を巡らせた二階建て。
銀行であると同時に砦でもあり警備は厳しく、普通の客は1階の窓口より奥へは入れない。
 
 
 「水の女王の館」アンバーリー神殿 高坂
BG最古の神殿で、普通のBG市民が足を踏み入れることは決してない。
海で親や夫を亡くした女性が、時おりこの神殿に仕える“波の従僕”となることがある程度だ。
 
 
 「石焼風呂」 海塔
シータワー地区で指折りの古い建物で、温水の風呂のある広間には見事なモザイク画がある。
ここは中立で安全でプライバシーの守れる会合場所として、政界でも特別な意義を有している。
経営者のメリリン・アンラリル(ムーンエルフ女性)は薄手のバスローブ以外、いかなる物品の持ち込みも禁じている。
彼女の信用で、対立勢力同士の緊張した交渉も、この場の掟を破って暴力になだれこむことはない。
 
この施設は恋人派遣業の本場でもあり、“遊興組合”は事実上この風呂を本部として定期的に会合を開いている。
しかし経営者のメリリンは遊興組合に加入しているわけではない。
 
 
 「下水塔」 海塔
都市が大きくなり下水が川を汚すようになると、貴族たちはドルイドと力を合わせこの塔を建てた。
しかし公衆は自分たちの出すゴミを一切気にかけておらず、運営資金集めは失敗している。
 
塔は下水掃除夫寄合の本部にもなっている。
寄合の長はジェナミン・コパリ(ヒューマン女性)。
 
 
 「バルダランの海塔」 海塔
港の岸から長さ400ftの小道でつながっている岩がちな小島にそびえる“燃える拳”の拠点。
常時約100人の兵が詰めており、中庭には巨大な武器庫がある。
 
海砦はBGの牢獄としても機能し、地下には3層の牢が広がっている。
この中で腐っていく囚人の中には微罪を犯しただけの者もいれば、冤罪で放り込まれた政治犯もいる。
地下牢への侵入も脱出もひどく難しい。
 
 
 「キャンダルハロウ葬儀社」バジリスク門脇
昔からムーンエルフのキャンダルハロウ家は、この都市の遺体運搬を取り仕切ってきた。
この家の雇い人は都中から遺体を荷車に乗せ、“受難の社”または門外の共同墓地に運んでゆく。
 
 
 「受難の社」殉教と忍耐の神イルメイターの社 ヒープサイド
小さく静かな広場に建つ社で、最貧民層はここで無料の食事と市門の通行料に足りる銅貨の施しを受けられる。
これはすべてホッジス修道士(ストロングハート・ハーフリング男性)の手配りによるもの。
 
ここには少額の謝礼で埋葬してもらえる地下墓地がある。
貧民にとってはほぼ唯一の、宗教的な埋葬をしてもらえる場所でもあるのだ。
 
 
 「“はにかむ人魚”亭」 ヒープサイド
しょっちゅう喧嘩が起きることでソードコーストの南北に悪名を聞かせる、BG一番の酒場にして宿屋。
ここで何をなくしても宿は責任を取らない。財布でも命でも手足でも。
この宿で眠る者はほとんどおらず、一日中ここにたむろする後ろ暗い連中の事実上の事務所となっている。
 
 
 「バルダーの声」 ヒープサイド
都一番の通信社にしてゴシップ屋で、社会のどこにでもスポンサーがいる。
BGの人々が知りたいもの、噂の種にしたいと思うところ、かならず“バルダーの声”がある。
 
驚くほど粗末な元倉庫でこの事業を営むのは、エトヴァード・ニードル(ヒューマン男性)。
発明博物館から買った“機械仕掛けの書記”に新聞を複写させ、そこに載せる広告料を資金にしている。
都の冒険者を“調査記者”として雇い、あるいは彼らの冒険を記事にすることもある。
 
 
 「フェロジャー花火店」 ヒープサイド
4階建ての石の建物で、通気口や煙突からはいつも妙な色の煙が流れ出している。下2階ぶんは上品なショールーム。
上2階ぶんは部外者立ち入り禁止の工房で、“旗印無き軍団”から雇った用心棒がここを守っている。
 
