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半蔵門でゆるい読書会コミュの連作物語「2014」

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『半蔵門でゆるい読書会』メンバーによる、連作物語の開幕です!

腕に自信のある方、初心者の方、興味本意の方なんでもOK! 参加資格は当読書会参加者全員、必要なのは熱いハートだけ。
一行、一文から、何度でも、都合のいい時に書き込み可能です。
皆様のご参加を心よりお待ちしています。



【感想などの書き込み】執筆者の方以外でも、ご感想、ご要望、ファンレターなどご自由に、連作物語の途中に随時どしどしコメント欄にお書き込みください。コメント欄が汚れるのはウェルカムです。

なお、コメントと連作の執筆と区別するため、執筆者各位は、執筆の際に、冒頭に(第○回の)番号を、必ず振ってください。
万が一執筆者間での書いた話数がかぶってしまった場合は、早い者勝ちで先に書き込みされた方を優先します。


【スタート】
スタートは主要執筆者で物語を紡ぎます。JONY→フジ子→れとろ→ゆう→SHIMOYAMADA!!!!の順で書いていきますので、それが終わるまでお待ちください。
なお、その後は皆様の好きな時間に好きなように書いてください。
なるべくリレーしやすいようにしていただけたら嬉しいです。


【いつまで続くか】連作物語「2014年」の執筆は、2014年11月30日とします。 その後は主要執筆者でまとめあげます。
なお、ラスト部分を主要執筆者として書きたい方は、ゆうにメッセージをいただくか、その旨を書き込んでください。


最後に
書くことは自由が基本ですが、展開に困ったら【恋愛】を意識してください。
読書会名物です。


2014年中に完成、2015年1月あたりに読書会をおこないたいと思います。
そのためにも、皆様のご参加を心よりお待ちしています。

取りまとめ役 ゆう

コメント(156)

第20回 �� 山口安倍のつづき


@ダーツバーJACK 大森
決して永田町ではない


山口「おわったな」

安倍「おわった…」


山口「なんかゲッソリしてないか」

安倍「その気ならまだ何ゲームかできるぜ」


山口「またお前の勝ちだな。俺もよかったと思ったんだけど」

安倍「確かにお前もよくやったよ。スポーツマンシップに乗っとってるかは疑問だけど」


山口「お前に言われるほどじゃねえ」

安倍「高得点をとるためには、やむをえずだな」


山口「どうしてそこまでするんだ?」

安倍「少しでも目立ちたいだろ。年末だろうがなんだろうが」


山口「したたかなやつだ」

安倍「それ以外に何がある?脇役だぞ」


山口「それでも、俺たちもう忘れられてねえか?」

安倍「それは、否めない…」


山口「もっと出させろよ」

安倍「キャラ立ってないだろ」


山口「さびしいもんだな」

安倍「そのうち慣れるさ」


山口「慣れるものか」

安倍「それだけは、選び取れない」


山口「ところで、どうして俺たち主役になれないんだ?」

安倍「精神的じゃないからじゃないのか」


山口「俺は精神的なことも目指してるぜ」

安倍「それで得することあるのか」


山口「勝つためでもあるけど」

安倍「俺はそんなことしなくても勝ってるよ」


山口「それでも脇役だろ」

安倍「いざとなったら、ムリヤリ攻めこむぜ」


山口「お前がそんなに強気だったとは…」

安倍「じゃあ、もう1ゲームやろうぜ!」


山口「そう来なくっちゃ、華丸!」

安倍「よしきた、大吉!」


山口、安倍「ハハハ、ハハハ。。。」


(臭い息をさらに充満させ笑う 23:23)
第20回 �� ヒロの部屋 出会い


@ヒロの部屋
(もう14才のヒロの部屋ではないのかもしれない。この設定自体がどうでもいいことになりそうだ)


(またっ、て思ってますよね? 一人語りのパートがまた始まるのかと。 僕もそう思います。 だから今回はスペシャルゲストをお迎えして! って、よけいな説明をしてしまいました…)


xあっちゃん「ヒロさん、会いたかったです」

ヒロ「どうして、ここに!」


xあっちゃん「私はあなたに憧れていました。私はあなたに嫉妬していたのです」

ヒロ「嫉妬!?」


xあっちゃん「そう、嫉妬です。最近のKIYONOでのキーワード。特に哲学カフェなんかで盛り上がってる。そのイベントにさえ私は行けてないけれど。コメントだけを見続けていました」

ヒロ「あなたも寂しい女ね」


xあっちゃん「もともと私には嫉妬の感覚がなかった」

ヒロ「それならいいじゃない」


xあっちゃん「みなさんの話から学んだのです。嫉妬という感情を」

ヒロ「そのままで、いればいいのに」


xあっちゃん「KIYONOでの定義によると、嫉妬は持っていないものを持っている人に対して抱く感情」

ヒロ「そういわれれば、そうだけど」


xあっちゃん「あなたは私に持っていないものをたくさん持っている。その嫉妬という感情も含めて」

ヒロ「ややこしい話ね! じゃあ、あなたは嫉妬してるの?してないの?」


xあっちゃん「嫉妬していることにしてください。そうしないと、私だけ取り残されているみたいです」

ヒロ「じゃあ、わたしに向かって嫉妬の練習してみて!」


xあっちゃん「私は正真正銘のチョイ役。台詞も無いに等しい。それに比べてヒロさん、あなたの長台詞!嫉妬します…」


フジ子「やっぱり、薄っぺらい!それに意味があるのかは置いといて、話の流れがいいことは評価に値するわ」

ヒロ「フジ子さん、あなたまでここに!」


(アコーディオンカーテンがジャラジャラと開かれる。登場する二人のおっさん)

山口「山口です」

安倍「安倍です」


ヒロ、xあっちゃん、フジ子「誰?誰々?」


山口安倍「名前は今、言いました…」

ヒロ「その答えに、もう品がない。あんたたちなんかどうしたって選ばないわ」


山口「だから言ったこっちゃない」

安倍「やっぱり名前のせいかな」


山口安倍「失礼しました〜」

(お互いを下品に野次りながら走り去る)

山口「精神性が足りなかったってことか…」

安倍「これだけで、俺は満足だよ」

脇役「そうか、弥次さん」 「そうよ、喜多さん」「ハハハ…」


(ヒロ、タンスの裏を調べる)

ヒロ「どっから入ったんだろ〜?」

フジ子「今のやつらは薄っぺらい以前の問題だな。愛すべき薄っぺらさ…」


(ヒロ、タンスの位置を直しながら)

ヒロ「他にも誰かいるのかな?」

まちこ「みんないるよ」

(雷鳴らせたい… 00:00点滅)
{擬音入れてみて!(...)}
(結構、むずかしいよ)


読書会会員全員「おじゃましま〜す!」(685人 2014年12月17日現在)

ヒロ「みんなって、そのみんな!」



JONY「こんなにいるんだ!?」

新規会員1(女)「全員あなたが招待したんでしょ」

JONY「厳密にいえば俺ともう一人。でも、毎日単語帳でメンバーの復習してるよ」

新規会員2(女)「どうやってこの部屋におさまってるの?」

JONY「精神と時の部屋とこの部屋をくっつけた」

新規会員3(女)「まぁ、大胆な!」


ヒロ「さっきまで静かな部屋だったのに。これがわたしの望んだもの…」


読書会会員全員「おめでとう!」(683人 2014年12月19日現在)

ヒロ「こっ、この台詞… ありがとう!」

(パチパチ、パチパチ……)


