月が綺麗な夜です。
真珠のような白い月が照らす丘の上に、ワタクシは立っていました。
月が綺麗な夜です。
朝霧草を籠いっぱいに詰めて、あの方に届くようにまじないをします。
月が綺麗な夜です。
ワタクシの秘めたる思いは、この月だけが知っているのです。
月が綺麗な夜です。
世界中の人々が、今夜は月を見上げているのでしょうか？
月が綺麗な夜です。
でも、月は、秘密をそのうちの誰にも話しませんよね。
月が綺麗な夜です。
全て受け止めて、その優しい光で守ってくれます。
月が綺麗な夜です。
あなたのようになりたいのです。
月が綺麗な夜です。
なんだか憧れてしまうのです。
月が綺麗な夜です。
「大切」を、ちゃんと守ることができる、あなたのことを。
月が綺麗な夜です。
虹のように気まぐれなのではなく、いつも「ここにいるよ」と優しく道しるべを示してくれる、あなたのことを。
月が綺麗な夜です。
鮮やかではなくても、そっと包むことのできる、その包容力を。
月が綺麗な夜です。
いっぱい、見習うことはあるのです。
月が綺麗な夜です。
たゆたう雲の憂鬱が消え、澄み渡った夜空が見えます。
月が綺麗な夜です。
今もう一度、あなたを見つめます。
月が綺麗な夜です。
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p.179
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