錬金術師アヴェリー・サンシャル(ヒューマン男性)が伝統に従ってスモークパウダー(煙火薬)生産の独占権を守っている。
煙火薬は四公会議と大発明工房関係者以外には売らないが、他の錬金術関連品ならば売ってくれる。
 
 
 「魔法小間物屋」 ヒープサイド
高い建物にステンドグラス製のドーム型の屋根がついており、そこからの光は内部の吹き抜けになった各階に降り注いでいる。
一階が都有数の魔法の店になっていて、珍しい品々やコモンのマジックアイテムを買える。
右手がしなびた魔道士リヴァレン・ブラックハンド(ヒューマン男性)が客の対応をする。
店にはポーションofヒーリングが何本か常備されており、魔法の品の買取も受け付けている。
・下層地域案内(つづき)
 
 「洞察の園」 ブランプトン
40年前に、長い異国での冒険から帰ってきたトリメイシュ(シールドドワーフ男性)というドルイドがこの土地を買った。
元は住居を建てるのに適さない急傾斜な丘の中腹で、違法投棄されたゴミだらけの場所だったが、彼の魔法でそれらは消え去った。
誰でも入れる自然あふれる公園となったその土地で、トリメイシュ本人は岩に寄り掛かった小屋に住んでいる。
 
ここの目玉は“未来図の木”で、トリメイシュの願いに応じて自ら巻き上がりはがれた樹皮には予言的な画像が描かれている。
謎めいたその未来像は、しかし確実におこることである。
この力を悪用したり、勝手に樹皮を剥ごうとする者に、トリメイシュは人を殺しかねないほど腹を立てる。
彼が予言の樹皮をはがすのは、木の気まぐれに従う場合と、相手に頼み事する対価とする場合のみだ。
 
 
 「喫茶“笑い猪”」 ブルームリッジ
わざと猥褻な名前を付けた下品なメニューで地区の住人をからかうのはジェンサ・アリナマック(ストロングハートハーフリング女性)。
しかしこの半年ほど、喫茶店の路地裏で次々と死体が見つかることで商売あがったりになっている。
都のいたるところで行方不明になった被害者は同一の手口で殺害されており、“鎌男”のしわざと人々は噂する。
この殺人犯の尻尾をつかむ手助けをしてくれるならジェンサは報酬を支払うだろう。
 
 
 「セスカーゲーツ屋敷」 ブルームリッジ
豪商セスカーの住まいだった屋敷は、一族最後の一人が数年前に謎の死を遂げてから無人となった。
その後、アスカトラから来た魔道士インブラリム・スクーンドが屋敷を自宅兼魔術工房として購入した。
彼は四公会議お抱えのウィザードとして出世していき、めったに屋敷に戻らない様子だ。
 
 
 「マンドーカイ屋敷」 ブルームリッジ
数十年前、何もなかった土地に一夜にして忽然と現れた豪壮な邸宅。
下層地域の名士を招いて何度か開かれたパーティーの主催者は不気味なヒューマンのウィザードでマンドーカイと名乗った。
そして突然、社交を絶ってしまう。物見高い連中が中を覗き込んでみると、屋敷の内部は無人の様子。
 
やがて都中にここへの招待の手紙が届くようになり、それに応じて屋敷に入った者は二度と出てこなかった。
“燃える拳”一個分隊が踏み込んだが、出てこれたのは2人のみで、恐怖のまま内部のありさまを語った。
この屋敷の取り壊しを引き受ける人夫などおらず、四公会議は扉に板を打ち付けたまま屋敷を放置することにした。
今も時おり、人家の前にこの屋敷からの招待状が置かれていることがあるが、それを本物なのか悪戯なのか確かめた者はいない。
【門外地域】
汚くて洗練されておらず、BGのエリートたちが壁の内側に入れたくない物や産業がすべてある。
あばら屋と店舗が、テントと荷馬車がゴチャゴチャ並んだ道沿いの市場で、BGの少なからぬ商業活動が行われている。
門外地域の大半はコースト・ウェイ大街道沿いに、バジリスク門から竜渡りまで伸びている。
 
これらの地区の住人は法律上のBG市民ではなく、“燃える拳”がこの地域を見回ることもめったにない。
諸問題に対処するため、小規模だが結束の固い共同体が生まれた。
 
 
・都への路上
陸路でBGに近づく旅人は、まず雑然たる門外地域を通り抜けねばならない。
大きな乗騎や荷役獣を連れている場合は、ここの厩や隊商宿に預けることで門内に入れる。
南からの旅人の場合、チオンター川にかかる橋の竜岩砦でも通行料を払うことになる。
 
川から船で来た旅人は灰色港で待たされ、港湾管理官の役人が積み荷を査定、徴税し、船の係留許可証を販売する。
 
 
・地区
「ウィットキープ」 …門外地域の中ほど。悪臭を放つ皮なめし場と、都で最大規模のノームの居住区がある。
 
「カリムシャン街」 …カリムシャン系の住人が集まり、壁を巡らせて守りを固めている。
 
「ストーニーアイズ」…バジリスク門の外側。厩と家畜飼育場でいっぱいで、ハーフオークの荷運び人の共同体もある。
 
「タンブルダウン」 …崖門の外で墓地の近く。あばら家地区とも呼ばれ、いつも川からの霧が立ちこめている。
 
「ノーチャペル」  …門外では一番静かな地区。住人はギルドに通常以上の保護料を払って安全を守ってもらっている。
 
「“双つ歌”」   …竜渡りの北岸。種々様々な社や礼拝堂が立ち並んでおり、フィーンド信仰すら許されている。
 
「ブラックゲート」 …黒竜門の外側。厩がいくつもあり、シールドドワーフの鍛冶屋の共同体もある。
 
「“メス豚の足”」 …遠く何十もの国々からの追放者が、あまたの異種族と混じって暮らし、自分たちを排斥する都に対し団結している。
 
「リヴィントン」  …竜渡りの南岸。ほぼ自給自足の村落で、漁師が住み水車小屋が並んでいる。
 
「竜渡り」     …チオンター川にかかる巨大な橋。長さ1700ftもの橋上に店や家がひしめいている。
・門外地域案内
 
 「ウィットキープ芸術村」 ウィットキープ
この白い壁を巡らせた屋敷は、危険で評判のBGには珍しく光と陽気さの垣間見える場所だ。
元は100年以上前に裕福な隊商頭が建てたのだが、彼が財産を失って以来、不法占拠のノームの芸術家たちのコミューンになっている。
この屋敷の部屋に住まないかと誘われえるのはノームだけだが、ここでの芸術的な催しに参加するのは誰でも歓迎される。
 
ここは多数の芸術家や夢想家に混じって、都の過激派や革命家も集まる場所になっている。
政府の非を訴える“無産者”パーニラ・ケーブルノック(ロックノーム女性)は、発明家のアードリン・ディーグル(ロックノーム男性)と組んだ。
そして自ら「資本のくびきを打ち砕き人民を開放して繁栄をもたらす」大発明を完成寸前だと噂を流している。
 
 
 「オアシス劇場」 カリムシャン
BGに多種多様な小劇場やキャバレーあれど、この“オアシス”ほど壮大なスペクタクルを見せるところは他にない。
オーナー兼演出家のジョナス・グッドナイト(ヒューマン男性)の衣服は派手だが、彼の演出する見世物はそのさらに上を行く。
こうした出し物は時として危険度を増し、事故も時おり起きているが、貴族も平民もこの劇場のチケットを争って買う。
 
 
 「カリムシャン街」 カリムシャン
何世代か前に南方の戦から逃れてたどり着いた難民たちが、同胞のキャラバンからの助けを得て周囲に壁を巡らせた居住地を作った。
他の門外の地区とは違い、煉瓦を組み漆喰を塗った壁(高さ15ft、厚さ5ft)で画然と区切られ、内部もカリムシャン様式の街並みだ。
いくつものキャラバンと独占取引契約を結んでいるため、この地区では南方の産物が独占的に販売されている。
 