ヒロ「それより、雷はうまく鳴った…!?」

(みなさん、雷はうまく鳴らせましたか?
今まで鳴らなかった理由は、僕に擬音がわからなかったからです…
でも、もうあきらめました。ごめんなさいm(__)m )

ヒロの部屋、壁さえももう遠すぎて見えず
第20回 �� KIYONO 暗闇ゲーム


@CafeBarKIYONO Without Holy Lights (21:00)


暗い部屋。
光が物体表面で反射することによって発する色はもちろんここにはない。
話し声の響きによって誰のセリフなのかをかろうじて認識できる。


ヒロっぽい声「とうとう、これをやる時が来た」

まちこっぽい声「これってKIYONOのなんとかイベントNight? それとも誰かの誕生日?」

フジ子っぽい声「JONYもいないのに、企画なんてしないんじゃないの」

ゆうっぽい声「オカルトとかの儀式でしたら、僕はお断りしたいのですが」


ヒロっぽい声「みんな平等に話をするのよ。そのために声を変えましょ」

(暗闇の中、ヒロから回ったヘリウム袋を回し吸う)


だれかの声「この4人の中に犯人がいるとは限らない。しかし、ここに犯人と関係する誰かがいることは確かよ。そうでないと、JONYさんもいないのにKIYONOの電気代がちゃんと支払われていたり、共同経営のコインランドリーで小銭が毎日回収されているのはおかしいわ。つまり、この中のだれかが何かの計画に加担しているはず」


だれかの声「ヒロさん、それを話すのは声を変える前にした方がよかったわ。ヘリウム声でのその説明が、コミカルすぎ!」


だれかの声「ちょっと待って!私じゃないわよ、今話してたの」


だれかの声「ヒロさんじゃないの! ?じゃあ誰?」


だれかの声「確かにヒロさんだったら、コインランドリーの小銭が毎日回収されているかまではわからないはずだわ」


だれかの声「だから、私じゃないって」


だれかの声「そういうあなたは、誰なの?」


だれかの声「だから、やめなさいってば!」


だれかの声「もう、なにがなんだかわからないわ」


だれかの声「それより、さっきから男性の語り口が聞こえないわね」


だれかの声「あっ、僕は話すタイミングを失っていたのです」


だれかの声「あ、僕も」


だれかの声「えっ、男性は一人よ!?」


だれかの声「あっ、わかったわ!」


だれかの声「私も!」


だれかの声「あたしもわかった!」


だれかの声「僕も!」


だれかの声「私もよ!」


(マジで!?ト書きの僕もわからなかったのに…
 読者の皆さん、よければ同じように考えてみてください。
 僕も本当にわかっていません…)


だれかの声「それよりこのニンニク臭い息は誰?」


だれかの声「においは関係ないから」


だれかの声「関係ないからって言った人が、餃子か何か食べたんじゃない?」


だれかの声「その通り!」


(ポチッとな ☆Light On☆)


まちこ「気まずいわね」

ゆう「このあとどうしましょうか」

ヒロ「部屋に帰りたいような…」

フジ子「じゃあ、とりあえず飲もう!」


一同「乾杯〜♪」


(みなさん、4人ともまだヘリウム声のままですよ!)
第20回 �� JONY読み


@Somewhere In Snowy 京都 (21:00)


JONY「なるほど〜

KIYONOにいる登場人物同士は誰が犯人かわかっているのだが、読者にはそれがはっきりわからない。登場人物がそれを話せばわかりやすんだけど、彼らには彼らの意思があるっていうことか。


待てよ!
それって誰が意思決定のサイコロを持っているのかっていうのと同じタイプの問題じゃないか。登場人物に自由意志があるからこそ、犯人のことを台詞の中で説明するかしないかを選ぶことができているってことか。


ところで、それを隠すことに何のメリットがあるのだろう? 少なくとも一部の読者そしてト書きにはまだそれがわからない。そもそもこの謎を解くには、特別な立場だとか権利だとかではなく、本の読解力みたいなものが必要とされている。読書会参加者が持っている本を読み取る姿勢、読解力、そして想像力があればいいのだ。レリゴー!そう、ありのままで!


この事実によって、ト書きの教養のなさが明らかになったということだ!この真相を理解するには、たくさん本を読み、そして考えること。たまに書くことも、もちろんいい。それができないものには、いつまでもこの謎は解けない。藪の中だ。


俺にはもちろんその答がわかっている。本をたくさん読んでいるとは自分では決して思わないけれど。今のところ、確実にわかっていないのはト書きといくらかの読者だけっていうことか。


クシュン!
ト書きも俺の一部なのか…」


(ト書きは口にバッテンマスク)
第20回 �� ト書き日記


@どこでもないここ
季節だけが巡る


春

自分の読書に限界を感じる、理解力が自分を超えない。

いつまでも同じループの中、他人の声は聞こえない。

自分の言葉だけが頭の中で繰り返される。


夏

人の会話を想像してみる。

何人かの声が聞こえるような気がする。これは現実? それとも幻想? 言葉と言葉が重なり合う。誰かの言葉と誰かの言葉。

話し始めれば言葉はつながる。会話と呼ばれるもの。話は本当に通じているのか?

会話ってなんだろう?


秋

読書会のコミュニティーを見つける。

一人語りが好きな人たち。ヒロ、JONY、モミー、ゆう、フジ子、他にもたくさん。その名前を言うだけで安心する。自分の内で唱える呪文のように。

一人一人が言葉を発する、会話が成り立っている。奇跡的に。

外に向かう言葉。誰かに発すれば、何かの答えが返ってくる。たまにはビンタが飛んでくるかもしれない。


冬

人の会話を創造してみる。

本当でも嘘でもいい、会話を感じられればいい。ビンタが飛んできたら更にいい。

会話の中にこそ、つながりを求めたい。言葉を発しなければ、人の心に通じない。犯人だってわからない。

だからこのコミュニティーに参加しようと思う。そして、ト書きをやめることにした…


おわりに

雷鳴らしたいです!でももう鳴らせません。結局この物語では最後まで雷は鳴りません。

雷を鳴らさなくてよかったと思う。アダムの林檎のように。食べてはいけないものだったのかも。

だから、ゆうさん、SHIMOYAMADA!!!!さん、他のみなさん、もうト書きは必要ないです。会話があれば充分です。


注:あくまでもフィクションであり、実在の人物とは関係ありません。絶対に!
以上でございます。
ご意見、ご不満、よろしくお願いいたします!
ではSHIMOYAMDA!!!!さん、どうぞ。
第X回 ��

架空の最終回への伏線

12月24日 18:26
@東京駅


JONY「クリスマスエクスプレスって言ったら、やっぱり東京駅だ! 品川じゃない。
それでも、やっぱりホワイトクリスマスじゃないな。ト書き、よろしく!」

(JONYさんまで… 超能力とか使えるんすか?)


JONY「それくらい、いいだろ。俺にも融通効かせろよ!薄っぺらくていいんだから…

(わかりました、JONYさんにはお世話になってるし。これだけですよ。電車とか止まったら困るし)


JONY「他にも誰か来るのか?」

(それは言えません… しかし、さすがのJONY読みだ。やはり半端ない読書量なんだ)


JONY「まあいいや、俺にも話を楽しませてくれ!」

(これまで、出来る限りコントロールしておいて…)


JONY「とにかく、ホワイトクリスマスよろしく!」

(クリスマスの東京は、夜更けすぎからの雪だ。白で覆われ始めた地面に、人々は注意深く歩を進める)


JONY「寒いと思ったら、やっぱり雪だ。結構、降ってるなぁ」

(これでいいですか?)


JONY「よし、気分が出て来た!」

(これっきりですよ。あとは無視しますから)


JONY「ホワイトクリスマス!!!」



12月24日 18:53
@半蔵門


雪が積もり始めた地面にブーツの跡を残して歩く一人の女性。質の良さがわかる暖かめのブーツだが、少し型が古い。羽織っているコートや頭を覆うロシア風の帽子も今年流行っているリバイバルとは少し違う。そしてなにより、女性の眉毛が太い。


女性「7時20分には、まだ早いわね。それより前は、お店に入れないのか。準備の時間は10分ね」


(雪の半蔵門、周りを見渡す女性)


女性「ここら辺でカフェは… この本屋さんに入っているのか」


(女性は本屋に隣接しているサンマルクカフェに入る。注文したカフェオレを持ち窓際の席に座る。隣には眼帯の女)


フジ子「あ〜、やっぱり眼帯すると調子がでるわ。あと、髪の色は紫で腰まで。ブレザー風の学生服に赤いネクタイを付けてるの。」

(眼帯の女は、独り言が多い。男性風の誰かに話しかけているようだが、クリスマスイブのカフェには他に客がいない)


女性「あの、余計なお世話かとは思いますが、大丈夫ですか?」

フジ子「うるさいなぁ、二人同時に話しかけて来て!」


(店員、女性に囁く)

店員「あのお客様は今月頭からほぼ毎日いらっしゃってるのですが、いつも誰かとお話されているようなんです。私たちの誰にも見えないのですが」

女性「そうなのですね。見て見ないフリしています。近くに大きな病院でもあるのかしら?」

フジ子「はっ、何人で話してるの!」

(店員、女性、口をつぐむ。店員、レジの奥へと引っ込む)


フジ子「さてと、xあっちゃん、何者にしようかな。。」

xあっちゃん「どうして私の名前を!? 私にはこの世界に知り合いなどいないはずのに」

フジ子「誰かといるのか?」

xあっちゃん「だから一人ですって」

フジ子「フッ…嫌いではないぞ」

xあっちゃん「ありがとうございます! この人も孤独な人なのかな」

フジ子「貴様!何をしているっ!?」

xあっちゃん「それを言っていいものか…」

フジ子「返答求ム!!」

xあっちゃん「ちょっと待ってください」

フジ子「今どこの次元回廊に?」

xあっちゃん「三次元だと思うのですが。活字での存在だから二次元というべきか…」

フジ子「うぐ… やるな…!?」

xあっちゃん「そんなに上手いこと言いました、わたし?」

フジ子「鎮まれ…」

xあっちゃん「はい…」

フジ子「貴様に地獄を味合わせてやろう」

xあっちゃん「なんてことを言うんですか。ちょっと怖いわ…」

フジ子「今日はこのくらいで勘弁してやる」

xあっちゃん「願ったり叶ったりですよ」

フジ子「フッ 私は闇の狭間に消えるとしよう さらばだ」

xあっちゃん「えっ!?言いっぱなし…」

(フジ子、席を立ち雪の中に消える)


xあっちゃん「暗黒の深淵へと帰れ!」

(19:10 xあっちゃんも席を立つ)
第X回 ��
架空の最終回

12月24日 19:20
@CafeBarKIYONO

JONYを待つ一同
あくびが止まらない

まちこ「クリスマスイヴをKIYONOで過ごすなんて、寂しい人だと思われそうでアレなんですけど、こういう状況なら仕方がないわ!

仕事おわってないけど、とりあえず酔ってみます」

ゆう「そうですね! 毎年のことですが、クリスマスって意味のあることなんですかね」


(呼び鈴が鳴る中、走ってくる人影)


一同「JONYさん!?」

女性「ごめんなさい」

フジ子「また、あなた?」

女性「普通にしゃべってる…」

まちこ「あら、お知り合い?」

女性「xあっちゃんと申します」

まちこ「あなたが噂の、バツあっちゃん!」

xあっちゃん「クロスあっちゃんと読んでください。一応、未婚者です」

ゆう「やっぱり!」

SHIMOYAMADA!!!「こりゃ、噂通りの美人だ」

ヒロ「クロスあっちゃんって読むんだ…
ゆうくん間違ってた!」

(ゆう、かなり真剣にヒロを睨む)

まちこ「よくここがわかったわね、ところで何をしに来たの?」

xあっちゃん「さっきからト書きさんが上手く書いてくれていませんが、わたしの格好はクリスマスエクスプレスの牧瀬里穂なんです」

アラフォー一同「クリスマスエクスプレス!」

アラサー一同「クリスマスエクスプレス?」

アラフォー一同「そういえば!」

アラサー一同「牧瀬里穂って誰だっけ?」

xあっちゃん「わざわざこの格好で京都から東京まで新幹線で来た理由はクリスマスの演出です」

アラフォー男性一同「確かに牧瀬だ」

アラフォー女性一同「JONYさん好みね」

xあっちゃん「ここがわかったのは、トレンディーさんから聞いたからです。彼には細かく報告をしていました」

フジ子「なんだ、友達いるじゃない!?」

ゆう「あっ、あの電話!やっぱり男性とつながっていたんだ。それもかなりのキーパーソン」

ヒロ「あなたに名探偵をお返しするわ」

xあっちゃん「そしてあと10分をきっているので手っ取り早く話すと、私のxはX’masのXなのです」

ヒロ「それって、モミーが考えた? あっ、モミーはさっちゃんだったのか、多分」

ゆう「それって、さっちゃんさんからのクリスマスプレゼントってことですか!」

ヒロ「わかったよ、名探偵! って、あなたクリスマス嫌いじゃなかったの!?」

ゆう「今、さっちゃんさんはどこに?」

xあっちゃん「さっちゃんは解放されました。JONYさんの中で」

ゆう「JONYさんの中!?」

(xあっちゃん「おい、ト書き助けろ!」)

(一回だけですからね、xあっちゃんさんまで… こんな荒技!? だんだん使い方が荒っぽくなってくる)

(xあっちゃん心の声「まさか、さっちゃんがJONYさんの心の中だけで存在したとは、間違ってもゆうさんには言えない…」)

(ゆう「なにか、裏があるんですか?」)

(ゆうさんまで!ここに来ちゃダメですよ。舞台があっての舞台裏なのですから。あなたたちは舞台にいてください!)

