ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

Bar RainMakerコミュのスーパー女神転生大戦叙事詩群

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 N県M市の噂に曰く、BAR『RAINMAKER』には不思議な書架があるという。その一画を占めるのは、出版社はおろか著者さえ定かでない身近で縁遠い物語の数々。
 極めて不定期に頁数や冊数がいつの間にか増加しているその物語集に、いつしか常連客は興味と恐怖を以て名付けた。

 人呼んで『スーパー女神転生大戦叙事詩群』と。





 このトピックは、本コミュニティの起源である『女神転生TRPG魔都東京200X』のキャンペーン『スーパー女神転生大戦』を題材として、コミュニティ参加者により綴られる小説を掲載するトピックです。

 注意点は一つ。
 他人のPCを作品内で扱う際には、担当プレイヤーの意向に沿わない扱いを避けること。NPCの扱いについては、きっとGMである『RAIN MAKER』のマスターが寛大に受け入れて下さることでしょう。
 しかし、酷いベクトルには受け入れたのち酷い合気が返ってくると思います。そして、愉快なベクトルにはきっと愉快な合気が。

 要するに、セッションの延長にある配慮。





 シェアードワールドなSSが、その日も本棚を埋めてゆく。

コメント(8)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

夕暮れのN市駅。
人々が集まる様を見ながら、草薙刀麻は静かに紫煙を燻らせる。
曇り空が仄かに赤く染まった空を見上げてため息と共に煙を吐き出す。
“コチラ側”と“アチラ側”を比べるだけの何の意味も無い時間を過ごすのは、どうにも好きになれない。
それでも無意識比べてしまうのは……彼にとって癖になってしまった事だ。
「あんまり心が乱れると悪魔が寄って来るよ?」
心配そうな少女の声が聞こえる。目線だけを横に動かせば、異能者以外には見えぬ様に実体化した相棒の小妖精(ピクシー)が肩に座って人々を見ていた。
「わぁってるよ」
煙草を咥えたままで、刀麻が統一言語で答える。バベルの塔が建設される以前、今はもう誰も覚えていない云わば悪魔言語とも言うべきそれは、傍目から見れば声を発せずに行うテレパシーに近い。
刀麻の声は酷く平坦だ。怒っているとも悲しんでいる共取れる。そういう時は大抵爆発しそうになる感情を無理やり押さえ込んでいる。
長く一緒に居るからこそ解る。解るからこそピクシーは内心ため息をつく。
“アチラ側”には彼の学生時代の想い人が居る。同じ世界に居ればもう一度出会い、告白も出来るだろうに。
ピクシーにとっては複雑だが、彼が選んだ人とは仲良くしたいと思っている。無論、彼の一番で居たいとは思うが。小さいく弱い悪魔だとしても彼女は確かに女なのだ。
だが刀麻の想いは二度と叶う事は無い。混沌の王足る資質を持つ人修羅と言えど、単独で世界を飛び越えるにはまだ力が足りない。
(どうしようも無いじゃない。私は妖精なんだし、魔王とは違うし……今は武器に宿ってるだけだもの)
彼の想いは叶えてやりたい。しかし自分ではどうしようもない。合体を繰り返した所でそんな力は身に付くとは思っていない。
出来るとしたら度々刀麻にちょっかいを出し、“コチラ側”につれてきた張本人のルイ・サイファーくらいか。彼の思惑はいつもながら解らない。
そんな悩みを刀麻の肩の上で思考していると、ピクシーのすぐ上でギリリと言う不快な音が響いた。
慌てて顔を上げれば、男の顔は歪んでいた。泣きそうになるのを必死に堪えた顔で彼は俯いていた。
煙草の燃えた灰が地面に落ちる。通り過ぎた人影に、ピクシーは異能者特有の気配を感じで振り返った。
「……あ」
通り過ぎたのは二人の男女。
男の後ろ姿は彼女の主である人修羅、草薙刀麻に良く似ていて。
女は引き締まった怜悧な美しさに親愛以上の親しみを込めて男に笑顔を向けて居た。
「“コチラ側”の……か」
俯いたまま、刀麻が呟く。その声は苦い物が多分に含まれていて……
「行くぞ」
煙草を行政が設置した灰皿に放り込み、表情を消して歩き出す。
唖然としていたピクシーはそれで意識を戻した。うん、と小さく頷き、肩から降りて小さな羽で空を舞う。
無言で、アジトまで進む。お互い、かける言葉が見当たらない。
辛うじて良いの? とだけピクシーが呟き、良いんだよとだけ刀麻が呟く。
それだけだ。それだけを残して、辺りは進み続けた。
夕暮れの時は終わり、もうすぐ悪魔が動き出す時間が始まろうとしていた。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ピクシーは人修羅の嫁だろ、常識的に考えて。
以下はおまけ。
多大なキャラ崩壊が含まれるので注意。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

