公開前の映画情報コミュのバンク・ジョブ

「バンクジョブ」　The Bank Job
　　08年11月22日、シネマライズにて公開
　　08年イギリス　　ムービーアイ配給
　　上映時間：110分　　日本語字幕：松浦美奈
　　監督：ロジャー・ドナルドソン
　　出演：ジェイソン・ステイサム、サフロン・バロウズ、スティーブン・キャンベル・ムーア
　　　　　ダニエル・メイズ、ジェームズ・フォークナー、アルキ・デヴィッド
　　　　　マイケル・ジブソン、リチャード・リンターン、ピーター・ボウルズ
　　　　　ドン・ギャラガー、ピーター・デ・ジャージー、デヴィッド・スーシェ
　　http://www.bankjob.jp/

70年代に英国で起きた銀行強盗を題材に、その裏にとんでもないスキャンダルが隠されていた……という「想定」を描いたクライムサスペンスです。関係者に綿密な取材を行い、若干の脚色を加えたといい、宣伝文句では「９割は事実」とうたっております。監督は「13デイズ」「リクルート」「史上最速のインディアン」など。

＜あらすじ＞
イースト・ロンドンで中古車ディーラーを経営するテリーは、知り合いの女性マルティーヌから銀行強盗の話を持ちかけられる。「一生に一度のチャンス」と説得され、計画実行を決意する。テリーは総勢7人の実行メンバーを集め、地下トンネルを掘り金庫への侵入に成功する。しかし、その盗んだ貸金庫の中には、犯罪組織はもちろん、イギリス政府や警察、王室までもが関係する秘密が預けられていたのだ…。
（「goo映画」より引用）

小気味いい佳作。派手なドンパチやカーアクションは抑え目で、あくまで犯罪の裏に隠された秘密や策略、謀略の面白さで魅せる、ある意味「ストイック」なクライム・サスペンスです。少ない予算の中でいかに面白く見せるか、工夫を凝らした跡がアリアリです。

被害総額４００万ポンド以上の英国史上名高い銀行強盗、新聞やＴＶが散々大騒ぎしたのに、わずか３日で報道がピタッと消えてしまった裏には……。どこまで真実でどこからフィクションかわからず、想像を掻き立てられます。すべて本当だったら、そりゃスゴイだろうなぁ。

それにしても、英国は王室に関してタブーというものがないんだなぁ。「クイーン」の時も思ったけど、状況証拠から推測を交えて描いても許されるというか……。日本の皇室だって、その手のネタは事欠かないでしょうからに。

国家権力を相手に、素人がたった１枚手にした?ジョーカー?を武器に立ち回る小気味よさ。車などの小道具も、当時の雰囲気を醸し出しています。

ジェイソン・ステイサムは、これまでと違う、つい悪事に手を染めてしまった小市民役。けど、やっぱり彼の色は変わっていませんでした。

彼以外にあまり有名な役者は出ていない地味な作品ですが、クライム映画好きなら堪能できるハズです。

私的採点：4.0点（5点満点）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　9月19日、映画美学校第2試写室