悪名高いカリム宝石店は、盗品の宝石を売りさばく場所として有名だ。
“ささやきの園”は木と紙を組み合わせた壁を使った迷路のような場所で、都中から情報を売り買いする人が集まる。
壁越しに会話するので相手が誰かはわからない、という仕組みだ。
“学識のランプ”やヴェルダシール学院などの、カリムシャン流の魔術や戦士の訓練所もある。
よそ者はよほどの腕前でなければここで学ぶことはできない。
 
この街の活気はBGの広場地区以外にはひけを取らないが、よそ者に門を開くのは1日のほんの数時間だけだ。
立ち入り可能な時間以外では“燃える拳”といえどめったに入れないここの治安はアムラッカルという民兵団が守っている。
しかし狭い町では収入格差や思想の違いが問題化し、中でもカリムシャン系のギャングとギルド派閥のなわばり争いが激化している。
 
 
 「ガリンモア厩舎・ガリンモア動物園」 ブラックゲート&石の目
市壁の内側に入れない馬や荷役獣のために、門外に多数ある厩の中でも最大のものがこの厩舎だ。
北と東の両門前地区に拠点を持つことで、BGを通過する旅人に片方で預けた動物をもう片方で受け取ることを可能にしている。
他にも、普段は乗騎を持たないBG市民に馬をレンタルしたりもする。
 
ウービス・ガリンモア(ヒューマン男性)は事業に成功した今、ストーニーアイズ地区に動物園を開業した。
各種のクリーチャーを飼っており、珍しいクリーチャーの健康な個体があるなら喜んで金を出すだろう。
動物園は繁盛しているが、付近の住人は危険な獣の管理に対して気をもんでいる。
・門外地域案内(つづき)
 
 「海を見やるバルダラン像」 あばら家
英雄バルダランが姿を消した後に、この地区の崖の上に忽然と現れた、西を向いた本人そっくりの像。(大きさは2倍)
この像が一定期間ごとに姿勢を変えるので、学者が調査した結果、1年の最初の日に一瞬で姿勢を変えることが判明した。
 
1世代ほど前に、あるオグマの騎士が像の目線をひたすら直進してみたところ、都の西の森に円筒形の石の建造物を発見した。
その上には元の方角を見返して立つ一回り小さいバルダラン像があり、入口は地下に続いていたが魔法の光で阻まれ侵入できなかった。
騎士が急いで都から加勢の学者たちを連れて戻ると、その建物は消えていた。
“バルダランの墓”と呼ばれるようになったこの建物は、その後、3度ほど発見されたが侵入できた者は誰もいない。
 
 
 「クリフサイド墓地」 あばら家
地価も人口密度も高いBGでは、よほど金持ちの貴族でもなければ死人を市内に埋葬する余裕はない。
壁の外に散在する墓地の中で一番大きいのがここで、現地住人を墓掘り人、葬儀屋、泣き女などに多数雇用している。
 
地下納骨場と乱立する墓標はまるで迷路のようで、よそ者には構造を把握するのは難しい。
何世代も使われて、過去の地図が失われたり、変更が反映されて居なかったりで混沌としており、さらに墓泥棒も多い。
今ではBGの民は貴重な副葬品などを死体と一緒に埋めたりしなくなった。
 
クリフサイド墓地を管理しているのが墓守寄合だ。
彼らはアンデッドの問題にも対処し、市民に害が及ばないようにしている。
墓守の長はリオーン・ウェンというトームの騎士(ヒューマン女性)で、常に新しい加入者を求めている。
 
 
 「リヴァーヴェインズ」 あばら家
ダストホークの丘のふもとチオンター川のほとりに、水の流れが作り出した天然の迷路となった地下トンネルがある。
地元では“川の地下水路(リヴァーヴェインズ)”と呼び謎と伝説の発生源となってきた。
こういった場所は逃亡者や密輸人、水棲の捕食者の隠れ場となる他に、冒険好きな恋人たちのデートスポットになったりもする。
 