(ゆう「僕は知りたいんです、世界の真実を。何よりも重要なものとして。自分の成長のためにも!」)

xあっちゃん「じゃあ、普通に喋べろ。一回だけの権利も使っちゃったから潔く。

実はさっちゃんっていうのは、JONYさんの心の中だけで存在してたんです」

ゆう「ガーン…」

(うなだれているゆうを残して、あとの人たちはト書きに入ってこないでね。ト書き女王のフジ子さんの魔力も今は封印されているようだ)


SHIMOYAMADA!!!「ってことは、巡り巡ってxあっちゃんはJONYさんからのクリスマスプレゼントってことか」

一同「ちょっとSHIMOYAMADA!!!さん、最後を持っていこうという気ですか?」

SHIMOYAMADA!!!「やっぱり今まとめちゃうと、そう思われちゃうよね。JONYさんを見習って空気読まないと」

まちこ「確かに、ゆるくて薄っぺらい読書会の裏のテーマは空気を読むだからね。特に男性陣にとっては」

SHIMOYAMADA!!!「薄っぺらいなんていう形容詞ついてたっけ?」

(僕も、空気読むのには気をつけないと。でも、まちこさんのゆるくて ”薄っぺらい” 読書会はないよな。おっと!独り言がすぎた…)

ヒロ「ところで今、時間は? もうすぐ一応クリスマスパーティーの始まるはずだった時間じゃない」

(あっ、19:29です。昨日やっぱり飲み過ぎたかな… この季節、毎日忘年会だからな。今はト書きとしての役割に徹しないと!)
第X回 ��
架空の最終回の最後の最後


xあっちゃん「みなさん、これを見てください!ポチッとな」


(テレビ点く。しっかり〜、しっかり〜。”点く”の漢字も間違ってないな。ちなみに時は19:29:23)


テレビ「ジーっ、ジーっ…」

xあっちゃん「あれ、接触わるいのかな?」

(いけね、テレビの音はト書きの仕事か!でも、何とか助かった。テレビよ、ありがとう!19時29分38秒〜!)


xあっちゃん「これ以上、何の接触が必要なんだろう?」

一同「

(いいよ、xあっちゃん。すぐ写るようにするからね〜。 一同も何もアドバイスしない、時間ないからね。共同作業、共同作業♪ はい、テレビ映った!19時29分55秒〜)


xあっちゃん「あっ、映った!ト書き… それではどうぞ」

一同「JONYさん!」

(グー、グー… じゃなくて、ここはみんなに任せるよ!時間はもちろん19:30:0000 ここで少し止めておきます。よろしく!)


JONY「みんな、メリー・クリスマス!」

一同「メリー・クリスマス…」


JONY「これがしたかっただけだから。ありがとう!」

一同「これだけやって、それだけ? 大したサプライズもないし…」


JONY「じゃあ、今年もテレビから出る!!!
ト書きよろしく!」

(やだな〜、これ書くの… それもJONYさん、二回目のリクエストだし… でも、これやらないとKYだよな〜 空気読み、空気読み。。 JONY、なんとテレビから出る!!!)

一同「お〜!今年もか!これが噂の!マチャあき!名人芸!」

JONY「おつかれさま!ト書きも」

(JONYさん、ありがとうございます!じゃあ僕もこれからパーティーに参加します♪)


ト書きを含む一同「ベチャクチャ、ベチャクチャ」

ト書き「こうやって鍵カッコで喋るっていいですね〜。何が違うって、気分だけなのですが(笑)」

ト書きを含む一同「ベチャクチャ、ベチャクチャ」

ト書き「いけね、そろそろ時計を進め直さないと!」

一同「ベチャクチャ、ベチャクチャ」

ト書き「そろそろ、丸カッコに戻ります!」

一同「そうなんだ、おつかれさま! また何かの読書会でね! ベチャクチャ、ベチャクチャ」

(パーティーも架橋に迫る 22:58)


JONY「じゃあ、そろそろみんなお開きで!」

一同「おつかれさまでした!」

(半蔵門、永田町、麹町、みんな家路に着く。JONYも今夜はこのまま帰る)


ゆう「あれ、お話おわったのかな?

それなら、JONYさんに後日談書いてもらわないと…」

(いけね、彼を忘れてた! これはゆうくんの成長物語だったのに!)


架空のおしまい
みなさん、
メリークリスマス!
またどこかで☆
エディさん、なにしてんすかー
ジャック禁止っていったでしょーー(棒)

エディさんの最終回は嘘です。
外伝です。
異伝です。

なので作品には含まれません。ご注意ください。
もちろん!
真っ赤で真っ緑な嘘です。

X’masの第X回なので、
と、xあっちゃんも言ってました〜

ゆうさんにも、メリークリスマス☆
って、もう日にち変わっちゃいましたね…σ^_^;
SHIMOYAMADA!!!!です。
次は私の番になる予定でしたが、逃亡いたします。申し訳ありません。
私の乏しい発想力では、この物語の続きを紡ぐことができませんでした。魂の限界です。
では次でラストとします。
その前に近日中に流れをまとめてから、最終回にします。
2014の裏流行語、出ましたね☆

割烹着とムーミン、そして試験管の中で作るニョロニョロ〜

夢のような発見って、本当にあるのだと思った2014♪
あっ、挟んでしまった…

トンチ番長に、目の醒めるような最終回を期待してます☆
この物語をしめるにあたって、ここまでのまとめをします。
(もっと前にしろって? 勘違いや間違いから生まれるもの、矛盾もリレー小説の醍醐味ですからあえて介入しませんでしたが、さすがにそういう場合ではないですね)

登場人物
ゆう、モミー、JONY、SHIMOYAMADA、まちこ、フジ子、さっちゃん、トレンディ、ヒロ、たむけん似の男、山口、安部、エディ

以上の登場人物のみ、ラストに登場します。(名前だけでも)
その他は私が見逃してしまったかもしれませんが、申し訳ありませんが、出しません。
あれっ、xあっちゃんは?

あと、安部は三年生漢字の安倍です〜
あらすじをまとめます。(番号はそのあらすじが書かれた番号)

1ゆうが読書会に行くとモミー、シモヤマダ、まちこ、フジ子、さっちゃんがいたが、JONYは失踪していた。
九州へ来いという手紙があった。

2.3トレンディ登場、JONYは九州にいると告げ、5千万で捜索を依頼される。

4.5 とりあえず行く準備を整えるゆうとモミー。しかし、バーの二階ではJONYが『あの女』にだまされて縛られていた。

6 ゆうとモミーは築地へ。そこで土地などの権利トラブル、CBKの言葉を告げられる。
ヒロ登場、モミーの恋。キヨノに帰ると残った面々は眠らされていた。みんなを起こして謎の二階へ。

7 バラの花びらが散った中、『ブンとフン』やシャネルの19番の口紅を見つける。

8.9 ベーコンの肖像に赤いボタンがあり、地下への通路が見つかる。まるでポートピア殺人事件や、映画の大脱走のようだ。
手強い黒幕がいるらしい。

10 地下通路は永田町の駅に繋がっていた。トレンディの手紙が見つかり、モミー、ゆう、ヒロ、さっちゃんは京都へ。
CBKという京都にある読書会へ向かう。JONYは読書会は純粋な男女の出会いの場という法案(JONYレポート)を出そうとしていた。
そのために横ヤリがはいり、その一人がトレンディ?
JONY登場、さっちゃんと謎の関係。
>>[139]

まあ、見ててください。
名前くらいは出すかもしれませんが。
11 一方、キヨノに残ったまちこ、フジ子はガールズバーにするために5千万を山分けして、店内に一部をばら撒き物取りの犯行に見せかけようとする。
そこにさっちゃんの夫と名乗るたむけん似の男が現れ、さっちゃんはさゆみであり、虚言癖があるようなことを言う。


12 エディワールド突入。ここから先はエディさんが一番詳しく、私では間違いがあるでしょうがあらすじとしてまとめさせていただきます。
さっちゃんは実はxあっちゃんだった。モミーパート(10回目)からさっちゃんと入れ替わっていた。モミーは偽物。

13 フジ子とト書き(エディ? 私はこのト書きの人物をエディとして扱います)の会話。

14 さっちゃん曰く、どうやらJONYは『あの女』から逃げた。そのためにあえてトレンディに捕まった。
SHIMOYAMADA!!!!、さっちゃんを口説く。黒幕はトレンディではない。

15 SHIMOYAMADA!!!!が全員を目覚めさせる。メタな自分との会話は催眠によるものだと説明。

16 ヒロ、14歳の自分(HIRO)との会話。書きとめることが世界との対話と考える。
フジ子のみト書きと話す。

17 トレンディの妻=JONYの母?