刀麻「で、ルの字。何のつもりだ? ん?」
ルの字「面白そうだからついやっちゃったZE☆」
二次元女体化してやったー:薙刀麻を二次元女体化!『服はボンテージで、ノーマルな目で紫髪のセミロングのサイドポニーで雪女で女王様な感じ』のようだ
ピクシー「に、似合う、よ刀麻……ぷふっ」
アリス「あははは!似合う似合うー」
刀麻「似合うと言いつつ笑い堪えないでくんねぇかな女性陣!?」
ルの字「気に入ってくれた様で何より。しばらくは此の侭で過ごしたまえ(キリッ」
刀麻「うるせぇ!?元に戻せゴラァ!!」
ルの字がブフダインで凍ってオチ。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
スコールのような雨の止まぬ晩。

「雨……ゲコか」
「うん……どうしたの?」
頭上からサモナーの声がする。
我がサモナーは我々の出会いを覚えているだろうか。


そう、あの日もこんなどしゃ降りの日だった。当時ピクシーであった我は雨乞いをしていた名も知らぬ悪魔にちょっかいを出して、うさを晴らそうとしていた。
そして、返り討ちにあい、命からがら逃げおおせた。
しかし天候は雨。
羽のある我はもとより長い距離は飛べぬ。
(まあ、だからうさがたまっていたのだが……)
それが攻撃を受けて余計に遠くまでは逃げられず道に墜落してしまった。
このまま体温を雨に奪われ我は死んでしまうものと思っていた。
しかし、雨は止んだ。
空を見やると、空は黒かった。
そして人間の少女の顔がアップで目に飛び込んできた。
我が見えてはいるもののピクシーであると認識できないのか、しきりに首をかしげている。
無理もあるまい、と今は思うのだが、その時はいかにせんピクシー。
「何……見てるのよ……助けないなら……どっか行ってよ」
強気にしか話せないのは我ながら悲しいところではあった。
この少女がいなくなったら、死ぬやも知れぬのに。
「…………」
少女はほんの数秒考えをめぐらせていたようだったが、羽を摘むと我を抱きかかえそのまま走り始めた。
先ほど黒いと思った空は彼女の傘の色であったことに気がついたのはこの時であった。
そして我は彼女の暖かさに意識を手放した。


雨の日は決まってあの出来事を思い出す。
「どうしたの?なんかいいことでもあった?顔がにやけてるよ」
「雨だからじゃないゲコか?」
「アズミになって雨大丈夫になったもんね」
「そうゲコね。……サモナー」
「なーに?」
「この先……いや、何でもないゲコ」
我がどんな姿になっても一緒にいるのか問うてみたかった。
しかし、それは彼女を縛ることになるかもしれない。
我は仲魔(パートナー)。サモナーの力になれないのなら、存在する価値すらない。
そうならぬように努力はするが、未来のことはそれこそ神にしか分からぬ。
だから、口をつぐんだ。
「この先、なーに?」
「なんでもないゲコよ」
「むー」
「早く寝るゲコ。明日も早いんだゲコ?」
「あっ、そうだった。明日日直なんだよね。おやすみ、アズミン」

