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小説家・ライターになろう講座コミュの必読の文庫ベスト30

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 みなさん、なかなかトピックをたててくれないので、穴埋めではないけれど、昨年の11月に書いた日記(友だちき友だちまで公開)をここにはりつけます。夏休みの読書の参考にしてください。
 というか、小説家を志す若い人は意外と小説を読まないので(書くのが好き! という人が多いですね)、ぜひたくさんの小説を読んで、自分の「立ち位置」を確認してください。小説を読まないと、テクニックも、ジャンルの約束事も、何も会得できませんよ。知識もなく、好きなように書いていても、成長はしません。成功している作家はなぜ巧いのか、なぜ読者に感動を与えているのか、“盗む”気持ちで読んでください。そうすれば、自分がどこに向かえばいいのか、ある程度見えてくるのではないでしょうか。

※以下、昨年11月の日記を引用します。

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10月に出たC・J・ボックスの『凍れる森』(講談社文庫)で文庫解説が150本になった。1本目は1988年3月に出たクラムリーの『さらば甘き口づけ』(ハヤカワ文庫)なので、17年間かかったことになる。一般的に17年間で150本は少ないだろう。少ないのは、生意気にも優れた作家と作品を選んでいるからである(最初の頃から順調に仕事がきたら、作家も作品も選ばなかったと思う。幸か不幸か、“辛口”のレッテルをはられ、最初の頃ぜんぜん解説依頼が来なくて、すこし依怙地になって、いい作品だけやろう! と決めた経緯がある)。

 ともかく150本になり、それを地元の老舗書店(八文字屋)が出しているフリーペーパーの連載で触れ、文庫解説ベスト30なんていいと思うが・・・と書いたら、八文字屋の社長さんが、“やりましょう!”といってくれて、実現することになった。山形の本店と北町店では、昨日から開催されています。いずれ山形の他の支店、さらに仙台の八文字屋の支店でも行われるので、ぜひごらんください。というか、買ってください。傑作・秀作揃いです。損はしません。

 それにしても、自分でいっておきながら、150本から、ベスト30を選ぶのには苦労した。1作家1作にしようかと思ったが、宮部さんが3冊、小池さんが2冊になった。宮部さんの場合、『本所深川ふしぎ草紙』が初期の代表作、『理由』は直木賞受賞作、『スナーク狩り』は作品もさることながら解説もうまく書けたので3冊に。小池さんは、サスペンスと恋愛小説という2つのジャンルの代表作だから。

 選ぶさいには、たとえ傑作でも玄人受けする作品は、今回外しました。ふらりと書店にきて、ざっと眺めてもらって、なんでもいいから手にとってもらっても外れがないような、わりと一般的な名作を並べた(宮部さんが3冊なのも、実はそこに理由がある。完成度と衝撃という点から、宮部さんの場合、『理由』になると思うが、これはややヘヴィ。かといって直木賞受賞作なので外せない。しかし「宮部みゆき」を読んでいない人間が手にとるには、やや重たい。“なんだ宮部みゆきって面倒くさい”といわれるのが嫌なので、違う個性の2冊も揃えた。それは「小池真理子」の場合も同じ。『欲望』1冊でもいいけれど、サスペンス作家としての小池真理子も知ってほしいのでね)。

 ということで、以下が、ベスト30です。以下はチラシになった原稿です。理由も、一言ですが、書きました。
 なお、いうまでもなく、絶版・品切れ本も外しました。わが最愛のグターソンの作品が絶版になっているので、「ほんとはこれを入れたかったベスト11」というのも、ついでにつけたします。



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■池上冬樹が選ぶ解説担当文庫本ベスト30
(作家のアイウエオ順)

●伊坂幸太郎『ラッシュライフ』(新潮文庫)
 ※伊坂幸太郎らしい群像ミステリの逸品
●石田衣良『池袋ウエストゲートパーク』(文春文庫)
 ※石田衣良の輝かしいデビュー作。超人気シリーズの第一作!
●打海文三『そこに薔薇があった』(中公文庫)
 ※エロティックでシュール。見事な連作
●逢坂 剛『カディスの赤い星』(双葉文庫)
 ※ひねりのきいた冒険小説の傑作。直木賞&日本推理協会賞受賞
●大沢在昌『天使の牙』(角川文庫)
 ※ハリウッドの原作になりうる波瀾万丈の面白さ