18 全てはゆうの仕込みであり、ビンタを受ける。5千万はゆうが持ち出す。モミーの心をゆうに。
JONY東京に帰る。

19 SHIMOYAMADA! 謎の女とドライブ(さっちゃん?)


大体上記の通りと読み取りました。
これに最終回を数日以内につけます(本当に可能か私もわかりません)


なんとなく予想できそうですが、最終回は長くなりそうなので分けてアップします。
ご容赦ください。
最終回 1

部屋の中は暗く、唯一の光源はほのかに明かりを灯すパソコンだけだった。
部屋の中は片付けられていた。いや何もないと言ってもいいだろう。あるのはパソコンの置かれた机と、本棚がほんのひとつで、しかも小さい。その中にも本の隙間は多く、収納された本だけならば三十にも届くまい。


そのパソコンの置かれた机の周囲だけは、片付けられた室内と違い、本や書類が無造作に置かれていた。
パソコンに向かい合っていた男はすっかり窓の外が暗くなっていることに気がつき、マウスの近くに置かれていたコーヒーカップに手を伸ばした。

「……完成っと」
背もたれにもたれながら大きく伸びをする。プリントアウトされた紙類がその拍子に何枚か床に落ちた。

「もう、満足ですか?」
その声とともに部屋に電気がつく。ふと男が振り返ると、そこには一人、立つ人影があった。その人影は振り向いた音と同時に部屋に入る。
「……君か」
男=エディがパソコンの机に再びぬるいコーヒーを置いた。


その侵入者は足元に散らばった紙を一つ拾い上げて、中身をじっと見る。
「……やはり、ここから脚本を書いていたんですね、エディさん」
そう一言告げると、大きく頷く。侵入者はその顔をしっかりと見ながら、さらに続けた。
「確かに、カフェバーの出来事を監視しながら脚本を書くにはここ、つまりKIYONOの二階が最適ですね」
「よくここがわかったね」
「おそらく、この催眠には脚本があると踏んだんです。トレンディが突発的に内容を思いつき、実効するには負担が大きい。誰か指示役がいます。そうなると、居場所はここか地下通路しかない」


ふう、と一息つくエディ。侵入者との距離は三畳分ほど、しかもエディは座ったまま。飛びかかって逃げようにも侵入者が武器を持つかもしれないし、ましてや今更逃げたところでどうしようもない。
「エディさん、あなたはやり過ぎましたね。催眠にかけて皆を混乱させたり、過去を見つめさせたのはいい。だけど、あなたはやり過ぎた。xがSになるなんてのも、人間が惑星になるのも、ね。さっちゃんとxあっちゃんは同一人物です。ヒロとHIROのように、あるいはグレートムタと、武藤敬司のように」
「……催眠に気がついた人間の一人は君か。フジ子、JONYくらいと思っていたが……しかし、築地から何人か戻ってからここを捜索したろ?」
「あの時はまだ準備段階だったからトレンディが誤魔化したんですよ。交代での監視要員(5)の一人が、あなただ。そして本来参加するはずだった七人目、つまり謎の女も監視者の一人」


「おめでとう。だがね、私は黒幕ではないよ。私はただの監視者の一人であり、あくまでも脚本を書いただけ。この話がミステリーかサスペンスか、はたまた別の何かかはわからないが、犯人が最後にパッと出た人間なんてつまらんもんだ」
「ええ、わかってますよ」
「それに、今更私を見つけたところでどうにもならない。過去は過去だし、行動は行動として残る。たとえ催眠状態でもね」
「……それをなんとかまとめるのが、ゆうくんの役割なんですよ」
侵入者=SHIMOYAMADA!!!!はそう告げると同時に『大脱走マーチ』が鳴り響くスマホを取り出すと、モミーから一件のメールが入っていた。



『みなさん、KIYONOに集まりましょう』



スマホをポケットの中にいれると、エディに背を向ける。その背中にエディは一つ、問いかけた。
「黒幕が誰だか、あなたはわかっているのかい?」
しばらくの沈黙の後、SHIMOYAMADA!!!!はゆっくりと答える。
「それはまだ……しかし、それを解き明かすのは私でも、あなたでもないようです」


そういうとゆっくりと下へ降りていく。その後ろ姿をじっと見た後に、自分の左手の薬指を見て、「俺も家族が欲しいなぁ」と呟いた。
最終回 KIYONOにて


突然だが、神の誕生日はいつなのだろうか?

もしも神に誕生日があるとして、それをアンケートで決めるとしたら、やはり多数派になるのは1月1日になると思う。

では、愛の誕生日はいつなのだろうか。
これは12月25日が最もふさわしいと考える。やはり歴史上最も尊い愛を語り、その愛によって身を滅ぼし、世界に復活した男の誕生日が、愛の誕生日だろう。


ならば、神や愛の命日はいつなのだろうか?


もうすぐ2014年も終わろうとしている。
あの日、2014年も暮れに訪れた奇妙な物語も、もう締めくくる時が来た。ここから先は私の手記で語ることとしたい。

黒幕と言われた、私の手記で。



モミーに呼び出された我々はKIYONOに入ると、すでに私以外の参加者がKIYONOでゆっくりと座っていた。ワインや紅茶、ビールに口をつけていたが、歓談というには程遠い重苦しい雰囲気だった。
私は唯一空いていた一番奥の席に通された。
集まったのはモミー、ゆう、フジ子、まちこ、さっちゃん、SHIMOYAMADA!!!!、ヒロの七名。トレンディやJONYの姿はない。


カウンターの中にいたモミーは一つ大きな咳払いをすると、話始めた。
「みなさん、やはり今回のお話を終わらせるにはここがふさわしいでしょうね」
「モミーは黒幕がわかったの? みんなを集めておいて」
「むしろ黒幕なんてどうでもいいわ。五千万はどこへ?」
まちことフジ子が言う。
「黒幕の正体と、あの女の正体がなんとなくですがわかったんです。だから、皆さんを集めさせていただきました」

ほう、と私は心の中で感嘆した。私は私自身が黒幕ということはわかっているが、それを解き明かす場面というのは当然ながら初めてだし、とても面白かった。
モミーは一つ深呼吸をすると、ゆっくりと言葉を選んで紡ぎ始めた。
「まず、今回の事件が一体なんなのかを考えてみたんです。ゆうさんが警察に行くほどの事でしたが、しかし実際のところ何が問題だったのか」
白ワインを早くも飲み干し、食事がないので出されたお菓子を貪っていたゆうが手を挙げて答える。
「問題の整理ですね。今回の事件は、JONYさんの失踪です」
「でもさでもさ、考えてみればJONYさんの失踪というのがどんな問題なの? あの人は駆け落ちしたい人なんだから、失踪ぐらいするでしょ」
まちこの言葉に一同頷く。その様子が私には面白くて仕方ないが、場を壊さぬように笑いを堪えた。


「そうです。しかし我々はこれを事件だと思った。それはなぜか?」
「トレンディが来たからだ」
SHIMOYAMADA!!!!が答える。
「そうです。だからといってトレンディの狂言ではなさそうだと、我々は知っています。それで考えてみたんですよ、今回JONYさんがいなくなって得をする人物は誰か?」
すっとモミーは一同を見渡すと、視線を並んで座るフジ子とまちこで止めた。