 
 「最後の希望の教会」 双つ歌
望みを失い心を病んだ者たちのための礼拝堂兼精神病院。
ここで働くものは特定の信仰に属さず、訪れる者の温和な信仰と瞑想を賞揚する。
ここに収容されるのは家族が部屋を借りた者か、管理者であるマザー・アラミナ(ヒューマン女性)の招待によるものだ。
 
 
 「ハムホックの屠殺場」 “メス豚の足”
家畜の囲いと納屋と畜殺場が組み合わさった巨大な施設で、BG最大の屠殺場兼畜産処理加工場だ。
いつも血の匂いがするせいで、付近の人々とはあまり仲が良くない。
 
 
 「“ダンセロンの踊る斧”屋」 竜渡り
二階建ての店には冒険者に入用なものが何でも売っている。こぎ船や移動式の檻まである。
店主のエンサール・ダンセロン(シールドドワーフ男性)が店名の由来となった空飛ぶ魔法の斧について、嫌でも語ってくれる。
 
この店の屋根裏部屋には腕のいいヘアスタイリストのイスラ・ブラックレル(ハーフエルフ女性)が間借りしている。
彼女の来訪者への率直で言葉を包まぬ髪型の批評は、店名の空飛ぶ斧と同じくらい有名だ。
 
 
 「竜岩砦」 竜渡り
チオンター川の真ん中の小島に“燃える拳”の堅固な砦が立っている。
南からの旅人に通行料を課す検問所で、トンネルとなった砦内部にはいたるところに人殺し穴と矢狭間がある。
日中のみ通行でき、日が落ちると砦両側の橋につながる跳ね上げ橋が巻き上げられ、往来が不可能になる。
 
竜岩砦の司令官は、最近睡眠中に死亡した。この件の事件性は否定された。
後任が決定するまでの間、守備隊付きの魔道士ガルダク・ホルン(シールドドワーフ男性)が砦をあずかっている。
 
 
 「竜渡り地区」 竜渡り 
2つの巨大な橋がチオンター川を両端から竜岩岩まで繋げている。
この橋上に不法占拠者が住み着き、両側から側面まで木造の共同住宅、宿屋に商店が軒を連ねるようになった。
都に来る旅人に誰よりも先に物を売りつけるため、都を出る旅人に誰より最後にスリを働くために。
 
ここの住人は門外地域の者から見ても与太者ならず者ぞろいだが、大規模なストロングハートハーフリングの共同体もある。
不正と犯罪で名の通る地区だが住人の結束は固く、取り仕切るのは“橋者”という地元の寄合だ。
【目次】

概要・現在のBG>>[1]
BGの政治体制>>[2]
都の住人たち・経済と交易>>[3]
BGにおける宗教>>[4]
BGにおける危険>>[5]
市内のランドマーク>>[6]
 
上層地域の解説>>[7]
上層地域の案内>>[8]>>[9]
 
下層地域の解説>>[10]
下層地域の案内>>[11]>>[12]>>[13]
 
門外地域の解説>>[14]
門外地域の案内>>[15]>>[16]
 
 
※ 初めてBGに触れる人は[1][3]と各地域の[7][10][14]をまず読むのが良いだろう。
  宗教や政治体制、地域の詳細など個別に知りたい時、改めて該当の項目に目を通せばよい。
『地獄の戦場アヴェルヌス』に収録されている背景データを抜粋・要約したものを転載する。
やはり著作権的にアレなので個人使用の範囲とするべし。
 
バルダーズ・ゲート出身のキャラ(バルダーズゲートっ子)であることを示す新たな特徴が提供されている。
これらは通常の背景の特徴に加えて、BGでのみ効果が発揮される。
(当然だが、BGに来たばかりの新参の余所者に、これらの特徴は取得できないだろうが…
 詳細はDMと相談するのが一番だろう)

PHBの各種背景に加え『アヴェルヌス』にて追加された背景として、「正体を隠した英雄」が加わっている。
“バルダーズ・ゲートでの特徴”(以下“BG特徴”)の個人的に要約した内容は下記の通り。
 
