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大熊猫蔵コミュの【とりあえずエレベーターからいったん出る】

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「あ、探検だね! どこ行く?」
 少年が急にはしゃぎ出した。この子はなんなんだろう。たたたっと僕の前に回りこむと、僕を先導するようにおいでおいでをしながら歩き始めた。その方向は美津葉が消えたあたり。
 
 どうしよう。悪意の罠だろうか。それとも味方なのだろうか。
 
「早く行こうよ! 案内するよ?」
 少年はその場でぴょんぴょんと飛び跳ねている。その仕草が、家で昔、飼っていた犬に似ているな、なんて思ってしまう。その馴れ馴れしさが気になりはしたが、敵意は感じられない。
 少年は数メートル走り、エレベーターホールの壁にぴたっと手をつける。そしてすっとその中へ腕を押し込んだ。
「だいたいの場所は一緒なんだけどね、こうやって本当とは違う見た目のところがあるんだよ。お兄ちゃんもやってみなよ」
 僕は少年の居る辺りへと近づいていく。これ、本当に……通り抜けるの?
「ひょっとしてお兄ちゃん、ビビってる?」
 その言葉にカチンと来た。僕の悪い癖だ。で、ぎゅっと壁へと手を伸ばす……え、あれれ。触った感触がしない。
 
「そのまま向こうに行けるよ。早く早く!」
 少年はそのまま壁の中に全身を潜りこませ、見えなくなってしまった。
「早く早く!」
 壁の向こうのすぐ近くから少年の声だけ聞こえる。まるで壁にスピーカーがついているかのように。
 
 
 
→ 思い切って壁の向こうへ行く
 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=74542907&comm_id=5831512
 
→ エレベーターに戻って美津葉を待つ
 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=74542932&comm_id=5831512
 

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