「私たちだというの?」
「……初めはそう思いました。この土地と建物を奪い、ガールズバーにするつもりなのだろうと」
「おかしな話ですね。別にJONYさんが失踪したって土地と建物がこの二人のものになるわけじゃないし、そもそもJONYさんのことだ、ガールズバーがやりたいといったら一も二もなく飛びつくでしょう。わざわざリスクを犯す必要がない」
「それに……ビジネス街のこの場所はガールズバーをやるには立地が……あれは歓楽街でやるものでしょ?」
ゆうとヒロの言葉にモミーは大きく頷く。
「そうです。あまりにもリスクが大きすぎる。JONYさんが逃げるとしたら女性問題でしょう。ではこの中からフジ子さんとまちこさん以外の女性と考えると……」
皆一様にさっちゃんのほうを見た。その視線か集中したさっちゃんは、慌てたように手を振り否定する。
「ち、違います! 私じゃ……!」
「その通りです。さっちゃんではありません。もう一人、いるじゃないですか」

一瞬、誰のことかわからないような顔をしたが、まさかとおそるおそる、もう一人へと顔を向ける。
「あの女の正体はあなたですね、ヒロさん」
モミーに指をさされたヒロは突然のことに目を丸くし、周囲を見渡す。あまりの展開に誰も助け舟を出すことができない。

「あの、私ですか?」
ヒロは自らに指を指し可愛らしく小首を傾げる。
「これは僕にしかわかりませんね。あの時ヒロさんは近くにいて、直接電話で連絡をもらいました」
「あれ? 呼び出したって……」
ゆうの言葉におほんと咳払いをして、話を逸らす。

「mixiでは同名の別人なんていくらでもいます。つまりこの人は、ヒロさんの名前を語った別人であり、参加するを押した後にアカウントを抹消した張本人! その中身はJONYさんの母親であり、トレンディの妻である、ヒロさんです!」


このモミーの推理を聞いた時、私はあまりの暴論に目を丸くしてしまった。もはや推理でもなんでもない、ミステリーなら失格の烙印を押されるものだ。
しかし、私はこう推理する。
モミーは推理したのではない。答えを知った上で、逆に物語を作り出したのだ。

それに感づいたのか、ヒロは真面目な表情からゆっくりと唇を震わせて俯くと、肩を震わせた。そして顔を上げると、大きく笑い始めた。
「ああ、おかしい! 無理やりにもほどがあるわよ、それ!」
「そんな! だってヒロさん、どう見ても二十代にしか……」
「まちこちゃん、ごめんね。私は若さを二十代でずっと維持してきたの。そうね、それこそモミーくんに惚れられるくらいには、若い見た目を、ね」
そしてモミーに向き直るヒロ。

「どうせ、全部トレンディあたりから聞いたんでしょ? あの人はJONYを救い出すことには賛成しても、感情的にはいい気持ちがしなくて、隠しきれないものがあるのね」
「どういうことですか? 説明してください!」
さっちゃんが声を荒げて、思わず机に手を叩きつける。
そこでゆうが手を上げた。

「つまり、JONYさんを誘拐したのはヒロさんで、さらにヒロさんはJONYさんの義母であり、別れた後トレンディと結ばれた……でよろしいですか?」
その言葉に大きく頷く。
「まあ、大方当たりね。ただ一つ言わせてもらえば、私たちはJONYの味方よ。今回だってJONYが狙われているのに身を隠そうともしないから、猿ぐつわして無理矢理に連れて行くしかなかったのよ。『さっちゃんがくるのに逃げるわけにはいかない』ってね」
「それも半分は本当でしょう。でも実際はヒロさんと一緒にいたくないんでしょ」
フジ子が一気に興味がなくなったとばかりに、辛辣な言葉を浴びせる。しかし慣れっこなのだろう、私には辛辣と思ったが、一切微動だにせず聞き流していた。


「それじゃ、この事件はなんなの!? ヒロさんが黒幕じゃないの!?」
まちこが大きな声をあげると、モミーは首を縦に振る。
「違います。あくまでもヒロさんはJONYさんを守る人間です。あの女といわれ、嫌われようとも、ヒロさんの義理の息子にはかわりありません」
「じゃあ誰が黒幕なのよ! 嘘の塊の、あの女!?」
指をさされたさっちゃんは驚きのあまりに首をブンブンと、取れそうなほど横に振る。
「ち、ちがいます! 私は……!」

「違います。さっちゃんでもない」
「JONYの味方なのは間違いないでしょうね。大方、山口たち二人の手先か、はたまた公安か捜査二課か……予想はつくわ」


なるほど。私にもわかった。
山口たちの手下ならば政治家の私兵だし、捜査二課なら知的事件捜査班だったはずだ。そして公安ならば事件を未然に防ぐ組織。
きっと彼女は善良な人間なのだろう。しかし、世の中には家族にすら仕事を隠さなければならない組織がある。だからこそ、下手くそな嘘を塗り固め、ボロが出てもさらに嘘で隠す。
それが家族や知り合いを守る、最大の策だから。

「では、黒幕とは? この中にいないのですか?」
SHIMOYAMADA!!!! の言葉をヒロは否定する。
「それが誰だかわからなかった。今日の参加者の中にいるはずなのに……敵はいるのに誰かわからない、だからこんな回りくどいことをしたの」
「では、それが今は誰かわかったんですね?」
ゆうが話す。それにモミーは頷く。
「はい。その黒幕こそ……」

そしてモミーは私に指をさす。

「黒幕は、あなたですね!」
すみません、2014年を少しオーバーするかもしれません。
頑張って書いてますので、しばしお待ちを。(自分の文量が多くて不満が出ないか心配です)


あと当たり前ながらこの作品はフィクションであり、現実の人物、場所なども含めて一切関係ありません。
最終回 KIYONOにて 続き

モミーに指をさされた私に、皆の視線が集まった。確かにこの少人数でもこんな状況で見られると、ドキリとするものがある。

皆の顔をじっと見てみると、目を丸くする者、顔色一つ変えない者に別れた。もしかしたら、私が黒幕というのは簡単によめるものだったのかもしれない。
さて、無能な黒幕様の登場としよう。


「何か申し開きはありますか? ゆうさん」
モミーの言葉に私=ゆうはゆっくりと腰を上げるが、モミーが手で座るように促した。KIYONOの出入り口を塞ぐようにヒロが移動をした。元よりKIYONOの一番奥に座ってしまったのだ、逃げるつもりはない。
「……モミーさん、一杯もらえるかな?」
ワイングラスを傾けるが、動く気配はない。残念。


「黒幕、といっても何をしたの?」
フジ子の問いにヒロが答える。
「何も。何もしてないわ。だから私たちが発見しづらかった」
「じゃあ何が悪いの?」
さっちゃんと目配せをした後、ヒロは答える。
「別に犯罪を犯さなくても、マークしなければならない組織や人物はたくさんいる。たとえば暴力団や過激宗教組織、そして……思想犯とかね」

「思想犯ね」
私は答えた。
「全くもってくだらないよ。君たちやJONYさんだって大概だし、私とあなた方の終着点は同じだ」
「経過が180度違う」
空気が険悪になってさてしまった。さて、どうするべきかな、と足りない脳みそで考えてみる。