 
「イカサマ師」BG特徴:音信不通の跡継ぎ
効果:君は貴族の作法に精通しており、架空の家系や途絶えた家系の音信不通だった跡継ぎになりすませる。
 この技術のおかげで、君は上層地域に入れる通行証を持っている。
 しかし、君の素性に本格的な調査が行われれば、ペテンはばれてしまうだろう。
 
「隠者」BG特徴:都市の真実
効果:君はホームレスや社会から見捨てられた者たちの世界を知っている。
 下層地域や門外地域にて群衆に紛れて隠れ潜み、快適ではなくとも生き延びることができるのだ。
 
「貴族」BG特徴:パトリア(貴族)
効果:この特徴は本来の貴族の背景特徴“貴族の特権”と置き換えるものとなる。
 市門を通行料を払わずに通ることができ、好きなだけ上層地域に滞在できる。
 腐敗した衛兵や政府の役人どもは、君の有利になるように働こうとするだろう。
 
「ギルドの職人」BG特徴:職業上の役得
効果:君が仕事をすることが最も多い地域を、3つの地域(上層、下層、門外)から一つ選ぶ。
 君はその地域での情報に関して、同じ寄合の仲間から噂を聞き出すことができる。
 君はその地域のほぼすべての銀行、ギルド会館、仕事場、作業所、集会所などに出入りできる。
 
「芸人」BG特徴:舞台裏通行許可証
効果:君は舞台の会場に観客としてどんな人種が集まるか、その傾向を把握している。
 公演の成功後であれば、熱狂的な観衆の中からそういった職種や社会階層の人物と会うことができる。
 その人物は喜んで君と会話しようとするだろう。
 
「賢者」BG特徴:噂屋
効果:知り合いや“バルダーの声”の記事を通して、住人の秘密を推測することができる。
 この町で特筆すべき犯罪や不思議な出来事が起きたなら、重要参考人を直ちにリストアップできる。
 
「侍祭」BG特徴:宗教的共同体
効果:君はBGの宗教的共同体と強固に結びついている。
 この街に特定の神の信者がどの程度いるのか、集会所や彼らの多い地区などの情報を持っている。
BG特徴の続き
 
「正体を隠した英雄」New!(『地獄の戦場アヴェルヌス』にて追加された背景)
 BG特徴:2つの顔
効果:君は本来の自分としてではなく、君のペルソナたる英雄としての知名度しかない。
 偽装したペルソナとして振舞う限り、英雄の正体を見破られることはない。
 偽装を解いて本来の自分をさらしていても、ペルソナたる英雄と同一人物とは見られない。
 しかし誰かが英雄の正体が君であると気づいてしまえば、この誤魔化しは効果を失うだろう。
 
「犯罪者」BG特徴:犯罪者のコネ
効果:バルダーズゲートでの犯罪はビジネスの一つに過ぎない。
 君はあらゆる貴族家、寄合、政府の下級構成員、犯罪ギルドの下級構成員との会合を持てる。
 君からの情報や頼み事は、会合した彼らから組織の上方へと伝えられるだろう。
 
「船乗り」BG特徴:密輸業者のセンス
効果:君は波止場の情報や知識、設備の動かし方に詳しい。
 急いで荷下ろしをしたり、疑われずに協力者の船上に荷を運ぶなどは簡単なことだ。
 君はまた、港湾警備隊の動きもよく知っている。
 
「浮浪児」BG特徴:市内ガイド会とのコネ
効果:君はガイド会のメンバーではないが十分なつながりがあり、彼らの暗号も知っている。
 市内の建物に関して、誰が住んでいるか、どんな商売をしているか、それはまっとうな取引か、
ギルドや政府にコネがあるか、市内ガイドを助けたか拒んだか、などの情報を得られる。
 
