横浜ケンタウロスコミュのMILANO TARANTO

エンジンの回転数が上がる時です！

とうとうやってきました！！あと数日でようやく待ちに待ったレースが現実のものとなります。

汗と涙で真っ赤になった目をしながら、ターラントの海岸沿いで別れのあいさつをした日がまるで昨日のことのように思い出されます。そして、再スタートの瞬間がやってきました。私たちにとっても、この1年は過ぎたレースと思い出にひたり、新たなレースの計画を立てることであっという間に過ぎていきました。

今年のイタリアの春は寒い日が多く、みなさんも、なかなかバイクを走らせる機会もなかったのではないかと思います。あったとしても、それはエンジンの音を聞くためのテスト走行、頬をなでる風をほんの少し楽しむため程度のものだったのではないでしょうか。

レースの行程と参加者の名簿はすでに記されました。7月7日ミラノのイドラスカーロ公園における今年のスタートの一番手をきるのはエントリーno.1グッツィーノ65㏄で参加するルチアーノ・アルバーノです。

本年度のレースの最多メンバー参加国はドイツとなりました。まさにミラノ・ターラントに恋したメンバーの数がオイルのしみのように広がっています。

そして、1952年、伝説のミラノ・ターラントレースの勝者、ラヴェルダ350ｃｃを操る伝説のライダー、ニーノ・カステッラーニも登場します。ニーノだけではなく、ヴィート・チカーチ、そしてコジモ・ヴァッカレッリといった、「ミラノ・ターラントの帰還兵」たちのグループも不動の存在となっています。60年以上に渡ったバイクへの情熱、そしてイタリアを矢のような早さで縦断するレースへの情熱が彼らを突き動かしているのです。

1900㎞に渡る今回の６つの行程はイタリアの風土を再発見するためのものだけではありません。まさにイタリアの味、そして香りを味わうための旅といってもいいでしょう。

イタリアのパンを例に挙げてみましょう。小麦粉と水と発酵菌だけで作られるパンですら、それぞれの地域の色が出ていないものはありません。これらパンの材料は北イタリアでも南イタリアでも同じです。しかし、その味は地方ごとの気候や太陽、作り手によって変わるということをレースの行程が進むにつれて知ることができると思います。

第一行程のミケッタ・ロンバルディア（ロンバルディア地方のパン）、フェッラーラ風コルネット、そして塩なしパンで知られるトスカーナ、マルケ、ウンブリア、アブルッツォの4つの地方に続き、バジリカータやプーリアの特徴ある大きなパンまで…。少しのオリーブオイルと塩があれば、イタリアを存分に味わうことができるはずです。

ミラノ・ターラントレースの魅力は、イタリアの食を味わうことができる面にもあります。伝統的な食文化を味わう楽しさは、パンの味のように永遠に色あせることがないでしょう。そして、パンの魅力はどこかタリア人にも似ています。３つのシンプルな材料で千通りもの楽しみ方ができること、さまざまな地方、文化、建築物、そして芸術品などといった要素が、それぞれの歴史に大きく影響を受けているところ…まさにイタリアの国民性にも現れている点でもあるのではないでしょうか。

イタリア各地のそれぞれの歴史、それはイタリアを知る上で、とても重要なポイントです。なぜならそれはたくさんの名もなき人々、異なる方言や地方ごとの衣装などの細かい要素によってなされているからです。しかし、その陰にある勇気、知性、頑固さ、まじめさといった人々の性格は共通しています。

このことはミラノ・ターラントレースの素晴らしさを集約したものとも似ています。素晴らしさ、純粋さ、伝統と近代、仲間と友人。バイクのエンジンの轟音が敬虔な静けさの魅力を邪魔することがあっても、時には我慢が必要です。これこそが親愛を示し、感情を表しながら、イタリア人であることを誇りに感じていることを示す、私たちのやり方なのですから。

ミラノ、イーモラ、サンタ・マリア・デッリアンジェリ、コッリ・デル・トロント、イセルニア、ポテンツァ、そしてターラントまで。食事の席でパンを友人たちと分かちあうことは、聖なる儀式と同じように、仲間たちとその日の興奮を共有する手助けになってくれるでしょう。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　MILANO TARANTO 公式サイト
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