「ちょっと待って! 説明を頂戴!」
フジ子が言った。
「つまり、JONYを狙っていたのはこのゆう君よ。私達はゆうからJONYを守るために、こうして動いていた」
「……なるほど」
SHIMOYAMADA!!!!が頷く。
「これで少しは合点がいきました」
そういって立ち上がると、ベーコンの肖像の前に立つ。


「ゆうさん、あなたはトレンディやJONYさん達が催眠を使ってくることを知っていた。だからこそ、あなたはあれだけ食にこだわったのですね?」
「食?」
「はい。モミーさん、催眠というのは音や視覚、雰囲気によって形成されるものです。つまり、五感を使う。聴覚や視覚にて操られたなら、他の五感を使うことで催眠は解かれやすくなる」


ちょっとだけ、私が補足しよう。
人によって五感にも得手、不得手がある。耳がいい、鼻がいいとあるようなものだ。耳が良ければ音の催眠がききやすい。
私の場合は舌、つまり味覚だ。だから私は味覚、食に拘った。物を食べれば感覚が更新され、催眠もとけやすい。
さらにいえば、フジ子が私を叩いたのも失敗だった。あれでは痛覚という強烈な刺激が加わるから、催眠が解かれやすい。


「じゃあちょっと待って! 黒幕らしいことは……」
そう、まちこさん。私はトレンディやエディに乗せられて、催眠にかかってしまった。だから黒幕らしいことは何もできていない。


この物語における黒幕は、とんだ無能だったということだ。


「じゃあ、ゆうくん、あなたの目的って?」
フジ子の言葉にどうやって答えようかと思案していると、扉のベルがなる。皆、そちらに振り返る。

「ここから先は僕も入っていいかな?」

JONYさんとトレンディが帰ってきた。
最終回 KIYONO

ここから先は、私とJONYが延々と話し合った結果だ。

テーマは「愛」
実に読書会向きではないか。反吐が出る。


元々の出発点も、ゴールも同じだった。

これからの日本を考えよう。
少子化や結婚できない若者を考えた時の話。
私もJONYも今のままでいいわけはないと主張した。子供を産むか産まないかは個人の自由としても、望むのに結婚できない現状はおかしい、改善しなければならない。
ここまでは一致したのだ。


「そこまでは普通のお話じゃない。なんでぶつかり合うの?」
フジ子の言葉にさっちゃんも、モミーも頷く。きっと彼女たちはJONYを守らなくてはいけないと聞いていても、理由までは知らないのだろう。


JONYの主張
恋愛というのは自由である。だからこそ、今ある恋愛に関する法律を一蹴し、多夫多妻制や近親婚、同性婚も認めるべきだ。
そうすれば今よりも子供は生まれやすく、家族の形も変わり、例えば三人の父に三人の母の子供ができ、三人の父と二人の母が稼ぎ、一人の母が家のことを見ることもできる。
新自由恋愛主義。
その第一歩目が、JONYレポートの提出だ。


「また、極端ですね」
「でもね、シモちゃん。フランスは似たようなことをして出生率も上がっている。そもそも恋愛を政府が規制するのはおかしいと思わないかい?」
「JONYさんらしいとは思います」
もちろん、その主張の大元にあるのは義母であるヒロと結ばれなかったことが影響していることもあるだろう。

例えが悪いだろうが、ヒトラーが母を乳がんで亡くしたから、国をあげてガンを撲滅しようと
したように。
その時の医師がユダヤ人だったから、ユダヤを虐殺したように。


一方、ゆうの主張。
愛というのは誰にでも与えられた権利である。
愛すること、愛されること、そこに差別はない。
しかし、人間は平等ではない。足の速い者、容姿に優れた者、親が金持ちの者。
人間は皆、違っている。
だからこそ競い、奪い合い、弱者が産まれる。

我々は愛を管理し、無くし、国民全員が愛無しに結ばれる社会を作るべきである。
ある程度の年齢になったら強制的に結婚させる。男と女が一つ屋根の下にいたら、やることは一つ。
これならば男女ともにあぶれることなく、家庭を持ち、恋愛に割いたエネルギーを他に使える。
恋愛共産主義だ。


「……まったく、もてない男の僻みね。おぞましさしかない」
フジ子の言葉にゆうは笑って返す。
「弱者救済というのはそういうものです。金がなければ金持ちから集め、税金で国が面倒をみる、何が違いますか?」


「ゆうくん、この世から恋愛が無くなれば、幸福はなくなる。恋愛を自由化した社会というのは、最大多数の最大幸福社会になるんだよ」


「JONYさん、この世から恋愛が無くなれば、不幸の八割はなくせるでしょう。恋愛がない社会というのは、最小不幸社会になります」


「愛がなくなれば結婚もないだろう」とSHIMOYAMADA!!!!
「愛がなくても情はあります。付き合いがあれば自然と情は湧く。ましてや、何百年も前には愛なんて、LOVEなんて価値観はなかった。私に言わせれば皆、愛に縛られすぎなんですよ」


「さっちゃん、トレンディ。君たちはわかるはずだ。愛ゆえに悩み、嫉妬し、傷ついたのだろう?」
その言葉に二人とも黙り込んでしまった。
いや、否定していた面々の中にも、数人は心当たりがあるのか、うつむいてしまう。


この間のやりとりは喧々諤々の大激論だった。
私の手記だから簡単に書いたが、やりとりは数時間続き、まるで掴みかからん勢いだった。
だが一様に私の意見は否定されたように思う。残念ながら、現状の日本では仕方あるまい。いつだって、異なる価値観には人間は過敏に反応する。与えられた価値観、常識には簡単に抗えない。

だが、私の行動が百年かけて、世界を変える可能性はある。例えどんな馬鹿げた話であろうとも、千里の道も一歩から。


『君の正義はどちらにある?』
そんな議論に飽きたフジ子が大きなあくびをした時、思い出したようにモミーが言葉をあげた。
「そういえば、五千万の行方は? ゆうさんが持ち逃げしたんでしょ?」
そう私に声をかけられても、私にはどうしようもない。なにせ、その持ち主は別にいるのだたら。
「ねえ、フジ子さん?」
そう言い終える前に急いで帰り支度を終えたフジ子は、脇目もふらずにとびらを開けて出て行く。その様子で金を持ち出した張本人がわかったのだろう、慌ててトレンディも後を追った。
そして二人が出て行ったどさくさに紛れて、まちこもいつの間にか外に出て行っていた。
逃げ足の早い。

別に私にはどうでもいいが、おそらく出処が税金であろうトレンディや、さっちゃんみたいなお役人には重大な事案だろう。その慌てぶりにくくく、と笑いを殺しきれなかった。


「さて、ゆうさん」
そそくさと逃げようとしていた私を、さっちゃんは目ざとく捕まえる。さすがに逃げ切れんか。
「これからあなたには関係省庁で、ちょっとした取り調べをうけてもらいます。あなたの後ろに誰がいるのか、それをはっきりさせないと」
「ゆうくん、君が用意していた逃げ道、ブロンソンホールももう潰したよ。映画の『大脱走』のように抜け道はいくつか用意していたようだが、それももうない。観念してくれるね?」
ふう、とため息を一つこぼす。どうやら私一人が黒幕となり、悪者らしい。モミーも私のことを睨みつけている。
両手をあげて、観念する。
「残念ながら、私にはもうどうすることもできない。2014年も終わり、JONYレポートは回ってしまった。今回は私の完敗だよ、でもね」
一同を睨みつける。
「正義は歴史が証明する」

そして私がダーツ盤を強く叩くと、後ろの壁はくるりと回転し、私は外に飛び出した。そしてスクーターに飛び乗った時、表から飛び出してきたモミー達と目が合った。
「諸君、また会おう!」


今回の悪事がノーヘル運転と、ほとんど酒が抜けかかった中での飲酒運転だから、なんともカッコ悪い黒幕だ。


これで私の手記は終わりにする。
2014の物語も、殆ど大団円を迎えたのではないだろうか?

