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公開前の映画情報コミュのアウェイ・フロム・ハー 君を想う

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「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」 Away From Her
  08年5月31日、銀座テアトルシネマほか公開
  06年カナダ  ヘキサゴン・ピクチャーズ配給
  上映時間:110分  日本語字幕:古田由紀子
  監督:サラ・ポーリー
  出演:ジュリー・クリスティ、ゴードン・ピンセント、オリンピア・デュカキス
     マイケル・マーフィ、クリステン・トムソン、ウェンディ・クルーソン
  http://www.kimiomo.com/


「死ぬまでにしたい10のこと」の主演のサラ・ポーリーの長編初監督作品です。

結婚して44年になる大学教授をリタイアしたグラントと、その教え子だったフィオーナの夫婦。オンタリオ湖のほとりにある古い家で、自然保護地区を散歩したり、冬はクロススキーを楽しんだりして仲睦ましく暮らしていた。だが、そんな日々も長く続かなかった。フィオーナにアルツハイマー病の影が忍び寄ってきたのだ。フライパンを冷蔵庫にしまったり、徐々に不自然な行動が目立ち始めるフィオーナを、グラントは間違いを丁寧に正しながら温かく見守ってゆく。ところが、いつものクロススキーコースでフィオーナが迷子になり、遭難しそうになったことで、彼女は自ら介護施設に入る決意をする。グラントは「施設になじむために入所30日間は面会も連絡も禁止」というルールがあることで入所に反対するが、彼女の意思は固かった。30日後、面会に訪れたグラントを待っていたのは、夫のことを完全に忘れて、男性入所者に密かに想いを寄せる妻の姿だった−−。

これは、妻が認知症になった夫婦の切ない愛の物語であると同時に、夫の妻離れの物語です。

監督がサラ・ポーリー、老夫婦のアルツハイマーの物語というと「女性向きの内容かな」という第一印象を持つけど、いやはやどうして、夫視点で語られる、男性に見て欲しい作品でした。

老いてなおベッドで抱き合い、一緒に食事を作り、精神的にも強く結ばれた2人。大学教授を辞め、田舎の町でいつも2人で行動を共にする。そんな深く愛する妻(そういうシチュエーションが今の日本にどのくらいあるか、は別にして)が、徐々に自分を忘れてゆく。男はかつて妻を悲しませた過去があり(既婚男性なら誰でも身に覚えはあるはず)、今の状況は自分に与えられた罰ではないか、と考えてしまう。

それが後半の思いがけない夫の行動につながっていくんだけど、その気持ちはよくわかるし、納得もゆく。うん、もし自分がそんな状況になっても似たような行動をとると思う。まだ弱冠29歳の女性監督なのに、そこまで男心がわかって(!?)、お話が練られています。サラ・ポーリー、恐るべし。

女性がそういう男心を理解する、という観点から観ても悪くないと思います。

そういう切ない内容の割に、全体を包むトーンはジットリとはしていません。クスッと笑いを誘うシーンも散りばめられ、意外とカラッとしています。お涙頂戴の展開になっていないところが気に入りました。

主演女優として本作でゴールデン・グローブ賞を受賞し、オスカーにもノミネートされたジュディ・クリスティ(67歳!)。充実した夫婦生活を送る妻の可愛さと、そんな女性が徐々に衰えてゆく様子を愛おしく、そして悲しく熱演しています。


私的採点:4.0点(5点満点)


                  3月4日 京橋テアトル試写室

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