「兵士」
 BG特徴:町の治安部隊
効果:“燃える拳”傭兵団か衛兵隊のどちらかに勤務している。
 地位に応じた責任を果たしている限り、利益を得られる。
 もしも責任を果たさず利益を失った場合、1か月間の責任を果たして利益を回復できるかもしれない
・“燃える拳”傭兵団
 10日に一度、訓練に出頭しなければならず、下層か門外地域の定期巡回の交代勤務に就く必要がある。
 君は“燃える拳”の城砦に出入りでき、士官や兵士とコミュニケーションができる。
 君自身は問題なく市門を通行できる。“三樽の古酒”亭ではいつでも歓迎される。
・衛兵隊
 上層地域の定期巡回か、門の交代勤務に就く必要がある。10日に一度、訓練に出頭しなければならない。
 君は砦に出入りでき、士官や職員とコミュニケーションができる。
 市の大行政堂での発言権を持ち、砦の近辺ではただ飯を喜んでおごってもらえるだろう。
 君自身だけでなく、貴族でなく通行証を持たない人物を上層地域に連れ込める。
 しかし上層地域の外での君は、制服を着ている限り疑われ、冷たい対応しか得られない。
 
 BG特徴:職務倫理の勘
効果:経験から、腐敗した衛兵や軍の士官を見分けられる。
 証拠などは無いし、君の勘が絶対とまでは言えないが、それを明らかにするスタート地点としては有効だ。
 この感覚を応用して、自分の任務を相手がこなせるかの判断材料にもできる。
 
「辺境育ち」BG特徴:移民体験
効果:君はこの街の移民共同体の中で知られた人物だ。
 外国での伝統や歴史について知識のある人物を、おそらく門外地域のどこかで見つけ出せるだろう。
 
「民衆英雄」BG特徴:社会への復讐
効果:君はこれまで下層か門外地域で暮らして、庶民の貴族への憎悪を知っている。
 下層か門外地域で市民を扇動し、貴族や衛兵隊、“燃える拳”団員に対して彼らをけしかけることができる。
アヴェルヌスキャンペーンは新章からバルダーズゲートを離れ、地獄に落とされたエルタレルを救う手段を求めて地獄に乗り込む展開となる。
だが、50年ほどの歴史しか持たないエルタレルについては、バルダーズゲート程の知名度もないし、知識のないPLが大半と思われる。
(ジッサイ4版のレルムPLガイドにはエルターガルドの地域名こそあれエルタレルに関して何の解説もない)
そこで、トピックの主題からは外れるが、エルタレルの情報を簡単にまとめてみる事にする。
 
基本的に「ソードコースト冒険者ガイド」の引き写し&超意訳なので、詳しく知りたいならそちらを読む方が良いので悪しからず。
 
 
 
現在(5版の時代=1489)より50年ほど前(100年の呪文荒廃の只中、4版の時代よりも前)…
エルタレルはまだ小都市に過ぎなかった。
 
この地にはヘルライダー隊という軍隊が元から存在していた。
大昔に九層地獄に乗り込んでこの地を苦しめていたデヴィルを追い払ったという逸話に由来している。
この都市の指導者でもあった当時のヘルライダー隊の総監が実はヴァンパイアだと判明し、市内がアンデッドに埋め尽くされる危機に陥った。
すべてが失われるかに見えたある夜に“朝”がやってきた。
都市の上空に太陽と見紛う金色の光を放つ球体が現れ、すべてのアンデッドを塵に帰したのだ。
この奇跡により救われたエルタレルは、以後、昼夜を問わず都市上空で輝き続けるその球体を「友垣(ともがき」と呼び、この奇跡を目にするための巡礼者が都市に押し寄せるようになった。
 
元よりこの地を治めていたヘルライダー隊にも少なからぬパラディンがいたが、これより多くのパラディンが集う都市となり、その中の最良のパラディンに大監察官の称号を授けてエルタレルの統治にあたらせる事になった。
多様な信仰を持つパラディンたちをとりまとめる為、エルターガルドを守る“堅き信条”を誓うことによる「友垣騎士団」が結成された。
とは言え、この太陽の友がそもそもどの神の奇跡によるものなのか、どんな理由で出現したのかは今現在になっても判明していない。

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