彼を除いて。



『やあ、ゆうくん。黒幕はいかがだったかな?』
「エディさんですか。トランシーバーなんて人のスクーターに置かないでください」
『ははは、どうだい、今回は?』
「最悪ですね。あなたも書いたとおり、私はクリスマスと恋愛物語が大嫌いなんですよ,しかもあなた、催眠の台本に黒幕だってかいちゃってるし!」
『そうかい、いい話なっただろう?』
「あなたは私を捕まえなくていいんですか?」
『構わないよ。それはさっちゃん辺りに任せるさ』
「あの部屋にあったあなたの書いた最終話で、これはゆうの成長物語だと書いてましたが、本気で私が成長するとでも?」
『人生、死ぬまで未完成、成長中さ! それより、フジ子さんってのは何者だい! 僕のト書きに反応したよ!』
「ただのすごい女性ですよ! 男には制御できない、ただの、普通の、すごい女性!」
ゆうが逃げた後再び店内に戻ると、JONYはいつもの通り座りながらヒロと話していたし、SHIMOYAMADA!!!!はビールの瓶をたくさんあけていた。

さっちゃんと二人して席に座る。どうやら、JONYとヒロにはゆうを捕まえる気は毛頭ないようだった。
一体、今回の事件はなんだったのだろうか?
トレンディにヒロの正体を教えられて、黒幕探しに乗り出したのは京から戻った直後だった。
そこから物語を即興で作り出し、ヒロがあの女だと推理し、そして黒幕がゆうだとカマをかけた。
あのカマかけはハッタリでしかないし、よく上手く行ったと思う。あれでゆうがとぼけたり否定したら、その後は場がもたなかった。


「これからどうなさるんですか?」
隣でぐでっと倒れかかるさっちゃんに尋ねると、指でグラスの淵を撫でながら答えた。
「そうですね……とりあえずは報告して、それから……どうしましょうか?」
トロンととろけた視線が何とも男を誘う。多分、さっちゃんは無自覚にして天然でこれなのだろう。そうわかるからこそ、その分たちが悪い。
「……あの人の作品も売り込まなければいけないしなぁ……」
あの人? とモミーが問いただそうとした時、扉が開く。

「……なんだ、さゆみいたのか」
「大谷さん……」
大谷の姿を見た瞬間に、さっちゃんの顔がさらりと変わった。子供が待っている、と言って、さっと二人して外に出て行ってしまう。

「それでは私も……」
SHIMOYAMADA!!!!もコップを片付けると、そそくさとでていってしまう。帰り際のふった左手の、薬指の指輪がキラリと光る。


そしてヒロはモミーの隣に立つと、その肩に手を置いた。
「ごめんね、モミーちゃん。好きって言ってくれたことは嬉しかったけど、さすがに今日は旦那のところに帰るわ」
そしてJONYにバイバイと明るく手を振ると、外に出て行ってしまった。


KIYONOに残されたのは、JONYとモミーの二人だけだった。もしも今、ゆうがやってきて愛に対する否定意見を言われたら、一も二もなく頷いてしまうかもしれない。
そんな哀れなモミーにJONYは何も言わない。


「あの、読書会ってここですか?」
突然開けられた扉から入ってきた人から発せらた、高く美しい声。そのソプラノボイスに導かれて顔を上げたモミーに待っていたのは……


春遠からず、なのだろうか?
その答えは、みなさんに委ねます。


2014 執筆終了
これにて『2014』を終了にします。
皆様色々な感想やご意見があると思います。

ここまで読んでいただいた方
書いていただいた方
応援していただいた方
また、それ以外の方もありがとうございました。

2015年、皆様がご健勝であることを願いまして、この作品を締めたいと思います。

(そういえばJONYさん、エピローグを書かれるのかな?)
『2014 』  エピローグ

「あの、読書会ってここですか?」
CafeBarKIYONOの重たいガラスのドアが開いた。

入口の脇のテーブルの席で、「もう恋なんてするものか」とつぶやきながら
ひたすら、Vodka & Tonicを うつむき加減ですすっていた モミーの視界に、
ドアから入ってきた、ヒロによく似た美しい少女の笑顔が、突然飛び込んできた。
傷心のモミーにとってその姿は、焼き尽くされた戦火の廃墟に舞い降りた天使のように映った。
沈痛に落ち込んで生気を失っていたモミーの表情は、彼女を見ると一転して、驚きと喜びと緊張に強張り、
「え?は、はい。っていうか・・・」
しどろもどろに答えるモミーの額には大量の汗が噴き出し、頬はにわかにバラ色に染まった。

カウンターの椅子で、文庫本をめくっていたJONYが、助け舟をだす。
「そうだよ。でも、今日は、いろいろあって、休みなんだよ」
モミーがあわてて口を挟む。
「で、でも、いつもは、毎日のように、読書会やっていますから。
ね、ね。そうですよね。JONYさん」
JONYは、少女のコートを脱がせて、コートハンガーにかけた。
「何か飲む?せっかくきてくれたんだから、
君さえよければ、3人で題名のない読書会でもしようか」
モミーが喜びを抑えきれないトーンで
「ええ?いいんすか?ジョニーさん?」
と大きな声をあげた。
JONYは、
「良いに決まってんだろ?
 ここは、『ゆるい』読書会なんだぜ」
と答えながら、アップテンポな曲にCDを替えた。

恋のはじまりを歌う軽いラブソングを聞きながら
モミーはこの自分の中の高揚感は、Vodka & Tonicのせいなのか、
それとも、まだ名も知らない美少女がもたらした自分の血液中の恋愛物質のせいなのか
と意味もないことを考えていた。
3人でテーブルを囲み、グラスを合わせる。
「カンパーイ」
人が変わったように饒舌になったモミーの話し声と笑い声の響く店の外では
いつのまにか粉雪が舞い降りていた。

- 完 -
-----『2014』を終わって----
二年前に『2012』という連作物語をこの半蔵門でゆるい読書会のトピックでやったときと比べると、この『2014』は、躍動感が格段に優れたものになったと思う。この『2014』は私とは無関係に、ゆう君という一人の熱意ある会員の発意でスタートし、完結したものだ。それは、この読書会が、私のひとつの趣味では、もはやなくなったことを端的に示している。
思えば、2012から、わずか2年だが、その間に私自身随分と変わった。
中年になってから本業のほかに水商売を始めたときは、いつまで続くか分からない遊びのつもりだった。
読書会というものを自分の店でやりだしてから、私は、そこでの人との出会いで、それまでの全人生で受けた影響(別の言葉で言えば私の変化)よりも、大きな影響を受け、生き方も変化した。
BARという出会いの場が自分の気分転換にでもなればという気持ちで始めたものが、今はこの小さな店での出会いの大きさに、運命のようなものを感じている。
潔さと儚さに美を感じる性向を持った者が店主をしているこの店の寿命が今まで続いたことが奇跡に近いが、この店の与えてくれる運命が自分をどこへ押し流してくれるものか、自分のことながら興味深くてならない。
2015 元旦

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