●奥田英朗『最 悪』(講談社文庫)
 ※奥田英朗の文名を高めた傑作サスペンス
●北方謙三『擬 態』(文春文庫)
 ※現代ハードボイルドの金字塔
●熊谷達也『山背郷』(集英社文庫)
 ※直木賞受賞作『邂逅の森』につながる秀作集
●小池真理子『怪しい隣人』(集英社文庫)
 ※小池真理子のホラーはものすごく怖い!
●小池真理子『欲 望』(新潮文庫)
 ※三島由紀夫に捧げられた恋愛小説の名作。島清恋愛文学賞受賞

●佐伯一麦『遠き山に日は落ちて』(集英社文庫)
 ※宮城県川崎町を舞台にした私小説の秀作。木山捷平賞受賞
●佐藤賢一『王妃の離婚』(集英社文庫)
 ※驚天動地の裁判小説の傑作。直木賞受賞
●椎名 誠『黄金時代』(文春文庫)
 ※椎名誠の熱く激しい純文学
●志水辰夫『背いて故郷』(新潮文庫)
 ※庄内平野が舞台の落涙必至の名作。日本推理作家協会賞受賞
●高見広春『バトル・ロワイアル』(幻冬舍文庫)
 ※永遠の青春小説。偏見をもたずに、まずはご一読を

●花村萬月『重金属青年団』(角川文庫)
 ※ロード・ノヴェルの傑作
●馳 星周『M』(文春文庫)
 ※焦燥感にみちた不安と絶望の馳ノワールの傑作集
●宮部みゆき『本所深川ふしぎ草紙』(新潮文庫)
 ※宮部みゆきの初期の時代小説の傑作
●宮部みゆき『スナーク狩り』(光文社文庫)
 ※罪と罰を問う、エモーショナルな秀作
●宮部みゆき『理 由』(新潮文庫)
 ※宮部文学のひとつの頂点。直木賞受賞

●村山由佳『翼』(集英社文庫)
 ※村山文学の代表作。力強く感動的
●唯川 恵『ベター・ハーフ』(集英社文庫)
 ※テーマは「夫婦」。読み応え充分です
●吉村 昭『秋の街』(中公文庫)
 ※気品あふれる端正な短篇らしい短篇が勢ぞろい
●アンドリュー・ヴァクス『フラッド』(ハヤカワ文庫)
 ※石田衣良のIWGPに影響を与えた傑作
●ジョイス・キャロル・オーツ編『アメリカ新進作家傑作選2003』(DHC)
 ※これぞまさしく傑作短篇集。読んで損はしない!

●ジェイムズ・クラムリー『さらば甘き口づけ』(ハヤカワ文庫)
 ※70年代ハードボイルドのベスト1。名作中の名作
●ボストン・テラン『神は銃弾』(文春文庫)
 ※「このミス」の1位を獲得した秀作
●ロバート・B・パーカー『レイチェル・ウォレスを捜せ』(ハヤカワ文庫)
 ※超人気シリーズ、探偵スペンサーもののベスト1
●ローレンス・ブロック『墓場への切符』(二見文庫)
 ※人気シリーズ、探偵マット・スカダーものの白眉
●ロバート・マキャモン『少年時代』(ヴィレッジブックス)
 ※まぎれもなく現代の古典。必読!



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■品切れ・絶版ベスト11(本当はこの11作を入れたかったのだ!)

デイヴィッド・グターソン『殺人容疑』(講談社文庫)
デイヴィッド・グターソン『死よ光よ』(講談社文庫)
北方謙三『錆びた浮標』(講談社文庫)
北方謙三『日付変更線』(幻冬舎文庫)
小林信彦『読書中毒 ブックレシピ61』(文春文庫)

志水辰夫『帰りなん、いざ』(講談社文庫)
斎藤純『凍樹』(講談社文庫)
佐藤正午『人参倶楽部』(集英社文庫)
酒見賢一『童貞』(集英社文庫)
連城三紀彦『恋』(幻冬舎文庫)
ロバート・クラーク『記憶なき殺人』(講談社文庫)


コメント(1)

 日常的に読みたい本を山と抱えているので、全部読む!! とはいきませんが、気になった本読ませていただきます!!
 ありがとうございます。

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