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銀の旋律 〜 アミット・ロイコミュのレビュー2007.7.22 @新宿Pit Inn

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先週のピットインライブのレビュー、日記から転載します。


 ◆2007.7.22 Amit Roy Sitar Live @新宿ピットイン

  1.Rag Chandrakauns-Pancham:
       alap, jod, gat in Jhaptal, drut tintal
  2.Rag Ahiri:alap, jod, gat in rupaktal, drut ektal

    Amit Roy (sitar), 久本政則 (tabla)
    菅井国夫・水田徳隆 (tanbura)




この日はステージ設営スタッフとして入っていたので、リハからしっかり聴くことができた。
バッチューダ、実は本番ではリハとまったく違うラーガやることも多い。5月の杉並公会堂の時なんて、リハではカマージ弾いてたのに、本番ではなんとコウンス系のラーガだったし。
でも今回は、あ、これやるつもりだってすぐわかった。
その銀の旋律2007@杉並公会堂の本番で演奏したEk Prakar ki Kauns の、今回はChandrakauns版。

はたして本番。
舞台にあがって、タンブーラはMdS'S'S、そしてgPS'S'S。
かなりの変則チューンだ。通常タンブーラでPaとMaを一緒に使うことはあまりない。それはグラーマの問題で、幾つかの音の音程がそれによって変わってきてしまうから。ただしシタールの場合はチカリがあるので、PaとMaの主従関係はチカリの調弦によってはっきりする。チカリはMaだ。そしてタラフは、、、チャンドラコウンス+Pa。ここで、このラーガの音階構造がはっきりする。

しかし今回もまたオリジナルのラーガとは。
基本はチャンドラコウンスで、Paを巡る特徴的な動きはPdP-gSg-。
いつもいつも "Ek Prakar ki Kauns" では芸がないので、それにそのままでは区別もつかないし、今回は「Chandrakauns-Pancham」と呼んでみる。って、それも安直なネーミングだけど。

一部が終わって、さっそく楽屋に話を聞きにいく。
この旋律には元歌があって、「Gham Ka Khazana」というフィルムソングなのだそうだ。今回のは、それのChandrakauns version。
帰ってさっそく調べてみる。あったあった。youtubeだ。
どれどれ。

………えっ?

これHamsadhwaniやん!全然ちゃうやん〜!
だがしかし、歌の旋律そのものはまったく同じ。
こ、これは、、予想してなかった。そうきたか。

Gham ka Khazana のメロディは、こう。
GS- G- P S--- N---, SN- P- G P--- G---

聴いた感じは、たしかに、こう。
けれど、GaをSaと考えれば、こうなる。
Sd- S- g d--- P---, dP- g- S g--- S---

なるほど、そうか!
しかし、まだここには、Maの影がない。
Maが現れてこないにもかかわらず、そこにMaの匂いを感じとってしまうのは、S g d P- という動きに、Rag Kaushiki の旋律を感じて gM--- と頭の中でMaを補完してしまうせいだろうか。
元歌を聴いて正直愕然とした。そんな遠いところから持ってきてたなんて。こんなに違ったものになるなんて。すごい。
ここでは、Rag HamsadhwaniのNiの切実な希求感が、Madhyamaのラーガに於けるPaの超然とした美しさにとって替わり、見事に昇華されている。
Rag Kaushiki からReを抜くという発想からは、こんな美しいラーガはできてこない。いつもはじめに歌がある。その歌の旋律をラーガに置き換える。ラーガの上で歌を歌う。
まさに錬金術を見る想いだった。


後半第2部。
1台目のタンブーラは、MDS'S'S。そして2台目は、、Dr’S'S'S!
これはもう決まりだ!あれしかない! そう、Rag Ahiri!
このAhiriの美しいこと。自在。もうたまらなくなって、ついつい隣りに座っていた明君の太腿をひっかいてしまったくらい。ああ。
たまりません。
なんて芳醇な香り。奇跡的な歳月の積み重ねだけが生み出すことのできる、希有なる美しさ。それを目の当たりにできる至福。
ため息しか出ない。
この1%でもいいから、できるようになりたい。

演奏が終わって、音の最後の余韻が空中に掻き消え、割れんばかりの拍手の後、めずらしくアンコールの要求もない。
もう充分に満ち足りました。多分みんなも同じ思いだったんだと思う。





※写真は5/27、銀の旋律2007の時のものです。
 photo by Akira Iou

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