その寝顔は少しあどけなさが残る少女のものだった。
しかし、彼女は我のせいで特殊な世界に足を踏み入れ始めている。
それが良いことなのか、悪いことなのかは分からない。
だが、我はこのサモナーの仲魔(パートナー)なのだ。命に代えても守り抜くだけだ。

 地面から伸びた1m程度の極細い鉄の棒が音を立てて切断された。
 一撃で5本。横一列に並んだそれは、滑らかな切断面を晒して地面に落ちる。
 魔剣ムラマサ。
 覚醒したての異能者が直視すれば発汗し、握れば適性が無ければ発狂しても可笑しくは無い文字通りの魔剣。
 妖刀として名高い三代村正に邪神の力が宿った危険極まる一品である。

「……はぁ」

 ため息を一つ、魔剣の担い手が残心を解いて切っ先を下げた。

「まだまだ、全盛期にゃ足りないか」

 呟きが廃工場の、恐らく搬入用の車庫だったであろう場所に響いて消える。
 同居人や年下の仲間達が居ない事を確認した上での呟きである。
 居るのは事情を知る古い仲魔か、先日倒した同属の先輩。さもなければ金髪の道楽者くらいだ。
 余計な追求は避けたい。

「斬るってのは、俺の属性なんだが」

 その名前の通り、男の本質は刀であり日本神話に謡われる神の剣である。
 前の世界ではその刃は形無き風であり、己の命を削りだした結晶の刃だった。
 だが今はどうだ。
 今ではそよ風一つ巻き起こす事はできず、結晶の刃は短剣程度の短さでしかない。

「剣士としての俺ぁ、後輩のあいつ以下何だがなぁ」

 愚痴に良く似た呟きが続く。
 手首が翻り、男の左手の中に魔剣が潜り込む。
 出血は無い。
 男の身体の中には一種の異界が存在している。
 三つまでと言う限定はあるが、その中に入り込んだ武具は男の身体と同化し外部から発見される事も奪われる心配も無い。

 後輩、と言うのは共にボルテクス界を駆け抜けた剣士の事だ。
 彼は正しく剣と共に己を成長させる者であった。
 その一撃は己の作り出す風の刃を凌ぐ。思えば世界の卵を叩き割った一撃は人修羅である二人の男でも、共に戦った悪魔達でも無いただの人間である彼が放った何の変哲も無い真っ向唐竹割りだ。
 今の己は、その彼の剣技を模倣しているに過ぎない。

「……足りねぇな」

 力が足りない。技が足りない。
 唯一足りているのは知識と心構え。
 いや、外から見れば心構えと言うのも足りないのかも知れない。
 だがそれでも、宿敵からの宣戦布告を受けた今は突き進む以外に道は無い。

「漠たる死に安らぎはなし
 曲折の果てに其は訪れん
 人に非ずとも、悪魔に非ずとも
 我が意志の赴くまま……せいぜい、足掻きますか」

 ぼろぼろになったコートを羽織り、男は外へと歩き出す。
 愛しき世界に乾杯を。
 その為には酒が必要なのだ。

=======================================
裏話
刀麻の剣の技はTRPG版真3での仲間の人間の剣士の模倣でしかない、と言う話。
後は型月チックに魔術師としての名前に秘められた属性を絡めて見た。
元々刀麻はマガタマヒフミで覚える竜巻(威力修正60だったんだよ)に衝撃高揚を乗っけたダメージディーラーとして設計した魔法型人修羅だった訳で。
そんなのが物理型になったら、身近に居た剣士の技模倣するしか無いよね。
真3終盤では死亡遊戯(ゲーム版のモーションだとすっごい居合い抜き)も覚えたからそこだけは得意。
そんな訳で、彼が『オリジナル』の技を繰り出すのは今後の話だよ、って事で。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

Bar RainMaker 更新情報

Bar RainMakerのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング